活動報告国会活動

参議院本会議で安倍総理、麻生財相に質疑

タグ: , , ,


2013年3月25日 参議院本会議にて質疑いたしました。所得税法(国税)・TPP・衆議院議員選挙の改革等について、安倍総理大臣・麻生財務大臣を相手に質疑いたしました。最後に気持ちを込めた「いつやるの?いまでしょ!」には議場もわいていました。

議事録

○議長(平田健二君)

山田太郎君。
   〔山田太郎君登壇、拍手〕


○山田太郎君

おはようございます。みんなの党の山田太郎でございます。
私は、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案と関連事項につきまして、みんなの党を代表し、安倍総理及び関係閣僚に質問をさせていただきます。


みんなの党は、規制改革、税制改革を駆使した未来を切り開く経済成長戦略をアジェンダの中で国民の皆様にお示しをしております。本日は、そのアジェンダにも触れながら、税制に関する質問と幾つかの政策提言もさせていただこうと考えております。よろしくお願いします。


まず、所得税法等の一部を改正する法律案について、幾つかの質問と提言をさせていただきます。
 最初に、所得税、相続税の最高税率の引上げの考え方についてであります。


消費税創設以来、直接税に偏った我が国の税収構造を間接税にシフトしてきました。税の公平感を保ち、国民の皆様の働く意欲を損なうことなく必要な財源を確保していこうという直間比率の見直しという方向性が打ち出されてきたわけです。その過程で、所得税や相続税については累進構造の緩和が
図られてきたと承知しております。


しかし、今回の税制改正法案では、所得税、相続税の最高税率が引き上げられ、累進性が強化された形となっております。直間比率の見直しという従来の政策の方向性との間でどのような考え方の転換があったのでしょうか、総理にお伺いいたします。


また、今回の方向性としては、所得税や相続税の最高税率は今後も引き上げられていくような予感も持たざるを得ません。今後の方針について、財務大臣にお伺いいたします。


今回の相続税強化は、資産評価額の大きい都市部の住民には大変な影響を及ぼしかねないものと思います。改正法の施行に当たっては、どのような対応をなされるつもりなのか、財務大臣にお伺いいたします。


相続税につきましては、今回の改正で、贈与税と併せて事業承継税制の拡充といった措置も講じられております。中小企業経営者の事業承継円滑化に一定の効果が期待されるところであります。

私の地元、東京大田区などでは、従業員数五人以下の中小企業が数多く事業を営んでおり、それぞれがきらりと光る実績を上げている一方で、零細かつ高齢化のために、それぞれの企業が小ささゆえの問題を抱えております。


こうした中小企業の中には、生き残りを懸けて営業力、開発力を強化するために、企業同士が二十人から三十人の規模の企業に再編することを真剣に議論しております。しかし、これらの企業は、先代からの土地や設備を持ち、企業再編時には資産の移動が起きるため、時価評価されて多くの税金が掛かり、その税負担が重荷となって企業再編が進まないという事例もございます。


中小企業が強い企業によみがえるために、企業再編を円滑化し、併せて地域経済の活性化にもつなげていくため、今回の事業承継税制のスキームを中小企業複数社の合併の場合にも活用できるようにできないものなのでしょうか。納税猶予、税の軽減など、税制面から中小企業の再編を促す考えはないのか、財務大臣にお伺いいたします。


さらに、相続税、贈与税につきましては、農業の活性化にも活用できないかと考えております。

農業の活性化の大きなハードルとなっておりますのが、農地所有者の高齢化の一方で、農地の集約化が進まず、若い担い手が農業に参入してこないという現実でございます。農地の集約化や若い担い手の農業参入促進の観点から、相続税、贈与税を活用するお考えはありませんか。


また、農地等に係る相続税、贈与税の納税猶予制度にとどまらず、農地政策の大転換を図るため、相続税、贈与税を軽減又は廃止することはいかがでしょうか。財務省の試算によりますと、平成二十二年度の農地に係る相続税、贈与税の総額が一千百億円ですので、減反政策を続けるより少ない予算で大きな効果が期待できると思われます。


攻めの農業、強い農業の実現を提唱される総理、この農地に関する相続税、贈与税の軽減又は廃止について、総理のお考えをお伺いしたいと思います。


ここまで、所得課税、資産課税について幾つかの質問をさせていただきました。
では、次に、法人課税について一つお伺いをいたします。


今回の税制改正では、成長戦略を税制面からサポートする観点から、生産等設備投資促進税制を創設し、特別償却等の制度を実施する、あるいは、環境関連投資促進税制を拡充し、コージェネレーション設備を即時償却の対象資産に追加するなどのユニークな措置を講じたことは、国内における設備投資を促進することが期待でき、私も評価するところであります。


ただ、我が国の厳しい経済状況を考えますと、より大胆な更なる成長戦略を進めていくことが大切だと考えます。それには、政府が民間の設備投資や償却の在り方を決める現在のやり方、つまり霞が関の官僚が主導する護送船団方式の産業政策や税制からの脱却、これこそが何より重要な課題であると考えます。


官僚主導の税制から、民間の自由な投資活動を促進する税制に抜本的かつ大胆にモデルチェンジを図る。そのためには、法人課税に当たって、償却期間の設定は投資者の自由に任せる自由償却税制を導入すべきと考えますが、総理大臣のお考えを伺いたいと思っております。


さて、これまで所得税法の一部を改正する法律案について幾つかの質問と政策提言をさせていただきました。


次に、国税に関連する重要事項ということで、TPPについて幾つか伺わせていただこうと思っております。


みんなの党は、そのアジェンダで、TPP交渉に参加して攻めの開国をしようということをうたってまいりました。先日、安倍総理の交渉参加表明は、やっと分かっていただけたかと大いに安堵しているところでございます。


ただ、聖域なき関税撤廃を前提としないということが確認できたという総理の御見解には、まだよく理解できないところもございますので、幾つか確認をさせていただければと思っております。


まず、自民党公約や総理のお言葉にも度々登場いたします聖域、この聖域には何が含まれるのでしょうか。米、麦、牛肉、砂糖、乳製品の関税がこの聖域に含まれることは理解しておりますが、この米、麦、牛肉、砂糖、乳製品の関税のほか、聖域に含まれるものには一体何があるのか、総理、明確にお答えください。


また、米国は日本に対し、過去、年次改革要望書で、共済事業の金融庁検査の実施や、いろいろな法律にある独占禁止法適用除外規定の廃止を求めてきた経緯がございます。農協のJA共済に対する金融庁検査の実施や、農協の事業が独占禁止法の適用除外になっているという問題について、TPP交渉の中で改善を求めてくる場合もあろうかと思っております。


このJA共済や農協の独禁法適用除外の問題は聖域に入るのか否か、総理、明確にお答えください。
さらに、TPP交渉においては、アメリカに対して輸出する我が国の工業製品、例えば自動車の関税については、これを据え置くということでアメリカ側と内々に合意しているのではないかと指摘する向きもございます。聖域に属する品目の関税などを守るために米国の自動車の輸出関税を維持する取引などをされては、何のためにTPPに参加するのだか分からなくなってしまいます。


TPP交渉における自動車など工業製品の関税について、我が国の方針について、総理、明確にお答えください。


さて、最後に、今回の税制改正の先に待っております来年四月からの消費税増税、その前に国民の国会議員に対する信任を得るためにやるべき改革である衆議院選挙制度の改革について伺います。

衆議院選挙制度の法案は、いつまでに国会に提出されるおつもりなのでしょうか。自民党総裁としてのお立場も踏まえて、はっきりとお答えください。


今、各地の高等裁判所で、現在の衆議院選挙制度が我が国憲法に違反するとの判決が次々と出ております。最高裁判決が出される前に、立法府の良識としてこの問題を解決した方がよいと思われませんでしょうか。


最後に、日本の内外には多くの山積した問題があり、解決を図らなければなりません。

いつやるの。今でしょう。


安倍総理の御決断と、官僚の作りました安全運転の答弁ではない心のこもった御自身の発言をいただけるものと期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。

みんなの党、山田太郎でございました。ありがとうございます。(拍手)

〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕


○内閣総理大臣(安倍晋三君)

山田太郎議員にお答えをいたします。

今回の税制改正における所得税、相続税の見直しの考え方についてお尋ねがありました。

税制は、経済社会の変化に応じて税制全体を通じた見直しを行うことが必要であり、従来より、この基本的考え方に立って税制改正を行ってきました。


昨年成立をした税制抜本改革法では、直間比率の見直しといった観点ではなく、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点からの消費税率の引上げとともに、附則において、所得再配分機能の回復等の観点からの所得税の累進性の強化や、格差の固定化の防止等の観点からの相続税の見直しの検討規定が盛り込まれたところであります。


今回の税制改正においては、税制抜本改革法の規定に基づき、所得税、相続税について所要の措置を講じるものであります。


農地に関する相続税、贈与税についてお尋ねがありました。

農地の集約化は重要な課題であると認識しており、これを進めるためには、適切な担い手が農地を取得し、全体として強い農業が営まれることが必要であります。この観点からは、集約化を行う主体やその手法、集約化後の営農継続をどのように担保するのかといった論点を含め、集約化の推進策の全体像を検討する必要があります。


税制上どのような措置が可能かについても、こうしたことを踏まえ検討していきたいと考えております。


民間の自由な投資活動を促進する税制についてお尋ねがありました。

税務上の償却期間を企業の自由に任せるとの御提案は、恣意的な利益調整が可能にもなることから、公平公正な課税の観点から慎重な検討が必要と考えます。


なお、平成二十五年度税制改正案においては、緊急経済対策として、生産等設備投資促進税制の創設など、民間投資を喚起するための大胆な措置を講ずることとしたところであります。


TPPにおける聖域についてお尋ねがありました。

現時点では聖域の範囲について具体的なものを決めているわけではありませんが、それぞれの国には国柄があり、守るべきものがあります。我が国としては、強い交渉力を持って、主張するべきことははっきりと主張し、国益を最大限に実現するよう全力を尽くしてまいります。


TPP交渉における工業製品の関税についての我が国の方針に関するお尋ねがありました。

御指摘の自動車の関税を含め、TPP交渉における我が国の工業製品の関税についての交渉方針を明らかにすることは、手のうちを示すこととなるわけでありまして、申し上げることは適切ではありません。


いずれにせよ、TPP交渉においては、交渉力を駆使し、我が国として、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めていくことによって、国益にかなう最善の結果を追求していきます。


衆議院の選挙制度改革についてお尋ねがありました。

さきの三党合意においても、衆議院議員の定数削減について、選挙制度の抜本的な見直しの検討を行い、今般の国会終了までに結論を得て必要な法改正を行うこととしており、私は自民党総裁として、党に対して積極的に取りまとめを行うよう指示をしております。


この問題は議会政治の根幹にかかわる重要な課題であるので、各党各会派においてしっかり御議論をしていただく必要がありますが、与党で集約され、各党各会派から御賛同を得られれば、直ちに本案は成立するものと考えております。


なお、現在、〇増五減の緊急是正法に基づき、選挙区画定審議会において衆議院小選挙区の区割りの見直しの審議が進められています。政府としては、勧告がなされ次第、速やかに法制上の措置を講じ、一票の格差是正に取り組んでまいります。


いずれにせよ、私としてはしっかり改革を進めてまいる決意であります。

残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕


○国務大臣(麻生太郎君)

山田先生から三問ちょうだいしております。

所得税、相続税の最高税率についてのお尋ねが最初にあっております。

平成二十五年度税制改正では、所得税の最高税率につきましては、課税所得四千万円超の層に新たに四五%の税率を設けることといたします。また、相続税の最高税率につきましては、各法定相続人の取得金額六億円超の層に新たに五五%の税率を設けることとしております。


今後、更に再分配機能を回復させるため、所得税、相続税の累進性を高めることについては、所得税を含めた税制全体の中で、税収の安定性の確保、また、それぞれの基幹税のバランスをどう考えるかといった観点からこれは検討していかねばならぬと考えております。


相続税の見直しに関する都市部の住民への対応についてのお尋ねもあっております。

今般の相続税の見直しによる基礎控除の引上げなどの結果、地価の高い都市部に土地を有する方の負担増が想定されることは御指摘のとおりであります。土地につきましては、生活、事業の基盤であります一方、切り分けて売却することに困難が伴いますとともに、都市計画上も土地の細分化が生じてしまいますことから、一定の配慮を行う必要があろうと考えております。


このため、今般の相続税の見直しに併せて、小規模宅地の特例について、居住用宅地の対象限度面積を拡大、また、居住用宅地と事業用宅地をそれぞれの限度面積まで適用するといった見直しを行うことといたしております。


企業の合併に当たっての事業承継税制の適用についてのお尋ねもあっております。

中小企業が組織再編を行います際に、事業の安定的な継続をサポートすることは極めて重要なことだと考えております。こうした考え方から、事業承継税制においては、納税猶予の適用を受けている企業が合併などの組織再編を伴う場合であっても、合併後の株式保有や経営関与といった一定の要件の下、納税猶予の適用を継続する仕組みといたしております。


また、そもそも、事業承継税制については、今般、制度の使い勝手を一層高める観点から、雇用確保要件の柔軟化など抜本的な見直しを行うこととしているところでもあります。

今後とも、中小企業の円滑な事業承継には配慮していかねばならぬと考えております。(拍手)