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農協の問題、GTAPモデルの問題を大臣に指摘しました

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2013年3月21日、参議院農林水産委員会にて質疑いたしました。
内容は
・備蓄米の適正量、保存箇所、保存状態等について
・TPP、関税について

議事録

○山田太郎君

みんなの党の山田太郎でございます。
先ほど、大臣御答弁のときも地震がございました。
まず最初に、被害対策と備蓄米の観点から是非質問をさせていただきたいと思っております。
先日、南海トラフ地震の被害想定が発表されました。首都圏直下型地震の心配もされています。農水省としては、災害対策の観点から政府の備蓄米を所管されていると思いますが、直近の数字で、何トンの備蓄量がありまして、またそれは災害時に何万人の食料になるのか、またどこに保管されていて、ミニマムアクセス米の備蓄量と併せてどんなものがあるのか、お答えください。


○副大臣(加治屋義人君)

政府が所有する米穀の在庫量は、備蓄米は九十五万トン、それからミニマムアクセス米が七十八万トンの合計百七十三万トンございます。
一つには、南海トラフ地震の場合、想定避難者が最大約九百五十万人と考えておりまして、約一千日分必要です。二つ目には、首都直下型地震の場合は想定避難者が最大約七百万人となるため、約千四百日分に相当するものが必要だろうと考えております。
また、政府備蓄米は全国約四百五十か所の民間倉庫に保管されておりまして、その保管費用はトン当たり年間約一万円であります。百七十三万トンを一年間保有すれば百七十三億円だと考えているところでございます。


○山田太郎君

今お伺いした備蓄米は実は玄米でありまして、そのままでは炊飯して食べられません。東日本大震災のときは民間在庫の精米を政府が新たに買い入れて被災地に提供したというふうに聞いております。その後、五百トンの備蓄米を精米にしたと聞いておりますが、たった僅か五百トンではどうしようもないと思っています。今後の対応についてお聞かせいただければと思います。


○国務大臣(林芳正君)

農林水産省では平成二十四年度から、この二十四年産の政府備蓄米の一部を活用した、今お話がありました精米形態での備蓄を実施をしております。精米備蓄実証事業ということでございますが、まず、食味等分析試験を実施することによって、備蓄ですから、一定期間保管をしていくわけですね。したがって、その一定期間保管した後に食味や品質がどういうふうになっていくか、劣化状況を調べるということ。それから、販売実証を行うことによって、今後の効率的な精米備蓄の在り方を検証するということでございます。
 
したがって、まだこの食味試験等の結果が判明しておりませんので、二十四年産米と同じように、二十五年産米の活用の精米備蓄は同じような数字、五百トンを想定しているということでございます。
したがって、実証事業でございますので、この結果を踏まえてより効率的な精米備蓄の在り方を今から検討していくと、こういうことになろうかと思います。


○山田太郎君

せっかく百七十三万トンの食料があって、それがこのままでは災害に使えないということですので、是非これに対する対策を取っていただければと思っています。
さて、TPPについてお伺いしていきたいと思います。
みんなの党はTPPは参加で党内唯一まとまっている党でございまして、これまで農林水産委員会では非常に孤独な立場でありました。ただ、政府が交渉参加を決めましたので、何となくお仲間に入れるようになったのかなということで、中身の議論に入っていきたいというふうに思っております。
まず、その中で、アメリカは過去に年次改革要望書で、JA共済について、金融庁検査の導入など制度改革を求めております。TPP交渉中の中でも俎上に上がるものと思われています。このJA共済はいわゆる自民党公約に、聖域に含まれるのかどうか。その含まれるか否かを明確にお答えいただいた上で、今後の対応をお示しいただければと思います。


○副大臣(加治屋義人君)

二〇〇八年の米国政府から日本政府への年次改革要望書等において、共済に関し、民間保険サービス提供者と対等な競争条件を確保する旨の要望があったことは承知をいたしております。
一方で、TPP協定交渉の分野別状況では、保険サービスについて民間と対等な競争条件の確保を念頭に議論が行われているとの情報もあり、一方では共済の扱いについては明らかになっておらず、これまでの議論はないとの情報もあります。
仮に交渉のテーマとなった場合には、農協の共済については農協法により保険業法と同等の規制水準、監督としているところであり、こうした点を含め、主張すべきことははっきり主張していく考えであります。

以上です。


○山田太郎君

何となく答弁だと聖域かなというふうに感じたんですが、同じく年次改革要望書では、様々な法律にある独占禁止法適用除外規定の廃止なんかも求められています。農協法には独占禁止法適用除外規定がございまして、TPP交渉で取り上げられる可能性もあろうかと思います。
この農協の独占禁止法適用除外規定はいわゆる聖域に含まれるのかどうか、この問題に対する対応をお答えください。


○副大臣(加治屋義人君)

農協は、中小事業者である農業者の協同組織として農産物の共同販売や生産資材の共同購入を行っております。単独では大企業に対抗できない中小事業者は、協同組合を組織することによって有効な競争単位となり得るとして、農協を含めた協同組織の共同行為については独占禁止法の適用除外が認められていると認識をいたしております。
TPP交渉において協同組合の独占禁止法の適用除外の見直しが議論されているとは承知しておりませんが、仮に議論される場合には、こうした協同組合における適用除外制度の趣旨を含め、主張すべきことははっきり主張していきたいと考えております。


○山田太郎君

今の答弁の方も、農協の独占禁止法規定は聖域だという認識だと思っています。
さて、大臣は先日の所信表明で、需要の動向を敏感につかんで高付加価値を進めることが攻めの農林水産につながると、こうおっしゃっておりました。安倍総理の方も、農産物輸出一兆円目指すというふうに発言されていますし、世界でも貿易の総額が毎年十兆円も農産物で増えているという統計もございます。
私も方向性としては同感なんですが、では、平成二十五年度の予算で農作物の輸出を含めた消費拡大のための予算はどれぐらいあるか、お答えください。


○国務大臣(林芳正君)

今おっしゃられましたように、潜在的に農業は非常に大きな可能性を有しておると、こういうふうに思っておりますので、潜在力を引き出すための政策というのが必要になってくると、こういうふうに思っております。
このため、この政権になりまして、六次産業化、それから輸出拡大、それから消費拡大の取組ということで補正予算も含めて付けてまいりました。当初予算では、新規事業ですが、日本の食を広げるプロジェクトというものを創設して、これらの予算を前の年度から三十二億円アップいたしまして八十八億円確保しております。特に、この日本の食を広げるプロジェクトは、現場の意見をよく聞いて、地産地消等地域の取組や全国的な取組、それから輸出拡大の取組、こういうものを総合的に推進していこうということでございますので、需要のサイドとしては、こういうことを活用して需要のフロンティアの拡大を図っていきたいと考えております。


○山田太郎君

今の予算規模をお伺いしていて、本当に攻めの農業なのかと、総理それから大臣が本気で日本の農業を強くしていこうかと、二兆円を超える農林水産予算の中でたった八十億、また九十億前後なのかというのは大変寂しい思いもしております。
さて、ちょっと先に進みたいと思いますが、先日、安倍総理の会見に合わせまして例のTPPの試算公表が発表されています。政府の試算では、いわゆるGTAPモデル、バージョン8として、二〇〇七年度の産業構造を踏まえた様々な弾力性などを使ったモデルを発表していますが、実はこれ、二〇〇七年度のそのときの産業構造を適用しておりまして、五年又は六年前のものです。どうもモデルの信憑性に問題があるのではないかと、こんなふうにも思うんですけれども、これは内閣府、お答えいただけると。


○副大臣(西村康稔君)

お答えを申し上げます。
御指摘のとおり、世界でこういうマクロのモデル、OECDなりWTOなりで認められたモデルがこの唯一と言っていいGTAPモデルでありまして、これを基に試算をしておりますが、その基準年は、おっしゃるとおり、最新版といっても二〇〇七年の数字であります。
そこで、我々、さすがに御指摘のとおり数字が古いものですから、IMFの最新のデータ、これはそろうところが二〇一〇年の数字でありますので、これは全世界の全ての国について、この二〇一〇年の、できるものについては、二〇一〇年生産量、輸入量、こういったデータを、その部分はこのデータに入れ替えて試算を行ったところでございます。したがって、御指摘の点については、最新のデータでカバーしながらこのGTAPモデルを使って試算をしたということでございます。


○山田太郎君

データは最新だとは言っているんですが、根拠は希薄というふうに感じざるを得ません。経済一等国と思っていた日本でこんなに古い統計構造を使ってマクロ経済運営をしているというのはちょっと私には驚きだと思っております。

さて、ちょっと次に移りたいと思いますが、政府の試算では、国内農業主要品目の関税を全て撤廃した場合に、生産減少が今後十年で三兆円に達するというふうに予想されています。これは先ほどから議論があるところだと思います。この試算をちょっと例えば米のケースで中身を見てみますと、政府の試算では、米の関税でアメリカの短中粒米の米が二百十万トンが日本に輸出される、アメリカから輸出されると。ただ、アメリカはそもそもこの種のお米を二百五十万程度しか作っておりません。そうなると、この試算の前提は、八五%、アメリカで作っている短中粒種の八五%を突然日本に振り分けると。国内の消費も他国への輸出もやめて日本に仕向けるという試算になるんですけれども、どうもこういった試算も雑過ぎて根拠が希薄だと思います。
これからいろんな政策を取っていく意味においても大変な重要な試算前提になりますので、もう一度、農業に対する影響度合いの計算をし直した方がいいんではないかと。この委員会でも、先ほどから、逆に過小評価じゃないかという議論もありますので、ここは非常に重要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。農林水産大臣、お願いします。


○国務大臣(林芳正君)

先ほどは全く逆の方向からの御質問もあったわけでございますが、これはあくまで先ほどから申し上げております試算でございまして、今この交渉参加の表明の前のときからの作業の積み重ねでございますので、なるべく単純な前提を置くと。その前提に余り政策的な方向性というものが出ないようにしようということなんですね。
 したがって、今御指摘のあったところは、余り政策の方向性とは関係ないところで御指摘がありましたが、一応、カリフォルニア州の百四十万程度というのが近年のマックスの最大生産量。これは二〇〇四、二〇〇五年ですが、これが百八十万トン。で、国内消費を、二〇一〇年、一一年の数字ですが三十万トンと、こういうふうに置きまして、韓国、台湾向けの輸出量を十五万トンと。こういうところから、百八十から三十と十五を引いていって約百四十というふうにやっておりまして、これも出しておるので、これについては、今まさに委員から御議論があったように、ここはもう少しこうなるのではないかというのはいろいろ今からやってみて、何もこの数字が唯一絶対だということではなくて、こういう前提を置くとこういう数字になって、それを全部足すと三兆円になって、それを内閣府の方でGTAPを入れるとこういうふうになると。そこを明らかにして一つにしていこうということで今回やってまいりました。
 先ほど来御議論があってお答えしているように、今から次のフェーズに入っていきますと、もう少しいろんな数字が交渉の行く末についても出てくるということになれば、その都度その都度、こういう前提を変えたらこういうことになるということは情報公開に努めてまいりたいと思っております。


○山田太郎君

続いて、ウルグアイ・ラウンドのちょっと話をしたいんですが、政府の試算は全ての関税を撤廃した前提で計算されています。現在の我が国の関税収入は幾らで、そのうち五品目に関する関税収入は幾らなのか、その金額をお答えください。それから、併せて、ウルグアイ・ラウンドで関税が引き下げられた金額はどの程度なのか、併せて、それぞれ、ちょっと時間がなくなってきましたので、合計金額のみを簡素にお答えいただければと思っています。財務省、お願いします。


○副大臣(小渕優子君)

日本の平成二十三年度のTPP交渉参加国からの輸入にかかわる関税収入額は、輸入許可時点ベースで二千三百三十六億円となっております。このうち、麦、牛肉、乳製品、砂糖の輸入にかかわる関税収入額は、それぞれ約〇・二億、約八百三億円、約百五十四億円及び約百四億円であり、米については僅少であります。
続きまして、ウルグアイ・ラウンドの前後で日本の輸入関税額はどう変化したかというお話でありますけれども、平成六年度の関税収入額は、決算ベースで九千九百四十三億円であるのに対し、実質的に全てのステージングが終了した平成十六年度は八千六百十八億円であり、千三百二十五億円の減少となっております。ただし、関税収入額は、この間における景気動向、輸入動向や為替の変動等の影響も受けていることから、当該減少額はウルグアイ・ラウンド合意の影響のみを示すものではないということであります。


○山田太郎君

ありがとうございます。
ばっくりとした計算ではあるんですけれども、約一千三百億円強のお金がウルグアイ・ラウンドでの関税の減少だったということで、消費者の利益が簡単に言えば毎年約一千三百億円ぐらいあったのかなと。ただ、この六年間で六兆円というウルグアイ・ラウンド対策費というのは、結果論としてちょっと大げさだったんじゃないかと、こんなふうに思っているわけですね。
そこで、当時のウルグアイ・ラウンドの対策についてもお伺いしたいんですが、ウルグアイ・ラウンド交渉妥結に向かう農業の影響額は当時どのように見積もられていたのか、また六兆の事業規模の根拠は何だったのか、併せてお答えください。農林水産大臣、よろしくお願いします。


○国務大臣(林芳正君)

平成五年、今、小渕副大臣からもお話がありましたが、ウルグアイ・ラウンド農業合意を十二月に受け入れております。したがって、そのときに政府は内閣総理大臣を本部長といたしまして緊急農業農村対策本部を設置し、一年間掛けて平成六年十月にウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱を決定をいたしました。
この後、諮問をしたり、いろんなことがあったんですが、時間がちょっと限られておりますのではしょりますけれども、ウルグアイ・ラウンド対策の事業規模が六兆百億と。これ、真水ではございませんで、真水はその半分以下だったと、こういうふうに思いますが、当時の政府・与党、自社さ連立政権のときでございますが、最終的にはこの最高責任者の判断の下で、平成六年十月にUR農業合意関連対策大綱決定の直前に決定をされたと、こういう経緯でございます。


○山田太郎君

時間になりましたんで最後にしたいと思いますが、まさに今回のTPPがどのように国益にかなうのか、また、結果論として金の問題に矮小化されるというのは非常にけしからぬ話になるかと思っています。これはTPP賛成であろうとなかろうと同じ気持ちにある。そのときに、かつてのこのウルグアイ・ラウンドにおける反省点というのは必ず今回踏まえるべきだと思っておりますので、本件については引き続きやっていきたいと思っております。
今回、どうもありがとうございました。これで質問を終わりたいと思います。