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CGの児童ポルノが初摘発された件について

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昨日、警察庁からCGの児童ポルノ法違反被疑事件について一時間にわたり詳細説明を受けましたのでその内容をご報告します。(→受領した資料

被疑事件の概要

CGの児童ポルノを初摘発
=写真参考に模写、販売容疑-デザイン業の男逮捕・警視庁

 18歳未満の少女の写真を参考に描いたCG(コンピューターグラフィックス)のポルノ画像を販売したなどとして、警視庁少年育成課と南千住署は11日までに、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で、岐阜市正木のデザイン業、○○○容疑者(52)を逮捕した。同課によると、CGを使った児童ポルノの摘発は全国で初めて。

 同法は児童の裸体や性交場面の写真などを児童ポルノと規定。同法をめぐる国会審議などから、同課は実在する児童の写真を精密に模写した今回のCGは、児童ポルノに該当すると判断した。高橋容疑者は「多くの写真集が(同法成立で)販売禁止になり憤りを感じていた」と容疑を認めている。

 逮捕容疑は2009年12月、自宅のパソコンで12~13歳の少女の写真などを参考にCGで児童ポルノ画像を作製。昨年12月、計34枚をまとめた画像集2冊をインターネットで島根県の男性に2940円で販売した疑い。

 同課によると、○○容疑者は「かつての少女モデルを精緻に描写」などと宣伝。1980~90年代の少女写真集などを参考に、写真そっくりのCGを描いていた。これまでに計約1400冊をネットで販売し、約200万円を売り上げたという。(2013/07/11-12:48)

時事通信(http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013071100306)*氏名は伏せました

ヒアリングした内容

  • 過去に出版された本をCG処理したデータを販売した(被疑者は当該書籍を保有していた)
  • 当該書籍は児童ポルノ法施行のタイミングで発禁本となっている。当該書籍でのCGでない取り締まり事例有り
  • 被写体となった児童について、親権者の当時の同意有無や実際に面会した上で被害の確認をしたわけではない
  • CG処理で髪形・背景・手の位置等を変更しているが、児童そのものはほとんどそのままで、一見すると写真にみえる
  • 写っている児童は13-14才で、性交や性器を触っている、性器や胸などをことさら強調しているなどはなく、衣服を全部つけないもの(いわゆる三号ポルノ)である
  • 適用罪名は児童ポルノ禁止法の第7条第4項「不特定多数に対する提供」など
  • 販売されたデータは写真でも電磁的記録でもないが、記録媒体その他のものに該当する(以下の法律による定義ご参照)

参考:法律一部抜粋

第2条(定義)
3  この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一  児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二  他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三  衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

論点

罪に問うには、以下のような点の確認があげられますが、それぞれの要素について検証する必要があると思われます

  • オリジナルの画像を元に今回のCGを作成した事実
  • オリジナルの画像が児童ポルノに該当するという事実
  • CG処理を行った画像であったとしても、本人(被害者)を特定できるという事実
  • 画像が性欲を興奮させ又は刺激するものであることの事実
  • 不特定多数に対して提供するために画像を製造し、実際に提供した事実

それ以外にも

  • 他の案件と比べて可罰的な違法性があるか
  • 現物は公開されないので、もとの写真やCGとの関連性について確認が出来ないので、捜査当局の恣意性が問われる
  • なぜ逮捕がこのタイミングなのか
  • モデルが実在しなかったり、行為自体が想像であった場合の取り扱い

などが論点となると想定されます。

取り急ぎ、本件についてご報告までです。