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「微笑みの国」-日本人が最も働きやすい国・タイ-

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Asia Biz Inside vol.2 「微笑みの国」-日本人が最も働きやすい国・タイ-
参議院議員山田太郎のアジアビジネス・インサイドレポート~沸騰するアジアビジネスの現場から~

2013年03月28日

2011年10月初めよりタイ中部を中心に大洪水。日本のニュースでも大きく報じられたが、その後、タイはどのようになったのだろうか? 洪水対策やインフラ整備が急ピッチで進み、タイの生産は、今後3倍以上に拡大する見通しだという。

大洪水のその後

 2011年10月初めよりタイ中部を中心に大洪水が発生。日系企業が多く展開するアユタヤ県を中心とした工場団地が冠水し工場が操業停止になる被害が出た。日本からは多くの自動車や自動車部品の工場が展開していて、東南アジア全域の自動車サプライチェーンに甚大な影響を及ぼした。

 このことは、日本のニュースでも大きく報じられた。しかし、その後、タイはどのようになったのだろうか?

 そもそも、タイ、特にバンコクは海抜が低く平均9センチ程度しかない。だから、水はけが悪く、ちょっとした雨が降っても街が水浸しになってしまう。再び、2011年の様な豪雨が襲えば、再度洪水になる危険はあるのだ。

「今後のタイの洪水を嫌ってインドネシアに多くの工場が移転をするという噂も出ましたが本当ですか?」――私は、昨年末、タイに進出している多くの日系企業に不躾にもそう問いかけをしてみた。

「今回の洪水について、一昨年の12月までにはほぼ排水が完了しました」

「タイでの日系工場は、既に正常生産に戻っています。多くの工場では、本社からも大勢のスタッフが応援に駆け付け、ほぼ半年ぐらいで多くの工場は正常に戻りました」

「インドネシアに移転する!?そんなことはあり得ません。タイの生産は、今後3倍以上に拡大する予定です」

 私の心配は、まったく当てにならず、どこからも力強い回答が返ってきた。

 2015年にはASEAN(東南アジア諸国連合)の統合があり、域内で関税が撤廃される動きにある。ベトナムからカンボジア、ミャンマー、その先にインドとASEAN東西回廊がハイウエーでつながる計画もあり、その拠点がタイになるのも間違いない。洪水の心配なんてなんのその。世界で最も成長する拠点としての期待が高いのだ。

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写真1 バンコックの夕暮れ時。タイの交通渋滞は半端ない

人手の足りないタイ。超売り手市場のタイの労働状況

「タイ経済は成長が著しくて人手がまったく足りません」

「工場だけではありません。飲食業などのサービス業でも人手が足りないので、現場では、ラオス・カンボジア・ミャンマーからの人が多く働いているのが現状です」

「余談ですが、ラオス・カンボジア・ミャンマーからの出稼ぎコックは、味付けが甘すぎてタイ人の味にはなかなかなじめない現状もあります。だから、その店で何人が働いているかすぐに分かります」

 さらに、最近のタイ人は、3K職場を嫌い、キツイ仕事にはつかない人が多いのだと言う。正に、日本や中国と同じ状況にあるのだ。

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写真2 ラオス・カンボジア・ミヤンマーからの人がレストランで多く働いている
 
タイ最大の人材紹介会社をある日本人が経営している。彼曰く、

「タイは、女性が働き者です。男性は、どちらかというと怠け者が多いかもしれません」

「タイは、とにかく人手が足りなくてあらゆる業種で人手不足です。大体、需給バランスは10対1で超売り手市場です」

「企業側が頭を下げてお願いしないと、なかなか人が働いてくれません。それを分かっていただけない日本企業の現地法人の社長さんも多く、日本企業も求人に苦戦しています」

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写真3 日本人が経営しているタイ最大の人材紹介会社
 タイに製造業が進出する場合、機械や土地の手当ては何とかなる。しかし、人を集め教育するのはとても大変だというのが現地企業の悩みなのだ。

タイで活路を見出す日本企業

 「ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシアと、これまでASEAN各国を周ってきました。でもタイが一番働きやすいと思い、ここタイで起業することにしました」

 何人もの日本人にこの様な返答をもらうことが多い。

 私も、ASEAN各国で仕事をしているが、確かに他国に比べてタイは非常に仕事がやりやすいことは間違いない。

 まず、インフラが整っていることだ。どんな仕事、事業、工場設立などをしようともタイには何でもある。タイの中心に限って言えば、日本語だけでもなんとかやっていける。それくらい、日本語でのサービスの層が厚い。

 次に、親日国家であり、「笑みの国」であることだ。タイ人は、喧嘩や争いごとを好まない。どこに行っても、両手を合わせて拝みながら他人への感謝を忘れない。

 また、食べ物がおいしいこともある。大体、東南アジアの国々は食生活が豊かで食べ物がおいしい。

 それでも難点をあげるとするとタイ語が難しいこと。10年以上タイに赴任している日本人もタイ語は多少喋れても、タイ語の読み書きができないケースは多い。特に文字が難しく、途中でタイ語をマスターするのをあきらめる日本人が多い。

 これは、逆を言えば、タイに長くいる日本人と、新しくここで働く日本人との間に言葉のハンディーはあまりないと言ってもいい。それくらいタイ語は難しいとのこと。

出家が面白い!

 タイは上座部仏教の国だ。日本や中国などの大乗仏教とは違い、仏教の戒律が厳しい。
で、「男は一生に一度は出家をするべきだ」という仏教の教えがあり、多くのタイ男性は出家を経験する。男子は一度は出家をして一人前になるのだと言う。

 出家と言っても、本格的にお坊さんになるのでなければ、一生ではなく、3年から5年がいいところで、短い人は1、2週間で世俗に戻ってくる。結婚前に親孝行の意味で短期出家する若者も多い。

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写真4 タイの若者の出家者。なんとなく楽しそう
しかし、出家が非常にユニークなのだ。

出家をするとどんな世界が待っているのか?

「木綿の黄衣をまとう。高僧も修行僧も身分に関係はない」

「食事は一日2回。朝と昼食のみ。午後は食事ができません」

「寝る所は、硬い板の上。布団なんてありません」

「一日中座禅しなくてはなりません」

「お経は、完全に暗記しなくてはなりません。本を見ながら唱えてはならないからです」

「女性に指一本触れることもできません。女性から手渡しで物ももらえません」

…と227戒もあるとのこと。

しかし、タイのお坊さんは喫煙率が高いとか!?