政策私の主張

秘密保護法案について

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2013年12月6日
山田太郎

今回の秘密保護法案の参議院での採決に際し棄権をいたしました。この件について、皆さんにご説明致します。

私は秘密保護法の勉強会などで一貫して「知る権利を侵害しない」「行政の暴徒・秘密化を進めない」「行政官や国民・市民に対する萎縮効果を作らない」ことが原則であると訴え、政府原案について反対して参りました。これらの点について修正を求め、疑念を晴らすべく、国会の特別委員会等における質疑も行いました。しかしながら、特に参議院段階における審議が不十分であり、また、委員会採決も議事録もなく無効であると考えています。最終的に、上記3点の疑念を晴らすに至らないと判断しました。

■経緯
・「秘密保護法を考える超党派の議員と市民の勉強会」の呼びかけ人の一人として6回にわたり勉強会・省庁レクチャーを開催、直接、法案作成者に問いただす
・党内では、政策調査会にて疑問を呈し、十分に議論するよう主張、党内修正案の意見集約者へ意見書提出(11月12日)、政策審議会にて修正案を提示(11月18日)
・みんなの党および維新の会の修正案について、与党との修正案合意がなされる
・声明を発表し、質疑の中で法律の解釈や運用についてただしていく旨を発表(11月20日)
・参議院の決算委員会(11月25日)にて安倍総理、菅官房長官、森担当大臣などに、国家安全保障に関する特別委員会(12月2日)にて菅官房長官・森担当大臣・小野寺防衛大臣・西村副大臣(公文書管理担当)に対して質疑

■問題点
1.法案の実効性
私は本法の立法の経緯が不明確であると考えています。政府の情報漏洩防止策を強化することは必要ですが、国家公務員法や自衛隊法の改正で対応可能だと考えています。それ以前に、政府がこの立法の前提としている「公務員による主要な秘密漏えい事件5件」のうち、この法律の対象となる特定秘密とならない事件は4件、また、その秘密情報を取り扱う人以外から漏れた事件は私の見立てによると3件です(政府が回答できないといっているため)。つまり、仮にこの法律が成立したとしても、漏れた情報は特定秘密にならないし、情報を取り扱わない人から漏れていないので、その人は罰せられないというなんともおかしな事態になってしまうのです。

政府に秘密があることは事実ですし、情報漏えい防止策の強化が必要であることも理解しています。しかし、これでは、何のためにこの法律を作るのかがわかりません。もう少し時間をかけて、この5件の漏えい事件、その他の漏えい事件に対する根本原因、漏えいのメカニズムをしっかりと議論し、それらに対応する対策を講じることが必要だと考えています。

2.知る権利を侵害しない
まず、この法律は国民の知る権利を侵害する可能性が非常に高いです。一番の問題点は、特定秘密指定された文書が破棄されてしまう可能性があると言うことです。11月29日には決算委員会で安倍総理、菅官房長官、森大臣に対して質問し、12月2日の特別委員会でも菅官房長官、森担当大臣、後藤田副大臣などに対して質疑を致しました。しかしながら、まともな回答が得られませんでした。30年未満の文書については、課長レベルの官僚の判断で破棄が可能になりますし、仮に国立公文書館に移管されても非公開、または、破棄されてしまう可能性があります。こういった懸念点を含めて公文書管理法および情報公開法と併せて次の通常国会で議論することを求めましたが、前向きな姿勢は見えず、知る権利の侵害に対してさらなる議論が必要であると考えています

3.行政の暴徒・秘密化を進めない
行政の暴徒・秘密化を進めないために一番必要なことは権限を持った第三者機関が秘密の内容を閲覧してチェックをしていくということです。行政における独立した第三者機関、また、国会における第三者機関が必要です。この点についても、当初の答弁と比べると我々の追求によってだいぶ譲歩してきました。ただし、12月2日の参議院での特別委員会でも質疑を行った際も、第三者機関が秘密の中身に触れられるかどうか、具体的にいつまでにどのような組織がどのような権限をもって行なうかという点において、具体的な回答は行われず、行政の暴徒・秘密化が防げると判断できませんでした。最近、政府から「情報保全監視委員会」「情報保全諮問会議」などとの言葉が出てきましたが、国会ではまったく議論されておらずどんな組織なのか判断できていません。

4.行政官や国民・市民に対する萎縮効果を作らない
この法律は、秘密の範囲が曖昧であったり、今までの答弁では特定秘密との認識がない場合は罰則の対象にならないとしていましたが、12月2日の参議院での特別委員会での質疑の結果、森担当大臣から「特定秘密との認識がなくても未必の故意であれば故意があったとして、この法律の処罰の対象になる」との答弁がありました。行政官の側に立っても裁判を含めて十分な保護措置がとられていないことから、行政官や国民・市民に対する萎縮効果は以前強いと判断をしています。どのように萎縮効果を防いでいくかの議論がまだ足りていないと感じています。

■最後に
秘密保護法の解釈を巡っては、政府原案が提出される以前から注視していますが、当初の法案、あるいは法案解釈と比べると、野党や世論の追求もあり、政府・与党側がかなり配慮する形になってきました。また、みんなの党の修正要求した点について、修正がなされたことについても一定の評価をしています。しかしながら、法案の検討・分析をし、質疑を直接行った結果、上記に挙げた本法の問題点をクリアするには、さらなる議論が必要であると判断しました。

本日のみんなの党の参議院総会においても、絶対に賛成は出来ない旨を強く主張しました。議論の結果、党として衆議院段階での賛成という判断を覆し、参議院の採決では棄権という形で賛成しないという意思統一が出来ました。最終的に私も棄権するという判断に至りました。