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担い手法案、多面的機能法案について、反対討論を行いました

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6月13日、本会議にて、農業2法案の反対討論を行いました。
議事録(未定稿)

○山田太郎君 みんなの党の山田太郎です。
私は、みんなの党を代表し、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案並びに農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案に対し、反対の立場から討論させていただきます。
私たちみんなの党のアジェンダが掲げる農業政策の基本は、米の減反政策を廃止し、特定の農産物に補助金を出す政策誘導型の補助金方式は見直す、また、農業政策の目的を、自給率向上から国民一人当たりの国内農産物生産の量と質の向上に転換し、耕作地の拡大と単収の向上による生産量増大と高付加価値化を図っていくというものであります。
さらには、世界標準の合理的な経済政策を進め、日本が通商ルールの標準づくりを主導することによって、中国を始めとする諸外国に対して優位に通商交渉を進め、日本が投資・貿易立国として地位を再興するというものであります。
このみんなの党のアジェンダに従って、今回の政府提出二法案を審査、検討いたしましたが、数多くの問題が明らかになっております。
まず、総論的に申し上げれば、政府提出の両法案は、自給率向上という政策目標を持った法案ではありますが、政府は今年度中に自給率目標の水準や内容を再検討する予定であり、そもそも法案提出の前提が揺らいでおります。また、政府は、減反政策を廃止したと言いながら、米の高価格維持のために生産数量目標を維持する事実上の減反政策の継続、しかも、飼料用米など食用米に代わる作物の販路拡大、消費拡大対策にはほとんど手付かずの状態であります。
二〇一二年の農業総生産額は八・五兆円、この二十年間で二割減少しています。酪農、畜産、果樹、野菜、これは経営改革、生産性向上策が現場で進み、生産額の減少に一定の歯止めが掛かっていますが、しかし米の生産の落ち込みは深刻です。米の生産額は約二兆円で、四割も減少しているのです。米生産の落ち込みは、食生活の変化という要因があるものの、それ以上に、市場に見合わない米の高価格維持を行う生産調整、いわゆる減反の影響が大きいと考えています。さらに、過度な米の保護政策を続けた結果、小規模零細兼業農家が維持され、経営規模の拡大が進まずに来ました。
今回の経営安定交付金の制度の見直しで、私は、政府の生産調整、いわゆる減反政策の抜本的な見直しを期待していました。しかし、水田活用の直接支払交付金の中で、飼料用米や米粉への転作奨励、主食米との差額補償の政策は、まさに減反政策と何も変わりません。これでは、政策の目的は生産性の向上や市場価格への調整に対する需要の喚起ではなく、米の高価格維持を目的とした、形を変えた新減反政策になったとしか思えません。そして、この飼料用米への転換も、販売や流通のプロセス、在庫設備等がまだまだ未整備で、現在、飼料用米の販路拡大、消費拡大対策にはほとんど手付かずの状態で、本当に転作が成功するとも思えません。
これまで主食米を作る農家が飼料用米や米粉米など単価の安い米を作るように言われる政策は、果たして、農家の現場のプライドを持っておいしい主食米を作り続けてきたこの人たちに対し、そしてその担い手に対し、新しい未来を予感させるものなのかどうか、甚だ疑問が残るものであります。
今回の政府提出二法案で様々な交付金を農家に支給しても、農業の構造改革には全く寄与せず、まさに砂漠に水をまくような、大切な税金が消えていくことになると思います。
次に、各法案の問題点を各論的に申し上げます。
まず、担い手法案につきましては、現行の予算措置として行われている特定農産物に補助金を交付する政策誘導型の交付金を、小規模耕作地を温存し、かつWTOルールに逆行する方向に見直そうとするものであり、こうした政策転換は到底受け入れられません。
そして、平成二十四年度に我が国が最も貿易歪曲的な国内助成策としてWTOに通報した補助金の総額は六千八十九億円でございますが、政府側に、どんな補助金をこの通報、すなわちWTOルールにそぐわない補助金として自己申告したのか、このことを質問したところ、それは明らかにできないということでありました。
驚くべきことに、政府は、国会が審議中の法案と国際約束の整合性を判断するために請求したごく基本的な情報開示すら、特定秘密でもないのにかかわらず応じてもらえない。憲法九十八条は、我が国が締結した条約は、これを誠実に遵守すると規定しておりますが、この憲法の趣旨をないがしろにするような政府の行為は許されるものではないと考えています。
次に、多面的機能法案について、そもそも農業の多面的機能の発揮という政策目標が全く不明確であり、政府側に度重なる質疑を続けてきましたが、最後まで明らかになりませんでした。
政府側は、農業の多面的機能は八兆円もあるのだから、それが八百億円で維持できるのであれば安いものだというような趣旨の説明を重ねておりますが、それならば、政府自らが森林の多面的機能は七十兆円あると試算しているわけですから、八兆円の多面的機能の維持より七十兆円の維持のために予算を使った方が合理的だと考えます。
また、多面的機能法案による交付金は日本の全耕地面積の七割を交付対象にすると聞いていますが、全耕地面積の三割が担い手が自分で水路や農道管理ができる農地であって、あとの七割の耕地は担い手が自分で水路や農道管理ができない農地だということです。こんな不思議なことがあっていいのでしょうか。担い手というのは、自分だけで農業生産を行える自立した農家という定義ではなかったのでしょうか。
そして、多面的法案では、大きな政策的な矛盾も明らかになっています。水路の泥上げや草刈りなどの手入れは、基幹的な農業用水路、すなわち、大きな水路では近隣の受水農家から集めた賦課金で業者に委託して行われるにもかかわらず、末端の小さな水路では、水路の泥上げや草刈りなどの手入れを周りの住民が行うとこの法案による交付金がもらえるというものです。大きな水路の方が農業や耕地維持のためには重要で、お金も掛かるし作業も大変なのに、その費用は自分で負担する、小さな水路の簡単な作業をすれば、逆に周りの人たちがお金をもらえるというものなんです。これもおかしな話ですが、政府からはこれ以上の詳しい説明はいただけませんでした。
もしこのような助成制度をつくるなら、担い手支援のために農作物を作っている農作業そのものに対して、そして農地を守る担い手に対して直接支払われるべきものだと思っています。つまり、多面的機能法案は、担い手の規模拡大や生産性の向上に貢献するものなのかどうか大変疑わしいものであり、予算が余ったからばらまくんだという政治的な思惑が見え隠れする、農業政策本来の道からは外れた法案ではないかと考えています。
このように、今回の政府提出の二法案は、問題が山積の法案です。信念を持って反対させていただきたいと思います。
では、どうしてこのような日本の農業の近代化に逆行するような法案を政府は提出するのでしょうか。きっと、農水省の官僚の皆さんは、もっと政策的な合理性のある筋の通った法案を立案したかったに違いありません。それがかなわないその答えは、農協とそれに群がる族議員の存在という時代錯誤的な構造的な問題があると考えます。
現在の全中を司令塔にしたピラミッド型の農協組織と農協マネーの流れをシャットアウトしなければ、どんな農業政策や法案、予算でも農協や族議員の都合が良いようにゆがめられ、政府の都合でころころ政策が変わる猫の目農政が続き、その被害を受けるのは一戸一戸の現場の農家なんです。
全中と関連する政治団体から自民党の支部に数千万円を超える多額の寄附が、また、さきの衆議院総選挙でも、多くの選挙区に対して推薦料の名目で幅広く全地域の全中から団体に寄附されたことも分かってきています。自民党議員の先生が、この問題に対してある講演会の中で、全中は政治運動をやめた方がいい、国民の目にどう映っているか、まずいと思うとおっしゃったようですが、私も全中からはお金をもらわない方がいいと思います。こうした農協と族議員の構造問題に果敢に切り込んでこそ、農業の明るい未来が見えてくるのです。