太郎ちゃんねる山田太郎ボイス

中小企業と社会保障。予算で分かるアンバランスな関係とは。(20150127)

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■国家予算
1月14日、国家として日本を運営していくための予算、いわゆる「国家予算」が発表されました。総額で96兆3420億円という莫大な金額ですが、この国家予算の内訳を知っている人はあまりいないのではないでしょうか。今回は、この国家予算を紐解いて、政府が力を入れている項目、逆にあまり重視していない項目を考えてみたいと思います。
平成27年予算グラフ

■富める老人、貧しい若者
国家予算の内訳を見た時に、最初に目につくのが32.7%もの割合を占めている「社会保障」に関わる予算です(社会保障というのは、年金や介護、医療など)。
前回予算に対し1兆円(3.3%)の増加となった社会保障費用ですが、高齢化問題を抱えている日本にとって、社会保障費用が年々1兆円ずつ増えているのは当然と言えます。
しかしながら、以前から私も申し上げている通り「富める老人、貧しい若者」という構図が出来上がっていることも事実です。
これまでは、選挙に有利になるために、高齢者向けの政策や施策ばかり打ち出し、若者を軽視してきた現状があります。しかし、この現状を続けていくと、将来を担う若者が疲弊してしまい、いずれ日本の成長は望めなくなってしまうでしょう。今回の予算では、政府もそのことを多少意識したのか、社会保障費が増額になってはいるものの、ある程度致し方なく機械的に増えている部分のみとなっているようです。しかし、肝心の財源は相変わらず国債頼みという部分もあり、結果的には問題を将来へ先送りにした感が否めません。

■企業が支える日本の社会保障
また、社会保障費の総予算は約110兆円ですが、そのうち国家予算からは約30兆円。残りの70兆円強は社会保険費用から算出されています。社会保険の半分は企業が負担しているため、日本の社会保障の1/3以上を企業が担っているのが現状です。
アベノミクスによる景気回復が叫ばれていますが、特に中小の企業にとってはまだまだ厳しい景気が続いています。社会保障の財源を考える上でも、企業を元気にする政策とセットに考えていくことが肝心ではないでしょうか。

■国が地域をコントロールする?
地方交付税交付金は17兆円と言われていましたが、15兆円と減額されました。ただし、補正予算という形で補われています。
地方交付税交付金ではなく補正予算として地域にお金が渡ることで、より国が地方に干渉しやすい状況が生まれるのではないかと思います。4月に行われる統一地方選挙を有利に進めたいという思惑も垣間見えるのではないでしょうか。
私としては、地方は地方で地産地消なども含め、より独自性を持った発展を願っています。
今回の予算組により、国から地方をコントロールする図式が出来てしまうことはあまりよい方向ではないと感じています。

■少なすぎる政策投資
約100兆円の歳出総額のうち、固定的にかかってくる、社会保障費や地方交付税交付金、そして、国債の償還と利払いを除くと、約25兆円しか残っていません。そのうち約15兆円が公共事業と文教費・防衛費に充てられています。それらを除いて、政策的な予算として使えるのは全体の9.9%、約10兆円しかないのです。
しかし、そのわずかな10兆円の政策予算の中には、たとえば、食料安定供給という名目で、米(コメ)に対する1兆円もの歪んだ予算が組まれています。あまり知られていませんが、日本の農作物の中で一番利益を上げているのは、コメではなく食肉などの畜産です。しかし、農水省は自給率や食糧安保のロジックをゆがめてでも、頑なにコメを守ろうとしています。コメは日本の大切な農作物の一つですが、様々な利権の温床となってしまっているのも、また事実です。
逆に、日本の雇用者の8割以上が勤める中小企業対策には、たった1800億円程の予算しか組まれておりません。前述した社会保障費などの観点からも、桁が一つ足りないのではないかと思うほどです。

増え続ける社会保障費とそれを補う企業負担。少なすぎる中小企業対策予算。先延ばしを繰り返す国債の問題。日本は豊かな国ではありますが、国家予算の実情を紐解いてみると、そこには問題が山積みとなっています。
国家予算は国民全員に関係する予算です。是非皆さんも、日本という国のお金の部分に少しでも興味を持って頂ければと思います。

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●山田太郎略歴(http://taroyamada.jp/?page_id=13)
慶應義塾大学経済学部、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程。
外資系コンサルティング会社などを経てネックステック社を創業、
同社を実質3年半で東証マザーズに上場。2012年12月より参議院議員就任、
日本を元気にする会所属、日本を元気にする会政策調査会長 兼 幹事長代行。
東大・東工大・早大などでも教鞭をとり、著書も多数。

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