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お帰りなさい林農林水産大臣、花粉症対策・日本の森林事業政策について再び取り上げました

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3月26日、農林水産委員会にて、質疑を行いました。
農水大臣に戻られた林農林水産大臣に、これまで継続して調査追及している花粉症対策に関して取り上げました。今回は、独自に茨城県まで出向き、実際に現地で採取した開発中の小花粉スギの枝木や持ち出しができなかった為撮影した花粉症緩和米の写真等を用い、質疑を行いました。

議事録(未定稿)
○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。
 今日は、予算委員会との掛け持ちで中座いたしまして大変申し訳ございませんでした。それから、林農林水産大臣、お帰りなさいませ。
 実は、今日は少し花粉症の話についてやりたいと思っておりまして、実は昨日、山田委員長ともこの件はいろんなところでお話をさせていただいた経緯でございますけれども、そんな経緯もあるものですから、今日は大臣の方にもその流れで少しやりたいなと思っています。
 今回の大臣の所信表明演説を見させていただいたんですけど、一点大変残念なのは、花粉症対策について書かれておりませんでした。私が最初この委員会へ入ったときに、花粉症を是非一緒にやりましょうということで盛り上がったと思うんですが、まさかお忘れではないでしょうねと。実は、あのときに奥様も花粉症で大変だと。私の妻も花粉症でございまして、実は私の事務所は私以外全員花粉症でございまして、国民の中でも経済的には一兆円から二兆円のマイナスなんじゃないかと、こんな試算もあるような花粉症であります。
 林野行政、いわゆる国民の敵にならないように、この花粉症対策問題きちっとやるべきだと思って、今日は少しその辺りを触れていきたいんですが、お手元の方に今日は資料を配らせていただいております。(資料提示)
 写真と、実は今日、まさにその花粉症をまき散らす杉、ちなみに、しっかりこれは密封されておりますので安心でございます。最初に回していただきたいと思うので、小花粉杉の方、これも私、実は、この資料にございますが、森林総合研究所の育苗センターの方も行ってまいりましていただいたもの、それから前回大臣の方からもいろいろ教えていただいた、カビ菌を付けると雄しべの方が死滅して花粉が飛ばなくなるというものもしっかり現場見させていただきました。それから、CLT材を研究している国交省の建築研究所というところもまずは出かけて、それぞれ見てきましたので、こんなのをちょっと皆さん眺めながら今日は少し質疑やっていきたいというふうに思っております。
 さて、ちょっと順番を変えまして、花粉症の発生源である杉への補助金ということから入っていきたいと思っております。
 皆様御存じだと思いますが、林業ですね、林業の造築は六八%もの多くの補助が出ております。これはほかの補助金に比べてもはるかに多い補助率だということで、逆にそれだけ国が力を入れているということでもあるのかもしれません。
 ただ、私が一つ申し上げたいのは、これまでいわゆる人工林が非常に増えて杉の山が増えたのでありますが、本来我が国の森の在り方は自然林、広葉樹の国だった。それが五〇年代、六〇年代、高度成長期とともにどんどん切っていった。使ったのは広葉樹でありまして、まきとか、薪炭ですね、それからパルプに使っていったと。
 私は、実は、そこで少し欲を出しちゃったのかなと。つまり、一方で建材のために海外から木を買っていたので、じゃ、杉でも植えましょうかということで、将来金になるかもしれないと思って植えてみて、今やっと回収の段に至ったら、なかなかそれは売れない、それから杉は花粉をまき散らすということで不人気なわけでありまして、これまた行政としては何とかしなければいけないと。しかも、その間に国有林野事業使っちゃったお金は、三公社五現業、覚えていらっしゃると思いますけれども、四兆円ものいわゆる負債を抱えてしまったというようなこともあるわけであります。
 そんな中で、まず杉への補助金、これ以上本当にやっていくのかどうかということは、実は、ふと考えてみたら疑問に思いまして、いろんな計算をさせていただきました。どういうことかといいいますと、今杉は何本ぐらいあるのかなということで、推計ですけれども、これ、農林水産省さんとけんけんがくがくやりながら、大体一ヘクタール当たり千本で四十四億本、一ヘクタール当たり千五百本取れるとすると五十億本あるという計算になるわけであります。年間、今どれぐらい杉を切って使われているかというと、一千五百万本ぐらいだということなわけでありますから、何と、一千五百万本で最低限四十四億本を推定としますと、二百九十年分もの杉があるということでありまして、ある意味で持ち過ぎというか、天然林を切り過ぎてしまって、造林したのはいいんだけれども、杉ばかり植えちゃって、密林にもなって、こんな花粉まき散らしているんじゃないかなと、こんな問題意識を持っているわけであります。
 そういった意味で、例えば、これは大胆な政策転換になるかもしれませんが、六八%のいわゆる補助を出して、これ以上今杉を植える必要は実はあるのかなと。まず、杉はどんどん切っていくということについてはアグリーなんでありますけれども、これ以上積極的にそこに補助を、高いしかも比率を出して植えていくのは、本当に、もしかしたら将来に対して負の遺産を残すことになりかねないんじゃないか。この辺り、大臣の方からまず御所見いただけないでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 先ほども小川委員からも、「日曜討論」でございましたか、そこでの様子についても触れられて、また御質問あったところでございますが、杉は我が国固有の樹種でございまして、成長に優れること、それから造林技術が確立をしているということから、古くから森林所有者等によって選択されてきた主要な造林樹種の一つでございます。また、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止、生物多様性の保全と、いわゆる森林の有する多面的機能の発揮の観点からも重要な樹種であると、こういうふうに考えてございます。
 農林水産省では、森林所有者等が行う杉を含めた様々な樹種の植栽に関しまして、森林整備事業により、今御指摘のありました、国と都道府県合わせて実質約七割の補助を措置しております。
 杉が花粉の発生源になっている点に関しては、先ほど冒頭に、所信表明に入っていなかったということでございますが、これは入っているかいないかにかかわらず、しっかりとこの対策はやっていきたいと思っておるところでございますし、少花粉杉等の花粉症対策苗木、今日は何か持ってきていただいたということですが、こういう植え替え、それから杉伐採後の広葉樹の導入など、花粉発生源対策の推進を通じて多様な森林の整備、これはしっかりと進めてまいりたいと思っておるところでございます。

○山田太郎君 今日は環境副大臣にも来ていただいております。どちらかというと、農林水産省、生産者側に立つ傾向もあるかと思いますので、国民の健康、環境保全という観点からいったとき、この花粉症の発生源に対する対応、例えば環境省なんかはどのように考えて対処されているんでしょうか。

○副大臣(北村茂男君) 環境省における花粉症対策の取組でありますが、花粉の飛散に関する国民への情報提供等の観点から花粉症の対策に取り組んでいるというのが我が省の対応策でございます。
 具体的には、杉・ヒノキ花粉の総飛散量や飛散開始時期等の予測、また花粉観測システム、通称はなこさんと言っているんですが、を用いたリアルタイムの飛散情報の提供、また、これらの情報を用いて適切な対応を促すため、花粉症への対処法などを分かりやすく解説する花粉症環境保健マニュアルの発行等の取組を進めているところでありまして、今後とも関係府省と連携をして積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。

○山田太郎君 私は、何も杉を、何というんですかね、無造作に簡単に全部切って替えてしまえということよりも、やっぱり広葉樹というのをもう一回見直すべきなんじゃないかなと、こんなふうに思っているわけですね。今大臣の方から治山治水という観点からもお話あったんですが、広葉樹、十分に大きく根を張りますので、そういう意味ではいわゆる挿し木でもって、なかなか弱い、縦に生える杉よりも、広葉樹優れているんじゃないかなという論点もあるかと思っています。
 あと、もう一つ大切なことは、これ実は鳥獣被害にもつながるんじゃないかなという考え方も持っております。考えてみれば、広葉樹、ドングリができますし、芽もあって、いわゆる鳥獣たちはこれを食べるわけであります。もしかしたら、これは多分原因はなかなか難しい、因果関係は難しいのかもしれませんが、これだけ人工林で針葉樹になって、それで針葉樹の場合はきちっと増植し、かつ間伐もやり、道路も建てりゃ、それは動物も里山に出てくるでしょう。
 それで、私、もう一方でどれぐらい鳥獣がこれによって処分されているか調べてみたんですが、改めて、なかなか農林水産委員会では鳥獣は対策ということで敵視される面もあるんですが、別の観点から少し見てみますと、イノシシが四十二万頭、鹿が四十六万頭、何とお猿さんが二・五万頭殺されているということで、かわいそうといっちゃかわいそうで、彼ら元々野生でございましたのでというところもあるわけであります。鳥獣被害は年間で二百億円、これに対する国の対策費は百十億円ということでありまして、関連三百億円以上の金も掛かっていると。
 その原因は、もしかしたら針葉樹を切って、広葉樹のまさにトトロが住む森を壊してしまった我々人間にも原因があるんではないか。そう考えると、やっぱり天然に戻す。広葉樹は家具としては非常に高級な素材でありますし、針葉樹よりも高く売れるということもありますので、是非そういうふうに広葉樹を積極的に考えていくということを少し農水省としては捉えられないのかどうか。その辺りも、大臣、御所見いただけないでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) ドングリと鳥獣被害の関係についてはちょっと初めて今お聞きして、なるほどそういうことがあるのかなと、今初めて聞きましたので少しこれは研究の余地があろうかと、こういうふうに思いますが、私が聞いた話では、一度、足りなくなった原因は何かは別として、一度農作物に来た動物は、大変においしくて養分もたくさんあるものですから、もうその元がドングリがあろうがなかろうが一度味をしめてもらったものは元に戻れないんだというお話も一方で聞いたことがございまして、まるで人類史における弥生時代になってしまったのかなと、こういうようなことを考えたことがございますが。
 それはさておきまして、今、杉人工林資源の多くが利用段階に達しております。したがって、伐採、再造林によって循環利用のサイクルを確立するということで多面的機能の発揮はもちろんですが、林業の成長産業化を通じて山村等の振興、これを図っていくことが大事であると思っておりますが、この伐採後でございますけれども、花粉発生源対策の観点から、今後とも林業経営が可能な場所については少花粉杉等の花粉症対策苗木による植え替え、これ積極的に進めるという一方で、条件不利地等においては広葉樹の導入等も進めていかなければならないと、こういうふうに考えておるところでございます。

○山田太郎君 私も実はそう思って、まさに写真、それから回して見ていただいたこの少花粉杉とか無花粉杉、期待して行ったわけでありますが、考えてみれば、実は千五百万本切っているうち、大体二百万本ぐらいしか今できていない。研究所によれば、これを全部切り替えちゃった場合に種の全体の保存としてもつのかどうか、いろんな疑問もあってなかなかそこまで踏み込めない。それ以上に、やっぱり予算も実は少花粉杉、無花粉杉については一億円ぐらいしか予算もないものですから、これではなかなか増えないということ。
 もっと言っちゃうと、先ほど申し上げたように、推計ではありますが四十四億本の杉をこの調子で切っても二、三百年掛かっちゃうということでは、確かに二、三百年後の子孫のためにやるというのも大事なんですが、これはもうこれ以上杉を植えるというよりも広葉樹交ぜていく、できれば広葉樹を積極的に植えていくということの方が、その部分は現実的。ただ、大事なことは、少花粉杉、無花粉杉をつくってもこの花粉病の対策にはなりませんので、やっぱり確かにお金も掛けてつくっちゃった杉の林ですから、これは切って使っていくということは確かにそのとおりなんじゃないかなと。
 ただ、そうなってくると、この委員会でもさんざん議論になりましたが、CLTを使っていくという話になりまして、写真も見ていただきたいんですが、CLTもしっかり、独立行政法人の建築研究所というのに行ってまいったんですが、行ってちょっと残念だったという話を少ししなければいけないのは、やっぱり、まだ三階建てまでしかできないということなんですね。これをやっぱり十階までやらないとツーバイフォーには勝てない。こういうことがありますので、基準とそれから研究を急がなければならない。海外で十階建ての建物ができて、本当の、基礎材としてできているんだから日本はいいじゃないかと言ったらば、日本は日本の基準や環境の問題があるということで、どうも国交省さんの方は、言い方は悪いんですけど、のんびりと研究をされているのかなと。
 ちょっとこの写真を見ていただきたいんですが、下二つなんですけれども、いろんな実験をされておりまして、ある圧力を掛けたらどれぐらいで破損するのかなんというのが下の真ん中の写真ですし、もう一つCLT材の最大の問題は火事に弱いというところだということが分かってきまして、縦型の火に対して柱が十センチも残らないとそのまま崩れ落ちてしまいますので、結局、断熱石こうボードを入れないともたないということになってくると。そうすると木の風合いができないので、じゃ何でCLTなんだということにもなりかねないということで、いろんな問題がやっぱり現場にあって、そう簡単に、CLTにすればいわゆる杉がどんどん使われて日本の建築材が使われるというものでもないんだなということを改めて感じたというか、知ったところであります。
 とはいうものの、杉、何とか使わにゃいかぬということではありますが、こういった現状を踏まえて、もう一度、どうすればいいのかなという辺り、大臣の方に御所見をいただけないでしょうかね。

○国務大臣(林芳正君) いろんなところに行っていただいて、特に委員におかれましては、花粉症であられるにもかかわらず、杉の近くまで……

○山田太郎君 僕は違います。うちの家内です。

○国務大臣(林芳正君) あっ、奥様が花粉症だということですが。ありがとうございます。
 CLTは、まさにこの林業の成長産業化にとっては大変に大事でございまして、今御指摘いただいたように、ヨーロッパにおいても中高層の建築物の構造材で使われております。国交省においても、今年二月ですが、五階建ての実寸大のCLTの建築物を使った振動実験を行っていただくなど、中高層建築物への利用に向けた取組が進められております。
 平成二十八年度早期にCLTの一般的な建築基準の策定に向けて、昨年の十一月に国交省との間で共同でロードマップを公表しておりまして、ここでCLTの強度等に関するデータ収集、施工ノウハウの蓄積のための実証的な建築事例の積み重ね、国産材CLTの生産ラインの整備等を計画的かつ総合的に推進しておりまして、国交省と緊密に連携をして、今まさに利用期を迎えているということでございますので、国産材をしっかりと使っていきたいと、こういうふうに思っております。

○山田太郎君 これには国交省サイドのCLTに関する研究それから許認可の加速化ということが必要になってくると思いますが、今日、国交副大臣、来ていただいていますよね。是非、その辺り、いかがでしょうか。

○大臣政務官(うえの賢一郎君) 精力的に研究所の方も御視察をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 今、林大臣の方からお話のあったこと、そのとおりでございますが、私どもといたしましては、平成二十五年度から三か年計画で地震あるいは火災に対する安全性を検証する実験等を行っております。平成二十八年度の早期を目途に、今具体的な建築基準の策定を行うこととしておりまして、この結果、CLTを利用して中層の建築物が通常の建築確認により建てられるようにしてまいりたいと思います。
 当面は三階から四階ということが視野に入っておりますが、将来的には五階から七階まで程度を視野に入れて、今後とも精力的な研究開発というものを進めてまいりたいと思います。
 委員御指摘のとおり、我が国は豊富な森林資源を有しているわけでございまして、このCLTの利活用というのが大変それに対しても有効だと考えておりますので、精力的な研究あるいは基準の策定等に今取り組んでまいりたいと考えております。

○山田太郎君 是非、国交省におかれては、要は十階を目指していかないと、いわゆるSPFですよね、松とかモミのツーバイフォー材に勝てないので、本当にCLTをやろうということであれば、これは農水省さん、国交省さんセットになって是非お願いしたいと思います。
 さて、花粉病撲滅というか対策は、実は花粉が飛散しないということと、花粉症そのものを治していくということもありまして、これも前回大臣に教えていただいた花粉症を緩和する米、これは農水省の方でも農業生物資源研究所で作られていて、実際できているということなんであります。写真は右上、済みません、私も写り込んじゃっているんですけれども、こんな感じで、見たからには普通の米であります。もらってこようと思ったら、まだ治験等が駄目だということで、一切出せないということでもらってこれなかったんですけれども。
 これ、ただ、実際にやっていこうとしますと、厚労省さん側の問題というのが出てきます。これは薬として捉えられれば治験が必要で、もう治験に入っちゃうと多分十年間で百億以上のお金が掛かると。できれば機能性食品で出せないかなということなんでありますが、ただ、遺伝子組換え等、もちろん薬の、中は組み換えていますので、そういった論点なんかもあります。でも、ここまで深刻な問題になっているんであれば、せっかく農水省の研究所でやっているものですから、厚労省の方も見に行っていただいて、私は機能性食品で一日も早くこういったものを出していただけないものかなと、こんなふうに思っておりますが。
 治験をするにせよ、機能性食品で出すにせよ、厚労省の方が重要なポイントになりますので、この辺り、厚労副大臣、いかがでしょうか。

○副大臣(永岡桂子君) 先生から厚生労働省におけます花粉症対策、この御質問をいただいたと思っております。
 厚生労働省は、花粉症対策につきましてはアレルギー対策の一環といたしまして対応を行っているところでございます。平成二十三年の八月に厚生科学審議会の疾病対策部会、これはリウマチ・アレルギー対策委員会におきまして取りまとめられた報告書に基づき対策を講じているところでございます。
 具体的に申し上げますと、医療の提供などの確保、そして情報提供、相談体制の確保、研究開発などの推進を柱といたしまして、診察ガイドラインの普及でありますとか、都道府県などの保健福祉医療関係者に対する研修会の開催、花粉症の病態解明、また治療法の研究開発などを行っております。
 また、昨年、平成二十六年六月には、アレルギー疾患対策の基本法が成立したところでございまして、厚生労働省では今年十二月の法律の施行に向けまして、農林水産省などの関係省庁との連携の上で、この法律に基づく基本方針の作成など法律の施行準備を進めているところでございます。

○山田太郎君 いずれにしても、加速化してください。この春を過ぎちゃうとまた一年忘れちゃうようなことでもありますが、もう本当に多くの国民の人たちは悩んでいるところだと思いますので、お願いしたいなというふうに思っています。
 さて、この杉というか、その背景にある国有林野事業についてもちょっと触れていきたいと思っております。
 先ほど冒頭に少しお話しましたが、御案内のとおり、国有林野事業、頑張ってやってみたものの、大変な赤字をつくってしまいまして、四兆円。平成十年に改革がありまして、二・八兆円は国が一般会計の方で引き取ると、つまり国債となって将来の借金に組み込まれちゃったわけでありますが、今でも何とか平成六十年までに杉を切って返していこうと、こういう計画があるそうでございまして、一・二兆のまだ借金が国有林野事業の方にどうしても残っているということであります。
 平成十年のときに一・二兆円だったんですが、さらにまた平成十六年のこの間に二千三百億円が借金で増えちゃいまして、また、平成二十五年に債務特会の方に継承されるということをここの委員会でも議論したということは皆さん御記憶にあるところかなと思っております。
 私は、いろいろ過去やった、いい悪いと言っていてももう仕方がないので、今後未来に向けてこの林野事業をどうしていくのかというのはこの委員会にとっても極めて重要なことだと思っておりますが、何が問題かというと、まだ今年度においても、例えば八十億円もの金利を生んじゃうんですね、いわゆる一・二兆円もの借金がたまっておりますので。そういった意味で、本当にこれそのまま放置していていいのかなと。
 実は、杉のやっぱり林野事業って、残念ながらもうからないといえばもうからない。数字をいろいろ集めてきたんですが、大体、杉は一本〇・五立米というふうに考えますと、千五百円程度が山元の価格だということなんでありますが、実はそれを工務店まで運ぶのに、伐採運賃、平たん地で三千百五十円、製材が一立米当たり一万円、工務店までの運搬が二千円ということで、一万五千円。一本十倍のお金が途中で掛かっちゃう。これは傾斜地になっちゃうともっと掛かって二万円以上だということでありまして、これ以外、御案内のとおり、国有林を維持するために、毎年国有林の部分だけで五百億円ぐらいのいわゆる間伐のお金も掛けているということでありまして、足していくと、実は借金の金利ばかりではなくて、まだまだ残念ながら赤字をずっと垂れ流している状態にあるということであります。
 そんな中で、これは林大臣にお伺いしたいんですけれども、本当に平成六十年までにこんな状況で返済できる見込みがあるのかどうか。ないのであれば、私はもう一気に処理してしまって、林野事業は新たな段階に入った方がいいんじゃないかなというのが一点と、毎年、金利がすごい安いんですけれども、八十億円、もしかしたら金利が上がればもっと百億円に近づいていくようなこの林野事業、このまま本当に支え続けていくべきなのかどうか、この辺りもお話しいただけないでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 現在の債務返済スキームでございますが、今委員からも御指摘があったように、平成十年に抜本的改革ということで、債務の更なる増加を防止しようということで、累積債務の利子支払分を一般会計で負担することにしたほか、国有林の森林整備等が事業収入の動向に左右されることなく計画的に行えるように、森林整備事業予算を一般会計で措置することといたしました。
 国有林野の管理経営に当たっては、今お話がありましたように、国民負担の下に運営しているということを十二分に自覚して、一方でこの国有林野の有する公益的機能というものがあるわけですから、これを十全に発揮させるというのがそもそも大事なことだと思いますので、そのための森林整備等万全を期すということと債務返済を着実に進めるということで責任を果たしてまいりたいと、こういうふうに思っておるところでございます。

○山田太郎君 もう一つ、国有林野事業の中身についてまたこれいろいろ調べてみたんですが、当初は「WOOD JOB!」なんて言って、私も大変に関心もあってちょっとプラスな側面も見ていたんですけれども、実は、ここの国有林野事業に関わる職員の数は八百八十五名なんですが、人件費九十億と。単純に割り算すると、きこりの年収は一千万円ということなんですね。本当に、民間のレベルのきこりはどれぐらいのお金なのかということを調べてみましたら、皆さんの給料は三百万から四百万行かないということでございまして、倍以上の給料が民間と公務員との間で開きがあると。これも何か非常にゆがんでいるなというふうに思っておりまして、何か国有林野事業を守るべくして守っているんではないかなと。
 当初の林大臣のお話にあった、一度決めたことは変えるということではないという大変力強い林大臣ですから、私は、この林野事業が国民のための事業になるために、この辺り、いっそのこと一年ぐらい掛けてきちっと見直して、花粉も出さないようにして、回っていくような事業に、あるいは、私自身は、いっそのこともう国有林野事業はこの段で処理していくと、林大臣だからこそこの段でできるんじゃないかなというふうにも思っておりますので、その辺り、大臣いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 常に節減できる経費はしていくという姿勢で臨んでいきたいと思いますが、平成十年に至る経緯を見ますと、平成九年に林政審議会というところで報告書が出てございますが、まず昭和三十年代に森林の成長量を上回る伐採、これを長期間にわたって実行しておったときがありまして、このときは一時的に黒字になっておりまして、実はそのときの黒字を一般会計に繰入れをしているということがございました。
 昭和三十年代の事業規模の拡大によって増大した国有林の要員規模が、この後、伐採量が減少しますので、これに見合った適正な規模に本当は縮小すべきだったんですが、これができなかったということ、そして、四十年代半ば以降は、貿易の自由化、円高基調で今度は外材が入ってくるということに加えて、環境保全への要請に配慮して抑制的に伐採したと、これで収入が減っちゃったと、こういうことでいろいろなことが重なったということから、借金が膨らむと利払いが膨らんだと、こういうことがございます。
 職員数も、実は昭和三十九年に八万九千人いらっしゃったわけですが、平成九年の時点で一万五千人ということになっています。昭和五十七年には四百七十四億円だったものが、平成九年には千七百九十二億円と、これは利払い費でございますが。それから、この売上げの杉の丸太ですが、立米当たり三万九千円だったものが、昭和五十五年ですが、平成九年、二万一千円ということでございます。
 したがって、いろんなことが絡んで平成十年ございましたので、そこで一回大きな改革をやってここに至っておりますので、そのときの精神を忘れずにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

○山田太郎君 日本の森は七十兆円ぐらいの資産価値があるとよく言われます。これが気付いてみたら負の遺産だったということにならないように、是非行政も、林野事業をしっかり我々も一緒に議論してやらせていただければと思っています。
 本日はどうもありがとうございました。