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農協法の改正は、多くの課題を抱える日本農業をまず考えた上で検討すべき

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7月14日より、農業協同組合法の一部を改正する法律案の審議が始まりました。

今回の改正は、農協の中央会の監査権限について大きく報道されています。

審議の内容は、中央会の監査権限をなくし、各農協の独自性高め、農業に特化した収益性の高い組織にしていきたいというものです。

しかし、収益性の高い農産物の生産者は、農協を通さずとも売り先があり、現実は、農協が収益性の低い農産物の受け皿になっているのが実態ではないか。

私は、農協さえ改革すれば、農業の収益性が高まるものでもない。たくさんの課題を抱える日本の農業をまず考えたうえで、農協は政策的にどのような役割を担ってもらうのか。本質から目を背けない、改革を行っていく必要があります。

今回からが議論のスタートですので、次回以降さらに議論を深めていきたいと思います。

【議事録(未定稿)】
山田太郎君 日本を元気にする会、山田太郎でございます。
 農協改革、私も農林水産委員にならせていただいて三年間、前半の方はたしかさんざん農協改革を毎回やらせていただいて、皆さんからもいろんな御意見、御批判もいただいたところでありまして、やっと農協改革、緒に就いたかなと思ったんですが、内容はこんな感じなのかということでちょっと失望感もあるところであります。
 いろいろ農協改革に関しては立場の違いがあるとはいうものの、私も、今回の農協改革、何のためにやるのかなというのがさっぱり分からないというところでありまして、何回か機会をいただいておりますので、農協改革、それから農業委員会、いろいろ議論はありますが、今回は農協改革に絞って質疑を少しさせていただきたいと思っております。
 まさに各委員の方から指摘がありました、今回の農協改革はあくまでも農家の所得を増やすんだと、こういうことを言っているんですが、私も、確かにどうしてこれで農家の所得が増えるのかさっぱり分からないんですね。まず、そんな辺りから、もう一度整理する意味で、今回の改革で具体的に、例えば米のいわゆる農家さんがどうして今回の改革をすると所得が上がるのか、端的にというか、簡単で結構ですので、御説明していただけないでしょうか。

国務大臣(林芳正君) これは衆議院でもいろいろ議論があったところでございますが、私が申し上げておりますのは、今回はいろんな農政改革を、需要サイド、供給サイド、バリューチェーンとやってまいりまして、それに対応してこのプレーヤーである農協等々の改革をやるということでございますので、農協の改革のみを取って、これで全て、これだけで所得が増えるということではなくて、あくまで必要条件といいますか、全ての改革相まってしっかりと所得を増やしていこう、そういう環境を整備していこうということでございます。
 例えば、今、米ということで例に出していただきましたので、米、まさに水田のフル活用をしていくと。そのことを、いろんな地域によって様々な条件が違いますので、例えば新潟の魚沼産のような高い品質の主食用米を専門的に作っていらっしゃるところもありますし、もう少し大規模なところで大規模な経営をやっていらっしゃるところもあるし、近くに畜産がいらっしゃるところで耕畜連携をされるところもあると。それぞれの地域の特性に応じて農業者の方と農協がしっかりと話合いをしていただいて、この地域はこういうふうにやっていこうという方針を出していただく。それは全国一律でなくてもいいわけでございますので、まさに地域が創意工夫をして、農業者と話合いをすることによって持てる資源を最大限に生かして所得を増やしていく、こういう姿を描いておるわけでございまして、今回の法改正は言わばそのことを可能にする条件を整備すると、こういうふうに考えておるところでございます。

山田太郎君 地域の固有の取組を頑張るということは分かるんですが、大きな今回の農協改革の目玉は中央会の廃止ということなわけですね。
 そうすると、中央会というのがあったから地域の固有な農業の努力ができなかった、つまり中央会が全て悪いのか、中央会さえ廃止すれば個別の農家はもうかるのかということだとも思うんですけれども、今大臣からお話をいただいた内容と今回の農協改革とが必ずしも私は何かどうもしっくりつながらないのでよく分からないと思うんですが、中央会との関係において本当に中央会がその責任だったのかどうなのか、その辺り、いかがかも教えていただけないですか。

国務大臣(林芳正君) そこも随分衆議院でも議論になったところでございますが、まさに何か中央会がいろんなことを阻んでおったので、中央会がなくなるとその障害が取り除かれて地域農協がいろんなことができるようになると、こういうことではなくて、昭和二十九年に中央会制度がそもそも導入されたのは、行政代行的な仕組みとして農協の経営を指導して、当時危機的な状況に陥っていたことを解消するということで導入をされたわけでございますので、昭和二十二年に始まった農協制度全体に加えて実は二十九年にこの中央会制度がそういう目的を持って始まったということでございますが、その目的としてきた危機的状態から回避をするという意味で、単位農協が一万を超えていた状況から七百程度に減少して大変に、先ほど儀間先生からもございましたような大きな規模の農協も出てきて経営も安定してきた、こういうことと、それからJAバンク法に基づいて信用事業については農林中金に指導権限が与えられている、こういうこともあって昭和二十九年に始まったときと状況が変わってきた、こういうことでございますので、その状況に合わせてこの改革をしたと、こういうことでございます。

山田太郎君 政府の方は、大臣も含めて、農協というのは自主的に設立されているものだと、自己改革を求めるということを、実は私もこの改革に入る前からさんざん質疑に対しては答弁いただいていたんですが、であれば、何か今回の農協改革というのはちょっと中途半端というか、要は農協が本当に自主的な存在であればもう任せればいいというだけの話だと思うんですよね。ただ、あるとすると、農協が持っている幾つかの特権というか優遇措置、これどうするかということだけきちっと議論をして、もしこれがなければ、民間の任意の団体に対してああでもない、こうでもないと言うのは一つ大きなお世話なのかなということにもなるわけでありまして、その辺の優遇措置というものも今後どう考えていくかということが本当は農協のあるべき姿を位置付ける重要なポイントなのではないかなと。
 優遇措置としては五つぐらいあるというふうに考えておりまして、独禁法のいわゆる二十二条ですよね、共同購買、共同販売。それから、一般法人に対して、二五・五%という法人税に対して一九%という安い、これは協同組合法によるところでありますが、法人税であると。それから、組合員向けの配当に課税がないとか、それからもう一つ、これは大きいところだとも思いますが、農協以外の、金融機関の生保、損保との兼業禁止というのが除外されていると。あともう一つ大きいなと思うのは固定資産税の免除という辺り、事務所と倉庫に対しては固定資産が免除されると、こういうことだというふうに思っております。
 これそのものをどう扱うかという議論もあるんですが、もし農協がこういった優遇、もちろん共同購買、共同販売は組合としての機能でありますからそれは持たせるにしても、幾つかの優遇政策を見直せば、確かに自主改革に任せるというのも一つの筋でありますし、今後の農協改革のあるべき姿なのかなと、こんなふうに思うわけですが、そんなところで、ちょっと、この優遇のところだけ少し確認をしたいと思っているんですが、そのために今日総務副大臣にも来ていただいております。
 その優遇の中では固定資産税の免除という辺りもあるんですが、実はJAさんといえば、非常に象徴的に千代田区の大手町に大きなJAビルが建っております。それから、千代田区の平河町にもJA共済ビルが建っておるんですが、これ、実は固定資産の優遇を受けているようでございまして、年間幾らぐらいに当たるのか、この辺りを教えていただけないでしょうか。

副大臣(二之湯智君) 個別の課税額や非課税額については、総務省は課税官庁でございませんので、実態は把握しておりません。
 しかし、地方税法上どれぐらいの非課税額あるいは課税額ということは守秘義務が課されておりますので、従来から答弁を差し控えさせていただいております。

山田太郎君 じゃ、一点だけお聞きしたいんですが、課税額の具体的な額については聞きませんが、実際には固定資産の優遇が行われているかどうか、その点だけ教えていただけないですか。

副大臣(二之湯智君) 現行、今、非課税額としては存在をいたしております。

山田太郎君 後でしっかり議論をしたいと思ったんですが、私、農協は確かに地域における協同性それから地域創生の要であると、これはもっともだというふうに思っております。そういう意味で、もしかしたら地域協同組合としての性格に変遷していくということも本来農協のあるべき大きな変更なのかなと。
 ただ、そうなってくると、やっぱり地域に根差しているわけですから、地域の一番、税金である固定資産税払っていくというのも、実はこれは非常に重要な改革なんじゃないかなというふうにも思っておりまして、販売とか購買に対して農家が恩恵を受けるということは、それはそうだと思いますが、それでも、今度は地域に対して貢献するんであれば地域の税金はきちっと払っていく、これは一つ考え方なのではないかなと思うんですが、その辺り、これは農水大臣なのか、あるいは地域の政策として総務省の方答えていただけるのか、ちょっとどなたか政府の方でお願いします。

国務大臣(林芳正君) 大変整理された御議論を今いただいたと思っておりますが、独禁法、法人税、配当課税、生損保の兼業、固定資産税と、こういうことが挙げられておりますが、基本的な頭の整理として、農協の改革はこの法人格を協同組合から株式会社にするという改革ではないということでございます。
 したがって、その趣旨にのっとって、協同組合として、農業者の協同組合という原点に返るという議論を先ほどさせていただきましたように、協同組合であること自体について何か変えようということではないわけでございますので、先ほど先生からお話のあったような点につきましては、協同組合というのは実は通則法がないものですからそれぞれの協同組合法で決めるということになりますが、いわゆる協同組合というものについては共通してそういうことが許されていると、こういうふうに理解をしておりますので、その基本的なところは、この農業協同組合の改革という趣旨に鑑みて残すべきところは残すと、こういう整理ではないかというふうに思っております。

山田太郎君 総務副大臣の方はお忙しいでしょうから、関連はここまでですので、委員長の許可があれば御退席いただければと思っています。

委員長(山田俊男君) 二之湯総務副大臣、時間がなければ結構でございます。ありがとうございました。

山田太郎君 もう一つ、そんな議論から、そういう意味で、あるときには自主改革で自主機関だといい、あるときは協同組合であるから法律に基づいた組織であるということで、何かカメレオンのように期待するものを使い分けているような気もしているんですが、そもそも政府は農協に何を期待するのかなという辺りも今回の改革としてはすごく重要だというふうに思っているんですね。
 質疑ですから、ただ質問するだけじゃなくて、私は、今回この委員会で、後半戦というか、こだわっておりますのは、やっぱりいわゆる新規就農者をどうやって増やすのか、それから例えば一人当たり本当に十ヘクタールできるのかどうか、規模をどういうふうに拡大していくのか、こういう辺り、実は幾ら農協を改革しても、あるいは輸出を増やすといっても、自給率を高めるといっても就農者がいなくなってしまえばもう終わりなんですよね。
 そういう観点からいけば、例えば、具体的に、ちょっと私も今までの発言の方向性変えると、要は准組合員だったとしても組合員になってくれる、つまり農業者に引き込めるんであれば、それはそれとして手段として面白いんじゃないかなと、こんなアイデアだってあるわけでありまして、ただ、農協に何を、例えば政府、それから今回の改革で期待するのか、どういう方向に具体的に持っていくのかという大きな戦略というんですか、そういうものがないとなかなか意味のあるものにはつながらないんじゃないかなというふうに危惧をしております。
 何度もしつこいようでありますけれども、平成三十七年に九十万人、六十歳以下の農業者が九十万人要るという試算、そうでないと三百ヘクタールの耕地を耕すことはできないと、こういう試算が出ているうち、今、残念ながら平成二十七年度では四十九歳以下の農業者が三十一万人しかいませんと。つまり、単純に六十万人増やさなければいけないというのが私は危機でありまして、これと今回の改革とどうつながっていくのか。まさに、紙議員の方もありましたが、食料・農村・農業基本法にのっとればこの辺りは中心の課題になるわけでありまして、それが本来、もうちょっと踏み込んで農協の役割ということを考えていったら、もしかしたら新規就農者を増やすことができるかもしれないと。
 そういう論点から、もうちょっと踏み込んで、農協、何を政府は期待して今のような特に今後の五か年の計画に対してやろうとしているのか。そうでないと、単純に、何か改革コンサルタントのように、問題があるからそれをモグラたたきで潰して、ここも悪い、あそこも悪い、悪いから直すんだではなくて、悪いところはどの組織にもあるわけですから、もっと大きく、どういうふうに位置付けたいのかな、戦略的なポジションというんですか、そんな議論が全然ないような気がするわけですね。
 それが全然質疑も足りていないし、今回のいわゆる政府の最初に出してきた規制改革の委員会の中でも何か足りなかったような議論をするんですが、経済通であり大所高所から見られる農水大臣であれば、この辺り踏み込んで是非戦略を御発言いただければと思いますが、いかがですか。

国務大臣(林芳正君) まず、山田委員におかれては、足掛け三年で随分農林水産委員らしくなってこられたなと今思って聞いておりましたが。
 民法三十四条というのがございまして、法人には非営利と営利というのがございますので、多分非営利だからといって何か公的な部門をやるということでは必ずしもなくて、NPO等で、協同組合もその一類型だと思いますが、こういうものを民間の発意によって自由につくることができると、そういう立て付けでこの法人の仕組みはできておりますので、我々がいつも申し上げているのは、そういう立て付けの上で民間がつくられておると、こういうことでございます。
 今、お尋ねのあった食料・農業・農村基本計画の構造展望の付録というのがございますけれども、先ほどお話しいただいたように、土地利用型については約三十万人、一人当たり十ヘクタール、三百万ヘクタールと、こういう試算を、計算をしておるわけでございます。
 農協改革の基本は、担い手の農業者の方のニーズを踏まえて農産物販売等の各種事業を的確にやっていくということでございますので、成果を上げていただきますと担い手農業者の経営の拡大や経営効率化、こういうものが図られると、こういうふうに思っております。
 午前中の質疑でもありましたように、こういうむしろ専業で担い手でやっていらっしゃる方は忙しいのでなかなか農協の理事にならないと、こういうような現状では、一体そもそも農協というのは何なんだろうと、こういうことになるわけで、そういうがっつりやっていらっしゃる方が、自分たちがより効率的にいろんなことをやってもらうためにやっていくという言わば原点みたいなものにしっかりと応えていただくというのが、翻ってそこにつながっていくんではないのかなと、こういうふうに思います。
   〔委員長退席、理事野村哲郎君着席〕
 それから、農地集積円滑化団体ということで農地流動化に取り組んでいただいている農協もございます。中間管理機構の委託を受けているところもございますけれども、こういう担い手の農業者のニーズがより踏まえられるようになりますと、担い手への農地の集積、集約化がより進んでいくんではないかなと、こういうふうに思っておりまして、これはまだ議論があるところでもあるかもしれませんが、この一人当たり十ヘクタールという土地利用型で想定しておりますところにこの改革も同じ方向を向いていると、こういうふうに考えております。

山田太郎君 もう一度お聞きしたかった新規就農者がどう増えるかということに関しては、今回の農協の改革又は農協に今後求めていることというんですかね、集中していくだとか十分にその販売力が高まっていくというのは農協の販売力を強化することによって引っ張っていくということだということだと思うんですが、その辺りはどうなんでしょうね。

国務大臣(林芳正君) 失礼いたしました。
 新規就農についても、そういう担い手の意見が反映をされるようになって、そういう方が、なるほど、みんなでこの農協を使っていこうということが今より盛んになってくれば、そういうところに入っていこうという方も増えてくるということでございますし。
   〔理事野村哲郎君退席、委員長着席〕
 それから、法人経営になりますと、自分で一から土地を借りたり、取得して始めるということに加えて、就職をすると、こういうことが出てまいりますので、学校を卒業されてすぐということでは必ずしもないかもしれませんが、最初から全部自分でやるというよりは、法人に就職をしていろんな技術等を習得した上で、そういう気持ちがあればその後スピンオフしていくと、こういう形も出てくると、こういうふうに思いますので、こういう方が増えていくことによって、新規の就農、これは農協の改革だけではなくていろんな施策を同時に打っていかなければならないと思っておりますが、そういうものと相まってこの方向性が出てくるものと、こういうふうに期待をしております。

山田太郎君 そこの農業法人の規定で、これも実は農協法三条に書いてあるんですが、「この法律において「農業者」とは、農民又は農業を営む法人」とあるんですが、実は括弧書きがございまして、法人は、常時使用する従業員の数が三百名を超え、かつ、資本金の額又は出資の総額が三億円を超える法人を除くと書いてあるわけですが、逆に言うと、であれば、私、ちょっと自分も会社経営していたりしていましたので、そんなに大きな法人ではない、この規模はというふうに思っておりまして、もっと大きないわゆる農業を営む法人も組合に組み込めるということだってあってもいいんではないかなと思うんですが、大規模な農業者というものはこれに参画できないのか。
 規模を拡大、また今おっしゃられたように、新規就農という人たちが入ってくるためには勤めながらのルートもあるんだということであれば、この規定というのがやっぱり現実的には、農協法三条、先ほど紙議員がおっしゃっていた小規模というものを救うというところから脱し切れないのかどうか。こういうちょっと不整合がいろいろあるんじゃないかなとも思うんですが、その辺り、いかがでしょうか。

国務大臣(林芳正君) これはどこかで線を引きませんと、あらゆる大きな法人まで全部ということになりますと、先ほど申し上げましたように協同組合のそもそもの趣旨というのがございますので、競争力等が比較的弱小な方が集まることによってバーゲニングパワーを付けていくというのが協同組合の本旨であろうと、こういうふうに思います。そのことによって先ほど山田先生がおっしゃったようないろんな優遇措置が設けられているということ等鑑みますと、この三百人、三億が、例えば一万人、一万人という企業がいるかどうか分かりませんが、物すごく大きな企業になっても、先ほど言ったような法人税や固定資産税、独禁法の除外適用等々が成るということになりますと、今度は競争条件の確保ということも出てまいりますので、どこかで線を引かなければいけないと。
 例が適当かどうか分かりませんけれども、中小企業の政策というのも、どこかで線を引いて中小企業にのみ特例的に適用される政策をやっていく、これは卒業という概念がありますけれども、大きくなっていった方はそれなりにこういう優遇措置なしで頑張ってもらう、そういう仕組みになっておりますので、個々に協同組合ということであれば、おのずとどこかで線を引くということでありますが、農政全般であれば、同じようにいろんな施策の適用になると、こういうことがあろうかと、こういうふうに考えております。

山田太郎君 私も、この委員になってさんざん現場を回ったり、個別でも回っていろんな農協の方とお話しさせていただきました。最近、この改革を逆に考えると何となく思いますのは、何でもかんでも逆に農協のせいにしてしまっているのかなといったところもちょっと感じたりするんですね。これどういうことかといいますと、実は、農協は今、かつての農協よりも今の農協は非常に厳しいんだなということをいろいろな地域でかいま見てまいりました。
 どうしてかというと、例えば施設園芸とかで、あるいは果実ですごく付加価値が高いものは直接引取りに来たりするので、結局農協を経由しない。どちらかというと、農協が頑張って扱っているのは、最初から土地利用型でなかなかもうからない、利益率が出ない、こういったものがどんどんどんどん扱う比率として高まっているということも、これ全てではありません、いろいろ特化している農協さんなんかは別のやり方をされていますが。でも、全般的にいうと、やはり穀物系というんですか、土地利用型で極めて利益が出にくいところを農協が担当しているというようなところにおいて、農協の在り方、農協さえ変わればじゃ日本の農業変わるのかというと、それも短絡的だというふうに思っておりまして。
 そんな中で、もうからない農協がどういうふうになるかということでさんざん議論はあったと思うんですが、いわゆる信用事業と経済事業との連携で補填するしないという話も出てきたりするわけだと思いますが、結局、何でそんな話になっているかというと、何度も繰り返しになりますが、やっぱり政府なりが農協に負わせる役割というものがやっぱり中途半端というか。あるときには自主的機関だから自活してもうけろと言うけれども、実際には、自給率を上げるために、米なんかも維持するために、農協さん、それをうまくコントロールして売ってくれよと。これでは農協もどっちに向かっていいか分からないということにもなりかねないと思うんですね。
 そうなると、じゃ、私はどう考えればいいのかというと、もう農協の持っている役割というのは、利益を上げていく団体というよりも、やっぱり地域の協同組合という役割が現実的に大きいと。ただ、そんな中で、しっかりでも位置付けなきゃいけないとすると、もう農協という看板から地域協同組合という看板にして、どうやって要は政策とコラボしていくのか、その辺りもすごく重要だと思うんですが、私は、そこまで踏み込まないと今回の改革は、先ほどから言っているように、ここが問題だ、あそこが問題だということを何かモグラたたきしていることにすぎないのかなと、こんなふうにも思うわけなんですね。
 そういう意味で、今回はこういう形で一つ、私としては中途半端な改革をされたんだと政府は思います。何もしないよりやった方がいいと思いますので、一つ、一歩前進なのかもしれませんが、今後どう持っていくのか。これは実は、紙議員からも、今後どう持っていくか分からないと不安だというような、ちょっと似たような質問になるかもしれませんが、私は地域協同組合としての位置付け。そうなってくると、政府が言っている、農協は個別にこれからちゃんと利益を出していきなさいというメッセージではないかもしれないと思っていまして、方向感、今後すごく大事だと思っているんですが、その辺り、農水大臣、いかがでしょうか。

国務大臣(林芳正君) 先ほど局長から、五年の見直しということについて答弁をしたとおりでございます。法律上はただ見直すということでございますから、その後どうこうするということがこの法律の条文上書いてあるわけではないわけでございますが、やはり今回、先ほど申し上げましたように、まず協同組合であるということ、それから農業者の協同組合であることという原則、原点に返るという言い方を私もさせていただいたわけですが、そこは大切にしたいと、こういうふうに思っておりますので。
 委員がおっしゃる地域の協同組合というのがどういう意味か必ずしも判然としないところもございますが、やはり農業者の協同組合であるというところは基本的な枠組みとしてはなかなか外せないのではないのかなと。したがって、やはり所得の向上のための生産物の有利販売と資材の有利購入、ここが中心になってしっかりとやっていくということが中心になってくるのではないのかなと、こういうふうに思っておりますが。
 私も五年後にこの職におるかどうかも分かりませんし、そのときの行政、そして政府、また国会でしっかりと議論をして、こういう改革を、もし法律を成立させていただいて、この改革が五年後に成果を上げていることを期待をするところでございますが、それを踏まえて、しっかりとそのときに議論すべきことではないかと、こういうふうに考えております。

山田太郎君 私は、農協が今後、地域の協同組合でいくのか、農業協同組合でいくのかは大きな違いが実は出てくるというふうに本当は思っていまして、もう既に、事実上地域の協同組合なんじゃないかな、これはと。そうであれば、准組も要は組合員も余り関係ない話でありまして。ただ、イコールフッティングですよね、現地で農協という、もしかしたら地域の協同組合が大き過ぎてほかの民業を圧迫しているということが仮にあれば、それは看過できないので、独禁法に当たるのか何に当たるのか、その辺りだけ考えていけば、もう事実に対して役割をきちっと農協、地域協同組合として与えていった方が、方向性として何か准組は良くないんだとか何とかというような混乱した議論しなくて済むような私は気がしておりまして、あるときには農協は農業のためだからといって、何となく農林水産省さんの使いっぱとは言いませんけれども、触手の先みたいな、で、あるときには自主的にやってくれよというのは、私は、これはもう農協からは混乱するのかなと思っているので、本当は政策的にはぱっちしした方がいいと思っています。
 最後に、時間がそろそろ来ましたので最後に質問したいのは、とはいうものの、最大の一つ、農協さんのこれまでの問題は、私はやっぱり監査の問題ってどうしても残っていると思っています。
 今後の仕組みがそれでうまくいくかどうかというのはこの監査体制がどうあるかということに係ると思いますが、余り、農協さんも組織ですし、大きいので、いろんな事件があるということについてここでつまびらかにすることがいいか分かりませんが、二〇一五年に入ってからも、例えばある農協さんで三千五百万円の着服があったりとか、三千六百万円の着服、もう毎月のように数千万単位の事故が起こっておりまして、やっぱりこれを確かに報道等でちらほらと見ておりますと、どこかの金融機関よりもはるかにちょっといわゆる管理というか監査、緩いかなと思っております。
 今回の改革において、農協さんの名誉のためにも、今後新たな展開を迎えるためにも、本当にこういうことが起こらないような監査体制に具体的になるのかどうか。特に、金融部門における問題が非常に多いので、本来であれば、金融庁のその部分についてはきちっと監査を受ける、又は公認会計士が受けてもいいんですが、そうであれば、私も上場企業やっていましたけれども、有価証券報告書ベースの、つまり、出口がきちっと整理されていないと、幾ら監査法人を入れたって、別に罰則が何だという話になってしまいますので、要は具体的なきちっとした開示義務というものをどういうふうに置いていて、何が罪になるのかということをやっぱり法律でプラス作っていかないと、なかなか、監査、監査で監査法人を入れても、あるいは公認会計士を入れても変わらないのではないかなという感じはするんですが、その辺りはいかがですか。

国務大臣(林芳正君) この全中の監査の義務付けを廃止をいたしまして、公認会計士の会計監査を義務付けるということをこの改革の中でやることになっておりますが、先ほど申し上げましたように、農協の数が七百農協ということで、一農協の貯金量規模が大きくなりまして、平均千二百九十億円でございます。中には一兆円を超えるところも出てきておると、こういうことでございますので、やはりほかの金融機関、特に地域の金融機関である信金、信組と、こういうところと同様の会計監査体制を取るということが今後も信用事業を安定的に継続できるようにするためにも必要であると、こういう判断をしたところでございます。
 したがって、今度は公認会計士の会計監査、金融庁ということでございますが、スムーズに移行できるための配慮規定というのもございますので、今委員から御指摘のあったところも含めて、しっかりとそこの検討の中で考えてまいりたいと、こういうふうに思っております。

山田太郎君 時間になったので、終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。