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日本の警察はAPPLEに携帯端末解除を強要できるのか(3/7 予算委議事録)


3月7日予算委員会では
・通信の秘密の定義
・FBIとAPPLEによる端末ロック解除問題
・障がい者ハートフルポイント制度
について触れました。

2016年03月07日参議院予算委員会 議事録(未定稿)

○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。
 今日は、表現の自由、表現の自由は文化と経済に大きな効果があると思っています。そういった観点で少し質疑していきたいと思います。
 実は、二月の十四日に、表現の自由が大事だというふうに思いまして、日本を元気にする会と別に表現の自由を守る党というのを実は設立しました。政治団体であります。憲法二十一条が非常に国会の中でも議論されるようになりまして、これは重要だというふうに思って立ち上げたものであります。
 党員に当たるサポーターが毎日百五十名ほど登録しておりまして、まだ半月しかたっておらぬのですけれども、四千六百名ぐらい集まっており、非常に国民の皆さんの、特に若い人たちの期待が大きいんだなということを改めて感じております。
 まず、そういった意味でも、最近の話題ですとアップルとFBI、携帯電話のロックの解除を求めるということで少しニュースになっている辺り、日本はどうなのかというところを最初に入っていきたいと思っています。
 まず、通信の秘密。憲法第二十一条にも、「通信の秘密は、これを侵してはならない。」と、こういうふうにあるわけでありますが、法制局長官にお伺いしたいと思います。
 電話や郵便だけではなくて、メールなども憲法二十一条が保障する通信の秘密の対象となり得るということでよいのかどうか。多分、憲法を作られたときにはメールというのはなかったということでありますから、時代的要請としてこれは確認しておく必要があるかと思っておりますので、法制局長官、簡単で結構です、お願いします。

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法第二十一条第二項後段の「通信の秘密」とは、手紙、はがき、電報、電話など全ての方法による通信の秘密をいうと一般に解されておりまして、通信手段としての電子メールもこの通信の秘密の保護の対象になると考えられております。

○山田太郎君 多分、これ法制局ともやり取り以前にしているんですけれども、戦後初めての解釈になったということだと思いますけれども。
 では、例えば手紙などでいえば、郵便法等で開封するまでが一連の通信と考えて、憲法で保障するところの秘密の対象になっているということであります。うかつに手紙を開けると、信書でありますから、これ実は刑法で裁かれるということにもなりかねません。であれば、メールについても、PC上にダウンロードされて未開封であれば、まだこれは相手に届いたとは言いにくいわけでありまして、これは通信中であり通信の秘密の範囲が及ぶと考えてよろしいのかどうか、この辺りは総務大臣、よろしくお願いします。

○国務大臣(高市早苗君) 電気通信事業法第四条第一項は、「電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。」と規定しています。
 ですから、利用者の端末に残っているメールにつきましては、もう既に利用者がメールを受信した後でありまして、電気通信事業者の管理支配下にないと考えられますことから、電気通信事業者の取扱中に係るものではないため、同法第四条第一項に規定する「通信の秘密」には該当いたしません。

○山田太郎君 ただ、それは電気通信者が見てはいけないという法律でありまして、公権力としての国、国家がそれを開封していいかどうかというのは憲法の要請という場合もあります。
 電気通信事業法はあくまでも通信中のものだというのは理解はしているんですが、届いた後というものも、信書、手紙に比べ合わせれば、私は開けるまではその範疇内に入るのではないかというふうに思いますが、もう一度、総務大臣、いかがですか。

○国務大臣(高市早苗君) 先ほど答弁申し上げましたとおり、電気通信事業法におきましては、第四条第一項におきましては、やはりこれは、電気通信事業者の管理支配下にない状態になった未開封のメールについては、通信の秘密、つまり電気通信事業者の取扱中に係るものではございませんので、通信の秘密には該当しないと、これは電気通信事業法の解釈でございます。

○山田太郎君 多分、お茶の間の皆さん分かりにくい議論をしているんだと思うんですけど、電気通信事業法というのは、あくまでも通信中の電気事業者の間のものなんですよね。その後、スマホとかに届いたり、もはや、離れたパソコンに届きますから、そこはもう電気事業法範囲外の話でありますので、電気事業法におけるところの通信の秘密とはちょっと違う議論をしています。それはなぜかというと、次のアップルとまさにFBIの今アメリカで論争になっている話を、日本でも起こり得るのかといった辺りをちょっと議論したかったからであります。
 日本の刑訴法、ちょっと先に話を進めたいと思いますが、日本の刑訴法二百二十二条の第一項及び第百十一条によれば、押収物について、鍵を外し、封を開き、その他必要な処分をすることができるというふうにありますけれども、ここからは法務大臣に聞きたいと思いますが、スマートフォン、スマホのロック解除又は解除のサポートをメーカー又はキャリアに要求することはこの刑訴法二百二十二条及び第百十一条に含まれるのかどうか教えていただけますか。

○国務大臣(岩城光英君) お答えを申し上げます。
 押収したスマートフォン等のパスワードロックを解除すること、これは刑事訴訟法第百十一条の「必要な処分」として行い得ます。そして、一般論として重ねて申し上げますと、押収したスマートフォン等のパスワードロックを解除するに当たって、刑事訴訟法第百九十七条の規定に基づきまして外部業者に協力を求めることはできると考えられます。

○山田太郎君 ここがアメリカでも争われた極めて大事な論点なんですが、百九十七条はあくまでも任意なんですね。つまり、今アップルはFBIに対して抵抗しています。開けたくない、これがいわゆる利用者に対する信義だと、こう言っているわけでありますが。
 さて、その場合は、条項からいくと、刑訴法二百二十二条の「処分」という文言にこれが当たるかどうかしか私は法の解釈は今のところないのではないかなと思うんですが、この辺り、法務大臣、これは非常に重要な答弁になると思いますので、お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(岩城光英君) 外部業者に協力を求めることはできると考えられると先ほど申し上げました。その上で、外部業者が協力を拒否した場合には、法律上、外部業者に協力を義務付ける規定はないものと承知をしております。

○山田太郎君 ありがとうございました。
 大変重要な今答弁がありまして、日本はこれで通信の秘密が守られたということで、アメリカに対しても日本は一歩進んだ対処を国は発言されたということだと思っております。
 さて、もう一つ、日本版金盾という辺りも少し議論をしていきたいんですが、中国はネットを監視している社会だということであります。パソコンのIPアドレスに履歴を解析して各ユーザーの政治的志向を分析して接続の可否を判断し推論機能を持たせるという仕組みがありまして、まさに通信の遮断もできるということなんですが、これは総務大臣にお伺いしたいと思います。
 日本では通信の遮断を行うことができるのかどうか、いかがでしょうか。

○国務大臣(高市早苗君) 通信の遮断ということでございますので、それは法的にはできません。

○山田太郎君 ただ、いろんな通信の、海賊版の問題であったりだとか、それにフィルターを掛けるといったこと自身は一種の遮断には当たらないのかどうか、この辺りはいかがですか。

○国務大臣(高市早苗君) フィルタリングに関しましては、例えば携帯電話、お子さんがお持ちになるような携帯電話にフィルタリングを掛けるということについては、利用者の同意がございますので、これは問題がございません。
 先ほど委員がおっしゃった御趣旨は、恐らくその通信内容などをチェックしてそして遮断するということですから、それは日本ではできません。

○山田太郎君 ありがとうございました。
 思ったよりも、通信の遮断は検閲に当たるんじゃないかということでここはやり取りしたかったんですけれども、しっかり政府の方は表現の自由を守るという立場だと思います。
 ただ、もう一つ、知財本部の方は、これは島尻大臣の方にお伺いしたいんですが、内閣府の知財本部の方では、検証・評価・企画委員会で特定サイトについて通信を遮断することとの検討があったということなんですね。
 私は、インターネットの利用というのは基本的人権であって、行政が通信の遮断を行うということは私はあってはならないと、こういうふうに思っておりますが、この検討状況はどうなのかということと、島尻大臣自身はどうお考えなのか、お答えいただけますか。

○国務大臣(島尻安伊子君) 国境を越えたインターネット上の権利侵害行為の拡大によりまして我が国のコンテンツ産業は大変大きな影響を受けておりまして、現在、今委員から御指摘がありましたように、知財本部の下に設置された検討委員会において対応策の検討を行っているところでございます。
 この検討委員会では、諸外国の対応例も参考にしつつ、国境を越える悪質な侵害サイトのブロッキングを含めまして、悪質なリーチサイトへの対策やインターネット事業者と連携した方策など様々な観点から検討を行っております。これまでの議論では、サイトブロッキングについて、他に対抗手段が難しい悪質な侵害に対する措置として一定の必要性はあるという意見がある一方で、円滑な情報の流通や表現の自由などの観点から慎重に対応すべきという意見も出されているというふうに認識をしております。
 これらの議論を踏まえて、国境を越えたインターネット上の侵害行為に対してどのような措置が適当であるか検討を進めていきたいと考えております。

○山田太郎君 ありがとうございました。本当に表現の自由ということについては今日は非常に歴史的な答弁が実はあったんじゃないかなというふうに思っております。
 さて、もう一つ。次は障害者と雇用、経済ということで、一連のこの予算委員会で少しやらせていただいている多様性の辺りのお話をさせていただきたいと思います。
 四月一日から障害者差別解消法並びに改正障害者雇用促進法がスタートいたします。ただ、御案内のとおり、障害者のまだまだ雇用というのは非常に少ないと。全雇用者の中でも一%に満たないわけでありますし、特に問題なのが、知的障害と精神障害の方々の雇用は非常に難しいということであります。
 全体の障害者の雇用者数は四十五万人と言われていますが、そのうち知的障害者は二二%の十万人、精神障害者は七%の三万人にとどまっているということであります。こういう知的障害者、それから精神障害者の方々がどうやって一緒に働くことができるのか、この辺りが非常にこれから重要なのではないかなというふうに思っております。
 ただ、日本はこの障害者雇用、法定雇用率というのを定めておりまして、民間企業二%と、こういうのをスタートしているわけでありますが、ただ、一律二%で切ってしまうことが本当にいいのかどうかと。
 厚労省が、実は違反をしている会社で悪質だという会社、八社公表しているということでありますが、私、中身を見させていただいたんですけれども、幾つかは営業主体のベンチャー会社だったりとかCADとか技術会社だったりして、なかなかそういうところはやっぱり雇用したくても雇用できない、あるいは雇用しても辞めてしまう可能性もあるのではないか、こうも思っています。
 一方で、千人以上の企業としても、パーセンテージはその違反に満たしていないんだけれども七十人以上足りないところも幾つかあるわけでありまして、つまり、私自身は、そのマッチングというんですかね、やっぱり知的障害者や精神障害者の方が勤めやすい業種、業態というものがあるというふうに思っておりますので、一律この二%を課すということは企業にとってもその方々にとっても必ずしもいい結果にならないんではないか、こういう問題意識を持っております。
 本当にそういうやり方を今後続けていって、この障害者雇用の問題、特に四月から新しい制度スタートします。これは厚労大臣、この辺り、どうお考えか、お答えいただけますでしょうか。

○山田太郎君 ちょっとあんまり質問の趣旨にお答えいただけた感じがしなかったんですけど、ちょっと先に、時間がないので進めたいんですが。
 実は、私、逆に言うと、民間の中でも頑張っていて、知的障害者、精神障害者の方々を積極的に雇っていらっしゃる民間企業たくさんあるんですね。有名なのは、チョーク製造で有名な日本理化学工業さんなんかは実は七割の社員が知的障害の方が勤めています。
 それから、私も見学させていただいたんですが、アイエスエフネットというIT会社があるんですが、非常に収益性の高いIT、それからレストランの経営もやっておりまして、これも多くの知的障害者の方々等を雇っております。通常ITだとできそうにないと思うんですが、簡単な入力を、逆に特別のソフトを作って、途中で間違えちゃったらそこでシャットダウンするとか、やっただけそれが評価されるとか、いろんな仕組みをつくって対処しているということであります。
 それから、議員会館の方でも、コチョウランの方の贈答用のお花のアレンジ等をやっているAlonAlonというNPO法人も、これ、知的障害者の方々をうまく使う指導をしてコチョウランの販売等をやっております。もうこれら全て、健常者の会社に負けない品質でやっております。
 それから、NPOの多摩草むらの会も、レストラン、甘味どころ、輸入生地のバッグ製作、全部これ普通に精神障害者の方々がフロントに出てサービスをしていると。きちっとやっている会社もいっぱいあるんですね。
 そこで、時間がないので結論で、御提案を今日はしたいと思っております。提案は、ずばり、障害者雇用推進ハートフルポイント制というのをつくったらどうかと、こういうふうに考えました。
 これは何かというと、今みたいな知的障害者、精神障害者を雇うのが非常にうまい会社というんですかね、スイートな会社にいっぱい雇っていただいて、そこから雇いにくい会社が積極的に購買、調達をすることによってポイントを得ると、それで足りない分を補っていくというやり方です。そうすると、今までのように障害者の人たちに対して直接国からお金を払って補填をするということではなくて、しっかり売上げを上げて雇用を生むというふうに切り替えることができるんではないかなと、こういうふうに考えているわけであります。
 やはり、そういう会社は、非常にそういう障害者の方々も楽しんで働いていらっしゃると思いますし、そういう会社が増えなければ、先ほど言った二%のような形で、押し込んでいくと言うと言い方は悪いかもしれませんけれども、いろんな会社に雇ってよと言ってもお互い不幸になるだけではないかなと、こう思っております。
 この辺り、この障害者雇用推進ハートフルポイント制について、塩崎厚労大臣、それで最後、総理の方にも一言、一言いただいて終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、これは二%の雇用率を守れなかったところについてこの調整金を払ってもらって、逆に超えているところにその調整金を回すという形で、雇用するところにインセンティブを与えるという形でございます。先生のお考えも一つの考え方でありますけれども、しかし大事なことは、あらゆるところでやっぱりその二%なら二%を目指して直接雇用をしていただくということが大事だというふうに考えております。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この件については、様々なアイデアを出していただいたらいいんだろうなと思います。例えば、ほとんど知的障害あるいは精神障害の方を雇って経営しているパン工房の方もいるわけでありますが、そこから何らか、雇えていない会社の人たちが大量のパンを購入するということで貢献するという、そういう方法等も含めての御提案だと思いますが、今後、いずれにいたしましても、障害者の雇用を進めていく上においてどういうアイデアがあるかということについては常に検討していきたいと思います。