若者の自殺は減らないのか?―政治の現場(自民党政調会)からー


写真)青少年健全育成推進調査会において発言しているところ

 

 11月19日、私が事務局長次長を務める自民党の「青少年健全育成推進調査会」において、私が推薦させていただいたNPO法人ライフリンク代表の清水康之さんに「コロナ禍における子ども・若者の自殺動向に関せる分析」について話を伺いました。

 

清水さんは、日本の自殺対策の第一人者であり、これまで自殺対策基本法の法制化や自殺対策の地域モデルづくり、自殺の実態調査(自殺で亡くなった523人に関する聞き取り調査)や自殺対策のためのSNS相談等、15年以上にわたり活動されてきた方です。清水さんとは以前にも、日本の自殺の現状と必要な対策について意見交換をしておりましたが、本日最新のコロナ禍の状況、著名人の相次ぐ自殺を受けての現状を伺い、改めて対策の必要性を強く感じました。

 

 日本の自殺の現状をみてみると、令和2年度版「自殺対策白書」(厚労省)によると15歳から39歳までの死亡率第1位は自殺、そして、人口10万人当たりの全児童の自殺死亡率も増加しています。本年8月の高校生の自殺者は42人で、過去5年で最も多かったのです。この背景には、今年相次いだ著名人の自殺が関係していると考えられます。これは、世界的にも証明されているウェルテル効果と呼ばれる現象で、自殺リスクの高い人はメディアの自殺報道の後に模倣自殺を起こしてしまう危険性が高まるという現象です。WHO(世界保健機関)では『自殺報道ガイドライン』を策定しておりますが、日本においてすべてのメディアでそれが徹底されていないという現状もあります。

 

 また、15歳から34歳の死因を他の先進国と比較しても、日本の自殺の深刻さが分かります。1人が自殺でなくなると、4~5人が自殺遺族になり、その数は毎年10万人に上ります。全国には300万人超の方がいます。その割合は国民の40人に1人です。

 清水さんもおっしゃっておりましたが、このような社会では、子どもや若者だけが、自殺のリスクと無関係で生きられるはずがないのは当然です。自殺対策には課題の解決も重要ですが、生きることの促進要因をいかに大きくしていけるか、という点が重要です。悩みを抱え込んでいる子どもが、どうすれば周囲にSOSを出せるようになるのかを考えて実践していかなくてはいけません。それにはSNSやITツールを上手く活用することも一つの手段だと思います。また、子供の自殺の原因にはうつや統合失調症などの精神疾患を患っているケースも多いそうなので、中学生の段階で学校教育できちんと精神疾患について教えていくということも必要だと思います。そして、報道機関にはWHOの『自殺報道ガイドライン』をしっかりと守ってもらうよう、はたらきかけていきます。子どもや若者は日本の宝です。若い世代の未来が明るく照らされるよう、政治としてできることをしっかりと取り組んでいきます。