児童手当の特例給付の廃止に断固反対します!


11月18日の自民党「少子化対策特別委員会」では、少子化対策に関する予算の要求・執行状況等について議論が行われました。私は、会議の中で、一部報道にある「政府が児童手当の特例給付を来年度中に廃止する方向で検討している」との件について、意見を述べました。

 

意見:児童手当の特例給付の廃止に断固反対します!

 

理由:以下のとおりです。

  1. 少子化対策には親の将来不安の解消が不可欠ですが、特例給付の廃止は親の将来不安を煽るものです。
    出産・子育てに関して将来の不安があれば、出生率の向上など不可能です。特に、一番の懸念である費用面について将来不安を払拭するためには、「社会全体で負担する」という方針を全面的に打ち出す必要があります。しかし、特例給付の廃止は、子育て費用を、「所得制限を超える場合は家庭のみに負担させる」というものであって、少子化対策に完全に逆行します。
  2. 少子化対策・子育て支援のためにはより一層の出産・子育て費用の支援が重要です。
    少子化社会対策に関する緊急提言(2020年4月14日 参議院自由民主党政策審議会)にも盛り込まれていますが、少子化対策・子育て支援のためには、以下のような、より一層の出産・子育て費用の支援を行うことが重要です。
    ・「出産から高校、大学までの子育て期間全体を通じた経済的負担の軽減」
    ・「児童手当の支給対象を高校生まで拡大し多子世帯に支給額を拡充」
  3. 特例給付の廃止は少子化対策に力を入れている菅政権の方向性と矛盾します。
    第二百三回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説
    「我が国の未来を担うのは子どもたちであります。長年の課題である少子化対策に真正面から取り組み、大きく前に進めてまいります。」
  4. 特例給付の廃止は子育て支援に力を入れている菅政権の方向性と矛盾します。
    第二百三回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説
    「待機児童の解消を目指し、女性の就業率の上昇を踏まえた受け皿整備、幼稚園やベビーシッターを含めた地域の子育て資源の活用を検討し、年末までにポスト「子育て安心プラン」を取りまとめます。」
  5. 特例給付の廃止は不妊治療において所得制限の撤廃を行う菅政権の方向性と矛盾します。
    第二百三回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説
    「共働きで頑張っても、一人分の給料が不妊治療に消えてしまう」。以前お話しした夫婦は、辛そうな表情で話してくれました。こうした方々の気持ちに寄り添い、所得制限を撤廃し、不妊治療への保険適用を早急に実現します。それまでの間、現在の助成措置を大幅に拡大してまいります。」

 

また、特例給付の廃止だけでなく、年収の高い方で判断している所得制限を夫婦合算の仕組みに切り替えるとの報道もあります。具体的にどういった基準にするのかは不明ですが、児童手当の支給を抑制をするものであれば、こちらも断固反対です。「共働きで頑張っても、所得制限によって児童手当がなくなってしまい、家庭の所得がほとんど増えない」、そんなことは決してあってはなりません。

 

児童手当は1972年に創設された制度で、現在は国内に住所を有する0歳から中学校修了までの児童(外国人を含む)がいる家庭に現金を給付しています。児童手当の一人当たりの月額は、0歳~3歳未満は1万5000円、3歳~小学校終了までは1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生は1万円となっています。所得制限(夫婦と児童2人の家庭では年収960万円)を超える場合、児童手当はもらえませんが、特例給付がもらえます。特例給付の一人当たりの月額は、一律5000円です。

 

直近(2020年度)では、児童手当及び特例給付の予算の総額は約2兆1000億円、うち特例給付は約1000億円で5%未満です。そのため、特例給付を廃止しても、財政的なプラスのインパクトはそれほど大きくありません。

 

一方、直近(2018年度)の実績では、児童手当及び特例給付を受給した世帯の総数は約1000万、うち特例給付を受給した世帯は約100万で約10%となっています。また、児童手当及び特例給付の対象となっている児童の総数は約1700万人、うち特例給付の対象となっている児童数は約150万人で約10%となっています。約10%というパーセンテージもそうですが、約100万という世帯数、約150万という児童数は非常に大きいものです。そのため、特例給付を廃止すれば、国民に与えるマイナスのインパクトは計り知れないものがあります。

 

報道では、児童手当の削減で浮いた財源を待機児童対策に充てるとの話もあります。しかし、特例給付や所得制限の仕組みを維持したままでも待機児童は年々減っており、2017年からの2020年までの3年間で、約2万6000人から半数以下の約1万2000人になっています。そのため、そもそも待機児童を理由にしていること自体にも疑問があります。

 

こういった観点からも、児童手当の特例給付の廃止に断固反対します!