【第204回国会】3/16 内閣委員会〜子どもの死の把握と原因究明、再発防止について・児童虐待について〜


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〇山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。

 まず最初に、子供の死の把握と原因究明、再発防止、いわゆるCDRの問題について少し質疑させていただきたいと思っております。

 今、自民党の有志では、チルドレンファースト、子どもの行政のあり方勉強会というのを開いております。先月の二月なんですが、吉川優子さんという一般社団法人吉川慎之介記念基金代表理事を呼びまして講演をやりました。実は、そのお母様の息子さん、慎之介君が、実は二〇一二年に愛媛県で川遊び中に亡くなったというような事件がありました。

 この事件あるいは事故については、溺水ということでそれ以上の詳しい死因が分からないということが続いていたんですが、これをお母様の優子さんが私立幼稚園に対して聞いたところ、指導監督する権限はないということで、その死因についての内容開示が却下されたと。今度は、文科省からは自治体の対応が全てだという回答をいただいたと。そして、二〇一四年には、消費者庁に対して事故調査の申出をしたんですが、川遊びは消費サービスではないとしてまた却下されてしまったということなんですね。そして、まさに我が子が、慎之介君が亡くなった死因を知ったのは、何と事故から二年後、刑事事件の被害者参加制度を利用して検視データを閲覧するということで初めて知ったということなんですね。

 実は、この二〇一二年から直近二〇一九年までの資料ですが、八年間で不慮の事故で死亡したゼロ歳から十九歳の子供というのは四千八百六十四名、そして自殺したゼロ歳から十九歳までの子供は四千五百六名ということで、本当に事故であったり自殺であったり大変なことが現場では起こっているということであります。

 それを踏まえまして質問をさせていただきたいんですが、保育園、幼稚園、こども園、その施設内又は課外活動において子供が亡くなった場合の死因究明、再発防止のところで責任部署というのは一体どこなのかということを教えていただけますでしょうか。

〇政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。

 教育・保育施設等、これは保育所とか幼稚園、認定こども園等含んでおりますけれども、子供の死亡事故を含む重大事故が発生した場合は、いずれの施設でありましても、自治体をまず経由しまして施設を所管する各府省庁へ統一様式で報告をまずいただきまして、内閣府の子ども・子育て本部におきまして、報告のあった事故情報について集約の上、事故の背景が見えるようにデータベース化を、データベースを公開しているところでございます。

 また、内閣府の子ども・子育て本部におきましては、文科省と厚労省とともに、重大事故の防止や事故発生時の対応に関するガイドラインを地方自治体や施設に周知するとともに、重大事故の事後的な検証の基本的な考え方や検証の進め方を地方自治体宛てに通知をしているところでございます。さらには、内閣府の子ども・子育て本部におきましては、文科省とそれから厚生労働省の協力の下に有識者会議を開催しておりまして、死亡等の重大事故についての検証報告を提出した自治体からヒアリングを実施して、再発防止策を検討、周知をしておるところです。

 今後とも、文科省、厚労省と連携しまして、保育所、幼稚園、それから認定こども園等における重大事故の再発防止に努めてまいりたいと思っております。

〇山田太郎君 いわゆる自治体が主体ということで、国の関与が、データベースでの開示であったり、その自治体から上がってきた情報を分析、有識者で検討するということに残念ながらとどまっているということなんだと思います。

 ところで、昨日レクをしたんですが、遊園地、テーマパークで子供が亡くなった場合はどうなのかということについて、経産省さんは、お尋ねの遊園地、テーマパークについてはレジャーサービス産業を所管する、あっ、ごめんなさい、消費者庁さんはですね、所管する経産省において一義的に取りまとめられるものと承知しているとおっしゃっていまして、今度消費者庁さんはどうかといったら、事故調査、ごめんなさい、経産省さんは、事故情報が消費者庁から連絡があれば原因究明や再発防止を行うということを言っておりまして、お尋ねの遊園地、テーマパークについては、今度消費者庁さんは、レジャーサービスを所管する経産省さんだということなんですけど、一体、これ昨日から調整は付きましたでしょうか。

〇政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。

 遊園地、テーマパークにつきましては、言わば一つの町のように様々な施設が集まって構成されておりまして、例えばジェットコースターなどの遊戯施設や飲食施設などの各施設に対しまして安全規制等が個別に適用されております。

 経済産業省におきましては、過去十年においてテーマパーク等におけるお子さんが亡くなられた事故が誠に残念ながら一件あるものと認識しておりまして、この事故につきましては、消費者安全調査委員会において事故の原因調査及び再発防止策の意見具申がなされまして、当省及び関係省庁において対応を取っているところであります。

 今後とも、万が一遊園地、テーマパークにおいて事故等が発生した場合には、当該事故の発生等をもちまして、事業を所管する経済産業省として、規制を所管する関係する省庁とも連携しながら再発防止策の周知等につきまして責任を持って対応してまいる所存でございます。

〇山田太郎君 ああ、よかったです。調整が付いたようでございまして、一つ問題が解決したかなと思っております。

 さて、次は、子供が自殺で亡くなった場合ということなんですが、警察で事件性の判断をするということで、実は自殺原因の調査を警察でやります。その後、警察の方は自殺統計の原票というのを記載しまして厚労省に対して共有をするということなんですが、実は厚労省さんは自殺原因については独自調査はできないと、原因の追求及び分析には限界があるというようなことも昨日のレクではおっしゃられていました。

 そういう意味で、注目されるというか必要なのは、チャイルド・デス・レビューと、死因の調査ということだと思っています。不慮の事故であれ、自殺であれ、大切な子供たちが亡くなったということをきちっと調べて、これを次、そういうことにならないように、防げたはずの死を防ぐと、なくすということは重要だと思いますが、このCDR、チャイルド・デス・レビューについての政府の取組について教えてください。

〇政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。

 子供が不慮の事故等により亡くなるケースが多くある中、効果的な予防策を導き出し、予防可能な子供の死を防ぐことは大変重要と認識をしております。

 このため、厚生労働省におきまして、令和二年度から、実施体制の整備等を目的として七府県でモデル事業を実施をしております。本モデル事業におきましては、実施府県において、医療機関、保育・教育機関、その他行政機関等で子供の死亡に関する情報連携を行い、検証結果を基に提言を行うこととしております。

 こうしたモデル事業の実施状況を踏まえ、今後の制度化に向けて関係省庁とも連携しつつ検討を行ってまいりたいと考えております。

〇山田太郎君 今御答弁いただいたように、結局CDRに関しても、七都道府県がモデル事業だというのが現状なのが今の日本であると思っております。このCDRについても、令和四年以降どうするかを令和三年中に検討するということで、経常的に設置されているものではありません。まさに、日本では全ての子供の死について再発防止の観点から原因追求をしている部署というのは存在していないんですね。

 そこで、加藤官房長官にもお伺いしたいんですが、まず事実関係として、保育園、幼稚園、こども園での子供の死は内閣府、私立幼稚園や学校での子供の死は文科省、家庭内での虐待での子供の死は厚労省、家庭内の食品での子供の死は消費者庁、テーマパークでの子供の死は、今日解決しました、経産省さん、自殺での子供の死は警察、厚労省さんということで、本当に多くの縦割りで、一体誰がこの子供の死について責任、あるいは今後いわゆる対処をしていくんだろうということが問われているんだというふうに思っています。

 私自身、もういいかげん、この日本の状況、縦割りの状況ということで後で河野大臣の方にもお伺いしたいと思いますが、何とか問題を解決するために、一元的にこの子供の特に死について、いわゆる責任部署というんですかね、そういったものをもうつくる時期に来ているんではないかというふうにお伺いしたいんですが、加藤官房長官の御見解いただきたいと思います。

〇国務大臣(加藤勝信君) 今委員の御指摘、あるいは御質問のやり取りの中でもありましたけれども、不幸にして子供さんが亡くなったケース、様々な態様、また場所によって、それから原因によって、場合によっては自殺などの態様によって関係省庁が多岐にわたっているところであります。

 今、こうした予防可能な子供の死を防ぐため、言わば分野横断的な視点に立ちながら、効果的な予防策を導き出すために、ただいま参考人から説明がありましたが、厚労省において本年度から予防のための子供の死亡検証モデル事業も実施をされているところであります。

 また、この実施、このモデル事業の手引においても、厚労省が関係省庁と連携して随時改定が行われているところであります。こうした検証を通じて、課題の分析を進めた上で、その内容に応じ、関係省庁とも連携しながら、制度化、制度化というのはこの死亡検証のモデル事業の制度化に向けた検討も進められているものと承知をしております。

 予防可能な子供の死を防ぐことについては、厚労省を中心として関係省庁が連携して横断的な取組をスタートしているところでありますけれども、先生を始めとした有志の勉強会でもこうした問題を取り上げていただいているところであります。

 制度というか、組織論の話でありますけれども、これについては、別に今の組織は常に固定的なものではないと思います。生じてきた課題課題に応じて、それを解消するため、そして国民の皆さんの期待に応えていくためにどういう在り方があるべきか、これについては不断に議論していくべきものと考えております。

〇山田太郎君 同じ質問を河野行革大臣にもお聞きしたいと思います。行革は壊すだけではないと、こういった責任を持つ、もしかしたら部署みたいなものが必要なんではないか、こういう問題意識も持っておりますが、是非河野大臣の方からも見解いただきたいと思います。

〇国務大臣(河野太郎君) 縦割りの問題、いろいろと問題提起をされておりますが、これを解決するために組織をつくっていたら、新しい組織が多分何百とできちゃうんだろうと思います。

 ここで大事なのは、今、デジタル庁の設置に向けて様々検討が行われておりますけれども、子供に関するデータがきちんと共有されている、デジタル化というのは行政の中でデータをしっかり連携させるのがデジタル化だと思います。それがまずきちんとできるということと、何か今委員が提起されましたような問題が起きたときに、関係する役所がやはり力を合わせてその問題を解決する、あるいはその根本的な原因を究明して対処する、そういう意思があるというのが大事なことで、恐らく組織をいじったからとして何かができるということではないんだろうと思います。

 菅内閣、デジタル化ということを進めておりますので、データの連携をまずしっかり進めると同時に、そうした痛ましいお子さんの亡くなったようなケースについて、きちんと再発防止ができるような、問題の原因を追求する、そういう意図を政府全体として持って当たっていくということなんではないかと思っております。

〇山田太郎君 次に、児童虐待についても少し見ていきたいというふうに思っています。

 この三月二日、実は、香川から東京の目黒に越してきた五歳の船戸結愛ちゃんが、二か月もたたずに虐待で亡くなってから三年ということになりました。実は、くしくもその同じ三月二日なんですけれども、福岡県で二〇二〇年四月に、十分な食事を与えずに餓死した五歳の碇翔士郎君の母親と知人の保護者が、関係者が逮捕されると、こういう痛ましいこともありました。一方で、この翔士郎君が亡くなった前の年、二〇一九年の一月には、千葉県野田市でも小学校四年生、十歳の栗原心愛ちゃんが虐待で亡くなったと。

 本当に毎年のようにこういう痛ましい事件が起こっておりますが、我々も先ほどの勉強会の中で、このまさに結愛ちゃんの香川県での担当医師だった木下あゆみ先生から、医師から直接いろいろお伺いをしたところ、医師としては、これは非常に問題があるということで児相並びに警察等は連絡したんだが、その後引っ越されてしまったということであったと。大変そこは悩んだというか心残りだったと。

 こういうことなわけでありますが、ところで、虐待されている児童が他の自治体に引っ越した場合、一体誰がその児童の支援について責任を持つことになるのかという辺りも、是非、特に国の責務ということですね、自治体もまたがりますから、その辺りを教えていただきたいんですけど、よろしくお願いします。

〇政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。

 支援が必要な児童が転居をしました場合に、自治体間でしっかりした引継ぎを行い、適切な支援が継続して行われることは大変重要でございます。

 児童相談所が関わっている家庭が転居をしました場合には、市町村等と連携して速やかに転居に関する情報を把握し、転居先の児童相談所へのケース移管を行うこととなりますが、その際、当該ケースの記録やリスク判定の結果などを書面等により移管先の児童相談所に伝えることですとか、緊急性の高いケースは対面により引継ぎを行うことですとか、引継ぎが完了するまでの間、移管元の児童相談所が指導措置を解除しないことが必要でございます。また、住民票の転出手続が行われずに転居した場合などにつきましては、全国の児童相談所に連絡を行い情報収集を行うほか、必要に応じて警察等とも情報共有をして対応することとなります。

 このほか、保健福祉サービスの利用場面、医療機関の受診など、あらゆる機会を通じて関係機関において児童虐待の兆しや疑いの発見に努め、子供の安全が確保されるよう取り組んでいるところでございます。

〇山田太郎君 結局それができなかったから痛ましい事件が進んでいるわけでありまして、指針や方針というのはあるんでしょうけれども、そこを具体的にどう実現して担保するのかということが大事なんじゃないかなというふうにも思っております。

 そういった意味で、虐待等、児童虐待等に関して、例えば自治体と今、要対協さんなんというのも都道府県でやっているんですが、調査が不十分だった場合に国自身が自ら調査したり、その対処、対応に関しての指示を行ったりすることができるのか、この辺りについても教えてください。

〇政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。

 重大被害事案の発生などにおきましては、一次的にはその該当の自治体において検証がなされるものでございますが、国としましても、要対協設置運営市区町村から支援課題を直接把握するという観点から、国において死亡事例や重症事例等の背景要因等を分析、検証し、今後の改善策を講じるため、社会保障審議会の児童部会の下に専門委員会を設置をしております。

 この専門委員会で年に一度報告書を取りまとめておりまして、その中で死亡事例等に係る数値分析のほか、重大事例について自治体に赴いてヒアリングを行うなどをしまして、その内容を報告をいただいております。

 こうしたその分析を基に国への提言をいただきまして、国としましてはこういった提言を受けて、妊娠期から出産後までの切れ目のない支援体制の整備、児童相談所や市区町村職員の人員体制の強化、要対協の効果的運用の推進などについて取り組んでいるところでございます。

〇山田太郎君 切れ目のない対応をいわゆる児童虐待に対してするには、児相、厚労省、学校は文科省になります、警察、医療、保健所等は厚労省、自治体さんなんかにも絡むわけなんですね。

 やはり、先ほどの子供の死と同じように、虐待に関しても、やはり縦割りというのか、いわゆる、これ情報連携だけではなくて、対処、責任の部署が非常に不明確ではないかということがあるかと思っておりますが、そういった意味で、実は先ほどの勉強会では、子供庁のようなものをつくって、誰が国で責任者なのかということを決めて、もちろん対処、対応はそれぞれのつかさつかさの部局に下ろす必要はあると思うんですけれども、そういったものを国の責任として、一元的にいわゆる責任を持っていく部署というのはそろそろもうもはや必要なんではないか、こういう問題意識を持っておりますが、その辺り、加藤官房長官、御見解いただきたいと思います。

〇国務大臣(加藤勝信君) まず、児童虐待については、児童相談所への児童虐待相談対応件数、年々増加をしておりますし、また、委員御指摘のような重篤な児童虐待事件も後を絶たない、大変深刻な社会問題であります。

 虐待予防のためには、早期対応から発生時の迅速な対応、虐待を受けた子供の自立支援に至るまで切れ目のない支援が受けられる体制の構築、これが必要であり、政府としてもこれまでも取組を進めてきたところであります。

 児童虐待防止対策に関する総合調整については、平成二十八年の閣議決定に基づいて、内閣官房から厚生労働省に移管をされているところであります。

 そして、それを踏まえ、平成三十年に児童虐待防止対策体制総合強化プランを策定し、当時私、厚生労働大臣でありましたが、関係府省庁連絡会議を主宰し、児童相談所、学校、警察等の関係機関連携強化を始めとする総合的な対策を策定をしているところでもあります。

 また、個々の事案についての現場レベルでの対応に関して申し上げれば、先ほどお話がありました市町村に設置されている要保護児童対策地域協議会に、市町村、児相のほか、学校、教育委員会、警察など子供と関わる多様な機関が参画し、支援が必要な児童等の情報共有を図り、適切な保護支援にもつなげているところであります。

 さらには、こうした児童虐待事案を政策にフィードバックしていくことも必要であり、今後の再発を防止するため、毎年、厚生労働省の審議会の下、専門委員会において、死亡事例、重症事例について分析、検証を行い、これを政策立案にも生かしているところであります。

 このように、児童虐待防止対策については、厚生労働省を中心として、関係省庁連携して取り組んでいるところでございます。

 先ほどとも同義でありますけれども、どういう形で進めていくか、それはそれぞれの中で、また、より現状の問題点に対応し得る体制があれば、それを検討していくというのは当然のことだというふうに思いますけれども、ただ、一番大事なことは、まさに児童虐待をいかに防止、防いでいくか、こうしたことに向けて、政府としても引き続き取り組んでいきたいと考えております。

〇山田太郎君 子供の虐待、それから子供の死、それ以外様々子供にまつわる問題、やっぱり一元的に国で責任部署はどこなのか、毎回このことは議論されます。我々の方でもちょっと提言をまとめて、また政府に提出したいと思いますので、どうか御検討いただければと思っています。

 加藤官房長官、そして河野大臣は、委員長の采配を、ございましたら退席して結構でございます。

○委員長(森屋宏君) 加藤官房長官、河野国務大臣、御退席いただいて結構です。