いじめ当事者から聞く、いじめの現状と課題、解決のための提言とは?


4月22日、私(山田太郎)が事務局を務める第11回目の「Children Firstのこども行政のあり方勉強会〜こども庁の創設に向けて〜」を開催しました。

 

本日もリアルとオンライン合わせて100名以上の先生方が出席してくださいました。本勉強会に関心のある地方議員の方は、こちらからご登録ください。事務局から勉強会の傍聴URLを送付いたします。自民党籍のある方に限りますが、既に地方議員の先生が160名、そして50団体が登録されています。

また、一般の方向けにもこれまでの勉強会の内容を全て公開しております。11回にわたる勉強会で議論された内容や資料を事務局で作ったこども庁特設サイトにて公開しています。

 

写真)司会を務める私(山田太郎)

 

さて、今回は2名の講師の方にお越しいただきました。ストップいじめ!ナビ副代表の須永裕慈さんから「いじめ対策の現状課題と施策」一般社団法人ここから未来代表理事、指導死親の会共同代表である大貫隆志さんから「生徒指導を背景とした子供の自殺、不登校」についてお話を伺いました。

 

写真)大貫さん(左)須永さん(右)

 

須永さんは、過去にご自身がいじめを受けた経験から、現在はいじめをなくすための活動をしています。講演で須永さんは当時の辛い気持ちを、水が溢れているコップに喩えていました。子どもは水がいっぱい(限界)になって初めて大人に相談します。しかし、大人はコップはまだ限界だとは思わず、「強くなれ」「抵抗しないからだ」「やられる理由があるんだ」などと、心ない言葉を子どもに発してしまうことは往々にしてあります。子どもの心の状態は大人には見えないものです。したがって、子どもへの接し方だけでなく、コップの水があふれる前にいじめを「予防」することが非常に大事です。

図)須永さん提供資料

 

そして、いじめを防ぐためには実態を知り、原因を特定することが必要です。しかし、実態を知る手段としての①調査が不十分であることと、②民間団体との情報共有ができていないことについて2つご指摘がありました。

 

まず前者については、文部科学省が毎年実施している「いじめの認知件数」調査や内閣府の「子供・若者白書」の調査だけでは、その実態が不透明で原因が分からないとのご指摘がありました。確かにこれらの調査では、いじめの件数や学校生活における困難経験の有無は分かりますが、いじめの具体的な内容については分かりません。

 

また、質疑応答では、ある議員から「いじめが背景にあると考えられる自殺未遂の理由を調査すれば、解決につながるのではないか?」という質問に対し、出席した文科省からは「自殺未遂の数は把握していない。故に原因も分からない」という回答が返ってきました。驚くべき状況です。更に、子どものいじめや自殺を巡っては起きた場所や原因によって関わる省庁が異なり、統一的な検証や対策が行われていない課題が浮き彫りとなりました。

このように、調査がまだまだ足りていない状況です。調査が無いということは、実態が掴めず原因も特定できないため、いじめの「予防」への取り組みが進まない要因となっています。

 

図)須永さん提供資料

 

一方で、国立教育政策研究所の「いじめ調査」や、特定非営利活動法人チャイルドライン支援センターによる「チャイルドライン年次報告」、滋賀県大津市が行った「大津市のいじめの防止に関する行動計画モニタリングに係るアンケート調査結果」では、いじめの具体的な実態が見えるような調査となっています。しかし、国単位ではこれらのデータは活用されていません。このように関係各所との情報連携ができていないことも課題であるとご指摘がありました。

 

図)須永さん提供資料

 

まとめると、いじめを防ぐために原因の特定が必要であり、そのためには新たな調査の実施と各種関係団体との情報共有が必要です。そして、子どもに関するデータを一元的にまとめるこども庁が不可欠です。

大貫さんの「指導死」のお話については、次回のブログでお伝えいたします。

 

図)須永さん提供資料