「こども庁」創設に向けて、第二次提言(こども庁構想のグランドデザイン)を取りまとめました!


5月28日、私(山田太郎)が事務局を務める第18回目の「Children Firstのこども行政のあり方勉強会〜こども庁の創設に向けて〜」を開催し、自見はなこ・山田太郎の共同事務局に一任いただき第二次提言を取りまとめました。アンケートにご協力いただいた国民の皆さん、ヒアリングにお越しいただいた当事者や有識者、関係団体の方々、地方議員の方々、そして、大変熱心にご参加いただいた国会議員の先生方に改めて深く感謝申し上げます。

本勉強会には、①専門家と当事者の声、②アンケートで多くの一般市民、地方議員の声を収集、③自治体との協力、協議 という大きな3つの特徴があります。

①専門家と当事者の声

本勉強会は18回にわたり、日本の第一人者32人の講師をお招きしてきました。また、虐待サバイバー、いじめ、事故死や指導死当事者の親御さん、ケアリーバーとして施設経験者等で、現在は支援活動を行っている当事者の方々からのヒアリングを重ねたことも、当勉強会の大きな特徴です。

②アンケートで多くの一般市民、地方議員の声を収集

以下の2回のアンケートの結果も踏まえて、子どもに関する課題の整理を行いました。

ア)2021年2月、一般市民に対して「子ども行政への要望・必要だと思うことアンケート」実施。1万7千人、4万 8000件の意見が寄せられ、全文目を通し

イ)2021年5月、自民党所属地方議員に対して「子ども行政への要望」アンケート実施。地方議員132人、112議会から回答が寄せられ、地方の課題や子どもが置かれている現場の実態が浮き彫りになりました。

③自治体との協力、協議

加えて、全国知事会「次世代育成支援対策プロジェクト」リーダーの滋賀県の三日月知事からも、全国知事会でのアンケート結果を報告していただきました。知事会からの要望もしっかりと提言に反映させています。

ア)全国知事会は、43都道府県で「こども庁」について「賛成」
イ)残りの4都道府県は、今後の検討として保留(反対ではない)

写真)木原誠二衆議院議員(奥)、牧原秀樹衆議院議員(手前)

写真)共同事務局を務める自見はなこ参議院議員

写真)第二次提言の説明をする私(山田太郎)

 

私は党の「こども・若者輝く未来造像本部」の役員も務めていますが、本勉強会では、事務局として『第二次提言、子ども政策のグランドデザインーこども庁構想ー』をまとめ上げました。

グランドデザインは、子どもの置かれた課題を整理し、国内外の進んだ子ども政策を検討した上で、以下の構成でまとめています。

Ⅰ)はじめに
Ⅱ)基本的考え方
Ⅲ)「こども庁」が対象とすべき課題
・緊急性の高い命の問題
・子どもの環境改善にかかわる問題
・制度・仕組みの問題

  ・地方自治体の課題
Ⅳ)「こども庁」に必要な機能
Ⅴ)「こども庁」で検討すべき仕組み
CDR、DBS、LMC 、ネウボラ、こども会議・こどもパブコメ、Ofsted、子どもコミッショナー、アドボカシ―

Ⅵ)留意点

図)第二次提言・Children Firstの子ども行政のありかた勉強会事務局作成

 

提言の本編は20ページに及びますので、ブログではポイントを簡単に説明します。本編全文はこども庁創設に向けた特設ウェブサイトで公開していますで、是非ご覧ください。

 

〇「子ども政策のグランドデザイン~こども庁構想」のポイント

Ⅰ.はじめに(目指すべき社会像、子どもの緊急事態)

1、未来を担う子どもたちが輝く社会は、すなわちすべての人が輝く社会です。すべての子どもたちが「愛されてすくすく健やかに育ち」「のびのび活動し」「自己表現し周囲と連携しながらたくましく生きていく」、愛育・育成・成育の視点を基盤とする。子どもの権利が保障され、子どもたちが自ら意思決定できる社会。子どもを持ちたい、育てたい、温かい家庭を築きたいと願う人々に寄り添った、子どもを産み育てやすい社会を目指します。

2、しかし、日本の子どもが置かれた状況が命に関わる子どもの緊急事態です。昨年の児童生徒の自殺者数は統計開始以来過去最高の499人児童虐待で死亡した児童は前年より増加し61人、令和元年度の児童相談所の虐待相談対応件数は約19.4万件いじめ重大事態は前年比121件増の723件 で「いじめ防止対策推進法」施行後最多、小中学校における不登校児童は過去最多の約18.1万人 、2020年に発表されたユニセフの調査では、我が国の子どもの精神的幸福度はOECD 38か国中37位妊産婦の死因の1位は自殺ひとり親世帯の相対的貧困率は50%に近くOECDの中でも日本が最も高い水準。最悪の数字が並び、まさに危機的状況で、子どもの置かれた現状は緊急事態です。

Ⅱ.基本的考え方

1、「縦割り×横割り×年代割り」の打破が必要
 子どもの問題を解決するためには、府省庁間の「縦割り」だけではなく、地方自治体との「横割り」、子どもの年代による分断の「年代割り」の3つの解消を図る必要があります。

・縦割り:担当府省庁の壁(子ども関連予算一元化、自殺の原因、虐待対応、幼保分離等)
・横割り:市区町村(1740)、都道府県(47)、国の分断。(自殺やいじめ現場情報の把握ができない問題、市区町村格差)
・年代割り:周産期、妊娠出産時の切れ目。就学前後切れ目で学力格差と学童保育問題

2、EIPP(Evidence Informed Policy and Practice:エビデンスに基づく政策立案と実践の展開

・徹底して現場の実態を調査し把握する
・調査に基づいて課題を設定し、優先順位を決め解決を図る
・これまでの子どもに関する予算と政策・実践の評価と検証の実施
・効果をあげる先導的な改善策の開発と検証
・議論の過程から継続的に直接子どもの意見を取り入れる

3、永田町や霞が関目線の府省庁間の組織論に固執せず子どもの立場に立ち、子どもの困難の解決と育成の支援を中心とする

 

Ⅲ.対象とすべき課題(組織再編が目的でなく課題を解決・予防する為にこども庁を設置!)

 子どもに関する諸課題は様々な要因が密接に関連、連鎖し広範囲かつ多岐にわたり、それらの課題に対する施策を所管する府省庁が複数にまたがる多重行政の場合もあれば、所管がない課題も存在することから、「こども庁」では「命を守る問題」「子どもの環境改善にかかわる問題」「制度・仕組みの問題」の3つを明確にして取り組むべきだと考えます。優先順位については政治が決断し、政策効果を分析し検討すべきです。※それぞれの課題と必要な支援策については、本編で詳細に記述しています。

1、命を守るための問題
児童虐待、自殺、子どもの死因究明、子どもに関わる現場の性犯罪者、いじめ、体罰指導死、産後うつ、孤独な育児
 

2、子どもの環境改善にかかわる問題
子どもの貧困、ひとり親家庭、待機児童、不妊治療、家庭・養育者支援、子育支援=仕事両立、
乳幼児健診、食育、体験・外あそびの不足、生活リズムの乱れ、ヤングケアラー、困難と孤独孤立、
保育の質、教育の質、不登校、ひきこもり

 

3、制度仕組みの問題
デジタル化、窓口一元化、難病、ホスピス、医療的ケア児、発達障がい児、事故、小一の壁、
教育費負担、医療・教育情報連携

 

4、地方自治体における現場の課題
子どもに関わる人員と予算不足の問題

・学校現場の課題が表面化されない問題
・都道府県と市区町村の関係の問題
・国保の減額調整措置の問題
・事務手続きの負担の問題

 

Ⅳ.「こども庁」に必要な機能

1、「こども庁」創設を検討するための大前提
専任大臣設置(子ども政策の総責任者)
強い調整機能権限(現業実施ではなく調査、課題設定、施策立案、解決実施のPDCAの機能、データ の一元的な集約と影響評価)
・子ども関連予算の一元的策定と確保(子ども関連予算を倍額する責務)
・子どもの権利を基盤とし、子どもの権利条約を包括的に取り扱う組織
EIPP(Evidence Informed Policy and Practice:エビデンスに基づく政策立案と実践の展開)

2、徹底した現状分析、課題設定、解決策設定、実施、評価のプロセスをPDCAサイクルで。施策の実施は、愛育機能(すくすく)、育成機能(のびのび)、成育機能(自分らしく周囲とともにたくましく)

3、こども庁の位置づけ(子ども課題解決のプラットフォーム。バラバラな国の縦割り府省庁と子どもが居る現場である市区町村・都道府県を繋げる)

Ⅴ.検討すべき仕組み(諸外国が導入済みの日本も検討すべき仕組み。これらが目玉政策に!)

​こども庁に類似する組織および、子どもに関する政策や課題解決の制度は、欧米でも先進的な事例が多数あり参考にできます。日本の法制度や社会実情は諸外国とは異なり、必ずしも今の日本に合致するとは限らないが、有効性やその効果を慎重に検討しつつ、具体的な制度として導入すべきものがあれば積極的に行う必要があると考えます。

・CDR(子どもの死因究明)
・DBS(性無犯罪証明)
・LMC (産前出産産後の継続ケア)
・ネウボラ(周産期~就学迄ワンストップ相談)
・こども会議・こどもパブコメ
・Ofsted(教育水準監督局)
・子どもコミッショナー(人権機関)
・アドボカシ―(子どもの立場代弁・擁護・権利実現機能)

Ⅵ.留意点

1、利用者別のニーズに応じた施設類型を残しつつ就学前教育等の充実により就学時の学力格差を解消
2、府省庁再編については、こども庁に必要な機能や検討すべき仕組みなどの検討を経て議論を実施
3、「こども庁」の設置について国と地方の協議の場を設ける

第二次提言のポイントは以上です。

また、第18回の勉強会には、全国知事会で次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーを務める滋賀県の三日月大造知事がオンラインで参加してくださいました。


写真)滋賀県 三日月大造知事

 

知事からは、

「Children Firstを実現するこども庁を創設すること」
「子どもが健やかに生まれ育つための経済的支援の拡充
「子ども関連の政府支出の拡大地方財政措置の拡充
国と地方との定期的な協議の場の設置」 
という大変重要な緊急提言をいただきました。

また、冒頭でも触れたように、全国知事会で実施した「こども庁創設」の賛否を問うアンケートの報告もありました。なんと「総論として賛成する」43都道府県(91.5%)、「現時点では判断できない、保留(反対ではない)」4都道府県(8.5%)と、ほとんどの都道府県でおおむね賛成という結果でした。

加えて知事からは、「こども庁創設に向けた議論の段階から国と地方の協議の場を設けてほしい」という強い要望があり、事務局としてもしっかりと受け止め提言に反映しました。

 

本日(5月31日)の党本部の会合でもこの第二次提言を発表する機会をいただきましたので、できる限り本提言の内容を受け止めてもらい、自民党として政府の「骨太方針」に盛り込まれるよう強く主張していきます。