自民党初の試み!地方議員の声を「こども庁」に!


5月26日、私(山田太郎)が事務局を務める第17回目の「Children Firstのこども行政のあり方勉強会〜こども庁の創設に向けて〜」を開催しました。

今回の勉強会では、2021年5月14日〜23日の期間で実施した地方議員へのアンケート結果のとりまとめを長屋光征岐阜県議会議員に報告していただきました。

また、佐藤篤墨田区議会議員から「子どもの事故予防地方議員連盟の取り組みについて」奥野詠子富山県議会議員から「子どもや成育過程にある者への支援に関する提言について」と題し、子ども政策について現場の課題や府省庁の縦割りの弊害、また好事例について共有いただきました。

写真)すべてオンラインで実施した第18回勉強会の様子

 

まず、長屋先生からご説明があった地方議員のアンケート結果について、その中身を紹介いたします。このアンケートは、地域の問題を現場で解決している地方議員の先生方の声を「こども庁」創設の議論に反映させていきたいという趣旨から実施しました。なんと、ウェブアンケートでは9日間で132人の地方議員の方々からご協力をいただきました。心より感謝いたします。

図)Children Firstの行政のあり方勉強会事務局作成資料

 

今回のアンケートにおける回答者の特徴は2つです。1つは、女性からの回答が48.5%、男性からは51.1%と男女のバランスが取れています。2つ目の特徴は、様々な地域の声を反映していることです。人口規模が異なればヒアリングで得られる結果も異なります。質疑応答で宮崎県えびの市議会議員遠目塚さんからもご指摘があったように、東京では児童待機問題が深刻ですが、人口が2万人を切っているような自治体では定員割れが起こっています。このように人口動態によって、置かれている状況や課題が異なるため、示唆に富んだアンケートとなっています。

図)Children Firstの行政のあり方勉強会事務局作成資料

「子ども行政への要望・必要だと思うこと」について下図の24項目より、重要だと思うものを3つ選択していただいた結果、1番多かった回答は教育(義務教育・高等教育)に関してでした。

主な意見としては「地方では公立学校、特に小学校では公立学校しか選択肢がなく、たとえば公立学校では学力の低いこどもの底上げには力を入れるものの、優秀なこどもを引き上げる環境が乏しい」といった教育格差に関するものや、「是非、出産など 子どもを産むための男女の違いや身体的役割と子育てのパートナーズとしての男性の役割を学ぶ必要がある」といったような性教育の必要性について訴える意見がありました。2番目に多かったのは児童虐待・社会養護、そして3番目に多かったものが少子化に関してでした。詳しくはこども庁特設サイトにてアンケート結果を記載しておりますので、是非、ご覧ください。

図)Children Firstの行政のあり方勉強会事務局作成資料

 

アンケートを全て読ませていただき、回答者からは大変重要な指摘と改めて考えさせられる貴重なご意見を多数いただきました。長屋議員からは「自民党の歴史において地方議員に対してアンケートを取ったのは初めての試み」だと言っていただきましたが、こども庁では子どものいる現場である市区町村の方々と連携することが大切だと本気で考えています。これからも地方議員の皆さんからヒアリングを続け、子どもが置かれている現場をより良い方向へと変えていけるよう、最大限努力して参ります。

 

写真)長屋光征岐阜県議会議員

次に、佐藤篤墨田区議会議員からご説明のあった「子どもの事故予防超議員連盟の取組み」について紹介します。佐藤議員曰く子どもを取り巻く重大事故の類型は大きく3つに分けられます。1つは食の事故、2つ目は施設での事故、3つ目は製品による事故です。

 

図)佐藤議員提供資料

とりわけ今回は、コロナ禍におけるマスク着用の事例についてご指摘があったので、ご説明します。2020年5月25日、日本小児科医会が窒息・熱中症リスク等から2歳未満は着用を推奨しないと公表し、これを受けて国はガイドラインを作成しましたが、表記の違いにより現場で混乱が起こりました。具体的には、保育園を管轄している厚生労働省では「一律にマスクを着用することは求めていません。」との記載がある一方で、幼稚園を管轄している文部科学省では「基本的には常時マスクを着用することが望ましい。」と全く逆のことが書かれ、現場で混乱が生じたのです。

 

図)佐藤議員提供資料

 

この事態を受け、子どもの事故予防地方議員連盟が「子ども(未就学児)のマスク着用に関しての緊急調査」を行い、保育園と幼稚園におけるマスク着用ルールの実態を明らかにしました。なんと調査結果によると、保育園でマスクの着用を一律に求める割合が11.1%に対して、幼稚園では一律にマスクの着用を求める割合が29.6%と対応に差が生じていることがわかりました。

 

図)佐藤議員提供資料

 

このように、通達の内容によって現場の取り組みが大きく変わります。今回のマスク着用の件だけでなく、節分豆による死亡事故の事例なども縦割りによる通達内容の違いから現場が混乱が生じました。これらの事例を踏まえ、佐藤先生から「一元的な司令郎の存在と年齢・発達段階に応じた通達の一本化」について提言がありました。ガイドラインにある文言の些細な違いから生じる解釈によって、子どもの尊い命が失われてしまうことは断固としてあってはならないことです。こども庁では、このような事例が二度と起こることがないよう責任を持って議論を進めてまいります。

 

図)佐藤議員提供資料

 

最後に、奥野詠子富山県議から今年(2021年)3月に富山県知事に申し入れを行った子どもに関する提言内容についてご説明がありました。これは富山県における児童虐待の相談件数の増加に伴い、児童相談所だけでの対応は不可能な状況に置かれたことがきっかけとなっています。また、子どもに関する施策の担当が県の中でも複数の部局・課室にまたがり、各主体の連携が十分に取れず子どもの利益になっていないことが問題意識として始まりました。

 

写真)奥野議員

 

この背景を踏まえ、提言書では①子どもの権利条例制定に取り組むこと②子ども関連施策を包括的に担う部局横断的な町内組織整備の推進を図ること③富山児童相談所の複合拠点化に向けた整備方針を県が主体的に取り組むこと、の3つの骨子が盛り込まれました。

 

図)奥野議員提供資料

 

特に、③の県と市町村が連携をした児童相談関連施設の複合拠点化は珍しい取り組みのため興味深かったです。県内に2つある児童相談所を1つの複合施設にする狙いは、法令において県と市町村に割り振られた役割の中で、県と市の部局が横断的に連携することで最大限効果的な施策を実施することです。また、富山県が車で1時間あれば横断できる小さな県であること、そして財源や人材の確保の面から、1つにまとめることで二重投資を防ぐ狙いもあるそうです。

 

図)奥野議員提供資料

 

しかし、市区町村が児童相談関連施設を作る場合には補助金が出ますが、県と市が連携して作る例は全国的に見ても非常に珍しく前例もないため、補助金が出ないのが現状であります。そのため、奥野議員からは市町村が行う場合だけでなく、県と連携して複合施設を作る場合にも国からの補助金を出してほしいとの要望がありました。

子どもの現場の問題を間近に取り扱っているのは都道府県・市区町村であります。こども庁では、子ども政策に関する地域格差を生じさせず、ボトムアップしていく仕組みづくりを推進していきます。