【国会質疑】内閣委員会〜デジタル改革関連法案〜(2021年4月20日)


〇山田太郎君 自民党の山田太郎でございます。

今日は、私自身、党の方でも、デジタル本部で施策の小委員長で、いわゆるどこでデジタル化の効果を出すかという責任者でありまして、かつデジタル本部の方でも参議院唯一の役員ということでありまして、ちょっと頑張ってやりたいなと思っています。ある意味で与党であることを少し忘れて厳しくやりたいと、こういう思いであります。実際、今回、向井審議官も来ておりますので、真剣度もあるんだなと思いつつ、やりたいと思います。

今日の議論なんですが、私も代表質問の方でも少しやらせていただいたんですが、デジタル化のやっぱり光と影というのがあって、このデジタル化でまず成功させるためには、一番ピンというんですかね、クリティカル・サクセス・ファクターというか、そういう重要な議論がありまして、ここを乗り越えないと光の部分も実現できませんし、影の部分も暗いままだということで、ちょっとその辺りを今日厳しめにやりたいというふうに思っております。

特に、光の部分ではデジタル三原則を何とか実現しなきゃいけないと、こういうふうに思っておりますし、一方で、影の部分はもう分かっています。目的外利用というのが最大の国民にとってもいわゆる関心事というか心配事でありまして、目的外利用がどんどん進めば監視社会ということになるわけであります。

一方で、漏えいと事故ですね。特に事故は、その仕組みが止まる、壊れる、壊されると。これさえヘッジできていればデジタル化というのはスムーズに進むんではないか、電子社会もどんどん進むんではないか、こういうふうに思うわけであります。

一方で、目的外利用ということに関しては、よくデータの一元化が悪いとかデータの一元化をすると監視社会につながるというふうに言いますが、データの一元化が別に悪いわけじゃなくて、それによってあらぬ人が、あるいは政府も含めて目的外利用をするんではないかということが問題でありますから、そこが、例えばデータコントロール権ということをしっかりつくる、そして仕組みの透明性をきちっと図ると、こういうことがしっかりできればヘッジできるんだろうと、こういうふうに思っております。

さて、そういった論点で今日は行きたいというふうに思っておりますが、二十二問あるので多分終わらないと思いますので。では、大事なのでじっくり行きたいと思います。

まず、デジタル三原則についてなんですが、いわゆるデジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップというのが今回のデジタル改革法案にどう盛り込まれているのかと。実は、デジタル手続法は二〇一九年に通っているんですが、今回のいわゆる原則、いわゆる基本法の中にはそれが入ってこなかったんですね。

ということなんですが、まず、ちょっとその辺りから、内閣官房さんに、これをしっかり実現するんだというまず意気込みぐらいからスタートしたいと思います。いかがでしょうか。

〇政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。

御指摘のデジタル三原則につきましては、デジタル手続法第二条各号に明記をされたところでございますけれども、今回のデジタル改革関連法案におきましては、その条文に直接盛り込まれたものではございません。しかしながら、デジタル社会形成基本法案との関係で申し上げますと、国及び地方公共団体におけるデジタル技術の積極的な活用、これ、基本法第二十九条に規定をしております。これを受けて、デジタル手続法は、主として情報通信技術を活用した行政の推進について定めたものとしての位置付けが明確化されているところでございます。

また、デジタル庁設置法案との関係で申し上げますと、デジタル手続法第四条に基づきまして、行政手続のオンライン化等のための情報システムの整備を総合的かつ計画的に実施するために定めることとされております情報システム整備計画の作成及び推進、これをデジタル庁が担うことを明記をしているところでございます。

このような法体系の下で、デジタル三原則に基づく政府の取組につきまして、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。

〇山田太郎君 総理もやると言ったので、今の答弁からも、やるということなんでしょうけれども、ちょっとお手元の方の資料を見ていただきたいんですが、一ページになります。とはいうものの、今回の住民基本台帳の一部改正案ですと、本当にデジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップが実現されているかというと、どうもそうではないんじゃないかと。簡単に言うと、引っ越しをしたときに転入届と転出届を結局それぞれ出さなきゃいけない、ちょっとこれはおかしいと。世界的な常識を見ても、通常は転入届一本なんですね。だって、転入すれば転出したのは当然でありますし、どこの国が一々転出届を作っているんだと、こういう議論にもなるわけであります。

そういう意味で、じゃ、一応便利になったとはいうんですけど、何が便利になったかというと、これはびっくりしたんですが、マイナンバーカードがあると、転出がわざわざ役所に行かなくてもいわゆるできて、転入先にその情報の予約ができますと。でも、結局行かなきゃいけないんですよねというものでありまして、これでもってデジタルファーストなのかと。つまり、デジタルファーストというのは、サービスが一貫してデジタルで完結しているということでありますし、ワンスオンリーという意味では、転出も転入もそれぞれ、また、じゃ、転入を、転入先にデータを送ったんだったらそれでいいじゃないと。

あるところになると、私調べたんですけれども、もう一度紙に、マイナンバーカードを持っていったところにいわゆる新しい住所を書き直すと。それから、その場で、実はこれも不思議でありまして、マイナンバーカード、住所が入っているものですから、転入届を出しちゃうというか、転出した瞬間にそのマイナンバーカードは一時的に無効になっちゃっているんですね。ということは、転入をするときにもう一度マイナンバーカードを作り直している構造でありまして、そこに住所が書かれると。一番早いところで二十分ぐらい掛かるということなんですけれども、遅いと、その日に対応ができないのでもう一回来てくださいということでありまして、結局、これのために何度も役所に通うと、こういうことになるわけであります。

ということで、本当にこういうような仕組みでもっていわゆるデジタル三原則実現できるのかどうか、この辺りいかがでしょうか。

〇政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。

お尋ねのございました、今回の転出転入届手続についての改正ということでございます。

これまで多くの市町村では、転出転入手続につきまして、それぞれ来庁して行うことを原則とするとともに、転入届には転出証明書の添付を要し、また転入届をした後に必要となる住民サービスに係る各種手続についても庁舎内の各担当部署で個々に行ってきてございます。

これに対しまして、今回の改正におきまして、マイナンバーカードの所有者がマイナポータルからオンラインで転出届と転入予約を同時に行えるようにすることに併せて、転入地市区町村があらかじめ転出地から通知された転出証明書情報によりまして住民登録及び住民記録に関する一連の事務の事前準備を行うことを可能にし、転入地への一度の来庁で転出転入手続の時間短縮化、ワンストップ化を図るものでございます。

お尋ねのございました、転出手続を転入手続に一本化できないかということございました。これにつきましては、市区町村は住民基本台帳上の情報を基礎としまして、選挙人名簿の作成、保険給付、課税等の住民の権利義務に関わる各種の行政事務を行っているところでございます。住民の転出はこれらの住民の権利義務の終期を決める重要なものでございますが、市区町村にとりましては届けがないとこれは分からないということでございます。仮に転出届を廃止しますと、転出後、他の市区町村に転入届が行われるまでの間、転出地では住居の居住、あっ、住民の居住実態がないにもかかわらず、転出の覚知や住民票の消除等が行えず、各種の行政事務を適正に行えなくなる懸念が生じると考えてございます。

それから、済みません、もう一つだけ。転出転入手続について省略できないかというお話でございました。転入手続につきましては、マイナンバーカードとその電子証明書の認証基盤に関わるものでありますことから、市区町村の窓口における対面の対応が必要と考えておりまして、現時点において直ちにオンライン化することは困難と考えてございます。

〇山田太郎君 結局、いわゆるデジタルファーストということで、対面がまた必要だということで、デジタル関係していないじゃないですかという話と、もう一つ、今の答弁で不思議なのは、じゃ、転出届は出したけど転入届を出していない若者って結構多いんですね。

そうすると、何が起こっちゃうかというと、住民票から消えちゃうんですよ。で、どうなっているかと、戸籍の付票に残るのが精いっぱいということでありまして、考えてみれば、別に転入届を出した瞬間に転出届が抹消されればそれでいいじゃないですかと。システム的なところのロールバックというんですけれども、新しいところにきちっと情報がいわゆる格納されなければ前のものに戻すというのが当然でありまして、じゃ、転出届は出したんだけど転入届を出していない国民を一体どう国は扱うのか、こういう問題も残っちゃっているわけでありまして、ちょっと今の答弁からいって、大丈夫という話もあるかと思っております。

さて、次なんですけれども、そういう意味では、そこはしっかり今後の検討として、諸外国に倣って、転入届さえ出せば転出は自動的に抹消されるし、それ自身がだって転出をしたという事実ですから。プラス、いわゆる海外に行く人が云々ということもあると思うんですけど、それについては、いわゆる海外に行くという告知をすることによって、転出届を出してもらうということによって戸籍の付票のところに残していくと、こういう手続でいいんではないかなというふうに思いますので、是非そういう形でもって、まさにこの三原則の実現というのをこういうところからやってもらいたい。これはマスター議論なんで、ここがちゃんとできていないと、結局全ての仕組みに連携するところでありますので、是非よろしくお願いしたいと思っています。

さて、次なんですけれども、いわゆるデジタル資産といったところについても少し行きたいと思いますが、まず、デジタル・ガバメント実行計画において死亡・相続のワンストップサービスが掲げられています。相続人の負担が非常に大きい法定相続人の調査、相続財産の調査についてはどのようにワンストップ、デジタルファースト、ワンスオンリーを進めていくのかと。

結構相続大変でありまして、例えば、兄弟がいました、自分に子供がいません、その兄弟に子供がいる場合に、自分に子供がいないので、兄弟も亡くなっていると、その代襲相続でもって、兄弟のいわゆる子供の方も調べないと相続が確定しないという問題が起こって、日本中、今大変なことになっているんですね。今回、戸籍の仕組みについてもデジタル化するということですし、そもそも戸籍制度というのは身分関係を管理しているのに、相続調査を今デジタルでできないというのは非常にナンセンスだということにもなっております。

韓国なんかはすごく進んでおりまして、先代不動産照会サービスなんというのもしっかり国が整備しているわけでありますが、あるいは、もう一つ、不動産とかいわゆる金融資産に関して、まさに、だからこそベースレジストリーということになると思うんですが、それについての仕組みも全く日本はできていないということであります。

是非その辺り、今後どうされていくのか、お願いします。

〇政府参考人(冨安泰一郎君) お答え申し上げます。

相続関係手続ワンストップサービスにつきましては、デジタル・ガバメント実行計画に基づきまして、内閣官房を中心として関係省庁と連携して推進しているところでございます。

死亡・相続ワンストップサービスにつきましては、やはり相続された方がいろいろ御負担があるということで、相続された、亡くなられてから相続完了するまでどういう手続があるのかというのを洗い出しまして、それぞれについてどういうような手続、やり取り、御負担があるのかというのを検証して、その各局面ごとにいろいろと対応を考えているところでございます。

先生御指摘のございました法定相続人の調査につきましても、やはり法定相続人であることの認証をどうするのかということが非常に大きな課題だと思っております。

法務省において令和五年度に構築予定の戸籍情報連携システムを活用すること等によりまして、法定相続人の確認、特定のオンライン化、デジタル化につきましても、法務省と連携して内閣官房において検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

〇山田太郎君 今の答弁で、検討と同時に、しっかりここは法務省さんと、そのための逆に言うと戸籍なんですから、戸籍の情報化なんですから、お願いしたいと思います。

さて、もう一つ、デジタル資産という意味では、書面が発行されないオンライン完結の銀行口座とか証券口座って今非常に増えています。銀行も最近はいわゆる通帳を持つと手数料を取ったりとか、こういう方向になると思うんですね。ただ、契約者が死亡しちゃうと相続人が認知することが事実上不可能、難しいというケースもあります。その場合、本人が死亡した場合に相続人が相続財産を認知することができる仕組みというのは必要だというふうに思っております。多分、こういうのがないから、もう一つ、国の方でも最大の問題となっています所有者不明土地問題なんというのも起こっていると。蓋を開けてみると、おじいさん、こんな土地持っていたのかいと、こういうような話も出てくるわけでありますけれども、是非、その辺り、今後どうされていくのか、答弁をお願いします。

〇政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁申し上げます。

御指摘の相続財産に関する情報の相続人、遺族への伝達等につきましては、相続人負担の、相続人や遺族の負担軽減のために重要な課題になっていると認識しております。一方で、認知できる仕組みということで、自動的にあるいは機械的に伝達できるような仕組みというのはなかなか今実現が非常に困難かなと考えているところでございます。

ただ一方で、御本人さんの意思になるんですけれども、遺族の負担軽減のために、御自身のやはり散逸しやすい様々な情報、資産等の情報につきましてエンディングノートという形で残す形がありますけれども、そういった方策は遺族のためには有効かと考えているところでございます。

現在、紙で作成されていることが多いエンディングノートでございますけれども、紛失のしにくさ、あるいは遺族への継承等を考えますと、今後はデジタル化を進めるということも重要かと考えておりまして、内閣官房において当該エンディングノートのデータ標準なども作成しているところでございます。

内閣官房としては、引き続き、個人の相続財産等の情報の記録や、相続人、遺族への伝達といった課題にしっかり取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

〇山田太郎君 もう一つ、デジタル資産に関して、クラウドストレージに保管されているコンテンツ、SNSアカウント及び電子マネーとか電子ポイントですね、これも一体どうなっちゃうのという話だと思います。

利用規約に相続させることはできないというふうにされている例というのは結構あるんですけど、ルール整備というのはされているのかどうかと。例えば、私人間の契約だったとしても、相続できない一身専属的なものとされるのかどうかと。

資料はちょっと二ページ見ていただきたいんですが、この件については私の事務所の方が金融庁に対して問合せをしまして、具体的に言うと、ペイペイさんに対してこれでいいのと。ペイペイさんの年間規約が、昨年は第五条で、残高アカウントに関する契約上の地位及びこれに生じる権利義務については相続させることはできないとなっていたんですけれども、問合せをして金融庁さんも何か言われたのか、策を打たれたのか、ペイペイさんは次の年に、要は、アカウントは引き継げないけど、中身に残額がある場合については、いわゆる当社がいわゆる確認した者についてはきちっとその分については振り込みをしますと、こういうようになったわけであります。一方で、ビックカメラのビックポイントなんというのは相続の対象とならないと、こういうふうに書いてありまして、本当にそれぞれの電子マネーとか電子ポイントというのがまちまちであります。

昨今、給与もアプリに振り込むなんという議論がされている以上、やはりこの問題も避けて通れないと。いわゆる基本的な資産であるという認識をした上で、相続に対しても権利があるのであるということをやらないと、かなり混乱があると思いますが、これ、金融庁さんであれ法務省さんであれ、御答弁いただけないでしょうか、今後どうされるのか。

〇政府参考人(田原泰雅君) 電子マネーについて御答弁差し上げます。

資金移動業者、前払支払手段発行者が発行いたします電子マネーの相続についてでございますけれども、先ほど先生からも御指摘ございましたように、複数の大手事業者におきましては、相続人から申出がありまして、真正な相続人であると確認できた場合には電子マネー残高の返金に応じているというふうに承知しておりますけれども、現段階で、電子マネー関連の業界団体の自主規制ルール等において電子マネーの相続に関する統一的なルールは存在しないというふうに承知いたしております。

〇政府参考人(竹内努君) お答えいたします。

委員御指摘のような契約がされた場合について法務省からお答えをいたします。

一般論といたしましては、契約において、当事者が死亡したときはその契約が終了したり、あるいはその契約に基づく当事者の権利が消滅したりすることを合意することは可能であると考えられます。

もっとも、個別の事案において被相続人の一身に専属する権利に当たるかどうかということについては、契約の解釈に委ねられる場面が多いかと思われます。したがいまして、御指摘のような相続をさせることはできないという規定があるからといって、それだけで当然に一身専属権として相続の対象とはならないと言うことはできず、当該契約や権利の内容いかんによりましては当該合意は当事者に一方的な不利益を与えるものであるということで、公序良俗違反により無効とされることがあり得るものと考えられます。

また、御指摘の利用規約が民法上の定型約款に該当するような場合には、民法上の定型約款の規制に基づきまして、利用者の利益を一方的に害するものとして合意がされなかったものとみなされるということもあり得るかと考えます。

〇山田太郎君 今、画期的な実は答弁なんですね。いわゆる民間の契約約款のみではないんだと。国としては、これからデジタル資産というのを、統一的なルールはないんだけれども、そういうことがあり得るんだというような答弁だったというふうに思います。

改めて、ちょっとここまでで是非平井大臣に、デジタル三原則、まだまだこんな状況ですよと、ただ、これをしっかりやると一つデジタルの光の部分で効果出るんじゃないかということで、今後の指針とか意気込み、教えてください。

〇国務大臣(平井卓也君) このデジタル三原則を国会で成立させたときのIT担当大臣も私でしたので、この法案に関しては非常に思うところがあります。そして、なかなかこの三原則どおりに国のシステムがなっていないという問題も感じていますし、結局、今までの当たり前をやっぱり疑ってつくり直すということが必要だというふうに考えています。

そして、これがやっぱりやるためにデジタル庁が必要なんだと考えておりまして、情報システムの整備及び管理の基本的な方針を策定して、予算の一括計上、配分を行うこととか、デジタル大臣による勧告権などを規定しておって、こうした取組を通じてデジタル三原則の徹底を含めた行政サービスの利便性の向上に、より実効性を持って取り組んでいかなきゃいけないというふうに思います。

これも、勧告権もお飾りの勧告権ではなく、実際本当に変えてもらうべきものは変える、そして予算の執行に関しても止めるべきものは止めていくというような強い意思を持っていなければ恐らく大きく変えることができないんだろうと考えております。

〇山田太郎君 次に、ベースレジストリーというのが議論になっていますが、これとマスターデータとの関係についてちょっと質疑したいと思いますが。

個人に関する基礎情報としては、まず戸籍、それから住民基本台帳、マスターナンバー、アルファベットを持っているパスポートなんというのがあるんですが、多分日本には、このベースレジストリーを議論する場合のマスターとして、これら、戸籍、住民票、それから戸籍の付票、マイナンバーという四つのマスターが存在しているということであります。多分これが関係として、仕組みを見させていただきますと、非常に厄介になっておりまして、結局のところ、マイナンバーをマスターにすれば本当はいいんだと、そのために本来マイナンバーをつくったんではないかと、こういうふうに思うわけであります。

例えば、住民基本台帳が市区町村でばらばらに管理、存在しているといっても、結局は住民コードでつながっているわけでありますから、一元管理の議論ということがこれからどうあるべきなのかと、それが監視につながるのかということになるわけでありますが、いずれにしても、このベースレジストリーをつくる意味においてはマスターを何にするかということがあるわけであります。

そういう意味で、このマイナンバーがマスターたり得ないのかどうかを含めて、どのように整備していくのか、この辺りいかがでしょうか。

〇政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。

まず、昨年末のデータ戦略タスクフォース第一次とりまとめにおきまして、社会の基盤となりますベースレジストリーの整備につきまして、整備方針となるロードマップを策定したところでございます。そのロードマップにつきましては、ベースレジストリーのまず定義付けを行っております。ベースレジストリーとは、公的機関等で登録、公開され、様々な場面で参照される、人、法人、土地、建物、資格等の社会の基本データであり、正確性や最新性が確保された社会の基盤となるデータベースというふうになってございます。

このような定義の下に、重点整備対象候補として、例えば個人、法人、土地、地図、文字、法律、制度、資格、公共施設等を示し、二〇三〇年を目標に整備することとして、そのための仕組みづくりを五年以内に行うというふうに決まったところでございます。そういう意味では、まだまだ段階的に、これから整備方針をしっかり固めて、その上で段階的に整備していくということだろうと思っております。

そういう中で、これらの問題について例えばどういうふうになっているかと。今おっしゃったような個人に関するデータについては個人を何らかの形で特定する必要があるのではないかという、そういう御趣旨だというふうに思いますけれども、どういう利用のされ方がするのか。個人データですと、当然のことながら、各種個人保護法制あるいはその特例法の法制に従いながら利用されるということになろうかと思うんですが、そういう場合の利用の在り方を、どういうふうになっていくのかというのも詳しくやはり検討する必要があろうかなと思っております。

そういう中で、何といいますか、現状どうなっているかというと、戸籍は今のところそういったような、何といいますか、戸籍内の多分システムもございますので、当然システム上の何らかの記号、符号あるに決まっているんですけれども、統一的なものは現状なくて、法律上、今後デジタル化を進める際に、マイナンバーの情報連携を使って、それで各種社会保障、マイナンバー制度の情報連携に戸籍情報を引き出せるようにするというようなことになってございまして、この、何といいますか、キーとなるものは、マイナンバーではなくてマイナンバーの情報連携符号というふうにされてございます。

それから、住民基本台帳は、先生御指摘のとおり、住基コードとそれからマイナンバー。パスポートはちょっと、現状まだ戸籍に、戸籍を中心につくられているというところで、まだパスポート番号とひも付いたというふうな話じゃございませんけれども、そういうふうなものを考えるとき、私どもは、まず制度的なものと、それから、何といいますか、システム的ないわゆるコンピューターサイエンスの問題をやっぱり分けて考える必要があるんではないかと思っております。

そういう意味で、例えば住民基本台帳の住基コードとマイナンバーというのは、J―LISでは当然対照表があって、住基コード、マイナンバーについて、例えば四情報からマイナンバーを引き出すとか、そういうことも可能になっているというふうなことでございますので、現状、論理的には対応が可能、対応していると、一義的に対応していると。

一方、戸籍の方の、何というか、マイナンバーの符号でございますけれども、これは一種マイナンバーの暗号というふうに理解できるんではないかと考えておりまして、考え、要するに物の捉え方でございますけれども、例えばマイナンバーを暗号化して各種の、例えば戸籍に送ると、その戸籍の今度復号する手段を持っていないというふうな状態と同じだというふうに思っておりまして、マイナンバー法上、マイナンバー符号もマイナンバーも同じくマイナンバーの規制を受けると、そういうふうになってございますので、そういうふうなものとして考える余地があるんではないかと。

したがいまして、いずれにしても、今後の検討におきましては、そういった、何をキーとしてどういうふうに使っていくかという全体のアーキテクチャーを考えながら、一方で、セキュリティー、例えば漏えいしたときに大量の被害が出ないようなセキュリティーの問題との、例えばどちらを、どういうふうなバランスを取るかというふうなことも考えながら、先生の御指摘も踏まえまして検討させていただきたいというふうに思います。

〇山田太郎君 ちょっとこれ通告にないんですけれども、マイナンバーカードなんですけど、それにちょっと関連して、マイナンバーカードって知られたらまずいんですかねという話と、何かマイナンバーを取得すると、私も取得していますけど、あるところ、性別とか隠しているんですけど住所は隠していないとか、そもそも隠さなきゃいけないのかとか、大体、あんなふうに隠すものだから、うちの母親なんかはマイナンバーカードを貸金庫にしまっておりまして使えない状態になっているんですが、これ何なんだろうという話でありまして、マイナンバーカードって落としても、落とすと大変なことになっちゃうのかどうかとか、あの番号は知られるとまずいのかとか。

あるいは、住所を持っていなければ、先ほど言ったように、非常に矛盾がなくなりまして、個人認証ができればそれでいいんで、高度な、一々一々市役所に再提出する必要はなく、どちらかというと、期限をもって何年かに一遍チェックをすると、こういう仕組みでいいわけであります。実際、そういうふうなことにもなっているわけでありまして、ちょっとその辺り、IT資産なのか番号資産なのか、マイナンバーカードに関して今後見直す余地はないのかどうか、御答弁、済みません、いただけないでしょうか。

〇政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。

マイナンバーカードにつきましては、もう大きく二つの機能があると思いまして、一つは、マイナンバーが書いてあるとおり、本人確認書類としての、対面での本人確認、かつマイナンバーが書いてある、先生御指摘の隠してあるやつですけど、このマイナンバーを書いてあるというところが一つの特徴でございまして、マイナンバーを証明するものとしては、マイナンバーカード又は市役所等に行って住民票をマイナンバー付けて取らないといけないというのがありますので、マイナンバー付きの事務には、対面でやるには、マイナンバーカードというのは、そのマイナンバーを使うというところがございます。

それが隠すべきものかどうかという点につきましては、マイナンバーというのは、まあ言うたら、みだりに知られるものではないけれども知られたら危険があるものでもないと。例えば、預金通帳の、預金の、例えば預金の番号に近いと。要するに、マイナンバーの数字というのは本人を特定すれども証明はしないと。したがって、マイナンバーを知られたからといって証明するものではないと。預金口座も、預金口座は振り込みには使いますけれども、預金口座だけで下ろせるものではないと。そういうものでございまして、そういう点では、危険、落としたからすぐ危険があるというふうなものでも決してないということでございますので。

ただ、なぜ制度当初マイナンバーについてやや注意喚起したかというと、やはり、それはやはり、何といいますか、その当時の、何といいますか、国民の不安等に応えるためにそうやったものでありまして、それがいつまでも続くというふうには考えていないというところでございます。

その上で、もう一つの機能が先生の御指摘のマイナンバーカードの公的個人認証。チップに入っておりますが、このチップは極めてセキュリティーの高いものでございますので、落としたからといって、チップをいじろうとしたらすぐ壊れますので、これもセキュリティーは十分であると考えております。

〇山田太郎君 普及のためには、そういった意味で、一千億円今回予算で掛けるのもいいんですけれども、そういったところをしっかり見直すというところから始めた方がいいんじゃないかなというふうに思いますので、ちょっと済みません、通告しなかったんですけど、その辺り触れました。

さて、実は今日の本丸はこれからだったんですけれども、一個は、このいわゆるマイナンバーをマスターとして使えないのかということで、ちょっと三ページの資料を見ていただきたいんですが、要は、一元管理ということに関して、住基ネット訴訟でもってこれまでも相当議論があって、いわゆる、今回デジタルに関してここを、反対されているところとか気になるところというのはこの部分なんじゃないかなというふうには思うんですね。

これ、ちょっと見方言うと、住基ネット訴訟の二〇〇八年の三月六日の最高裁の判決とその前の高裁の判決というのを比較して見ているんですが、要は、最高裁は何と言っているかというと、いわゆる個人情報の一元管理が憲法違反というのは直ちには言っていないんですよね。右の方の二ページと書いてある下のところに、現行法上、一元管理、管理することができる機関又は主体は存在していないと書いているだけでありまして、だからといって、一元管理が駄目だとか、そういうことを言っているわけではないということでありまして、もう一個、一元管理の定義というのもしておかなきゃいけなくて、一回一元管理の定義というのは政府でやっているんですけど、共通データベースをつくるということなんですね。分散しながらも、いわゆる、例えばマイナンバーをメタデータとして、マスターデータとして活用して、いわゆる分散されているデータをつないでいくということにおいては何ら問題はないんじゃないかと。

そういう意味で、今、向井審議官が少し触れられました、制度としての在り方とシステムとしての在り方というのを分けていくということ。直ちに、マイナンバーのマスターデータがただばれたとしても、それ自身にはいわゆる問題ではないんではないかと、こういうような議論もあるわけでありますから、その辺しっかり、一元管理とは何なのかと。

それともう一つ、最初のテーマにも戻りますが、一元管理が問題なんじゃなくて、一つは、目的外利用を勝手にされてしまうとか、それによって一か所にデータが全部あると漏えいしちゃうリスクがあるとか、事故っちゃったら止まっちゃうよねというところが問題なんであって、別に一元管理そのものが問題だとかいうわけではないですし、実際、実態としていわゆる日本のシステムを全部一元的に持っているわけじゃなくて、もう現実として分散していますし、今後も一元化へのデータベースが、とてもじゃないけれども、大き過ぎてつくれるわけじゃないと思いますが、この辺り、そういう意味で、いわゆるマイナンバーを付してデータベース化できるようマイナンバー法を例えば改正するということは憲法上許されるのかどうかという辺りですね、三ページも見ながら御答弁いただきたいと思います。

〇政府参考人(平川薫君) お答えいたします。

今般のデジタル社会形成基本法案第三十一条の規定におきましては、デジタル社会の形成に関する施策の策定に当たっては、公的基礎情報データベースを整備するとともに、その利用を促進するために必要な措置が講じなければならないこととされており、公的基礎情報データベースに関する具体的な制度については今後関係省庁において検討がなされていくものと認識しております。

内閣法制局は、閣議に付される法律案を審査し、これに意見を付し、及び所要の修正を加えて内閣に上申することを所掌としておりまして、担当省庁が政策を立案し、立法化の案を作成した段階におきまして、憲法との整合性も含めて審査を行うこととするものでございます。

お尋ねの公的基礎情報データベースに関する番号利用法の改正につきましては、担当省庁から具体的な案が示された段階で、仮に憲法との整合性が問題となるようであれば、それぞれの憲法の規定に基づき、その整合性について判断することになるものと考えております。

〇山田太郎君 ということは、結局は内閣官房さんにこの議論は戻ってきちゃうわけでありますが、今後、内閣官房さんとしてはこの辺り、マイナンバーをマスターとして、マイナンバーを付してデータベース化できるというふうに考えて改革されようとするかどうか。

もう時間もないので、もう一つ。最高裁の判決も踏まえれば、自己情報コントロール権さえあればいいんだというふうにも読めるわけでありまして、しっかり、例えばエストニアなんかはすごいんですよね。自分の情報がどういうふうに使われたかということが分かると。これは役人でも、自分の情報がどう使われたか分かるし、それが目的外利用だということであれば訴えることもできるということでありますが、この辺り、今後どういうふうにしていかれるのか、内閣官房さん、よろしくお願いします。

〇政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。

まず、マイナンバー、マイナンバーがどの分野に使えるかというのと一元管理というのは若干違うと思っておりまして、一元管理という場合は情報の一元管理とシステムの管理とは別だと思っておりまして、情報の一元管理ができるような、情報の中身についてですね、そんな機関は多分日本には存在し得ないんだろうと思いますし、そんなものをつくったら物すごい金が掛かるだろうということであろうかと思っています。

一方で、システムの一元化というのは当然可能だと思っております。その前提の中で、じゃ、マイナンバーどうするんだという話ですが、マイナンバー自体は、マイナンバーそのものの数字のことと、先ほども申しましたように、符号と、符号化されたものというのは数字としては別のもの、これを別と観念するか同じと観念するかによって若干変わってくると。現状案のマイナンバー法が符号の方はもう少し広く使えるような書き方になっているということでございますので、今後その符号を使ってやっていこうというのが現状の情報連携のやり方なんですが、その先更にデータベースをどうしていくかというのはまだ、まだまだ今後の検討だとは思っております。

ただ、マイナンバーをそもそも民主党政権時代に最初につくったときも、どこまでマイナンバーを使うのかというのは議論になったところでございまして、税だけで使うのか、税、社会保障で使うのか、行政分野で使うのか、民間も使うのかみたいな議論は当然あったわけでございまして、そのときのアンケートでは税、社会保障というのが一番多かったと。一方で、当然、行政全体に使うという議論も当然あったわけでございまして、行政全体で使うことが当然できないというふうには考えていないということでございます。

そういうことも踏まえながら、どういうやり方が最も、何といいますか、便利かつセキュリティー上大事だかどうか考えながら検討させていただきたいというふうに思っております。

〇山田太郎君 時間になりました。また残りの分については次の機会を捉えて質疑させていただきたいと思います。

ありがとうございました。