担い手法案、多面的機能法案について質疑いたしました


5月15日、農林水産委員会にて質疑を行いました。

議事録

○山田太郎君

 みんなの党の山田太郎でございます。よろしくお願いします。
 私の場合は余り諸先輩方ほどいい話ができないかもしれませんが、ただ、今回、農政、農業がどういうふうになっていくのか、非常に重要な岐路にあるという認識はございます。
 TPPの問題、それから、昨日政府の方がワーキングチームという形で規制改革会議が出してきた改革案、それから、本日もずっと議論されている産業政策それから地域政策としての二法案、これ、非常に全て合致してやっていかなきゃいけないことだということで、有機的に今日は質疑させていただきたいというふうに思っております。
 まず冒頭なんですが、何回か私も質疑で、農業の改革、産業政策と地域政策、これ、地域政策を私の場合は社会政策とこれまで呼んできたんですが、この二つをしっかり分けて議論していくということは大変分かりやすい、いい議論になると思っております。
 と申しますのは、産業政策としての農業は、やっぱり産業ですから厳しさも競争力も必要だということでありまして、先ほどから儀間議員なんかは輸出ということでシリーズでこだわられていますけれども、まさに輸出をしようということであれば、当然国内でも強い産業でなければ海外へ行って勝てるわけがないわけでありますから、そういった意味の厳しさも伴う改革というのが産業政策の方には多分なければならない。そういう意味で、多分このワーキングチームの方からは相当厳しい内容が出てきた、これは一つ私は評価に値するのかなと思っています。
 もちろんそれだけでは、ここには人がいて、地域も支えている基幹産業ですから、もたなくなるということで、要は、ここには地域政策、私で言うところの社会政策というのがあるわけでありまして、これはまたきちっと議論していかなければいけない。ただ、これをしっかり厳しい面とそれからきちっと人をサポートしていく面と、二つ分けていきたいというふうに思っていますので、まずはそういう意味で、ちょっと産業政策としては厳しい側面も質疑していかなきゃいけないかもしれませんが、その辺り、最初にやらせていただきたいと思っております。
 この産業政策、担い手法案になるわけでありますが、この目的は、一つ、自給率の向上というのがこれまで挙げられてきたんだと思います。昨日も私の方が安倍総理に対して代表質問させていただきまして、総理の御回答の中にも、食料自給率向上に寄与する作物の生産拡大を図るためという明確な答弁を実はいただいておりまして、それはそうで、なるほどということでありました。
 ただ、自給率という考え方もやっぱり曲がり角に来ているんではないかと。実は政府の方でも、日経それから朝日にも記事になっておりますが、二十二日の農林水産大臣の諮問機関である食料・農業・農村政策審議会の方でも、この自給率、現在の五〇%というのは保てないんではないかと、ちょっと内容として過度であるということで、来年以降これを引き下げるふうにしたらどうかというような見通しを発表しているということでありまして、これもまた報道でありますので、最近当委員会は余り報道を信じないということで、そういう意味で政府には個別に聞いていかないといけないので質疑をさせていただきたいと思いますが。
 結構この問題は非常に私は大きいというふうに思っておりまして、と申しますのは、先ほど申し上げた産業政策って、やっぱり目標がないと何に対しても改革ができないということでありますので、まさに、じゃ、自給率そのものの割合を下げて考えていくのか又は自給率に代わるものを考えていくのか、そこはひとつ産業政策のゴールを考える意味においても、あるいはそれ自身が成功したか失敗したかを考える意味においても大変重要な状況だというふうに思っております。
 そういった意味で、これまで政府の方は、たしか平成十二年の方にはカロリーベースで四五%、平成二十二年の方ではカロリーベースで五〇%の目標を立てられてきたんですが、実際は平成十二年以降四〇%で推移していると。平成二十四年まででは三九ということで低空飛行を続けているんですね。昭和六十三年には五〇%あったカロリーベースの食料自給率がどうして一貫して下がってきたのか、ちょっと復習のために質問させていただきたいと思います。

○国務大臣(林芳正君)

 食料自給率が低下してきた理由ということでお尋ねいただいたと思っておりますが、昭和四十年度がカロリーベースで七三%、生産額ベースで八六%であったものが、足下二十四年度でカロリーベースで三九%、生産額ベースで六八%まで低下してきております。
 一つの背景としては、食生活のいわゆる洋風化ということで、もう御案内のように、自給率の高い米の消費、これが減少する一方で、自給率の低い畜産物等の消費が増加したということ、こうした食料消費の変化に国内の生産体制が対応し切れなかったことと、大きく言うとそういうことではないかと考えております。

○山田太郎君

 ありがとうございます。
 この食料自給率は実は農水省の農政政策の中でも個別の品目ごとにいろいろ取られておりまして、個々にそれを向上していくということでこれまで個別の政策が取られている、非常に重要なまさに産業政策としての目標値であります。
 今日、お手元の方に資料をお配りさせていただきましたが、主要品目として、バレイショ、小麦、大豆なんというのを今日はちょっと取り上げてみたいと思いますが、まさに主要作物ごとに生産数量目標を作って補助金などの政策誘導をしてきたということでありますが、例えば、これ平成二十七年のところが黒丸であります。これが目標だということであります。平成十七年に決定された自給率四五%に沿った目標がここだったんでありますが、実は、平成二十二年の決定の平成三十二年、つまり十年後のものはかなり大胆な五〇%生産目標ですが、かなり意欲的な目標を立てられたということで、実は目標そのものは近年少しずつ上げたりとかしているんですが、現実はどうだったかというのをちょっと見ていただくと、このグラフの平成二十年から二十四年に向けての表なんですが、全部下がってしまっているということなわけですね。
 これやっぱりどうしてなのかと。主要作物の一つも事実上、上がっていないという状況下の中で、完全な政策の失敗なのか。先ほど儀間さんの方は担い手がどうして増えなかったのかということを強く質疑されておりましたが、私は、この産業政策として重要な個々の産物に関しても一つぐらいは何か政策としてこれはうまくいったなというのがあるからこそ波及もしていけると思うんですが、一体どうしてこういうふうになってしまっているのか、この辺りも教えていただけないでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 今まさに次の食料・農業・農村基本計画の見直し作業をやっているところでございまして、今お話があったように、四月二十二日に、食料・農業・農村政策審議会の企画部会におきまして、現行の食料自給率目標等の検証が行われたところであります。
 その検証におきまして、二十四年度における生産数量目標の進捗状況、これを評価した結果として、耕種の作物については、ソバを除いて進捗が目標から乖離して推移と、いわゆるC評価というやつですが、こういう評価でありまして、特に、小麦、大豆等の目標達成度は五〇%下回っていると、こういう状況になっているところでございます。
 要因分析を品目別に行った結果、バレイショですが、これは天候不順による不作などと。それから、小麦については、関東以西の水田における二毛作の大幅な拡大を前提として目標が設定してあったわけですが、この目標設定が過大であったとともに、天候不順による不作に加えて、水田での排水性向上、これは排水をして二毛作ということになりますので、この向上等の取組が不十分であったということ。それから、大豆については、生産条件が不利な耕作放棄地での大幅な作付け拡大、これを前提として目標が設定してありましたので、これが過大であったということと、先ほどと同じように、水田での排水性向上等の取組が不十分であったと、こういう評価が行われたところでございます。

○山田太郎君

 もうそうなってくると、この自給率目標を掲げる意義というのはそもそもどんなところにあるのかなと。
 現行では、諮問委員会でいろんな議論が出ているようですけど、一応五〇%というのはまだ国の政策として置かれているようですが、例えば国際情勢、状況だとか、国内の食生活の変化等を加味した場合に、例えば自給率が四〇%じゃ駄目で五〇%ならいいんだというのは例えばどうしてなのかとか、ちょっとその辺りの議論もお伺いしたいんですが、その辺り、いかがなんでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 食料・農業・農村基本法には、国民の食料の安定供給、これを将来にわたって確保していくことは最も基本的な責務だと書いてございます。それは生産と備蓄と輸入と、こういうふうに書いておりますので、必ずしも食料自給率というものが何%でなくてはならないということがそこから数字が決まってくるということではないかもしれませんけれども、基本的にはここの、国内農業の生産増大を図ってできる限りのことをやって、やっぱり食料自給率を向上させるということは基本的に大事なことであると、こういうふうに考えておりまして、そういう意味で基本法で食料自給率の目標設定をすると、こういうふうに法律上明記をされておるところでございます。
 基本計画において、食料自給率の目標とともに、農業生産指針としての生産数量目標が示されているところでございます。

○山田太郎君

 それでは、この自給率を向上させるために、これまでどれぐらいのお金を使ってきたのかということに関しても是非理解しておきたいと思っています。
 非常に重要な産業政策、やっぱりそれの自給率向上のために毎年毎年多くの農政予算を使ってきた、その結果がこうだということなんですが、次に話をつなげていくために、是非その辺りの政策投資予算、どんなものなのか、具体的に教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 基本的に我が省の予算の中で、これは食料自給率の達成のための予算とか、これはそうでないと、こういう整理は基本的にございませんが、食料・農業・農村基本法に基づく基本計画は食料自給率の目標の設定、これを中心として策定されておりますので、あえて言えば、農林水産省の予算というのはもうほとんどこの食料自給率の向上に関係すると、こういうふうに言えるものと考えておりまして、そういう意味では、現行の基本計画で食料自給率の目標が設定された平成十二年度から平成二十六年度までのもの、農林水産関係予算額の合計は、当初予算額で約四十一兆円、補正予算額で約七兆円ということでございます。

○山田太郎君

 まあ、合計で四十八兆円というお金を使って、ポジティブに言えば、このお金を使ったから自給率がこれでもったんだという言い方もできるかもしれませんが、やっぱり何か変だと。産業政策としてはやっぱりこれは何か変だというふうに、全然上がらない数値を十数年間も、毎回毎回言い訳をして、多分、毎回の農林水産大臣が国会にいろいろごちゃごちゃ言われながら謝っているという状況は何かおかしいような気もしています。
 そうなってくると、私は、この食料自給率というものの考え方も変えなきゃいけないのかなと。先ほどのお話の中でもたんぱく質なんかを取る考え方もあるというお話もありましたし、食べ残しについていわゆる除外されていないなんという議論もこの委員会でたしかありました。
 それから、もちろんカロリーベースが今旬なのかと。私なんかはちょっとこういう体型なので余りカロリーは取らずにということになると、確かに食生活は変えていかなきゃいけないということになると、やっぱり金額ベースの方が云々ということもあります。
 ただ、私は、この産業政策、やっぱりゴールを持ってきちっと、PDCAじゃないですけれども、やった政策がどれぐらい寄与したのか。やっぱり国民の税金を使っているわけでありますから、しっかりしたものを次の政策に対して立てていかないと、どっちに我が国の農政は向かっていくのか分からなくなると、こういうふうに思っておりますので、是非そういう形で今後議論がこの委員会でもできればと思っております。
 もう一つ、もしかしたら、自給率に偏重してしまうことによって農業政策もゆがんだ側面もあったのかもしれないと。無理くり例えば維持しなければならないということを、いわゆる、に予算や政策をしてしまったりとか、むしろ産業政策であったら、その産業の自立とか、それから生産性向上だとか、もっとたくさんの、他産業であれば持っている指標であったり考え方ってあると思います。そういったことを自給率だけにとらわれずに複合的に考えていくということが多分この問題は必要で、私はその問題も一緒に加味していかないと、幾ら産業政策で担い手云々と言ったところで、最終的にこの農政がきちっとうまくいったかどうかというのの評価のしようがない、こう思っておりますので、これはちょっと引き続き議論させていただきたいと思います。
 次に、農協改革の話についても取り上げていきたいと思っております。
 昨日、先ほども少し話題になりましたが、規制改革会議農業ワーキングチームが農業改革に関する意見という形で出されました。実は、私の部屋で昨日レクをやっているときに、これが内閣府さんの方から届きまして、農水の現場の担当官の方も私の部屋でこれを初めて見たという状況下の中でレクをやるという不思議な状況になりました。
 一つ不思議だというふうに思いますのは、農業政策に関して、現場の農業の担当官や、もしかしたら農林大臣も分からない形で規制改革の話が進んでいる、これは本当にインプリというふうに、オペレーションというか、本当に農業政策の方にちゃんといわゆる転換していけるのかどうかということが非常に不安でもあります。そういう意味で、今日はちょっとそこの内容について、タイムリーでありますし、非常に農業政策重要でありますので、この問題ちょっと取り上げてやっていきたいと思います。
 まず、この本日の二法案があるんですが、この法案による政策推進に当たって、農協の役割ということもあるかと思いますが、その辺り、その関連性みたいなもの、是非その辺り、まずスタートのところ、大臣、どのようにお考えか、お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 まず、担い手経営安定法でございますが、これに基づいてゲタ、ナラシ対策というのをやることになるわけです、やるわけですが、国が対象となる農業者に直接交付金を交付する仕組みでございますが、加入をしていただく、この加入推進等が円滑に行われるように市町村等の地域段階で地域農業再生協議会と連携協力した推進体制を構築して実施しているところであります。農協については、市町村、それから農業共済組合、農業委員会などとともに、地域農業再生協議会の構成員として対策の普及推進、対象作物の作付け確認等の役割を担っていただいているところでございます。
 また、多面的機能発揮促進法案の方ですが、この日本型直接支払制度は、農用地や水路等を保全する地域の共同活動や営農活動に対して支援するものでございまして、地域における様々な主体の参画や協力の下で取組を進めることが望ましいわけでございます。したがって、この農協について、地域の農業振興を担う団体としてこのような地域の共同活動に積極的に参加することが期待をされているところでございます。

○山田太郎君

 そういう意味では、農協さんも非常に農政あるいは改革という意味においては重要な役割があるというふうに認識しています。昨日の本会議の質疑、安倍総理の方からも、政策面の改革と併せて農協改革を実行することが必要だと、しっかり取り組むという答弁をしていただいております。
 そういう意味で、昨日、内閣府の規制改革会議農業ワーキンググループでこの意見が取りまとめられたんですが、概要と、特に今後のスケジュールですね、これ、出したら多分出しっ放しではなくて、政府の中でまず議論がまとめられて、もしかしたら与党の方でも議論されるのか、何らかの法案という形で農協法に関わることが改正されていくのか、いずれにしてもこれがどういう今後取扱いになっていくのか、内閣府の方から後藤田内閣府副大臣来ていただいていますので、御説明いただけますでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 ありがとうございます。
 昨日の規制改革の議論、そしてまたその結論につきまして御説明いたします。
 一つには、中央会制度の廃止。これは、よく中央会の廃止というふうに捉える方がいるんですけれども、制度の見直しという意味でございます。これは、農協法に基づく中央会制度を一旦廃止して、そして中央会は新たな役割、体制を再定義した上で、例えば農業振興のためのシンクタンクや他の団体等の組織としての再出発を図ると、こういう内容と、あと全農の株式会社化、そして単協の専門化、健全化の推進、そして農協の理事会の制度の見直し、そして組織形態の弾力化、組合員の在り方、他団体とのイコールフッティング等々でございますが、一番、中央会の廃止という、制度の廃止ということでございますけれども、これは、御承知のとおり農協法に規定された中央会の役割というのは、七十三条十五に、組合の健全な発達を図ることを目的とすると、そしてまた二十二には、組合の組織、事業及び経営の指導、そして組合のガバナンス、また組合に関する教育及び情報の提供等々書かれておりますが、これが今実態、現実としてやはり課題、問題があるんではないかと。
 先ほど委員もおっしゃったように、総理始め、また今までも農協内部でも、平成十五年でございましたか、改革案が出されました。そして昨今も出されたように聞いております、それも拝見しております。また、農林省におきましても様々な議論があったということも考えたときに、我々としましては、特に今、全中の話をさせていただきますと、やはりこれからは各農協が多様な実情に即してそれぞれの独自性を発揮して、自主的に地域農業の発展に取り組むことができるようにと、こういう考え方です。
 例えば、今日の新聞でも、福井の方でたけふ農協さんが、いわゆる政府として、また農協さんも含めて、例えば米の飼料米、こういうものを一律的に指導、これはいいところもたくさんあろうかと思いますけれども、ここは、やはり今までのコシヒカリから日本晴というものを作って、これから輸出目標千トン、こういうものを独自にどんどん頑張っていると。そして同時に、いわゆる調達につきましても運営の見直しをして黒字化を図っているとか、こういうことをしっかり各農協が頑張っていただく、中央会主導から各農協中心に系統を再構築すると、こういうことを狙いにさせていただいております。

○山田太郎君

 今も少し触れたところでもあるんですが、ちょっとこの内容で確認しておきたいこともありますけれども、全農の株式会社化というところでもあるんですが、これもちょっと確認させていただきたいんですが、株式会社化された全農と個別の農協との関係はどうなるのかなと。
 農協は、御案内のとおり、独占禁止法等によって除外をされている農業協同組合という特別な立場に立っております。そうなってくると、株式会社化というのと現場の農協、系統の関係というのが多分合わなくなってくると思うんですね。その場合に、現場の個別農協に関してもいわゆる農業協同組合としての独禁法の除外規定というのを受け続けるのかどうか、その辺りの設計はどのように検討されているんでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 全農の株式会社化についてでございますが、これは株式会社化された場合は、独禁法の第二十二条によりまして同法の適用を除外される組合及びその連合会に該当しなくなるということでございます。株式会社化された法人につきましては独禁法が適用されるというふうに考えておりまして、これはやはり今後、一応我々の議論の中での絵姿は、組合員が例えば共同出資する株式会社にすることによってしっかりとガバナンスを効かせると、こういうメリットもあろうかと思いますし、また、意思決定の迅速化でございます。
 いわゆる今までの理事会決定もいろいろ機能していたのかとは思いますけれども、迅速な決定をして、社会の変化また国際情勢の変化にしっかり対応していく組織になっていただければいいんじゃないかということです。
 あと、また資金調達につきましても、何をやるかというその目標に応じて、いわゆるデットではなくて、またエクイティーも含めて、そういう資金調達をすることによって、しっかりと農業の、先ほど来先生おっしゃっている産業化の側面、産業政策の側面にも対応できるようにしていくと、こういうことになっております。

○山田太郎君

 もう一つ、農協の信用事業の話です。
 今、黒字か赤字という問題も絡んでくると思うんですが、農協の信用事業を農林中金の方に移管するという提言も実はこのワーキンググループではされています。ただ、農協は、経済事業部分、赤字の事業も多いということで、信用事業の黒字分がその埋め合わせをしていると。実は、委員会の方でもそんなような話が一旦あって、そんなこと言ったら、いや、黒字のちゃんと農協もあるよなんという話はいろいろ大臣、副大臣にも前回していただいたというふうに思っておりますが、その辺り、本当に農協はこの信用事業を切り離すことによって生き残っていけるんだろうかと、その辺りの検討はどういうふうになったのか、内閣府さんの方から教えていただけますでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 ありがとうございます。
 私も委員の先輩の御質疑も拝見させていただきまして、まさにいわゆる経済事業がなかなか厳しい状況にあるけれども、まさに信用事業のプラスによってそれに依存するという体質があるということは、これは現実としてあろうかと思います。
 ただ、そういう中でも、やはり今後の農協の在り方としては、いわゆる信用事業、共済事業については代理店業という形で地域にしっかりまた残して、もちろん組合員のためにもしっかり機能を果たしていただくと。加えて、やはり我々は各農協がもう農業に特化していただく、経済事業に特化していただくと、こういう考え方を用いております。リスク管理につきましては信連だとか農林中金がしっかりやるということ。その運用益、いわゆる今までやってきた運用益で補填するんではなくて、代理店業務という形での手数料収入もしっかり各農協が得ながら、やはりメインは農業にしっかり従事していただくと。
 各農協さんからもいろいろヒアリングさせていただきましたが、やはりこんなに持ってどうしようと、持ち過ぎでこれどうにもならないみたいな議論もたくさん出ている部分も私どもの規制改革委員会の中では出ているというのが現状でございますので、今申し上げた不要なリスクや事務負担の軽減を図って、農業にしっかり従事していただくという狙いでございます。

○山田太郎君

 続いて、大臣の今回のワーキングチームの発表に対する受け止め方というのを少し確認させていただきたいというふうに思っておりますが、まずトータルですね、こういった改革案が出たんですが、これを見ていただいて、大臣の方はどんな受け止め方をされているのか、まず全般的な感想みたいなところからでも含めて教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 これは、いつも申し上げていることでございますが、農協というのは農業者の協同組織でございますので、担い手の農業者のニーズに的確に応えて、農産物の販売等を適切に行って農業者の所得を向上させると、よってもって地域農業を発展させていくということが何よりも重要であろう、こういうふうに思っております。
 したがって、この農協が農産物販売等に最重点を置いて積極的に取り組むにはどうしたらよいか、それぞれの農協が自らの創意工夫で経済事業を展開するにはどうしたらよいか、こういうことを検討しなければなりませんし、これと併せて、そういう農協をサポートする連合会、中央会、これはどうしたらよいかということを真剣に検討していく必要があると、こういうふうに考えております。
 したがって、昨日、今、後藤田副大臣から御説明がありましたけれども、規制改革会議の農業ワーキンググループで取りまとめられました農業改革に関する意見についても、その問題意識、これは共通であると、こういうふうに考えておりますが、具体的な内容については、今後、このワーキンググループの意見が出ましたので、与党とも協議しながら検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。

○山田太郎君

 先ほどスケジュール感ということもお伺いしたんですが、六月に政府案をまとめるということで、今国会のもしかしたら終わりぐらいには政府案が出てくるんではないかというふうに期待もしておるんですけれども、これは林大臣の方にも多分、実際は主管としては農水省の方にも大きく絡んでくると思っておりますので、是非このいわゆる政府の中、又は農水省としてのスケジュール感としては、そんな感じで政府の案が出てくるということで、これは間違いないでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 よく申し上げます、この農林水産業・地域の活力創造プラン、十二月十日に決定させていただきましたが、これは総理が本部長になっておられまして、農林水産業・地域の活力創造本部というものがございますが、そこで決定したものでございまして、私も副本部長でございます。
 農協については、農業者の所得の増加に向けて農産物の販売力を抜本的に強化するとともに、六次産業化、農産物の輸出の促進等に主体的に取り組むための自己改革を促す一方で、少数の担い手組合員と多数の兼業組合員、正組合員を上回る准組合員といった、制度発足時とは異なる状況となっていることを踏まえて、今後の農協の在り方、役割等について、その見直しに向けて検討するというふうにされておるわけでございます。
 したがいまして、私といたしましても、この六月を目途とする農林水産業・地域の活力創造プランの改定、十二月に作ったものを六月に改定するということになっておりますので、今お話のあった規制改革会議の案や御意見や与党の議論を踏まえながら、農業者、特に担い手の農業者から評価をされ、生産現場を改善して、農業の成長産業化に資するような農協改革をしっかり検討してまいりたいと思っております。

○山田太郎君

 ありがとうございます。
 実は、私も党内の農業主査で、この辺の政策責任者を党内でやっているんですが、実は出てきたとき、正直びっくりしまして、私どもが思っていた以上の踏み込んだ改革案を出されましたので、大変期待しております。もちろん、これがきちっと形になって導入されなければ農協さんも変わっていかないと思っておりますし、こういった形が非常にこれからの新しい農協の、農業の在り方にもつながると思っておりますので、是非私としては政府の動向を見守っていきたいと思っております。
 大臣の方は、くれぐれも骨抜きにならないように、信念を持って各方面と、多分各方面との調整が相当これから大変だと、どうしてもそれに関しては我々も野党で、外野でございますから、調整をしっかりやっていただきたいと思いますが、この問題については最後、大臣の御決意をいただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 まさに先ほど申し上げましたように、六月にこのプランが改定されますので、それまでしっかりと党の内外の調整をやりまして、しっかりとしたプランをまとめ上げていきたいと、こういうふうに思っております。

○山田太郎君

 次に、地域政策、まさに多面的機能法案について少し話を移していきたいと思います。
 後藤田副大臣の方、これで担当のところは結構でございますので、御退席いただいても構いません。ありがとうございました。
 さて、続きまして、その多面的機能に関して少し話を進めていきたいと思いますが、これも昨日の本会議で私の方が、安倍総理に代表質問で、この多面的機能、約、予算とすると八百億円弱なんですけれども、このいわゆる効果の算定ということをお伺いしました。もちろん、多面的機能八兆円というような内容が評価として出ております。
 この政府の方からお配りいただいた紙の一ページの方にもそういう形で、いわゆる平成十三年の試算ということで出ておるんですけれども、それに当たって、ただ、もうちょっと中身をしっかり見なきゃいけないので、取りあえず、この法案による予算措置はどれぐらいの面積の多面的機能を維持、発揮しようとするのか、それぞれ農地面積全体と併せてお答えいただければなと思っております。ちなみに、参考までに、事前にその件でレクしたものについては二枚目の資料の方に付けておりますので、それも見ながら御説明いただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 この日本型直接支払のうち多面的機能支払交付金の平成二十六年度予算額、これは四百八十三億円でございますが、新たに創設する農地維持支払については二百五十万ヘクタールから最大約三百万ヘクタールの農用地で取り組むことができる予算額を確保しております。この面積は、対象となり得る農用地面積の四百九十万ヘクタールに対して大体五〇から六〇%と、こういうことでございます。
 中山間地域等直接支払交付金は二百八十五億円、それから環境保全型農業直接支援は二十六億円ですが、それぞれで約七十万ヘクタール、それから約八万ヘクタールにおいて取り組むことができる予算を確保しております。
 今後、農地維持支払を中心に、できるだけ多くの農用地において取り組まれることによって、農業の有する多面的機能の発揮の促進が図られるように努めてまいる考えでございます。
 直接支払は、累々申し上げておりますように、地域の共同活動等を支援することによってこの多面的機能の発揮を促進するとともに構造改革を後押しするという効果を有しておりますので、単に農地を持っているだけで支払が行えるというものではないということは申し上げておきたいと思います。

○山田太郎君

 これ、ちょっといろいろ計算させていただいたんですが、対象になる面積を全部足し上げますと、例えば三百を取ると三百七十八で、昨日のレクでは十万ヘクタールぐらいはダブっているところもあるということなので、大体三百六十八万ヘクタールからその五十万ヘクタール引いた分ぐらいかなと。それを分子として、対象となり得る農地の面積というものをお伺いしましたら、この表にありますが、四百九十万ヘクタールというのが今の耕地プラスこれから開拓できる耕地ということになるようです。
 これ割り算をしますとどれぐらいのカバー率なのかということをちょっと計算してみましたところ、七〇%ぐらいになるわけであります。これすごい、かなりなというか、ほとんどのというか、七〇%もの農地が対象になるんだなということでありますが、逆に言うと、この七〇%の農地を対象としないと、例えば水路の泥上げとか草刈りとかもう維持できないのかと、日本の農地は維持できないのか、そういう危険な状況にあるのかなということで、ちょっと逆にびっくりしたところもあります。
 一方で、あと三〇%は農地の多面的機能がなくても維持できる状況なのか、ちょっとその辺を整理して教えていただけないでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 基本的にこれは、共同作業をこういう集落でやりますと、それを申請していただいてそれでお支払をするということでございますので、委員がおっしゃるように、これやらなくても済む農地と済まない農地があって、済まない農地に交付されるということではなくて、基本的には、例えば水路の泥上げとか草刈りというのは都会へ行きますとどうなっているかというと、公共事業でやっているわけです。
 それを、農地ですから集落の皆さんが自分たちでやっていると、こういう活動でございますので、基本的には営農活動が行われているという前提に立てば全てのところでそういう作業は農地を維持していくためには必要になってくるということでございまして、そういうもので多面的機能が発揮されているということですが、今回の支払はその共同作業のコストに着目して支払うと、こういうふうにいたしましたので、今みたいな手続でやっていくとこういう予算上の積算になっていると、こういうことでございます。

○山田太郎君

 これも税金を使っているのでちょっと厳しい言い方させていただきますと、多面的機能、これまでこの予算を使わなくてもあったわけですよね。新たに八百億円を投入して多面的機能を発揮するんだと。昨日の総理のいわゆる代表質問の話を聞いていますと、高齢化が進んでいるので今やらなければ大変なことになるということは何となく分かるんですが、じゃ、農業の高齢化に関して、今日も随分議論になったんですが、数値を取ってみたところ、平成二十二年の農業の平均従事者の年齢は六十六・一歳、二十三年は六十五・九歳、二十四年は六十六・二歳、二十五年は六十六・五歳ということで、この八年間で二歳しか上がっていないんですね。毎年、大体六十何歳というのが出ているわけでありまして、必ずしも毎年毎年一歳ずつ上がるわけではない。
 逆に言うと、実は、ちょっと数字のマジックというのはきちっとやらなきゃいけないと思っているんですが、やっぱり高齢の方は辞めていって新たな世代の方々も入っているからこそ維持されているところもあるわけで、何を悪い言い方するかというと、これだとカバー率から見てもばらまきと取られかねないという危惧があると。民主党さんが所得補償政策をやめたので新たな面積等の支払に変えて、カバー率が七〇%に対して実際八百億円のお金が、まあ言い方は悪いですけど、ばらまかれちゃっているんではないかというふうに危惧されてしまうんですね。
 ちょっとその辺は、そうでないのであればもう一度そうじゃないという御答弁をいただきたいんですが、例えば棚田に関してもちょっと気になっているのが、いろんな写真を使うと大体、山口県の長門市の棚田、これはもちろん大臣の御出身ですし安倍総理も山口県ということで、でも一歩間違えると、そういうお地元の部分を維持したいから付けたのかと言われるのは大変、多分大臣や総理にとっても不本意だと思います。
 非常に大きなお金が今回動きます。それから政策的にも大きな転換が行われます。民主党政権の所得補償政策をやめたからこそこれをやったんだというふうに言われないように、私からすると、何で今までもちゃんと多面的機能は発揮されているにもかかわらず新たにここでお金を付けるのか、よくちょっと理解ができなくなったものですから、教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 まさにこの法案の根本に関わるところでございますが、やはり、今、数字はそんなに毎年一年ずつ上がっていないということでございましたが、構成を見ていただくと、じわりじわり上がっていくし、五十代以下が一割と、こういうことでありまして、それから、やはりリタイアが進んでいるということで、近年、やはり地域の共同活動で、先ほど申し上げたような水路や農道等の維持管理、これは実際に困難を来すようになっております。
 他方、担い手にとっては、こうした施設、水路や農道等も含めて単独で維持する負担の増大がネックとなって、先ほど儀間先生に申し上げたように、もう少し広げたいんだけれども、規模を拡大したいんだけれども、この水路や農道等の維持管理が大変に負担になるということで規模拡大がなかなか進まないと、こういうボトルネックを除かなければいけないと、こういうふうに考えておるわけでございまして、先ほどちょっと申し上げましたように、土地持ち非農家や地域の住民の方も含めて農業者と一緒になって、要するに都会で公共事業でやっていることをそういう皆さんでやっていただくということ、これに対して支援を行って多面的機能の適切な発揮を促進するというのが基本的な考え方でございまして、そういった意味で、先ほど御説明したように、担い手が規模を拡大するというもののボトルネックも同時に外すという意味で構造改革も後押しする効果があると、こういうことでございます。

○委員長(野村哲郎君)

 時間ですから、まとめてください。

○山田太郎君

 時間になりましたので、まとめたいと思います。
 実は、高齢化に関しては六十五歳以上の割合は大きな変化がなかったりとか、人数とか割合もしっかり要素として論じる必要があると思っております。
 それから、農地は広がったり生産性は高まっていますので、民主党さんの議論を聞いていると、ちょっと数字的には軍配は民主党さんにあったかなと思って、もうちょっと政策見たかったなというふうには正直思っているんですが、引き続き、時間がなくなりましたので、大事な問題です、何回かシリーズでやりますので、引き続きよろしくお願いします。
 本日はありがとうございました。