TPPと農協改革、農業2法案について質疑しました。


5月20日、農林水産委員会にて質疑を行いました。

議事録

○山田太郎君

 みんなの党の山田太郎でございます。よろしくお願いします。
 私とあと共産党の紙議員で最後二人務めます。何とか頑張って、六時間コース、かなり長いんですが、ただ、本当に、我が党、今日ちょっと発表させていただいたんですが、三十年後の日本というものをちゃんと考えて政策をやっていこう、こういう実は発表を代表の方からも今日記者会見をさせていただいていると思います。三十年後、本当に日本の農業はこのままあるんだろうか、どんな形になっているんだろうかと本気で考えなければならない。だからこそ、今回、大きな改革として、総理入りも含めて、農業にこれだけの大きな変革をもたらすような政策が出てきてこの議論をするわけでありますから、我々担当の農林水産委員、最後まで気合を入れてやっていかなきゃいけないと思いますので、よろしくお願いします。
 さて、今日、珍しくここまで全く今日はTPPの話がなかったんでありますが、少しこれについても、タイムリーな問題でありますので触れていきたいと思っております。
 昨日からシンガポールで閣僚会合が始まっておりますが、今回はアメリカのUSTRからチェックインミーティングということで各国に呼びかけがあったと、こういうふうに聞いております。
 そこで、大筋合意は予定されていないということでよろしいのか。ただ、ブルネイと各国は大筋合意していたという報道が、これ五月十七日の日経なんかにも出ておるんですけれども、本当なのか。この辺り、内閣府副大臣、お答えいただけますでしょうか。

○副大臣(西村康稔君)

 今、ちょうど閣僚会合、全体会合の最後の場面だと思います。日本時間で十六時、あと十五分ほどですけれども、共同声明、プレスカンファレンスをやるべく、最終の今協議を、交渉を行っているところだと思いますけれども、アメリカ側が今回、御指摘のようにチェックイン会合というふうに位置付けておりました。直前に首席交渉官の会合も開かれたと。首席交渉官の会合では、これまでの議論を整理をすると、それを閣僚会合に上げるという目的で開かれて、今回、論点の整理を閣僚間で確認し合っているという状況だと思います。
 その意味では、早期妥結に向けて日米で日米協議が進展をしましたので、そのことを各国にも報告しながら、全体として早期妥結に向けて加速をしていこうと、まさにモメンタムとして、日米の協議をモメンタムとして進めていこうということでありますので、最後、どういうふうに今回共同声明になるか、もう少しのところで発表されると思いますけれども、いずれにしても、昨日今日の話はそういう形で論点を整理をして、今後の道筋について方向性を出していくというふうに今のところ認識をしております。
 それから、あわせて、今回、全体会合と同時に、我が国も、閣僚が来たところとは甘利大臣、精力的にバイの会談を積み重ねられておりまして、それぞれ日米の様子、状況などを報告しながら交渉を続けております。まだ個別の国、それぞれの国々でどこが終わった、どこが合意に達したということは今のところ承知をしておりません。

○山田太郎君

 そうすると、ちょっと確認なんですが、ブルネイと各国は大筋合意というふうにした報道は間違っているということなんでしょうか。

○副大臣(西村康稔君)

 国ごとにセンシティブな品目があるところとないところはあると思いますので、当然交渉には濃淡が、二国間の交渉も濃淡があると思いますけれども、今のところ特定の国で終わったということは報告を受けておりません。

○山田太郎君

 もう一つ、四月の日米首脳会議後、農業分野におけるカトラーUSTR代表補と我が国の大江首席交渉官代理との会談というのは、日米交渉は開かれていないというふうに伺っているんですね。また、五月の十二日から十五日なんですが、ベトナムで開かれた首席交渉官会合でも、日米の首席交渉官の協議は行われたんだけれども農産品に関する協議は行わなかったと、こういうふうに伺っております。
 日米間の、事農産物に関してはもう詰めることがないのかどうか。何となく一生懸命やっているように見えるんですけれども、外ではそう見えるんですが、実際、会合の中身を見ているとそういう形で接触していないということなんですけれども、その辺り、いかがなんでしょうか。

○副大臣(西村康稔君)

 日米間で協議が終わったとか合意に達したということはありませんので、かなり間合いは詰まってきておりますが、引き続き詰めなきゃいけない点は残っております。
 現地でも、昨日、我が方の大江とカトラー代表代行との間で、三時間ぐらいと聞いておりますけれども、交渉を行っておりますし、恐らく今日も、まだ報告を受けておりませんけれども、交渉しているものというふうに思います。

○山田太郎君

 では、今後の日程についてもお伺いしたいんですが、今回のシンガポール閣僚会合では、先ほど申し上げたようにアメリカから声が掛かったということです。今後の日程もアメリカ次第なのかどうか、アメリカから声が掛かるのを待っているという状況なのか、その辺りも教えていただけますでしょうか。

○副大臣(西村康稔君)

 全体としてアメリカがこれまでも交渉をリードしてきたのは事実でありますので、それはアメリカもいろいろ考えはあると思います。ただ、開催国、どこで開くかということでありますので、今回シンガポールで開かれておりますけれども、それはその場合にはシンガポールがやはり主催をする、受入れ国として我が国でやるということを宣言しないと始まりませんので、その間の調整は日本も含めて各国で行われるということであります。

○山田太郎君

 日米の共同声明とか安倍総理の御発言を伺っていますと、何となくTPPについて積極的なような気もしますが、実際、個別の交渉等を見ているとアメリカペースという感じもしまして、非常に我が国、受け身のような感じがします。
 これは、TPP賛成、反対のいろいろ議論があると思いますが、いずれにしても、国際交渉ですから、反対するなら反対するで積極的にやらなきゃいけないですし、進めるなら進めるで積極的にやらなきゃいけないと思います。そういった意味で、もう一度、副大臣の方、今後の取組姿勢といったところを確認していきたいんですが、いかがでしょうか。

○副大臣(西村康稔君)

 我が国としても、TPPは成長戦略の大きな柱として位置付けておりますし、早期妥結に向けて交渉を加速するという方針で臨んでおります。もちろん、国会決議もありますので、守るべきところは守り、攻めるべきは攻めるという姿勢で交渉に臨んでおりますが、アメリカとの違いをあえて申し上げれば、やはりトップダウンの国というか、閣僚が集まれば全て決着するという思いをアメリカ側はこれまでも持ってきた。残念ながら、十二月、二月、そして今回と、まあ今回は元々チェックイン会合という位置付けではありましたけれども、閣僚が集まって分厚いページ、私も行きましたけれども、それを一枚一枚めくりながら、これはどうだ、あれはどうだとやり合っても、事務的に詰まっていないものは政治的に決められないわけでありまして、だからこそ甘利大臣は二月のシンガポール会合の後に、後半ですけれども、残りの十一か国の閣僚に対して、事務的に詰めないと何回閣僚会議をやってもなかなか決まらないという趣旨のことを主張されて、事務的にまず詰めて、閣僚会議先にありではなくて、事務的に詰まったところで論点が絞られたら閣僚会議を開こうという、そういう方針を主張されて、それがほかの国に受け入れられたということでありますので、これまで事務的な交渉を優先してやってきたということであります。
 今回、先ほど来お話の出ているとおり、これまで、それぞれの分野についてどこまで整理がされて、どの論点が政治レベルに上げなきゃいけないのかという整理をかなり首席交渉官レベルで行ってきたと、それを今回の昨日今日の閣僚会合で確認をしているというふうに聞いておりますので、最後、どういう形で共同声明出るか、もうしばらく待たなきゃいけませんが、今後の進め方について、その詰まってきた論点、かなり論点は詰まってきておりますので、その論点についてどういう作業スケジュールでやるのかというところを今回詰めている、最終的に合意をしようということになってきているんだと思います。
 ですから、全体としての妥結とか大筋合意とかということはこれはもう極めて難しい状況にもう既にあると思いますけれども、今後の道筋を決めるという意味で、今後につながっていく、早期妥結につながっていくということを期待しているところでございます。

○山田太郎君

 またお伺いしていると、何となく最終コーナーとか、もう最後、詰めのところですという感じなんですけれども、我々野党の方は、知るところは結局新聞報道というところでありまして、何となく直接政府から出てこないのにいらいら感が募るというところでありますので、是非決まったところからしっかり発表していただいて、それから、この委員会でも何度か議論をしておりますが、仮に関税が下がることになれば、その対処を急いでしていかなければいけない、国内あっての国民のための政府でありますから、是非その辺り、引き続きよろしくお願いします。
 西村副大臣、この質問はこれで終わりますので、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。

○委員長(野村哲郎君)

 西村副大臣は御退席いただいて結構でございます。

○山田太郎君

 さて、担い手法案について伺っていきたいと思いますが、今回の法律改正について、現行制度を、どんな効果があったのかということをもう一度整理したいと思っております。
 どういうふうにこれまでの現行制度を分析されて、そのために準備をしていたのか、この交付金を、今までの農家経営に対する経営安定という形でどういう効果が認められたのか。やっぱりこの委員会でも、多くのお金を入れるにはそれだけの、投資対効果じゃないですけれども、そういうものも重要だというような指摘も何人かの議員からあったかと思います。その辺り、是非まず聞かせていただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 平成十九年度に施行した担い手経営安定法におきましては、認定農業者等の担い手に対して、諸外国と生産条件格差から生じる不利を補正するための交付金、いわゆるゲタ対策、それから収入の減少が農業経営に及ぼす影響を緩和するための交付金、ナラシ対策、これを交付してきたところでございます。
 ゲタ対策については、十分な国境措置がないので諸外国との生産条件の格差でコスト割れが生じている麦、大豆、こういうのを対象にしておりますので、もしこれがなかったと、こういうふうにすれば、こうした農産物の生産はほとんど維持できなかったと、こういうふうに考えております。現実に平成二十五年産の作付面積でいいますと、麦で約二十七万ヘクタール、大豆で約十二万九千ヘクタールとなっておりまして、平成十二年が二十三万七千と十二万三千でございますので微増と、こういうことで推移をしております。
 また、本対策は一定規模以上の認定農業者等を対象としていたわけでございます。したがって、経営規模の拡大にも貢献したと考えられまして、平成十七年と平成二十二年の農林業センサスで比較しますと、まず小麦については、一経営体当たりの作付面積が二・二ヘクタールから四・四ヘクタールに増加をしております。それから、大豆については、一経営体当たりの作付面積が〇・六ヘクタールから一・二ヘクタールに増加しておるところでございます。
 それから、ナラシの方でございますが、米価の下落等によって収入が減少した場合に九割補填ということで、農業者の拠出を伴うセーフティーネットとして機能しているものであります。したがって、常にこれが交付されるということではございませんが、大規模にやっていらっしゃる方にとっては特に収入変動が大きなリスクでありますので、このセーフティーネットがあることによって安心して農業経営を展開することができたと考えております。現実に、五ヘクタール以上層の平成二十四年産のナラシ対策加入率、これ七五・三%となっておるところでございます。
○山田太郎君 農業を何とか壊滅しないで済んだというのはこの法律があったからだというふうに、この予算があったからだというような感じの御答弁だったと思うんですが、ただ、担い手をこれから増やしていこう、維持していこう、こういうことになりますと、個々の担い手の方々の喜びというか、そういったことが政策の中に組み込まれているのかどうか、こんなところも重要かと思っております。
 実は、前回のときも少し質疑でお話ししたんですが、この間、認定農業者というのが大変減少しております。ちょっと数字を口頭で申し上げますと、平成二十二年二十四万九千三百六十九人から、平成二十三年二十四万六千人、平成二十四年二十三万七千人、平成二十五年二十三万三千人と、三千人、九千人、四千人とどんどん減っておりまして、なかなか担い手が増えないといったところがあるかと思っております。
 そういった意味で、この政策、やっぱり担い手が安定しないというか、もうその数は減らさない、できれば増やしたい、そういうふうにも思うわけでありますが、根本のところ何がその原因なんだろうか、そんなところも考える必要があるんですが、その辺の御認識はいかがなのか、教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 代表的な担い手である認定農業者について、今お話がありましたように減っているということでございます。六十五歳以上の方が二割ということで、高齢化も進んでいるわけでございます。
 一つの減少している理由ですが、今申し上げたように高齢化が進んでおりますので、農業経営改善計画、この五年で終了いたしますが、もう一回更新してやる再認定申請というものをやらない人が増えている一方、新たに認定農業者の認定を受ける農業者が減っていると、こういうことが大きな要因の一つではないかというふうに思っております。
 青年新規就農者、これが毎年大体一万五千人ほどいるわけですが、生計のめどが立たないということの理由等で数年内に大体三割やめておられるということで、結果として、一万五千人就農された中で定着しているのが一万人という数字にとどまっていると、こういうことが原因であると、こういうふうに考えております。
 したがって、昨年の臨時国会で農業経営基盤強化促進法、これは農地中間管理機構のときに一緒にやらせていただきましたが、このときにこの法律の改正をいたしまして、市町村を認定主体とする認定新規就農者制度、これをつくりまして、就農してから認定農業者になるまで一貫して支援をしようということにいたしたところでございます。
 また、今回の担い手経営安定法の改正において、ゲタ、ナラシ対策の対象者にこの認定の新規就農者を追加することといたしたところでございます。

○山田太郎君

 まさに、どうやって担い手を増やしていくのか。先ほど平木議員の方からも、農業学校の卒業者が就農するのは僅か五%と、衝撃的な事実も聞きましたが。
 実は、私もこの間、東京にも元麻布農園というのがございまして、ちょっとそれにも私絡んでおりまして、あんな元麻布に農園があるのかというと、あるんですね。若い子たちを集めて一生懸命農業をやるわけであります。私も実はそこで講師なるものをやっておりまして、行ったら、ちょっと衝撃を食らったんですが、小学校の低学年だと農業とか農民という言葉を知りません。私、非常にびっくりして、いや、おじちゃんは何やっているのと、国会で農業について一生懸命議論しているんだよと言ったら、農業って何と、こういう状態でありまして。
 何が言いたいかというと、担い手はもしかしたらそこから教育し直さないとどうしようもない状況なんじゃないかということでありまして、下手をすると、ちょっと言い方は悪いですが、もちろん都会と田舎では随分状況が違うものの、やっぱり教科書なんかも、最近の若い子の教科書、私も大学の先生でありますが、十四年間ぐらい学校で教えていましたので、いろいろ小学校、中学校の教科書なんかを見ますと、社会科のほとんど一部にしか出てこないだけで、知らないんですね。なので、勝手にちょっと逆提案させていただくと、学校もすごく今生徒が減っていますし、校庭も生徒対比では余ってきていますから、畑等を作って、ダンスが必修科目になっているぐらいだったら、畑を一週間に一時間ぐらいやってもいいんじゃないかと。
 今日も、農業が非常に安保だという、安全保障だという、そこまで踏み込むのであれば、それぐらいの認識を高めていくというところから抜本的に考えないと、残念ながら、今御答弁いただいていたような、新規就農者に対して、言い方は悪いですけれども、お金で釣るようなやり方をしても入ってこないんではないかと。そもそも認知、認識されていないといった中で難しさがあるんじゃないかなというふうに思っております。これは私の私見でしかないので、しっかりなぜこの担い手が減るのかということをもっと根本的に考え直して政策を打たないと、今後幾らお金を突っ込んでも、本当にこの日本の農業、三十年後立て直っていくのか、こんなふうに思っていますので、引き続きよろしくお願いしたいというふうに思っております。
 それから、この法案とちょっとWTOとの関係についても少し懸念を持っておりますので、質疑していきたいと思います。
 少しこの件に関しては私が本会議の代表質問の方で取り上げさせていただきましたが、現行法では、WTO農業協定上、経営安定交付金は緑の政策に分類されるということでありますが、今回の法改正後は黄色の政策になるというふうにお伺いしております。本会議での質疑では総理の方から、まだ約束水準に天井が届くまでには余裕があるので大丈夫だというような御答弁がありましたが、私の質問の実は趣旨は、天井まで確かに余裕はあるにせよ、どうしてWTOの政策の方向と逆のことを我々日本が主導して法律で行う必要があるのかといったところであります。その辺りの見解を大臣の方にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(林芳正君)

 このWTO農業協定でございますが、それぞれの国ごとに黄色の政策の合計額があらかじめ定められた約束水準を超えてはならないと、こういうふうに定められております。
 総理が御答弁していただいたように、黄色の政策の合計額が今六千億で、この四兆円という約束水準に比べると相当の余裕があるわけでございまして、それぞれの各国の政策を認め合いつつもやっていこうというのがWTOでございますので、この黄をゼロにしていこうということではなくて、それぞれの事情に応じてやっていこうと、ただ、許容している水準がこういうことですよと、これがWTOのルールだということでございますので、その範囲内でやっていくということでWTOルールとの整合性が確保できると、こういうことでございます。

○山田太郎君

 私は、中長期的な政策としてこれからこういったものを置いていくということでありますから、経営規模、生産の拡大は補助金以外の政策手段で行うべきだというWTOに則しながらも国際ルールの規範に積極的に我が国が関わろうという姿勢を見せていかないと、やっぱり国際的に長続きしないのではないかと。一時的に今こういう状況だからということでの政策ではいいんですが、担い手等を含むこの法案は、長い間日本がどういうふうに国際的にも持っていくのか、ちょうどTPPであれ国際通商を各国と議論している最中でありますから、是非その辺も考慮してこれから国際交渉に当たっていただきたい、こういうふうに思っております。
 さて、多面的機能法案について少し質疑を移っていきたいと思います。
 この法案は、担い手の政策的効果以上に、私自身は正直、政策効果が不明瞭だと、こういうふうに思っております。先日、その辺りをこの委員会でも大臣の方に質疑させていただいたんですが、大臣の方は都会の公共事業と同じだという御答弁をいただきました。これも分かりにくい御説明だなというふうにお伺いしていたんですが。
 そこでちょっとお伺いしたいんですけれども、都会の住民ボランティアによる河川とか公園の草むしり、美化活動といったものに国費が投入される例というのはあるんでしょうか。市町村の単独事業では例がないわけではないですが、国費投入というのはあるのか、大臣、お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 この農村地域の水路、農道等の維持は、これ従来からの慣習で集落の共同活動として行われてきているわけですが、例えば町、町というか都会に来ますと、東京都においては、都が管理する道路の側溝それから排水升のしゅんせつ等については都が実施しておりまして、そういう意味で、都会では道路、水路の管理費用を公的負担をしていると、こういう趣旨で申し上げましたので、必ずしも国か地方公共団体かという厳密なことで申し上げたというわけでもないわけですが、いわゆる、要するに、地方公共団体が管理する公園においても地域住民が草刈りをやったことに対して公共団体が公費によって支援していると、こういう例もあるというふうに承知をしております。
 多面的機能支払はまずこの共同活動に着目して支援を行うわけでございますが、その地域の住民だけでなくて、この多面的機能というのは広く全体として国民が利益を享受しているものでもありまして、そういった意味もあるということでございます。
 もう一つは、この間も申し上げたように、担い手がこうした施設の維持管理に係る負担が軽減されるということで規模拡大もしやすくなるということで、構造改革も後押しする効果、これも持っていると、こういうことでありまして、したがって、多面的機能支払では、国と都道府県、市町村が連携して交付金を交付する仕組みと、こういうところにしたわけでございます。
○山田太郎君 法律の中身についても少し確認をさせていただきたいんですけれども、この制度は市町村長と農業者、地域住民から成る活動組織が協定を結んで市町村の行政財産である水路やのり面の手入れをすると、こういうことだというふうに承知しています。
 この市町村と活動組織の協定は、水路とかのり面に対する管理責任がどうなっているのかなと。市町村の管理責任を活動組織に委任する契約になっているのか、又は請負契約となるのか、又は委任契約か請負契約でなければ民法上どのような性格の契約になるのか、その辺りを教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 この多面的機能発揮促進法案におきましては、多面的機能支払の対象となる取組を行う活動組織、これは事業計画を作って市町村の認定を受けた上で、水路の泥上げ等の地域における共同活動に取り組むと、こういうことになっております。
 したがって、このような共同活動の対象施設の管理責任、これは民法の七百十七条によりますと当該施設の占有者又は所有者にあると、こういうことになっておりますが、通常、共同活動を行う活動組織はそのいずれにも、すなわち占有者、所有者いずれにも該当しないということでございまして、管理責任を問われる可能性は小さいと考えております。市町村が事業計画の申請を受けて認定するという行為は当事者双方の合意によって成立する契約ということには該当しないと、こういうふうに考えております。

○山田太郎君

 そうすると、例えば市町村とそうした契約を結んだ場合に、活動組織の水路ののり面とか水路を手入れをおろそかにした結果、例えば子供がその水路に落ちてけがをしたというような場合、市町村が国家賠償法に基づく損害賠償を行うと、こういうことでよろしいでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 これは市町村と活動組織の間で協定を締結することになっております。したがって、双方の合意に基づいて双方がそれぞれ行うべき事項について定めると、こういうことでございます。
 この協定は、特段の定めがない限り、草刈り、泥上げ等の作業を行う権限を活動組織に付与するにとどまるものですので、施設を占有する権限までを付与するものではないということで、活動組織の方が施設の管理責任というものを問われることは一般的には少ないと、こういうふうに考えております。

○山田太郎君

 ちょっと、多面的機能法案、まだまだ質問を用意していたんですけれども、今日は後藤田副大臣来ていらっしゃいますので、ちょっと次に移らさせていただきたいと思います。また多面的機能法案、まだ質問の機会はあると思いますから、引き続きやりたいと思います。
 それでは、後藤田副大臣に来ていただいておりますので、農協改革について、前回に引き続き少し御質問させていただきたいと思っています。
 その前に、まず林大臣の方にお伺いしたいんですが、大臣は、農協改革は、当委員会などで、自己改革に任せるとおっしゃっていました。その考え方が今も変わらないのかどうか。多分、規制改革会議との整合性ということにもなると思っておりますので、ちょっと前回、これ参議院の予算委員会の方で林大臣の方が御発言した内容を少し資料でお出ししておるんですけれども、その辺り、お考えを教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 昨年十二月に農林水産業・地域の活力創造プランで、農協の果たすべき役割は極めて重要でありますのでその自己改革を促すと、こういうふうに書いておりまして、六月までに結論を得ると、こういうことでございます。
 全中は四月三日に自己改革案を決定、公表しておりまして、これを受けて規制改革会議農業ワーキンググループで、四月八日には全中からヒアリングも実施した上で今回の意見を取りまとめられたと、こういうふうに承知しております。
 我が省として、やはり、いつも申し上げているんですが、販売に最重点を置いて農協が取り組む、農協がそれぞれ自ら創意工夫で経済事業を展開することはどうしたらよいかと、これを検討する、そして、これに合わせてそれをサポートする連合会、中央会はどうしたらよいかと、こういうことで検討していく必要があると思っておりまして、規制改革会議の意見も出ましたので、与党とも協議しながら検討してまいりたいと思っております。
 自己改革が基本ということは変わっておらないわけでございますが、必要な場合には法改正等によって自己改革の加速化も求めることも当然あり得ると、こういうことでございます。

○山田太郎君

 法改正に基づく自己改革という、非常に微妙な、うまい御答弁だなと思いながら今お伺いしましたが、後藤田副大臣の方にもお伺いしたいと思っています。
 規制改革会議の方では全中の制度的廃止を打ち出されたということですが、ということは、問題点が全中の中にあるんだろうというふうに推察されます。
 読売新聞、ちょっとこの委員会では何かと話題になる読売新聞でございますが、今日の社説なんかでも、「全中は経営指導が画一的で、生産現場の創意工夫を阻んでいる、」という手厳しい記事が載っております。
 どんなところに問題があるというふうにお考えなのか、御答弁いただけますでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 これまでの委員とのやり取りの中でもお話ししましたけれども、やはり基本は、農協法の第一条の、まさに農業生産力の増進、そして農業者の経済的社会的地位の向上を図り、もって国民経済の発展に寄与することを目的とすると。また一方で、七十三条には、まさに中央会の目的として、組合の健全な発達を図ることを目的とすると。そして二十二項には、中央会はいわゆる組合の組織、事業及び経営の指導、組合の監査、組合に関する教育及び情報の提供等々、役割をうたっております。
 当時、昭和二十九年だったと思いますが、中央会の発足当時には農協も一万を超える組織であったと思います。そのときには、中央集権的な形で、政府とまた地方自治体との協力の下、大変大きな役割を果たしてきたものと思っております。ただし、今やもう約七百になってしまった中で、各農協も、独自にいろいろなチャレンジをしているところもあれば、改革をしているところもあれば、そうでないところもあると。今までの全中の全国一律の経営指導が、各農協の独自性の発揮に全中が必ずしも対応してきたのであろうかという疑問の指摘がなされたところでございます。
 そのため、各農協が地域の多様な実情に即してそれぞれの独自性を発揮して自主的に地域農業の発展に取り組むことができるように、まさに中央会制度自体をもう一度見直して、中央会主導から各農協中心に系統を再構築するということを狙いとしまして、その提言がなされたところでございます。
 いろいろな議論の中でも、個別の農協さんが特徴的な取組として、農協自身がリスクを負って系統出荷を縮減したり、そして農業者の所得増加に寄与したり、また購買コストの低減等々、農業者の利益を確保する努力をしているところだとか、また消費者目線に向けました女性役員の登用など多様な人材の確保等々、こういったことを挑戦的にやられている。
 先般も福井のたけふ農協の話もしましたし、私の地元でも、「いろどり」という葉っぱのビジネスをおばあさん方がやられている。これをまず提案したのは農協の職員でございましたが、農協に最初提案したところ、受け入れていただけませんでした。そして、独自に自分で一から努力をしてあのようなビジネスをしたり、先般も私どもの地元で梅酒の特区も全国で初めてやらせていただきました。これは数量の規制があったわけでございますが、これも農協さんに言われたわけではなくて、独自に農家と我々で一つ大きな規制改革という中でチャレンジ、また改革をした例でございますので、それはそれとしてしっかり独自性をこれから持ってしていただく。そして全中さんには、新たにシンクタンク的な、大所高所にわたっての中央集権的な今までの役割ももちろんでございますが、そういうお立場で再構築できればよろしいんではないかと、そういう提言がなされたところでございます。

○山田太郎君

 全農の方も株式会社化されるという提言がされています。そうなってくると、独禁法の適用除外というのがなくなると思います。今、農協さんの方は協同組合として独禁法の二十二条の適用を受けていますが、それでも特別に、生協さんなんかと違って、いろんな多角的な事業、それから構成員も准組合員も入れられるということで、農協法九条という、本来独禁法で規定されている生活協同組合に対してもうちょっと自由な権限が農協法九条によって付与されております。
 その辺り、特に農協さんが農業協同組合として共同購買、それから共同販売ということに集中するんであれば、もはや農協法九条を見直すというような議論もあるかと思いますが、そんなことは規制改革会議等では出ていたんでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 農協法九条については特に議論は出ておりませんでした。

○山田太郎君

 ありがとうございました。
 もう一つ、全農が株式会社化されるとなると、もしかしたら、農作物の輸出入にも積極的に関与されるのかなというふうにも思っております。それでお伺いしたいんですが、これは農水省になりますが、全農の農産物の輸出入状況についても教えていただけますでしょうか。

○大臣政務官(横山信一君)

 平成二十四年度の全農による実績でございますが、輸出が三十億円、輸入が二百四十二億円となっているところでございます。

○山田太郎君

 事前に情報をいただきまして、全農さんは、輸出よりもどちらかというと輸入に御執心でございまして、牛肉七十九億とか果実五十億とか、結構な金額を輸入されています。
 私としては、是非、全農さん、今後の在り方として、やっぱり今日の委員会でもありましたように、輸出を伸ばしていっていただきたいなと、こんなふうに思っておるわけでありまして、そんな辺りも是非我々、国民目線としても、内部の改革ということであれば注視していきたいというふうに思っております。
 時間がなくなっちゃいましたので少しまとめに入りたいと思いますが、今日、本当に大変いい委員会だと思っておりまして、いろんな議論がされたと思います。ちょっと私としては気になることを最後にまとめとしてお話しさせていただきたいんですが、産業政策と地域社会政策、これをしっかり分けましょうということが議論で、少しその辺りの議論が深化してきたと思います。ただ、もう一つ、食料自給率の問題というのは、これはまたもう一つ別の三本目の柱なのかなと。
 ちょっと、食料自給率を中心に産業政策を唱えたり社会地域政策を唱えていくとゆがむ可能性があるかなと。なぜならば、今日の質疑の中でも多くの議員が語っておりましたが、食生活の変化によって、この自給率の構造というのは例えばお肉を食べるようになれば変わってきてしまうということでありまして、有事の際にどうしても最終的なカロリーが必要ということになれば悠長に輸入のお肉なんて食べていないでしょうから。そういった意味では、本当にこの食料自給率ということが安全保障議論なのかということは、しっかりそれはそれでやっぱり議論し直さないと、それによって産業政策がゆがむというのもどうなのかなと。
 もちろん、日本の農業は決して私は卑下する必要はないと思っておりまして、例えばマンゴーであったりだとかイチゴであったりだとかリンゴであったりだとか、品目を見れば非常に強いいわゆる作物というのはあるわけであります。こういったものを個別に、全体というよりもしっかり一つずつ捉えて輸出産業として育てていくと、これは非常に重要だと思っております。
 そういった意味で、今回の農水省さんの御発言の中で、個別品目については余り政策を個別に取っていませんというような御発言があったんですが、それは輸出をしていこうということであれば、産業政策としてしっかり個別に捉えていく必要があるかなと。経済産業省においても、自動車を伸ばすのであれば自動車課というのがあったわけでありますから、農業においてもどんな辺りを伸ばすのか、逆にどの品目は保護しなければいけないのか、もうちょっときめの細かい産業政策という観点があっていいのかなというふうに思っています。
 最後に、社会政策、地域政策でありますけれども、これ、どちらかというと過疎の問題とかコミュニティーを農業でもってどう維持していくかという議論だと思っておりまして、ちょっと正直申しますと、多面的機能の議論を使って地域政策だという形で、確かにこれによってのり面の保護とかいうことをコミュニティーでもってやるというのはいいんですが、そもそも、郡司議員の方からも衝撃的な資料をいただきまして、多分三十年後以降、人口というか五〇%減ってしまうと言っている状況下の中で、残念ながら過疎とかコミュニティーの問題は、のり面を三十年間、一生懸命予算を付けて確かにコミュニティーを確立したとしても、もしかしたら局面としては難しいのかなと。もっと抜本的な政策を社会政策、地域政策として、これは農業を超えて考えていく必要があるのかなと。
 やっぱり委員会も国会も縦割りで議論している以上、この問題は我々、三十年後まで、我々国会議員としてやっていて責任があったということでありますから、今の時代に。何とか議論を広く変えていきたいと思っておりますので、また引き続きやらせていただきたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。