担い手法案、多面的機能法案について質疑しました


5月29日、農林水産委員会にて質疑を行いました。

議事録

○山田太郎君

 みんなの党、山田太郎でございます。よろしくお願いします。
 四時間から五時間待っておりますと、聞きたいことがどんどん変わったりとか皆さんが聞いちゃったりとかいろいろありまして、メモはだんだん私の手元でぐちゃぐちゃになっておりますが、頑張ってやっていきたいと思っております。
 本当にこの数日間、私も、ここにいらっしゃる委員もそうだと思いますし、もちろん農林水産大臣始めとして農水省の皆さん、農業のことばかり考えている時間が長いというふうに思っております。一方で、党の方に帰ると、今、集団的自衛権のような話がかなりやっておりまして、何か同じ国会なのかなという、非常に平和と言うと怒られちゃいますけれども、そんな雰囲気で進めればと思っています。ただ、農政にとっては非常に重要な局面でありますので、頑張ってやっていきたいと思っております。
 さて、まず今日、TPP、今日からですか、日米の実務者協議が始まるということなので、そこのところを少し最初に触れて質疑させていただきたいと思います。お手元に英語の資料を配らせていただいています。農水省から実はいただいたんですが、大臣用には和訳はするけれども委員会には出せないということなので、済みません、農水省からいただいたんですけど、英語原文で、逆に、大臣は英語ぺらぺらですので本当は和文は要らないんじゃないかとも思っているんですけれども、いずれにしても、こういう文書が出ております。
 これ、一言で言うと何かといいますと、去る二十三日に、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの牛肉生産者団体が発表した声明文であります。簡単に言うと、要は、この四か国の牛肉生産者が牛肉関税を全て撤廃するべきだと、こういうふうに声明を出しているわけですね。どういうことかといいますと、報道によるとなんですけれども、日米が関税を撤廃するのではなくて関税を維持しつつ税率を引き下げるという方向なので、妥協するべきではないと、こういうような声がこの四か国で上がってきているということでありまして、まあ何となく、交渉最終局面という言葉が随分躍って実はもう何か月も何年もたっておるんですけれども、徐々に交渉は進んでいるどころか、厳しくなっているんではないかなと、こんなふうにも思うわけであります。
 そこで、外務省にもお伺いしたいんですけれども、アメリカの畜産団体の政治力というのは大変大きいというふうに思うんですが、どんな感じなのかと。報道だと、アメリカの畜産業界は日本に比べると桁違いの生産数であり資金力も抱負だということですが、外務省の見立てというか、この辺りのことを御意見聞かせていただけますでしょうか。

○副大臣(岸信夫君)

 お答えをいたします。
 まず、この声明でございますけれども、このことは内容は承知をしているところでございますけれども、これ自体は生産者団体の発出したものでありますので、政府としてこれがTPPにどのように影響するかということにつきましてはコメントは差し控えたいと考えておるところでございます。
 ただ一方で、確かに委員おっしゃるとおり、生産者団体は大変政治力でも非常に強いということを今委員からも御指摘ございましたところでございます。アメリカの国内の情勢について我々が評価をしたり、あるいは個別の品目の交渉状況について御説明することは今の段階では差し控えたいと思いますけれども、TPP交渉につきましては、先般の日米首脳会談及び閣僚協議を通じて、日米の重要な問題について解決の道筋が見えたところということで、TPP交渉における重要な節目となっておるところであります。
 日米交渉、新たな段階に入ったものと、こういうふうに承知をしております。我が国として早期妥結に向けて、引き続き、関係国とともに最大限努力をしてまいりたいと思います。

○山田太郎君

 今外務省から少し御意見いただきましたけれども、アメリカ畜産団体の場合は、地元選出の議員にかなり働きかけている、多分TPA法案が採択されない原因もこんなところにあるんではないかと。そうなってくると、日米交渉ではアメリカは強硬姿勢を取らざるを得ない、こういうような見方も出ているわけであります。
 そうなってくると、今日から始まる日米の実務者協議は、牛肉、豚肉の関税について、日本側が大幅に譲歩しないと進まないんではないかと。何となく澁谷審議官のいつもポーカーフェイスを見ていると、何となくいつもまとまりそうなような感じもしますが、内情はどうも違うんではないかと日々感じるところでもあります。
 その辺り、内閣府副大臣、いろいろ教えていただけないでしょうか。

○副大臣(西村康稔君)

 先週、シンガポールで、甘利大臣、フロマン代表、日米間での会談も、全体会合、閣僚会合の前に行いまして、全体会合をどう進めていくか、あるいは、今後、日米協力どういうふうに進めていくのか、そうしたことについて話し合ったところでありまして、事務レベルでもこの閣僚会合の開催中に一定程度の議論は行ったところであります。
 今回、そうした大臣同士の話も受けて、二十九日から、今日ですね、時差がありますけれども、ワシントンで大江首席交渉官代理とカトラーUSTR代表代行との間で事務折衝を行う予定であるというところであります。相当間合いは詰まってきておりますけれども、まあ八合目とかという言い方もしておりますけれども、そこから先、最後の本当に厳しいところに来ていますので、どれだけその間合いを攻められるか、そういうところに今来ていると思いますので、この二日間でどれだけ詰めて議論ができるかという状況だと思います。
 報道はいろんな報道が特に臆測で書かれていますので、それを見て、またステークホルダーの皆さんは心配するということだと思いますので、いずれにしても、そうした周りの動きももちろん目を向けながらでありますけれども、我々としては日本の守るべきところは守り、攻めるべきは攻めるという基本方針に、引き続き全力で交渉していくということでございます。

○山田太郎君

 我々、TPPは推進という立場でありますが、是非崖崩れに遭っておっこちちゃわないようにしっかり登っていただきたいと思いますが、ただ、これからもしつこく情報開示については求めていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 これで外務省、内閣府副大臣は退席していただいていいと思います。

○委員長(野村哲郎君)

 じゃ、岸外務副大臣、西村内閣府副大臣は、もう質問はないそうでございますので、御退席、結構でございます。

○山田太郎君

 ありがとうございます。
 次に、法案の中身、担い手法案について少し入っていきたいと思います。いわゆるゲタというところですね、ゲタ対策に行きたいと思っています。
 平成二十四年度のゲタ対策の決算額が一千七百八十一億円ということであります。ちょっと内容を少し飛ばしてやりますので、お手元の資料を、三枚目を見ながら行きたいんですが、実際に支払が生じていない項目について支払っている金額というのがありまして、これが八百二十九億円、全体の四七%あるということであります。まず、ちょっとこの資料を確認したいんですが、農水省さん、これで間違いないでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 これは、我が省から出したものでお作りになっていただいたものということでございますので、これで結構じゃないかと、こういうふうに思っております。

○山田太郎君

 そこで、実際に支払が生じていない項目というのにはどんなものがあるかということなんですが、合計で八百二十九億円というのがあるようであります。家族労働費が四百三十三億円、自作地地代が二百八十九億円、自己資本利子が八十四億円だということであります。
 それぞれの金額は、家族が働いた分の賃金、それから自分の土地を借地した場合の借地料、建物、機械などの自己資本を借りたとみなした場合の利子の金額と、こういったものを一定の金額で評価したというふうに聞いております。こうした支払がない費用も生産費に全算入して税金の補填をするというのはどうなのかなという一つ議論もあるかと思っておりまして、機会費用だからという御説明を昨日のレクの方で受けました。
 ただ、これ、その他の例えば農作物での補助金とか、その他の例えば工業等、商業でもそうですけれども、観点から考えた場合に、イコールフッティングというんですかね、そういったところでは問題があるのではないかなと。税金でお給料がもらえる、ゲタのゲタということになりはしないかと、こういう問題意識を持っております。
 もう一つ、全算入ということを認めてしまうと、多分構造改革は進まないと。全て保証されるということにもなりますし、逆に言うと、その家族費用等を含めて利益についてもコントロールされているというふうに逆の見方もできるわけですから、このゲタ対策が結局構造転換を生まないんではないかと、こういう嫌いも感じているわけでありまして、この辺り政策的にどう考えればいいのか、御意見いただけないですか。

○国務大臣(林芳正君)

 実は、これは衆議院で林委員、当時はみんなの党だったと思いますが、からも同じ問題意識で御議論したところでございますが、諸外国との生産条件の格差から生ずる不利があってコスト割れとなっている麦、大豆等の農産物について、生産コストと販売額の差に相当する額を補填するゲタ対策、これは当該農産物の生産の維持、拡大につなげる必要があると。それから、これまでの価格政策、経営安定政策との連続性を考慮する必要があると、こういうふうに考えております。
 そもそも、戦後、米が不足していた時代に食管法に基づいて米の増産意欲を喚起するために機会費用を入れた全算入生産費というものが採用されて、ずっとそれがいろんな場面で活用されてきたと、こういう経緯があるわけでございます。したがって、このゲタ対策の単価については家族労働費、自作地地代などを考慮すると。いわゆる先生おっしゃったように機会費用ということも考慮するということが現時点で最もこういった観点から合理的な方法であると、こういうふうに考えております。
 実際にも、麦、大豆等の生産の維持もこうして算定された補填単価、こういうもので図られてきたと、こういうことだと考えております。

○山田太郎君

 もう一つ、多面的機能の方も少し質疑していきたいんですが、先ほど徳永委員の方からも少しありました、この多面的機能とよく似た制度に、土地改良施設維持管理適正化事業というのがありまして、農業用水路の補修などに毎年三十三億円の公共事業費が投入されているということであります。泥上げとか草刈りは土地改良区の農家が賦課金を出し合って業者に委託して行っているということなんですね。
 これと多面的支払とどう役割分担するかということを昨日お伺いしましたら、全国に四十万キロある水路のうち、五万キロの基幹的水路はこの土地改良施設維持管理適正化事業で行って、残りの細かい水路等については多面的機能支払で手入れをするという大まかな役割分担があると、こういうことをお伺いしました。
 そうなると、基幹的な大きな重要な水路の泥上げや草刈りという手入れは農家の賦課金で行って、みんなでお金を出し合ってやっている、末端の細かい水路の手入れは国がお金を出してやると、こういうことになるわけであります。何となく逆さなんじゃないかなというような気もしていまして、どんな考えでもってこういう形になったのか、その辺りを是非教えていただきたいと思います。

○国務大臣(林芳正君)

 水路等の管理でございますが、比較的規模の大きい水路等は、土地改良法に基づいて農業者によって設立される土地改良区、これが同法に基づいて組合員からの賦課金を徴収して維持管理を行ってまいりました。
 一方、末端の農地周りの水路等の維持は、従来からの慣習に従って、地域の集落の自主的な共同活動として無償で行われてきたということでございます。しかしながら、この地域の共同活動で支えられてきた末端の農地周りの水路等の維持が、近年、農業者の高齢化等によって困難を来すようになってきておるということでございます。
 したがって、このようなことから、多面的機能支払によって、農業者のみならず、地域住民等も含めて、地域全体で水路等の地域資源の管理を支える共同活動、これに対して支援を行うということで、多面的機能、これは広く国民がその利益を享受しているわけですが、この適切な発揮を促進すると、こういうことにしたわけでございます。

○山田太郎君

 もう一つ、多面的機能支払に関して、地方公聴会の方でも意見があったんですけれども、この多面的機能支払は面積払いが前提になりますので、例えば区画整理された大区画の水田は水路やあぜ道が少ない、畦畔の数も少ないということですから、労力の割に支払が多くなると、いびつな形の水田とか傾斜のある地形では仕事が大変で割に合わないという、こんなことも意見聞きました。
 その面積一律の制度設計に問題があるんではないかというふうにも考えております。今日の委員会の中でも、北は北海道から南は沖縄までであったりとか、山間地であったり平野であったり、そういったことを一律で考えるような制度、実はかなり無理があるんではないかなというふうにも思っておりますが、この辺り、特にこの多面的機能支払のこの面積による支払に対する考え方どうなのか、これも御意見いただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 これは北海道の単価について先ほど徳永先生からもお話があったところでございますが、そのときも局長から答弁いたしましたように、この多面的機能支払の交付単価の算定基礎となる水路、それから農道等の保全活動に要する活動量、地域間においても、また活動の対象となる農地や施設の種類、また先ほど御指摘があったようにその方がどれだけ修練されておられるかということもあるいは関わってきて差が生じ得るというものだと思います。
 このような観点から、細かくこの作業量等に着目して交付単価の細分化、これを行うということになる場合は、制度設計をするに当たり調査分析等の手間がかなり大きくなるということと、それから、制度が複雑となって、現場においてその作業量とか修練度とか農地の種類とか細かく確認をするというような作業も含めて大幅に増大すると、こういうことも一方であるわけでございます。
 また、単価が区々になりますと、いろんなところでなぜうちの単価はこういうことになるのかという声もたくさん上がることも可能性としてあるわけでございまして、そういった意味で、やはり現場において活用しやすい制度ということに着目しまして、活動量に大きな差異の見られる地目、すなわち田、畑、草地、それから都府県と北海道という大まかな地域別に区分して平均的な作業量に基づいて十アール当たり単価を設定をしたところでございます。

○山田太郎君

 地域地域で使いやすいように、できれば、地元というか地域で判断ができるようなもうちょっと農政策であるべきかなと、こういうふうにも思うわけでありまして、是非その辺も考慮して、一律の、日本も広うございますから、農政ではないということ、今日も委員会ではかなり多くの議員が言っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。
 さて、もう一つ、今日も話題になっております飼料用米に関して、かなり政府の大きな目玉なのかなということで、ただ、突っ込みもすごく多いような領域でありますけれども、平成三十二年に飼料用米の生産量を七十万トンにするという目標を食料・農業・農村基本計画で立てられています。最大四百五十万トンぐらい行くんではないかなんという話も聞きますが、ただ、現在、国産の飼料用米は九万トンしか使われていないと、こういうことであります。
 これが広がっていくためには、なぜ九万トンなのかという辺りの原因と理由というもののまず把握をする必要もあると思いますが、その辺りはどう考えていらっしゃいますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 今の現状ということでございますが、これまで輸入トウモロコシというものが一千万トン近く輸入をされてきたわけでございまして、それを配合飼料等々で使って畜産の方がやってこられた、こういうことでございます。
 したがって、これに遜色のない価格でやっていくということをしっかりとやっていくということで、今回、この政策の転換というか強化をしたわけでございます。
 やはり、飼料用米については単収が低いと、主食用米五百三十キロに対して四百八十二キロと、これ、二十四年産ですが。したがって、これのために数量払いを導入して、八万円プラスマイナス二・五万円ということにいたしました。
 また、多収性専用品種の導入に対して十アール当たり一万二千円の産地交付金を追加配分するような仕組みをして、さらに、先ほど日本は広いからというお話でありましたけれども、産地交付金というものも地域の実情に応じて支援を行えるようなことにいたしました。
 またさらに、飼料用米のわら利用に対する耕畜連携助成と、こういうものも継続をするようにいたしたわけでございまして、裏を返せば、今までここまでのことを絞ってやってきたかというと、そうでなかったこともあるということもあって、今後こういう政策でしっかりと展開をしていきたいと思っております。

○山田太郎君

 昨日までの地方公聴会では、実は、この飼料用米についても意見が出まして、実はある方からは、公述人からは、飼料米を作らないでくれと農協から言われましたと。理由は、カントリーエレベーター等の保管倉庫が整っていない、それからどれぐらい売れるか分からないと、こういう率直な意見が出まして、これは私も農協にはいつも厳しくやっていますが、多分農協の利があることを言っておりまして、つまり、幾ら生産者に政策誘導して作れ作れと言っても、実際はその使う側で、特に、いわゆる畜産業の方でこの飼料用米を例えば使う、それが価格としてトウモロコシ等を含めて見合うのかという議論、それが途中の流通過程がどうなのか、これもセットでないとなかなか進まないんではないかと。
   〔委員長退席、理事山田俊男君着席〕
 ただ、今回、水田活用の直接支払交付金二千七百七十億円の、予算の中の目玉の政策でもありますから、もうちょっと丁寧にこの中身の政策をしっかりやらないと企画倒れになる可能性が高いなと思って、大変危惧をして現場で話を聞いてまいりました。
 そういうような話を受けて、是非、大臣、この辺りしっかりやっていただきたいんですけれども、御意見いただけますか。

○国務大臣(林芳正君)

 これは、やはりしっかりと取り組んでいかなければならないと思っておりまして、先ほど申し上げたように、生産現場を強化するということに加えて、需要先の確保というのをしっかりやる。そして、そのマッチングをしっかりやるということは、これはあらゆる産業政策の基本であると、こういうふうに思っておりますので、まずその畜産農家からの直接の要望、これは七万三千トンございます。この生産要望のある耕種農家とのマッチング活動、これをしっかりとやりたいと思います。
 また、日本飼料工業会から平成二十六年産で四十一万トン、中長期的には約二百万トンの使用が可能という発表がつい先日あったわけでございまして、こういった配合飼料メーカーからの要望も寄せられておりますので、農林水産省としてもこれらのマッチング活動を推進していきたいと、こういうふうに思っております。
 円滑な流通体制のために、二十五年度の補正で攻めの農業実践緊急対策、それから畜産収益力向上緊急支援リース事業、それから二十五年度補正と二十六年度予算での強い農業づくり交付金、こういうものを措置しまして、耕種側における乾燥調製貯蔵施設の整備、これが先ほど農協さんのお話につながってくると思いますが、それから畜産側で必要となる加工・保管施設の整備、粉砕機、混合機等の機械導入への支援、こういうものを行うこととしております。
 それから、太平洋側にしかというお話が時々ありますが、配合飼料工場が遠隔地にあっても、全国生産者団体が地域の飼料米を集荷して、配合飼料原料として飼料工場へ広域的に供給する仕組み、これがございますので、この仕組みを活用していくということと、配合飼料工場での長期的、計画的な利用のための情報交換、こういうものをしっかりと行っていきたいと思っております。

○山田太郎君

 まさに今日一日、農政のこの辺の在り方、自民党さん、民主党さんの意見も我々三極なので冷静に聞いていまして、何となく政策コンテストみたいなところがあって、だんだん分かってきましたのは、戸別所得補償制度はどちらかというと構造的に減らしていきましょうと。確かに戸別に配っているように見えるんですが、一旦線を引くことによって規模が大きいところが有利ということで集約されていくと、こんな感じの制度でありまして、一方、自民党の今回出してきた制度は、人工的に中間管理で土地を集めたりとか政策誘導でもって飼料用米を作ったりということでありまして、最後は担い手の構造を変えていこうというゴールは同じなんですが、随分手段が違うという中で、どちらがうまくいくのかなということは非常に重要なことだというふうにも思っています。
 その辺、まだまだ審議、次回もありますので、引き続き残していきたいと思いますが、ただ、私は一つここで申し上げたいのは、やっぱり猫の目農政という形でもって、一旦始めたものをどんどん変えて、これもやってみる、あれもやってみると実験されても、生きた人間が、産業をやっているのは現場でありますから、まずそのことをしっかり踏まえた上で、一度始めた戸別所得補償制度を本当はどうしていくのかということを含めて、自民党、政権が替わったとはいえ引き取る必要があったのかなと、こういうふうにも思っております。
 さて、次に農協改革の話、少し入っていきたいと思っております。
 農協は民間団体であるというような声もありましたが、私としては、税制面でも公益法人、それから独占禁止法の除外団体であること、それから他の協同組合よりも有利な側面を法律で保障されている以上、やはりしっかり法律的立て付けとして国会で農協の在り方を議論するというのは私は当然だと思っておりますので、是非少し踏み込んで議論をする必要あるかというふうに思っています。
 まず、規制改革会議の農業改革案の中で、農協の事業について准組合員と正組合員の比率の話が出てまいりました。准組合員の事業利用は正組合員の事業利用の二分の一を越えてはならないという記述があります。そうなると、正組合員の半分ということですから、全体では准組合員は三分の一以下という立て付けになると思いますが、この辺りの趣旨、内閣府の方からお答えいただけますでしょうか。

○大臣政務官(福岡資麿君)

 今御指摘いただきましたように、農業協同組合法の制定当時に想定された姿とは現在の姿、大きく異なる形態に変容を遂げてきているというふうに承知をしております。
 規制改革会議が平成二十五年十一月に公表いたしました今後の農業の改革の方向についてでは、農業者の組織として活動してきた農業協同組合が、時代の変化の中で少数の担い手組合員と多数の兼業組合員によって構成されるようになるとともに、准組合員や非農業者の増加、信用事業の拡大など、そういった形で変容を遂げてきていることを指摘をしております。
 そういったことを踏まえて、農業者の所得向上という各農協に期待される役割を踏まえて、農業者に最大の奉仕をする組合組織という農協法の理念に立ち返り、今回の提案の規制が盛り込まれたものというふうに承知をしております。
   〔理事山田俊男君退席、委員長着席〕

○山田太郎君

 そこで、大臣に、農協事業の員外利用について少しお伺いしたいと思っております。
 農協法十条の十七項の員外規定、員外規制の規定でございますけれども、残念ながら全国的な集計は今のところないということです。ただ、農協から都道府県への報告はしっかり数字が出ているようだということであります。これからいろんな指摘を受けて改革、改善をしていくということになりますので、是非都道府県から資料を取り寄せて、員外利用の状況に関する全国集計を作っていただきたいというふうに思っておるんですけど、いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 各農協から監督行政庁であります都道府県、これに毎年提出することが義務付けられております業務報告書において信用事業、共済事業等の各事業ごとに員外利用割合の比率を記載することとされております。農協の員外利用の状況については、この業務報告書が各農協から提出されることによって、監督行政庁である都道府県において把握することとしておるところでございます。
 我々としては、監督指針に明記して、農協の監督行政庁である都道府県に対しまして、毎年度農協から提出を受ける業務報告書等によって員外利用の状況を把握しまして、その上で違反が確認された場合には、農協法に基づく報告徴求命令により違反の改善に向けた計画の提出を命ずることなどによって個別に違反を解消させる旨を徹底をさせてきたところでございます。
 こうしたように、農協の監督行政庁である都道府県に指導を徹底させる中で違反が確認された場合は個別に解消する仕組みを構築をしておりまして、農林水産省においてこの違反があった農協の数などを集計するということは行っていないところでございます。

○山田太郎君

 ちょうどその農協改革が員外利用も含めて准組合員、正組合員の問題で議論になるわけでありますから、是非その辺りの情報を国会に対しても報告していただきたいと思って、集計していただきたいんですが、いかがですか。

○国務大臣(林芳正君)

 農協の組合員については、農協法上、農業者のみが正組合員となりまして、それ以外の者であっても地区内の住所を有する個人等は准組合員となることができます。
 この正組合員と准組合員を比較しますと、総会における議決権など組合の運営に参画する権利は正組合員のみに認められて准組合員には認められていないといった違いがありますが、組合の事業利用の面においては共に等しく組合員として扱われて両者に差が設けられていないということから、我が省として各農協の正組合員、准組合員別の利用状況、これを把握することは行っておらないわけでございます。
 規制改革会議では意見が取りまとめられて、准組合員の事業利用制限が提言されていることは今御案内のとおりでありますが、具体的にこれをどうしていくかは今後は与党と協議しながら検討してまいりたいと思っております。

○山田太郎君

 それでは、その員外利用に関する違反が確認された場合には徹底指導するということになっているわけですが、実際、じゃ、違反はどれぐらいあって、これまで徹底指導したケースはあったのか、その辺を農水省としては把握しているのかどうか、そこを教えていただけますか。

○国務大臣(林芳正君)

 先ほど申し上げましたように、この仕組みを構築していると。すなわち、都道府県に指導を徹底する、その都道府県というのは農協の監督行政庁でございますから、違反が確認された場合は個別に解消する仕組みを構築をしておりまして、違反があった農協の数などを農水省において集計をすることは行っていないということでございます。

○山田太郎君

 多分、これ以上やっても出してくれないということだと思いますので、ちょっと次に移りたいと思うんですけれども。
 もう一つ、規制改革会議の案の中に、准組合員の事業利用は正組合員の二分の一を越えてはならないという記述の中で基準になる指標というのが多分必要だと思っております。これ、利用者数なのか、事業利用分量ないし金額になるのか、内閣府、お答えいただけますでしょうか。

○大臣政務官(福岡資麿君)

 准組合員の事業利用規制に関する制度設計の在り方につきましては、規制改革会議の提言も踏まえて、今後政府部内において具体化されていくものと承知しております。

○山田太郎君

 それでは、農水大臣にお伺いしたいんですが、この准組合員の事業利用の在り方について大臣はどうお考えでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 先ほどちょっと御説明させていただいたように、住所があると准組合員になれると、こういうことでございます。
 事業利用の面においてはこの両者に差が設けられていないということで、各農協に対して正組合員と准組合員を区別してそれぞれの事業利用分量を把握することは求めておらないところでございます。各農協が区別を把握しているのか、把握していればどういう方法で確認しているかということはちょっと承知をしておらないところでございます。
 規制改革会議で、今内閣府から御答弁があったところでございますが、今のような御提言がありました。したがって、今後、与党とも協議しながら具体的にどうするか検討してまいりたいと思っております。
 農協は農業者の協同組織でございますので、農協の事業利用についても、正組合員たる農業者が主になるというのが自然な姿であると、こういうふうに考えておりますが、一方で、過疎化が進む農村において、今日もいろいろ御議論がございましたけれども、地域住民の生活のインフラとしての役割を果たしていると、こういう実態もございまして、こういう点も踏まえて今後検討したいと思っております。

○山田太郎君

 私も、地域の農協の役割というのは非常に重要だということも理解しております。ただ、その場合はあくまでも地域協同組合のような形で、しっかり改組というか立て付けを変えていく必要もあるんではないかなと思っておりますが、これはまた引き続きやらせていただきたいと思います。
 さて、残った時間でWTOとの関係、少しだけ触れていきたいと思います。毎回先送りしちゃってやれなかったので、少し聞きたいと思いますが。
 担い手法案なんですけれども、これ、現行のWTO、緑の貿易歪曲性がないという政策を黄色の最も政策歪曲的な国内助成に変更するという法改正だということは伺っております。
 そこで、我が国の農業政策とWTOとの関係なんですけれども、平成二十四年に緑の政策、AMSとカウントされる補助金は、これは資料の二枚目になりますが、お手元の資料のように六千八十九億円ということになります。そのほとんどの内訳は牛肉、豚肉ということであります。問題は、この牛肉や豚肉の、どんな政策、それから対策がこの六千億円に含まれるのか、幾つか教えていただけないでしょうか。

○大臣政務官(横山信一君)

 WTO国内支持通報におきまして、二〇一二年度のAMSは、砂糖が百六十九億円、でん粉が三十三億円、生乳が二百七十億円、牛肉二千三百三億円、ここに書かれてあるとおりですね、豚肉三千三百十五億円であるというふうにWTOに通報しております。

○山田太郎君

 もう一度質問しますが、この政策の六千億に、どんな対策、政策が含まれるのか。中身の数字の内訳ではなくて、多分その黄色の政策と言われた中身についてということでありますので、もう一度御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 国内支持通報でございますが、AMS、黄色の政策に該当する事業ごとの補助金の名称、その金額については通報の対象になっておりませんので、お答えするのは差し控えたいと思います。

○山田太郎君

 ただ、もう黄色だと我が国が認めているわけですから、これ以上の問題は起きないかというふうにも思うわけであります。
 もう一つ、WTOの最も貿易歪曲的な国内助成に当たる国内助成策が何であるかどうかということについては、条約との関係をしっかり国会で審議する意味においても多分非常に重要だというふうに思います。なぜならば、憲法の九十八条の中で、我が国が締結した条約は誠実に遵守する必要があると、こういう条文があるからでありまして、その辺り、もしWTOの条約の趣旨に合わないいわゆる補助金、政策があるとするとなると、それはどんなものなのか。これは是非国会に示していただきたいんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

 まず、このWTOは、先ほど委員が日本も南北に長いのでそれぞれの地域に応じたということがありますように、WTOのルールもいろんな区分をした上で、それぞれの国でいろんなことがあるからということで決めをやっておるわけでございまして、そういった意味で、現行のWTOのルールで共有されている水準というのがあるわけでございます。日本でいうと約束水準四兆円ということでございまして、そういった意味でこの黄色の政策、先ほどのお話がありましたように六千億程度でございまして、相当の余裕がありまして、いろんな政策的な自由度がこの中であると、こういうことであろうかと、こういうふうにも考えておるところでございます。
 ある年度の国内補助金のWTOルール上の位置付けについては、当該年度の農業生産額等を基に政府としてWTO通報を行う際に正式に決めるということでございますので、今回の制度改正後のゲタ対策のそれぞれがどういう位置付けになるかということを現時点で明らかにするというのは難しいということでございます。

○山田太郎君

 日本はEPA、FTAを含めた国際通商を全面的にリードしていくと、こういう国であってもらいたいと思いますので、もちろん、枠組みの中に入っているからということで出さないというよりも、積極的にこのWTOの枠組みをしっかり世界に推し進めていくという立場で、是非農政政策も胸を張って国際的に訴えていった方がいいのではないかなというふうに思って質疑させていただきました。
 いずれにしても、この農政政策、民主党案、自民党案もそれぞれ審議されて、次回辺り大詰めということになるかと思っております。実は私も、今回いろいろ、審議それから現場の公聴会を通じて、意見も揺れながらいろいろ考えてまいりました。非常に重要な局面でありますから、是非、委員の皆さんと、いい日本の農政どうあるべきか、これを一緒に考えていければ幸いだと思っております。
 ありがとうございました。