決算委員会にて集団的自衛権と農協改革について質疑しました


6月9日、参議院決算委員会にて質疑を行いました。

議事録(未定稿)

○山田太郎君

みんなの党、山田太郎でございます。
本日は、平成二十三年、平成二十四年の決算に関する締めくくり質疑、安倍総理以下閣僚の皆さん、質疑させていただきたいと思います。
本日私が取り上げようと思っておりますのは、一つ、ODA債権の放棄の問題であります。もう一つが著作権保護とTPPの関係、それから農協・農政改革、そして集団的自衛権の問題、これを順次取り上げていきたいと思っております。まさに国の決算、密接に関わる事項でありまして、是非皆さんと一緒に次の国を考えていきたい、こういうふうに思います。
我が党なんですけれども、責任野党であると同時に、それ以上に健全野党という立場で、しっかりと私も信念を持ってやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
さて、ODA債権の話に最初は行きたいと思いますが、まず国民への説明責任の在り方という辺りから行きたいと思っております。
ODA債権と申しますのは、我が国が発展途上国のお金を低利で貸しておりまして、その国の経済、福祉の改善と向上に貢献しようとする、まさに国際協力の一つの手段であります。国際協力機構、JICAを通じまして、我が国は平成二十六年度現在で発展途上国向けのODA債権を約十一兆円も保有しておるわけであります。
一方で、経済が厳しい国にありましてはODA債権を放棄する、債権を免除するという、更なる債権救済措置と言われる国際協力も行っておりまして、平成十一年はケルン・サミットで各国が協調して行うというようなことも合意されています。
そこで、まず外務大臣に、このODA債権の放棄の趣旨とか現状の金額、念のため、簡単に手短で結構ですので、お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君)

まず、債務救済、累積債務問題を抱えた国について国際社会が一致して問題解決に当たる、こういったことから国際金融の安定化を図る、大変重要な手段だと認識をされています。
あわせて、近年、アフリカを始めとする低所得国において、紛争ですとかあるいは自然災害等によって貧困問題が深刻化する、こうした中で、増大するこの累積債務問題が途上国の経済開発、福祉向上を妨げるのではないか、こんな問題意識から、この債務救済の重要が指摘をされてきました。一方、この債務救済、債務国側のモラルハザードを引き起こす可能性がある、こういったことから、必要かつ不可欠な場合にのみ実施されるべきである、こういった認識に立って行われております。我が国にとりましても、こうした開発途上国等が主体的にしっかりとした取組を行い、成果を示すことがこの債務救済において重要である、こういった認識において取り組んでいるところでございます。
そして、数字的な実績ですが、平成二十五年度までの円借款債権放棄実績額約一兆一千二百九十億円ということになっております。

○山田太郎君

今外務大臣から話がありましたように、このODAの債権放棄額が実にこの十一年間で一兆一千二百九十億ということなわけであります。
この問題は、この債権免除に関して国はどういうふうに処理をしてきたのかと、この辺りをポイントに今日はしたいと思っているんですが、お聞きしましたら、この公的債権の免除に関してはJICAの会計の中で処理されているということであります。
債権免除に関しては、交換公文が相手国との間で交わされまして、交換公文が国会の承認事項としては実は取り扱われていません。巨額の免除、債権放棄があったとしても、国会や国民には何ら報告がされないままに進められていると、こういうことであったわけであります。うがった見方をすれば、実にうまいというか、国会の審議に引っかからないように、国民のチェックに掛からないような形で処理されてきたと、こういうことだと思っております。
ODA債権は、元をただせば、国民からお預かりした税金を手元に貸付けを行っているわけでありますので、言わば国民の債権であります。ODA債権を放棄して債権を免除する、まさに借金をチャラにするというような状況をしっかり国民には説明する必要があるんじゃないかと、こんなことでありまして、昨年の参議院のODA特別委員会でも、この債権放棄について、国民や国会への説明責任を私の方が強く求めてまいりました。
今般、その検討結果がまとまったということでありますので、外務大臣の方から御説明いただけますでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君)

債権放棄の国会への説明責任ということですが、従来、我が国においては、債権放棄を行った国及びその額については、説明責任の観点から、債権放棄の交換公文の締結のたびに外務省報道発表の発出等を通じて対外発表をし、そして外務省ホームページあるいはJICA年報において当該年度に円借款債権放棄を実施した国及び債権放棄の実績額について公表をしてきたところであります。そして、それに加えて、平成二十五年度のODA白書から、個別の国に係る円借款債権放棄の実績額、新たに掲載するということにさせていただきました。
また、今委員の御質問の中にもありましたように、この問題につきまして、委員の方から他の委員会におきましても御指摘をいただいてきました。こうした御指摘を踏まえまして、国会に対する報告の観点から、平成二十五年度のJICA決算報告書から円借款債権放棄に関する記載を行う方向で調整を行うことといたしました。
現在、具体的な記載方法について、JICAや関係省庁と調整をしているところであります。是非、調整を終えた上で記載を行っていきたいと考えます。

○山田太郎君

ありがとうございます。
この決算委員会に、毎年ODA債権の放棄額について報告していただけるということになりましたので、おかげさまで一歩前進ということであろうかと思います。
ODAの債権に関しては、まだまだ放棄する可能性がある国、金額があるというふうに聞いておりますので、しっかり外務省等含めてやっていただければと思っています。
さて、ちょっと時間の関係で質問の内容を前後しますが、TPPと著作権の非親告罪の問題について少し質疑していきたいと思います。
TPPにおける著作権保護の在り方、特に著作権の非親告罪化について、大きな実は議論になっています。まず、ちょっとおさらいなんですが、日本の著作権では著作権侵害に関する刑事罰は親告罪というふうになっておりまして、著作権を侵害された権利者が告訴しないと検察官は加害者を起訴できないと、こういう仕組みになっております。
そこでまず、我が国著作権法が親告罪という仕組みを取っているその趣旨について、文科大臣の方から御説明いただけますでしょうか。

○国務大臣(下村博文君)

今、山田委員からお話があったとおりでありますが、基本的に我が国が著作権侵害について、これは非親告罪ということで位置付けているわけでございます。これは国によって相当著作権制度の制度設計は違いがあるわけでございますが、例えば、非親告罪化について検討を行った著作権分科会報告書におきまして、米国、イギリス、フランス等は非親告罪を採用していると。一方、著作権侵害について親告罪を採用している国としては、我が国のほか、ドイツ、オーストラリア及び韓国があると承知をしております。
ただし、親告罪を採用している国においても、ドイツでは、その侵害行為が業として不法に行われる場合、検察当局が特別の公共の利益を理由として職権による関与を要するものと思料するときは非親告罪としているほか、韓国では、その侵害行為が営利目的で常習的に行われるものについて非親告罪としているものと承知をしております。
基本的に我が国は、非親告罪というスタンスの中で今まで著作権については対応をしたというスタンスであります。

○山田太郎君

TPPの件との絡みで少しお聞きしていきたいんですが、日本の著作権法は親告罪ですけれども、先ほど大臣がお話ししたように、非親告罪の国が実は多いと。TPP参加国は実はほとんどの国が非親告罪という仕組みになっております。そういった意味で、今回TPPに参画するということは、著作権に関して日本も非親告罪化を求められるという可能性は非常に高いんではないかなというふうに思っております。
一方で、この知財の問題、交渉が難航しているというふうにもお伺いしますが、甘利大臣の方にお伺いしたいと思うんですが、このTPP交渉における著作権侵害を非親告罪にするかどうかという問題、どのように日米交渉で間合いが詰まっているのか、この辺りを教えていただけないでしょうか。

○国務大臣(甘利明君)

著作権であるとか、あるいは特許権、こういういわゆる知的財産権に関しましては、権利者の保護をどこまで強くするかということと、それから利用をどう促進していくか、これはどうバランスを取るかという問題であります。著作権についても、非親告罪の国が御指摘のように多うございます。そこで、どうバランスを取りながら親告罪の国と非親告罪の国に関して共通のルールを作るかということで今議論をしているところであります。
詳細な中身はなかなか言いづらいんでありますけれども、一律にみんな非親告罪にしてしまえというような議論は余り良くないなというようなところから共通ルールにしていくかということを今交渉している最中であります。

○山田太郎君

今、甘利大臣の方から、一律に非親告罪化というのはどうなのかというようなことで探っているという大変重要な発言をいただきましたけれども、まさに日本にはアメリカのようにこの非親告罪に関してはフェアユース、つまり裁判に対する積み上げですとか、それから著作権を法廷で勝ち取っていくというような実は習慣がありません。どちらかというと、現場も習うより慣れろ、慣れるより盗め、いい悪いは別として、先人の考え方や技術を忠実に伝承すると、こういった日本のやり方にこれがなじむのかどうか、こういった議論、非常に重要だというふうに思っております。
一方で、例えば表現の自由の問題として、児童ポルノ規制法改正案みたいなものも今国会では取り上げられています。参議院では今週の法務委員会でも質疑が始まるんではないかというふうに思っておりますが、まさにこの問題、表現の自由、通信の自由、秘密を守ることが重要という立場で私自身も主張してまいりましたけれども、それらの観点から立っても、著作権の非親告罪はそのまま日本に素直に適用するというのはちょっと見過ごすわけにはいかない問題かなと、実はこう考えております。
著作権の非親告罪に関しては、このまま適用されてしまうと、まさに児童ポルノ規制法改正案の議論同様、過度な自主規制とか萎縮効果で国内的には文化的、経済的にも混乱が生じるんではないかという懸念も考えております。今後、この著作権がどうなるのか、できるだけ内容を開示していただいて、今日、甘利大臣の方からも少し披露していただきましたけれども、現場に即した対応を急いで検討する必要もあるんではないかと、こんな問題意識を持っているわけであります。
そんな問題意識を持ちながら、では、著作権を所管する下村文部科学大臣にお伺いしたいと思いますが、このTPP交渉における著作権の取扱いについては、今、甘利大臣の方から説明が少しありましたけれども、実は下村大臣は、平成二十四年六月十九日、参議院文教科学委員会で、この著作権の一部改正に関する改正案ということで発言をされています。どんな発言をされているかといいますと、TPP交渉においては著作権侵害の非親告罪化についてはこれは絶対あってはならないと発言されているんですね。
当時、下村大臣は野党の議員でいらっしゃいましたが、今大臣になられております。大臣になられたからといって信念を曲げられることはないのかどうか、お察ししたいと思いますが、大臣としてのこの著作権侵害の非親告罪とTPPの関係について、所管大臣でもありますので、是非御意見と御決意を賜りたいと思います。

○国務大臣(下村博文君)

TPPの対応については、甘利担当大臣からお話があったとおりでございまして、今文部科学省、文化庁の中でも、著作権法の侵害罪につきまして、職権により刑事手続を可能とする非親告罪化につきましては、文化審議会著作権分科会において検討が行われてまいりました。その結果、著作権分科会報告書におきまして、著作権等の侵害が著作権者に与える影響は著作物の利用態様や規模によって多様であることなどから、一律に非親告罪化することは適当でない旨の結論が出されております。
著作権等の侵害罪の非親告化について、この文化審議会での検討結果や国内外の諸状況を踏まえて適切に対応する必要があると思いますし、TPPも今甘利大臣からのお話のとおりであるというふうに思います。
御指摘の、私が申し上げたところはその前がポイントでありまして、これは私的違法ダウンロードの処罰についての議員立法の修正案の中で述べたわけでありますが、今回の法改正は、当時の答弁ですけれども、今回の法改正はあくまでも音楽等の私的違法ダウンロードを処罰する規定を整備するものでございまして、将来的なダウンロード違法化の全著作物への拡大や非親告罪化を目指すものではありません。今回のアメリカとのTPP交渉においても、これは我々の立場からとしても、このダウンロード違法化の全著作物への拡大、あるいは非親告化について云々ということでありまして、全てを反対ということでなく、非親告のその分野については精査しながら分ける必要があるということで、これは全く甘利大臣の答弁と同じ方向性であるというふうに思います。

○山田太郎君

TPP交渉において、この非親告罪の問題、両大臣も大変御認識が深いということで安心しました。何とか、日本の文化、経済の発展のためにこの問題、しっかり対処していただければというふうに思っております。
次に、農協改革について少し行きたいと思っております。
国内問題、一番の安倍政権の懸案事項、農協改革もその一つだというふうに考えております。政府の規制改革会議の方では、農協改革について、非常に画期的な全中廃止、それから全農の株式会社化というような提言もまとめられているようであります。
そこで総理にお伺いしたいんですが、全ての農協の頂点に立って司令塔の役割を果たしております全国農業協同組合中央会、略して全中でありますけれども、この対処に関して、この改革案をどのように評価されているのか、日本の農業の再生には全中の廃止や全農の株式会社化が必要だというふうにお考えかどうか、改めて改革に熱意を燃やす総理にお伺いしたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

農業の競争力を高め魅力的な産業にしていく、若い皆さんにとっても自分たちの努力や情熱で新しい地平線を開いていくことができる分野にしていきたいと思います。自律的に発展をし、そして地域経済を牽引する新たな成長産業に変えていきたいと、こう決意をしているわけでありますが、そのためには経営マインドを持つ意欲のある農業の担い手が力強い農業活動を展開をし、活躍できる環境を整備していくことが重要であります。
このため、現在、農業者、特に担い手農業者から評価され、農業の成長産業化に資するために、農協についてどのような改革が必要か、関係者で真摯な議論が行われているところであります。参議院の農林水産委員会においても、農協の事業や組織について幅広く議論されてきたものと承知をしておりますが、こうした議論も踏まえまして、農業協同組合の在り方について、地域の農協が主役となってそれぞれの独立性を発揮をして農業の成長産業化に全力投球できるように抜本的に見直しを図っていく決意であります。

○山田太郎君

私も、実は参議院の農林水産委員でもありまして、まさに自民党も幅広い党だなと、改革を言っていると思えば、物すごく反対意見もあって、なかなか改革派、守旧派というのがいろいろいるんだなと思っておりますので、是非、改革なくしては農業はあり得ないと思いますから、これは、総理には強力なイニシアチブを持って頑張ってやっていってもらいたいと思います。
ただ、農協改革は何度も言われてはきたんですけれども、なかなか進まなかったというのも事実だと思います。今回こそこの改革が進むんじゃないかと期待しておるんですが、多分その大きな原因が全中の政治活動にあるのかなと、こういうふうにも思っております。
全中は、このように農協組織の頂点に立ちまして、農協に指導監督を行う司令塔であります。ただ、農協の司令塔ということだけではなくて、全国農業者農政運動組織連盟、略称農政連というんですけれども、この政治団体をつくって政治活動の司令塔も行って、まさに選挙になると票だけではなくてお金も動かしていると、こういう団体かと思います。
このパネルを見ていただきたいんですが、(資料提示)この農政連の平成二十二年から二十四年の政治資金収支報告書から数字を拾ったんでありますが、全中はこの三年間で農政連のパーティー券を三千四百二十万円買っているんですね。そして、全国団体の農政連には都道府県農政連という下部組織がありまして、そこからの寄附が二千四百八十万。合わせて何と五千九百万円が自民党の参議院比例区支部へ寄附されているということであります。全中という、法律でまさに税金が優遇されたり、独禁法、独占禁止法の適用外になったり、そして、全国の農協に対する指導監督権限が法律上付与されている団体が、政治団体をつくってこのパーティー券を三年で三千四百二十万円買っている、そして、都道府県レベルの政治団体からの寄附合わせて五千九百万円を自民党の支部に寄附しているというのが実態であります。改革が必要なこのときにあらぬ誤解をされるんではないかな、このような政治活動は全中に止めていただいた方が改革は進みやすいんではないか、こんなふうに思いますが、総理の所見をいただけますでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

自由民主党総裁としては、このように農政連から御寄附をいただき、浄財を賜り、我々の政治活動を御支援をいただいていることは大変有り難いことで、日々感謝の気持ちでございますが、他方、今申し上げましたように、農業政策についてはしっかりと前に進めていかなければいけませんし、そのために必要であれば農協改革をやらなければいけないという中において、農協改革はやらなければいけないと我々は決意をしているわけでありまして、先ほど申し上げたとおりであります。
このように御支援もいただいておりますが、政策対話を進める中で、やるべきことはちゃんとやっていきたい、しっかりとやっていきたいと思っております。

○山田太郎君

今の御答弁を伺っていますと、これまでどおり全中は毎年一千万円以上のパーティー券を買い続けても問題ないと、こういうふうに思っていらっしゃるかという感じなんですが、政治資金規正法上の観点では、一回の政治資金パーティーというのは、購入できるのは一団体百五十万ということでありまして、一千万を超えるパーティー券の金額に達するために十回に分けて参加していると、こんなことにもなっているわけですね。
一方、農協の仕事というのを実は法律上ひもといていきますと、農協法の七十三条の二十二というのに六つの項目がありまして、果たしてこの政治資金パーティーに対してパーティー券を買うというのが農協の何の仕事なのかというふうにも疑いたくなるわけであります。
もちろん、こう言うと、ほかの団体も寄附はしているじゃないか、こういうふうに言いそうなんでありますが、ちょっとそういった意味で、医師会さんとか税理士会さん、調べさせていただきました。いろんな業界団体ありますけれども、実は、年間一千万円を超えるパーティー券を団体本体で購入している団体は、総務省に届けられた収支報告書をざあっとチェックしていったんですが、見付からないんですね。パーティー券は自分の、例えば医師会さんのケースだと、日本医師会連盟とかの政治団体をつくって、わざわざそちらで別口で会費を集めて、そのお金でパーティー券購入などをやっているわけであります。
農協だけが特別な活動をしているというふうに取られないように、是非、農協改革を進める意味においても、この問題、しっかり自民党総裁の、あるいはもう総理として、何としてでも今回こそ農協改革を進めていただきたいと思いますので、是非検討していただくというふうにしてもらえればと思っております。
さらに、ちょっと次のパネルに行きたいと思うんですが、続けて伺いたいと思うんですけれども、更に調べましたところ、この都道府県レベルの政治団体の農政連は、各都道府県の衆議院の小選挙区支部、すなわち自民党の衆議院議員に献金を行っているということが分かりました、これはパネルのとおりなんでありますが。
これは愛知県のケースでありますけれども、愛知県農政連の平成二十四年度の収支報告書から拾ったものであります。調べてみて驚いたんでありますが、ほとんどの選挙区に対して、少しずつでありますが推薦料という名目でお金が配られているんですね。百万円の方も五十万円の方も三十万円の方もいらっしゃいますが、合計は五百十万ということであります。愛知県でやっているということでありますので、農協は全国組織でありますから、北は北海道から南は九州、沖縄まで全国でやってあるんではないかと。ちょっと時間がなかったんで調べようがなかったんでありますが、三百選挙区に配ると一億円近いお金になるということであります。
繰り返しになりますけれども、こういう農協マネー、パーティー券とか寄附をもう受け取らないとこの場で宣言していただいた方がよっぽど国民の支持も得られて農協改革が進むと思いますが、改めて総理、御決意いただけないでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)

一度、委員会でもこの議論をさせていただきましたが、一般論として申し上げますと、農協中央会は、先ほどちょっと御議論がありました、農協の健全な発達を図ることを目的とする団体でありまして、このような目的の達成に資する限りにおいて行う政治的行為については、一般の法人と同様に、公職選挙法、政治資金規正法に抵触しない限り認められるものと、こういうふうに認識しております。したがって、パーティー券を購入するか否かについては全国農協中央会が自主的に判断すべきものと、こういうふうに考えております。
農政連はまさに政治団体でございますので、これは委員も御案内のように、農協中央会とは別の団体でございます。こういうことです。

○山田太郎君

この問題をやっていても、多分、いいんだ、よくない、法律上いいんだということで平行線になっちゃうと思いますので、ゴールは改革をしっかりやっていただくということであります。
改めて総理にお伺いしたいと思いますが、今回の全中の廃止、それから全農の株式会社化、いろんな報道によりますと、全中の廃止は五年先になったとか、県レベルの中央会は存続させるんじゃないかとか、そういった意味で税制優遇措置とか一定の指導権限を残すような衣替えだというような批判もあります。そういった意味で、是非そうならないように、総理の方からもう一度この農協改革に関する決意を、こういうお金がばらまかれていたとしても、やっぱり改革はするんだ、これとあれとは違うという辺りを総理の方から力強くいただけないでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

確かに、全中通じて農協から大変な浄財をいただいて、有り難く思います。しかし、他方、私たちがやるべき政策は前に進めていくわけでありまして、言うことを聞いているんであれば、TPP交渉、そもそも交渉参加に反対だったわけですから、我々は交渉に参加をし、今やこの交渉においてはリーダーシップを発揮をしているわけでありまして、我々は、支援は支援として有り難くいただきますが、他方、政策対話も行いながら、やるべきことはしっかりとやっていきたいと、このように思っております。

○山田太郎君

それでは次、集団的自衛権の話、少し行きたいと思っております。
我が党、集団的自衛権に関しては積極論も実は慎重論もありまして、まだ党内では結論を出しておりません。今鋭意、毎日真剣に議論をしている最中であります。そういった意味で、重要な問題ですので、総理始めとしていろいろお伺いしていきたいと思います。
集団的自衛権の行使に関しては、アメリカとしっかりスクラムを組めば抑止力の向上になるということは確かに一理あるのかなというふうに思います。ただし、アメリカが起こした戦争に日本が巻き込まれるという危険を指摘される方も多いということだと思っております。集団的自衛権の行使に関しては、日本人に犠牲が生じる、生身の人間が亡くなるというようなリスクも現実を踏まえた上での議論が必要なんじゃないか、こんなふうに思うわけであります。
そこで、お伺いしたいんですけれども、自衛隊員の方が他国との武力紛争で不幸にも命を落とされた結果犠牲になられたという場合、国としてどんな補償が行われるのか、それはアメリカの兵士が犠牲になった場合と比べて十分なものなのかどうか、一人当たりどれぐらいの支給がされるのか、御家族、御遺族への補償はどうなっているのか。防衛大臣、分かる限りで結構です、お答えください。

○国務大臣(小野寺五典君)

まず、集団的自衛権の議論にかかわらず、私ども自衛隊員は事に臨んでは危険を顧みずという、そういう服務宣誓をして任務に務めることになります。ただ、私ども命令を出す立場の人間は、自衛官の任務が全うされるということ、全うというのは、これは我が国国民の生命、財産を守るということもありますし、自衛官自身の安全な任務の遂行ということも考慮して命令を下すべきだと思います。
ただ、その上で、万々が一、自衛官が行動中に不幸にして何らかの被害を受けて、例えば亡くなってしまった場合、死亡した場合でありますが、まず、当該隊員の御遺族に対しては遺族補償が支給されることになります。この遺族補償については、生命、身体に対する高度の危険が予想される状況の下における特別公務災害として、通常の遺族補償の額に五割加算した額が支給されるということになります。また、隊員が一身の危険を顧みることなくその職務を遂行し、不幸にして死亡した際、その功労に報いるために賞じゅつ金が支給されるということもあります。また、退職手当につきましても、通常、最後まで全うして退職した場合と同じ金額が支給されるということになります。
また、この弔慰金等に関してでありますが、所得税は非課税ということになりますし、賞じゅつ金については相続財産とされず、相続税の対象外ということになります。いずれにしても、このような体制を取っております。
また、他国との比較でありますが、米国は大変このような亡くなった兵士に対しては様々な誇りを持った形での対応をされているというふうには承知しておりますが、事この金額等のことに関しては、決して日本のこの対応というのは他国に比して劣るものではないというふうに承知をしております。

○山田太郎君

一つ重要な問題だと思いますので、昨日、防衛省の方からいただいた資料を少し見ていきたいんですが、年収八百万で妻、子供二人の場合ということで、一・五割増し、年金で六百五十万、それから一時金で二千二百六十万ぐらいということであります。
今、大臣の方がお話しした賞じゅつ金でありますが、これは幅がありますが、死亡時九百八十万から六千万円、ただし、いろんな特措法等によって活動する場合、例えばイラク特措法なんかに関する自衛隊員についての最高授与額は九千万と、こういうふうにあったわけですけれども、一応、確認のため、これ、このとおりでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君)

委員にお示ししたとおりでございます。

○山田太郎君

まさに命の値段ということであります。
もう一つ確認させていただきたいんですが、集団的自衛権行使の結果、今度は民間に、民間人に犠牲が出たり、物的損害が及んだりという被害が出た場合、どんな補償措置があるのかと。例えば、今回も総理、示していらっしゃいますけれども、アメリカの艦船に日本人を乗せている場合、そのアメリカ艦船が沈没して日本人も犠牲になったとか、集団的自衛権行使の結果、外国のミサイルが日本国内に撃ち込まれたといったことも想定されるのかなと。その場合、不幸にも犠牲になった民間人の方に対する補償というのはどのようになっているのか。これ、御担当は官房長官でありますでしょうか、よろしくお願いします。

○国務大臣(菅義偉君)

まず、委員に御理解をいただきたいのは、今議論をいたしておりますことは、国民の命と平和な暮らしを守るために、抑止力を高めて我が国が武力攻撃の対象とならないようにすると、そういうことを目的といたしております。
そういう中で、国民の被害についても、様々なこれは状況があります。その補償については個別具体的な判断が必要であることから、武力攻撃事態が終了した後の復興施策の在り方の一環として検討されるべきであるというふうに考えております。その状況下で可能な措置が考えられるというふうに思っております。
なお、国民保護法においては、国民が国の職員等から要請を受けて国民保護措置の実施の協力をしたことによって死亡、負傷等をした場合の損害を補償する旨の規定は設けられております。

○山田太郎君

済みません、今ちょっと最後語尾が聞こえなかったので、おりますでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君)

おります。

○山田太郎君

おります。ありがとうございます。
次に行きたいと思いますが、集団的自衛権等、亡くなられる方ということでちょっとパネルをまた、最後の出してもらえますでしょうか。
集団的自衛権、先ほどからも議論ありましたように、やっぱり人の命がなくなる危険性を秘めたものということをしっかり、逃げて議論するわけにはいかないというふうに思っております。
湾岸戦争は、アメリカとともに戦争に加わったイギリス軍に二十四名の戦死者が出ています。アフガニスタンではイギリスが四百五十三名、フランス八十九名、オーストラリア三十八名ということですが、ISAF、国際治安支援部隊の調査では、ドイツ五十三、イタリア四十七、オランダ二十五、ニュージーランド十一、ノルウェーとかが十名、エストニアなんという国は九名、ハンガリー七名と、その他たくさんの国の方に後方支援も含めて戦死者が出ているのというのは、これ事実なんですね。アメリカ軍では、このアフガニスタンの戦争において千七百二十名の戦闘要員が亡くなっているんですが、一方で、四百五十一名もの非戦闘員が亡くなっているということであります。
まさに集団的自衛権の背景の議論は、人が亡くなるということを避けて通れない私は議論だと思って、真正面から議論をしなければいけないというふうに思っておりますが、まさに総理、その問題意識ですね。集団的自衛権を行使していくと、国際社会で日本が生きていくためにはこれぐらいの犠牲は覚悟しなければならないのか、そういった意味で集団的自衛権行使の容認に向かって検討されているのか、その決意のほどを聞かせていただけますでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

先ほど官房長官からお話をさせていただいたように、その例示としてあるアフガン戦争あるいは湾岸戦争ですね。
アフガン戦争は、これは言わば集団安全保障、国連の決議がありましたから、これは集団的自衛権、当初は集団的自衛権の中の武力行使になったわけでありますが、この集団安全保障の中の、我々、戦闘を目的として武力行使を海外に出ていって行うことはいたしませんから、こうした戦争そのものに、戦闘行為を目的として武力行使をすることはないということでございますし、そして湾岸戦争におきましてもそうでありますが、集団安全保障においても戦闘を目的として武力行使を行うことはございませんから、こうした形の戦いに我々は部隊単位で戦闘を目的として参加することはないということは今まで累次申し上げてきたとおりで、これ累次申し上げてきたとおりでございますから、そのように御理解をいただきたいと、このように思うわけでございます。
その上において、しかしなおかつ近隣諸国で紛争が発生し、そしてそこから逃れてくる日本の邦人を輸送している米軍の船を護衛する自衛艦は、まさにそれは命懸けで、自衛隊の諸君が命を懸けて我々の命を守るわけでございます。それを自衛隊の諸君はまさに誇りとするところであろうし、宣誓の際に、言わば危険を顧みず、任務を完遂することに務め、もって国民の信頼に応えていくと、こう宣言をする唯一の公務員でもあるわけでございます。
我々が行っていることは、今検討をしていることは、まさに今言ったような事例において果たして可能かどうか、そして一番大切なことは、こうしたことをしっかりと行っていくことによって、また同盟国との関係が強化されていくことによって抑止力は高まっていくわけであります。まさに、一九六〇年、五十年前の議論を思い出していただきたいんですが、日米安保条約、新安保条約を作れば、改定すれば戦争に巻き込まれると、盛んにこれが反対論の主流であったわけでありますから、果たしてどうなったんだということもしっかりと留意する必要があるだろうと、このように思います。

○山田太郎君

宣誓した自衛隊が命を懸けて戦うということは分かるんですが、逆に、この集団的自衛権に基づいて出動命令を受けた自衛隊員が仮に出動を拒否した場合はどうなるのかと。防衛出動命令の拒否として、自衛隊法による禁錮とか懲役に罰せられるのかどうか、この辺りも、防衛大臣、教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君)

委員は今集団的自衛権の議論の中でこのことに触れられております。まだこのことについては与党の中で協議をされているということだと承知をしております。

○山田太郎君

集団的自衛権の議論がまとまった際には、この防衛出動に関するそれでは命令拒否というのは適用になる計画あるいは予定なんでしょうか。この辺りを教えていただけますか。

○国務大臣(小野寺五典君)

様々な状態がありますので、一般的なことに関して、やはり具体的な事例に関しての内容についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

○山田太郎君

最後に、時間がありませんので、歯止めについても今日記事が出ていましたので少しお聞きしたいと思っております。
海外派兵ができないのは今までと同じということが繰り返されているんですが、集団的自衛権を使う場合、他国の領土、領空、領海には入らず、公海上に制限すると、こういうふうな議論も出ているそうですが、この辺、総理、お考えを教えていただけますでしょうか。大変、我が党にとっても、集団的自衛権を議論するにはこの歯止めということが党内で議論になっておりまして、是非、その辺りきちっと、どんなお考えなのか教えていただければと思います。

○委員長(金子原二郎君)

時間が限られております。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)

歯止め議論については、正確を期して申し上げますと、言わば歯止めということについては憲法上の制約が一つですね、憲法上の制約が一つであって、そしてその上において、立法してそれを可能にする、立法の際に制約を課していくということではないかと思います。
まず初めに申し上げますと、この、先ほど申し上げましたように、そもそも集団安全保障において、戦闘を目的として武力行使を海外で行うことはしないということを申し上げておりますから、言わば湾岸戦争タイプのところには行って戦うことはないということ、戦闘を目的として行くことはないということであります。そして、集団的自衛権の行使につきましても、先ほど申し上げましたように、海外派兵は一般にこれは憲法上禁じられているということでございますから、それはないということでございます。
その上において、それぞれ自衛隊が活動する場合について、この閣議決定を行った後、活動する場合においては、これは集団的自衛権あるいは駆け付け警護、集団的自衛権の行使、解釈の変更だけではなくて、駆け付け警護あるいはグレーゾーン等々がございますが、それにおいては個々の法律を、個々の法律を……(発言する者あり)済みません、時間と言われても、その後に私へ質問されて答えなければいけませんから、答弁義務も一方あるわけでありますから、聞いていただきたいと思います。
そして、その中において、言わば個々の法律も作るわけでありまして、個々の法律を作る場合に、言わば自衛隊を動かす場合、国会の関与というのが当然あるんだろうと、このように思うわけでありますが、このような段階それぞれにおいて歯止めはなされていくと、こういうことではないかと、このように思うところでございます。
そして、最終的に法律ができた後は政策的な選択肢を選ぶかどうかということがあるわけでございまして、そこにおいて、日本と密接な関係があるかどうか等々、これは集団的自衛権の行使、解釈が変更ということになった場合の条件として提案がなされているところでございますが、そうしたものが当然入ってくるんだろうと、こういうことではないかと思います。

○委員長(金子原二郎君)

山田君、時間が来ていますから、ちゃんと答弁も考えて質問してください。

○山田太郎君

時間になりましたので、これぐらいにしたいと思います。ありがとうございました。