中央アジアの現状とODAがもつ意味とは(20141024)


今回私は、日本がODA(政府開発援助)を行っている中央アジア諸国を視察して参りました。ニュース報道からは見えてこない、中央アジアの現状と、ODAの意味とは一体何なのでしょうか。

■タジキスタンとアフガニスタン
最初に訪れたのは、タジキスタンの首都「ドゥシャンベ」。ここからアフガニスタン方面へひたすらに南下し、アメリカが作った「フレンドシップ大橋」へ。マスコミも大使館員も今まで行ったことが無いという、橋の間にあるアフガニスタン国境まで出向きました。(ここの映像を撮ったこと自体が本来スクープものです)橋へ向かう途中に、日本のODAによって作られた道路があり、そこは非常に整備されているのですが、それ以外の道路は未舗装の悪路が続いている状態です。そこを車で6時間。皆さんが想像されるような国会議員の「優雅な外遊」とはかけ離れた過酷な旅路が待っていました。

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タジキスタンはアフガニスタンと国境で接しているため、紛争が絶えないアフガニスタンから、タリバンを始めとする武装勢力が、いつ北上してきてもおかしくないような環境にあります。また、アフガニスタンからISAFの撤退が始まることで、様々なことが懸念されています。
※ISAF(アイサフ)とはNATOが統括するアフガニスタンの治安維持と支援を目的とした国際部隊

ISAFは2014年末までにアフガニスタンから撤退する予定です。これにより、これまで以上にアフガニスタンの政情不安が強まる可能性があります。このことで、これまで抑圧されていた、タリバンなどのイスラム過激派の動きが活発化することが予想されます。タリバンは、中央アジアをイスラム化すると明言しており、ISAFの撤退をきっかけに、タジキスタンも一気に緊迫した状況になる可能性が高いのです。

現在、アフガニスタンの経済を裏から支えていると言われるのが麻薬です。実はこの麻薬がタジキスタンを経由し、中央アジアからロシアへと流れているようなのです。この麻薬ルートを水際であるタジキスタンで抑えることが重要です。そのためにはタジキスタン南部のハトロン州経済の安定と住民の努力が必要です。もしもタジキスタンが経済不安を抱えたままの場合、こうした麻薬などの流通が止められず、地域住民が一気にアフガン化していく可能性があります。そのため、タジキスタンのアフガン化を防止するためには、タジキスタンが元々抱えている経済不安を、ODA等を通して支援していくことが大切です。

■トルコの大統領選とイスラム化
トルコのイスタンブールでもODAの視察を行いました。目的は日本のODAで作ったボスポラス海峡の地下を通る地下鉄のトンネル視察です。

ODA視察時には、大統領選を控えていたトルコですが、当選確実と言われているエルドアン首相は、トルコのイスラム化を強く進めている人物です。(現在は選挙の結果エルドアン首相が大統領に就任しました)

トルコは元々、トルコ近代化の父と呼ばれたアタテュルクの時代に、非イスラム化=ヨーロッパ寄りの政策をとってきました。しかし、エルドアン首相のイスラム化政策というのは、現在のトルコ、特に貧困層に支持されています。エルドアン大統領の誕生により、トルコが急速にイスラム化することが予想されます。トルコのみならず、現在イスラム圏にある国は、こうしたイスラム化への道を試行していると考えられ、政情不安へとつながっていくと思われます。こうした政情不安や国際問題を解消するためにも、日本や西洋諸国がODAを通じて各国に働きかけていく必要があります。

特定の宗教を否定するわけではないですし、そもそもイスラム化する、イスラム化しない、というのは、自国の内政の問題、一宗教の問題ですが、外国が干渉するべき問題ではないですが、イスラム化により女性への圧力が強くなるなど、様々な問題が懸念されるため、各国でしっかりとしたコミュニケーションを取り、経済協力をしていくことが重要です。また、日本は欧米諸国と違い、大戦中に中央アジアを植民地化しておりませんので、これらの地域に非常に信頼されています。

国際社会の一員として。同じアジアの一員として。「日本に出来ること」「日本にしか出来ないこと」をしっかりと考えていくことが重要なのではないでしょうか。