被害者置いてけぼりの悪法再び「リベンジポルノ」編(20141205)


最初に)
本法は11/18日に参議院にて法案が可決されました。それに先だって行われた参議院法務委員会での私の質疑はこちらをご覧下さい。質疑や附帯決議のなかで、えん罪が起こらないような重要な指摘も行っています

■リベンジポルノ対策法案
自民党の三原じゅん子議員が中心となり、議員立法として提出されたリベンジポルノ対策法案。
正しくは、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律案」といいますが、これがあまりにも酷い内容でしたので、少し紹介したいと思います。

■リベンジポルノとは
「リベンジポルノ」とは、簡単に言うと、男女が付き合っている時に撮った写真(裸や性行為中の写真など)を、別れた後に、それらの写真を仕返しのような形で、無断でインターネット上などに晒す行為を言います。
当然、自分の写真(ましてやそのような状態の写真)を晒された方の精神的苦痛や悲しみは、計り知れないと思います。私も、このような卑劣なやり方には断固反対です。今回の法律では、このようなリベンジポルノも含めてプライベートの性的な動画等を公表する行為を取り締まろうという法律です。

しかし、今回提出された「リベンジポルノ対策法案」は、規制の主旨が違うような気がしてなりません。

■見覚えのある規制
(法案の詳細については私のホームページ上で公開しておりますので是非御覧ください。)
 →https://taroyamada.jp/?p=5980

私がこの法案を見て最初に感じたものは、「またか」ということです。
内容について見て頂ければお分かりかと思いますが、「リベンジポルノ対策法案」というのは、私がこれまで反対を続けている「児童ポルノ規制法案」(以下、児ポ法)と定義が非常によく似ているのです。

児ポ法も、今回のリベンジポルノの法案も、「被害者」を救済しそのような行為をなくす為の規制ではなく、あくまで「ポルノ=性的な表現」を一方的に規制する法案であるということです。

以前児ポ法の際にも触れましたが(※)、法案の内容が「ポルノ」であることに焦点を置いている以上、例えば性行為中の女性の写真の場合でも、性器の部分などを黒塗りにさえすれば、その状況が明らかな場合であっても、規制から外れる=容認される、ということです。
(※児ポ法議論の時に参議院法務委員会で確認したポルノに当たらないもの
 ・性的虐待が実際に行われているが、顔のみを写した動画
 ・精液を顔にかけられた、服を来ている(裸ではない)写真
 ・性的虐待中の音声 等)
 
つまり、上記のような(穴だらけの)法案で指定する「ポルノである」という法規制さえクリアしてしまえば、いくらでも「リベンジ」することが出来てしまうのです。

この法案に何の意味があるのでしょうか。本来規制し守るべきものは何なのでしょうか。
「被害者」に目を向けずに、あくまで「ポルノ」を規制したいとしか思えない法律なのです。

児童ポルノにしてもリベンジポルノにしても、大事なことは、そういった被害を無くしていくことであり、そのための法規制を考え、議論するべきであると私は考えます。そういったことからも、見る側の視点である「ポルノ」という名称はこのような法律の略称としてはふさわしくないと思っています。