警察が法律を無視!? “通信の傍受を強化させる”というありえない実態とは?【第39回山田太郎ボイス】


■警察が通信の傍受強化を要請!法律に違反したその内容は?

もし、あなたの通信(ミニメール)が見られているとしたら…
仮に、それがネット犯罪を未然に防ごうという趣旨で行われているとしても、許される行為といえるでしょうか。今、現実的に、サイト事業者がミニメールのやりとりを監視する、というありえない事態が起こっています。

平成27年4月16日、警察庁(情報技術犯罪対策課・少年課)により出された下記の広報資料には、“警察庁が通信傍受の強化を要請する”という大きな問題が含まれています。

<参考資料>
「平成26年中の出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について」
https://www.npa.go.jp/cyber/statics/h26/h26_community-2.pdf

まず、資料の問題箇所についてご説明しましょう。
ひと昔前は、「出会い系サイト」が犯罪の源になるとして指摘されていました。しかし、最近は、コミュニティサイトが問題の中心となっており、資料の中に、犯罪を防止する対策のひとつとして下記の内容が掲載されています。

<参考>
3 今後の対策
(2)コミュニティサイト対策
〇サイト事業者の規模、提供しているサービスの態様に応じた児童被害防止対策の強化に向けた
働きかけの実施
・ミニメールの内容確認を始めとするサイト内監視体制の強化

上記の内容が、問題となる箇所ですが、「ミニメールにおけるやりとりの内容を確認すること」を強化するよう、既に警察庁が一部に指導しています。ミニメール、つまりコミュニティサイトの中にあるメール(サイト上で、メッセージを1対1でやりとりするサービス)が勝手に読まれてしまう、というこの実態は、実に大きな問題であると言わざるを得ません。なぜなら、憲法第21条には、「通信の秘密」がうたわれており、「人の通信をのぞき見てはいけない」という精神に違反していると考えられるからです。

■サイト事業者も法律に違反!?守られるべき通信の秘密とは

一般的に、ミニメールができるSNSやコミュニティサイトを運営している会社は、電気通信事業法第4条の「秘密の保護」という法律を守る義務があります。通信をのぞき見ることが出来るのは、本来は以下の2点のみに限られます。

①のぞき見ることをしなければ、本来のサービスが提供できない合理的な理由がある場合。

②利用者の同意を得た場合。この場合、きちんと明示し、相手が同意することが前提で、利用規約に中に小さく書いてあるだけなどでは認められません。

つまり、ミニメールの傍受が行われれば、警察およびサイト事業者は、電気通信事業法に違反していることになるのではないでしょうか?既に、平成21年以降、警察はサイト運営者に対して、口頭にて指導を出していますが、「表現の自由」「通信の秘密」をきちんと守っていかないと、近い将来恐ろしい社会となってしまうのではないでしょうか。

そうなる前に、警察庁が法律を無視している問題点を指摘し訴えるべきと考え、私は質問主意書などで内閣に問題提起をおこなう予定です。

また、単に警察が法律を破っていいのか、ということだけが問題ではありません。以前は、明らかにおかしな問題が起こった場合、いろいろな政党がそれを指摘する行為が見られましたが、最近は、どの政党も、そして誰も指摘しなくなっています。これは、とても恐ろしいことです。「国会議員がきちんと行政監視を行っていく」、つまり立法した法律を守らせるという“行政の監視体制”もやっていかなければならないと思っています。