山田太郎の基本政策


自由で寛容な社会と表現の自由を守る

マンガやアニメが海賊版によって大きな経済的損失を被っています。ブロッキングやダウンロード違法化など、ダウンロード側への対応が唯一の方法ではありません。海賊版のアップロード側への対応が重要です。アップロード側の責任を明らかにするために、プロバイダー責任制限法の改正や開示請求の裁判所の意思決定の迅速化が必要です。権利保護か利用促進か、拙速に答えを出すのではなく表現の自由を重視しバランスよく対策していく必要があります。

創作文化にとって重要な存在であるパロディや二次創作が日本では著作権法上、曖昧な立場におかれています。今後の裁判の結果次第では、パロディ、二次創作、同人活動、コスプレ等が大きな影響を受けます。原作者や原作、その関係者の経済的利益をしっかり守りながら、パロディや二次創作の完全合法化をして、安心して創作活動ができる環境を整えることを検討すべきです。

近年、日本のマンガ・アニメ・ゲームの表現に規制を掛けるべきとの国連など、海外から日本への働きかけが活発です。しかし、日本独自の文化に対して、欧米などから価値観の違いを押し付けられるべきではないと考えています。現に、浮世絵などは海外で高い評価を受けています。人権はグローバルであったとしても、文化はローカルであるべきだと考えます。

アニメの動画職は、平均年収が110万円程度、毎日の平均労働時間が11時間以上との調査結果があります。労働基準法と下請法の法的な抜け穴に置かれているからです。一方、アニメーション全体の売上が制作者に公正に配分されない問題なども指摘されています。法改正やガイドラインの厳格化、アニメ制作プロジェクト管理の適正化の支援も行っていく必要があります。

マンガ・アニメ・ゲームは、一度、制作が終わると、その原画やソフトウエア―の全てを完全に保存するということが非常に難しいのが現状です。「メディア芸術センター」を国立国会図書館の支部機関として創設し、日本のメディアアートや商業芸術などをアーカイブ(収集、保存)し修復、展示、調査研究、情報提供、人材育成と交流等に役立たせていきます。日本のコンテンツ産業を、世界を相手に戦っていける成長産業につなげる、その拠点としての役割を担うことになるでしょう。

100cmからの優しい社会の実現

児童虐待の痛ましい事件が立て続けに起こっています。児童相談所と警察の連携が叫ばれていますが、虐待や児童養護で第一に守るべきなのは、傷ついた子どもであって、虐待した親などを罰するのが第一義ではありません。そして、虐待された子どもを施設に送れば問題が解決するのではありません。その子をどうやって保護し、育てていくのかが重要です。

私は、国内に留まらずドイツ・オランダ・イギリス・韓国などの児童養護の実態を詳細に現地・比較調査してきました。それらの現状を踏まえて2016年「子ども庁(仮称)創設」について、安倍総理と菅官房長官へ要望書を提出しています。

児童養護で子どもを守るということは、虐待からの保護の側面ばかりではなく、その後の長期にわたる養育や育成を考える必要があります。そのためには、児童養護施設中心から家庭養護へと日本の児童養護の基本方針を転換すべです。家庭養護とは、里親や特別養子縁組などを活用し、児童養護施設での複数の「先生」がいる状況から、特定の「親」に育てられ、「家庭での養育の感触」を子ども一人ひとりが体感する状況を作ることです。

こういった受け皿の充実で、前線で児童虐待の問題に取りくむ児童相談所も、施設のほかに受け皿の選択肢が増え、保護や措置の判断がしやすくなります。更に、民法に踏み込んで親権の在り方についての議論も併せて必要だと考えています。

 これからの日本社会は、障がい者と健常者が社会の中でお互いに共生していく「皆働(かいどう)社会」の実現が必要です。障がいには知的・精神・心身の3種類がありますが、知的障がい者がより社会に溶け込むことが難しいとされています。この知的障がい者の共生と自立に向け、積極的な教育と雇用の新しい仕組みの支援の必要性があります。

 知的障がい者の中にも、特化した才能があるのに発揮する場、自覚する場を持てないでいる人がいます。知的障がい者が特別支援学校を出て就職する前に、就業支援とは別に通える「知的障がい者のカレッジ(福祉型教育支援の大学)」を創設し、自分の得意分野を見つけ、自信を持つ教育を受けてから就職する流れを作るべきです。その第一歩として、国公立大学で知的障がい者向けのクラスを作り、一定量の知的障がい者を受け入れ、健常者とも共に学ぶ機会をつくることから始めるべきです。

障がい者雇用については、一定の企業には2%以上の法定雇用率が設けられています。しかし、障がい者を雇うのが得意な企業とそうでない企業や職種があるのも事実です。実際、多くの民間企業や官公庁で未達であったことが報告されています。そこで、障がい者の雇用が得意な会社が不得意な会社の雇用を補う分、得意な会社の生み出したサービスや商品を買ってもらう「ハートフルポイント制度」を提案しています。

将来不安の解消

私は教育者として、東大や早大・東工大などの大学で教鞭をとり多くの学生と接する中で、若い世代の価値観や、年金、健康、医療、介護、雇用、結婚、子育てなど、様々な将来や社会への不安の声を耳にしてきました。政治の最大の責務の一つは、これらの国民の将来不安の解消にあると考えています。

少子高齢化の時代の中で、将来、本当に年金が支給されるのかという不安が若者の中に広がっています。年金を始めとする日本の将来の社会保障制度に対する国民の安定感と信頼感が回復するかがポイントです。そして、国民負担率を引き上げたあと、社会保障制度が将来的に持続可能な制度になるのかどうか、さらなる負担を求められるのではないか、という懸念も国民の中では根強くあり、これらを解消しなくてはなりません。

私は、これまで高福祉高負担と言われている北欧各国に対して独自の現地調査を行ってきました。例えば、スウェーデンでは、納めた社会保障費がどのように使われているか透明性が高く、国民が納得できる仕組みに特徴があります。必ずしも北欧と日本で目指しているものは同じではありませんが、北欧の制度も参考にしながら、年金は税なのか保険なのかの議論を踏まえ、日本の社会保障制度の在り方を検討するべきです。

日本の介護制度の問題点は、要支援状態から要介護状態へ進行を防ぎ、逆に好転させるという自立支援の考え方が弱く、結果、高齢者の多くを寝たきりにさせてしまことです。本来の自立支援とは、要支援状態から要介護状態へ進行、そして悪化して介護から抜けられない状況を作らないよう、自立を見据えたリハビリの仕組みを提供することです。そのためには、特別養護老人ホームの機能の見直しも必要です。

国民の4人に1人以上が罹患しているという花粉症。その花粉症の原因は戦後、積極的に植林したスギやヒノキが安価な輸入木材に押され放置されたことです。花粉症を解決する為には、スギやヒノキの伐採が効果的です。治山治水などに注意しながら針葉樹中心の山から日本古来の里山である広葉樹の森に戻したり、針広混交林化を進めたりしていくのです。また、無花粉スギ・少花粉スギの植林や菌類を用いた花粉飛散防止技術を実施し、伐採需要を増やすためにCLT(直交材)を始めとした国産材の需要創出も必要です。

こうした施策を促進するために内閣府に花粉症撲滅の総合対策本部を作るべきです。林業振興を命題とする農水省だけの管轄では動きがとりづらいからです。

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たくましい経済で前向きで希望が持てる国へ

令和の時代に入り、今後の日本経済の成長を考えた時、足元では2019年問題すなわち、消費税増税(景気マイナス8兆円規模)、労働基準法見直しによる残業代の減少(マイナス8兆円規模)、オリンピックまでの建築需要の終了という、直近のGDP成長には数々のマイナスの要因があります。

どの時代にも当てはまる正しく普遍的な経済理論というのは存在しないと思います。しかし、今、日本を改めて経済成長路線に再び乗せるために、GDPの増加を目指し、日本の再成長に繋がる官民の積極投資を行うことが必要だと考えます。

家計消費の刺激、民間企業の投資と需要創造、政府の公共投資、純輸出の増加を積極的に行う政策を検討し実施すべきです。有効な需要を作ることで、GDPを向上させるのです。また、その需要に対応するため、生産性を向上させる投資を誘発する必要があり、オリンピック後の経済発展の国のグランドデザインを官民一体となって作成することも急がれます。

 労働時間と労働人口が減少する中で生産性の向上は必須です。主役は民間投資ですが、危機的な状況下においては、政府のインフラ投資による民間の生産性の向上策も一つの手法です。日本は、労働人口の減少、雇用のミスマッチなどで人手不足が深刻な状況です。しかし、この状況を打開することは、設備投資等の再投資のきっかけにもなり、結果としてGDP拡大につながる可能性があります。

将来、その効果が民間セクターの成長につながり、利益や税収で投資が回収できるような事業分野においては、プライマリーバランスを意識しながらも、政府支出を積極的に行うことで生産性を向上させることも検討するべきです。想定される投資分野は、教育インフラ、国土強靭化と地域活性化投資など長期分野や、AIやロボット、インダストリー4.0社会の実現でITの取引インフラを整備する分野などです。地域経済を活性化させるためには、地産地消を促進し、地域の新しい需要を生み出すための地域ベンチャーの育成も必要でしょう。

 国内成長において、もう一つ大切なことは、教育による国民一人ひとりの将来への希望や期待が高まり、労働生産性の向上が起こることです。日本の労働生産性は、先進7ヶ国の中で最低と指摘されています。生産性向上により実質賃金を上げるためには、生産性革命と人づくり革命を同時に行うことが必要です。そのためには、一人一人の生産性(技術力を含む)を上げるために国民のITや英語リテラシーの徹底、高等教育の高度化などが考えられます。

海外に向けて、日本は、純輸出の拡大でGDPの増加を見込むことができます。そのためには、日本企業はニッチ市場(利益は見込めるが小さな市場)ばかりで収益を拡大するのではなく、今後の新興国市場にも対応したグローバルマス市場(利益の総額が見込める大きな市場)への拡大を狙う必要もあるでしょう。政府は、グローバルマスへの海外進出支援をしっかり行うべきです。更に日本経済の根底を支える中小企業対策として、IoTインフラを拡充し、輸出の際に特に生ずる大企業と中小企業との格差をなくすこと、クールジャパンの促進なども有効な手段となります。

ネット時代の新たな社会への対応

今日、ネットやそのテクノロジーは社会に大きな恩恵を与えた一方、「ネットいじめ」、名誉毀損、詐欺など深刻な問題が発生しています。「忘れられる権利」や海賊版への対応策なども盛んに議論されています。しかし、日本の法体系や制度はネット時代への変化に対応できず旧態依然です。

ネット社会を考える場合、大切なことは、ネットの本質は自由ということです。同時に、自由には責任が伴います。この自由と責任のバランスをとることが現代ではとても大切です。そして自由に活動することを制約する法律の修正と自由の結果としてネット社会で弱者となる人を保護するための法律や施策が必要です。

ネット時代の匿名性から来る問題への対策は喫緊の課題です。ネット情報の匿名性、「発信勝ち、発信され負け」という状況を解決するためには、情報の受け手と発信者の間のフェアな関係を創る必要があります。「ディスカバリー制度(発信者情報開示制度)」や「サピーナ制度(罰則付き召喚状)」など米国の制度を参考にして、日本でもプロバイダー責任制限法などの改正が必要です。裁判所の判断を専門的かつ迅速な対応をするために「IT&ネット専門の高等裁判所」の設立も一つのアイデアです。

ネットの新技術についてFinTechの促進、会社設立や新事業立上げを目的とするクラウドファンディングの整備、個人間送金等の資金決済手段の拡充、IoT情報利用の法整備などが必要です。また、日本の法体系全体がオプトイン(法律明記事項以外原則禁止)の考え方であるため、日本の検索ソフトの開発、P2P技術、人工知能、IoT技術等、新しいネット時代の技術開発の足かせになってきたという指摘があります。今後の技術発展や個人情報保護のため、民法や刑法を含めた包括的な見直しが必要です。

巨大情報流通企業がネット上の情報を独占し、情報を独自基準でコントロールする問題などが指摘されています。こういった情報流通企業は電気やガス・水道やプロバイダーと同等かそれ以上の公共的な重要インフラとしての機能を有しています。こういった企業がネット上の全ての情報や利益を独占しないよう、流通情報を不当に排除しないように情報インフラ企業として果たすべき役割についても議論を進めていくべきです。

時代に合わせて、行政と政治の在り方も変化すると考えらえます。eガバメントで行政を効率化、民間へのサービスレベル上げたり、若者の選挙参加や投票率の向上を目指してネット投票などを導入したりする必要もあるでしょう。その他、立法や行政にはクラウド時代の法整備、ネット技術利用のノーアクションレター(法律適用の事前確認)、ネット犯罪に対する捜査機関の専門性向上も必要です。