2014.4.9

旧政府倉庫問題、公務員宿舎借り上げ問題、南極捕鯨問題について、質疑を行いました

4月3日、参議院農林水産委員会にて質疑を行いました。

議事録

○山田太郎君
みんなの党の山田太郎でございます。
 本日は、南極における捕鯨の問題と、それから旧政府倉庫の問題、それから官舎借り上げの問題について少し質疑させていただこうと思っております。
 ちょっと、まず冒頭、確認とお願いというか、お話をしたいのが、実はこの南極における捕鯨の問題、取り上げようというふうに思いまして、昨日、質疑レクを実は担当の方、来ていただきました。今朝、ちょっと新聞を見てびっくりしたのでありますけれども、自民党の議連の方には水産庁長官が十二時にはこの南極海での調査捕鯨は中止するというふうに発表しているとなっています。ただ、私どものレクでは十四時に来られたわけでありまして、そのときの水産庁の国際課の調査官、それから課長さん、課長補佐さんの間では、私たちには今後の南極海調査捕鯨をやるかどうかいまだ決まっていないと、判決をよく分析して検討するという御説明でありました。
 自民党の議連の方には本当のことを説明して、野党には検討中だと言うのは大変不誠実な対応だと思います。又は、担当のいわゆる課長さんとか課長補佐さんたちが、長官が自民党の議連で言うことを知らなかったということもちょっと考えられませんので、今後こういうことはないようにしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)
水産庁長官、呼んでいただければ御本人からあるいは事実関係の説明できたかと思いますが、今ちょっと事実関係をお聞きして、これ、先ほどの徳永委員、それから小川委員からも御指摘をいただいていろいろお話ししたときに申し上げたんですが、判決がかなり分厚いものが出てきておりまして、これを慎重に検討すると、このことについては全体として分かっていたわけですが、その中で、先ほどたしか手続の説明を長官からいたしましたけれども、その辺りについて、ルールがそうなっているということと、それをどういうふうに対外的に申し上げるかということについて意思の統一が、判決直後であったということもあってなされていなかったのかなと、こう思いますが、二時間のずれではありますけれども、前後関係としては山田先生おっしゃるとおりですので、今後こういうことがないようにしっかりと対応したいと思います。

○山田太郎君
ありがとうございます。委員会の質疑とか国民への説明というのもありますから、どうかよろしくお願いします。
 さて、南極における捕鯨の問題、やっていきたいんですが、ちょっと質疑の順番変えたいと思うので、お手元に資料をお配りさせていただきます。
 三枚目を見ていただきたいんですが、この際なので、今、鯨肉の状況はどうなのかということもきちっと質疑しておきたいなというふうに思っております。今回の結果は結果として、今後どうしていくかということが一つ重要だというふうに思っておりますので、その話もやりたいと思いますが、まず、在庫量ですとか消費量ですとか見ていただきたいと思っております。
 特に私自身気になっておりますのは、先ほど小川委員の方からもいろいろ御指摘ありましたが、消費量、実は落ちてきていて、かつ、こういうことがあって今後鯨が捕れないかもしれないという話になりますと、何だ、もう鯨肉は食べられないんだというふうに、国外ばかりではなくて国内の方からも鯨肉を食べる文化が変わってきてしまうという危惧もすごく持っております。
 そういった意味で、総合的にどう考えていくかというようなことは特に早急に対処しなければならないのかなと、こんなふうにも考えておりますが、まずそういった意味において、しっかりこのいわゆる今の例えば国内での消費量それから在庫量ですね、この辺りを確認しておきたいと思います。
 特に、問題意識といたしましては、もし今回、南極の方で捕れないとすると水揚げ量が減るわけでありますから、在庫を出すとかそういうことも考えなきゃいけないと思いますので、その辺のバランス等も含めて、一応資料は用意しましたけれども、改めてお伺いしたいと思います。

○大臣政務官(横山信一君)
平成二十四年の我が国の鯨類捕獲調査及び小型捕鯨による鯨類の捕獲頭数は六百七十三頭になっております。また、国内の推定消費量は四千五百九十一トン、輸入量は八百七十八トン、年末の在庫量は四千七百二十一トンとなっているところでございます。
 御指摘のありました南氷洋での調査捕鯨ができなくなった場合、この南極海で生産をされている量は国内供給量の約二割でございまして、その部分が国内流通から消えるということになりますが、国内供給量は北西太平洋における調査捕鯨、あるいはまた沿岸小型捕鯨の生産量によっても変化をいたします。また、需要についても変化をすることが予想されますので、その影響については一概には言えないというふうに考えております。

○山田太郎君
今御答弁あったようなことであるのであれば、しっかり広報していただいて、今二割の部分、しかも在庫がまだたまっているので、逆に鯨の値段が上がるなんていう話を記事にまた書かれますと、非常にまたこの食文化、危機になりますので、やっぱり情報をどうやって出していくかということが一つ重要だと思っております。
 もう一つ、今回、判決に関わっているかどうかは分かりませんけれども、調査捕鯨の実態はどうだったのかということもポイントだと思っています。特に、今回、その調査捕鯨を実施しております日本鯨類研究所、これは一般財団法人でございますけれども、そことの関係がどうだったのか、そこも含めて国がきちっと国内外にいわゆる捕鯨調査に関してしっかり効果的に情報を提供できていたのかどうか、こんなことも実は問われているのではないかなというふうに思っております。
 そこで、まず予算の辺りから、国会の審議でもありますから、これを機会に少し質疑していきたいと思いますけれども、実は、この日本捕鯨研究所の調査捕鯨に対してかなり多くの予算を使っています。平成二十三年では実は評判の悪い復興予算の流用なんというものもここに使われたということも報告受けておるわけでありますが、これまで、いわゆる平成二十三年から始まった国費投入ですね、先ほど長官の方からはお金も掛けてやってきたんだよという御発言もあったようですけれども、では、平成二十六年までの総額で幾らぐらい使ってこられたのか、この多額な国費投入は何のために使ってきたのか、この辺りも併せてお答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)
日本鯨類研究所の行う調査捕鯨につきましては、妨害活動への対応として、平成二十三年度七億円、二十四年度十億円、二十五年度七億円。それから、鯨類資源の目視調査、国内流通鯨肉のDNA調査の経費ということで、二十三年、二十四年、二十五年度それぞれ三・五億円。それから、鯨類捕獲調査を安定的に実施するものとして平成二十三年度二十三億円と、これを国が支援をしておるところでございます。平成二十六年度についても、妨害活動への対応及び目視調査やDNA検査の対応として平成二十五年度同様の予算措置をしておるところでございます。このほか、鯨類捕獲調査改革推進事業ということで、平成二十四年度は四十五億円を投入しておりますが、今後、販売収入を基金に返還をするということになっております。これらは、鯨肉の販売収入により調査費用を賄うこととしている調査捕鯨を継続的に行うために必要な費用として支援をしているところでございます。

○山田太郎君 
そのお金が十分かつ効果的に使われたのかということもありますが、もう一つ、今大臣の方からも御答弁ありましたように、この平成二十四年の四十五億円、もうかる漁業創設支援事業という助成金があります。これは確かに販売費用の中から返還されるということですが、仮に販売で返還ができなくなった場合にも残金は九割返さなくていいという仕組みにもなっておりまして、では、じゃ、本当に返ってくるのかなということもしっかり国民から預かったお金でもありますので質疑する必要があるかと思います。
 これからということかもしれませんけれども、今回の調査捕鯨中止の判決を受けまして、では、一体国民負担というのはどれぐらいになるのか。実は、これ、初年度、平成二十四年の十二月から平成二十六年九月が一クールのいわゆる捕鯨の決算というかタイミングでありますから、ということは九月には確定するということで、もしそれで国民に対する負担をいわゆる還元することであれば、もうそろそろ在庫を放出するとか、いろんなことも手として考えなきゃいけないと思うんですけれども、その辺り、御見解はいかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 
この鯨類捕獲調査改革推進事業ですが、これは、三年を期間とする改革計画というのを作って、毎年度赤字が生じた場合は赤字の十分の一を返還するという仕組みになっております。
 今回のICJの判決を受けまして第二期南極海鯨類捕獲調査は中止することとなりますが、その場合における鯨類捕獲調査改革推進事業の取扱いについては、この判決の内容を慎重に精査をして早急に検討しなければならないと思っております。

○山田太郎君 
もう一つちょっと突っ込んでお話ししますが、これから検討ということですけれども、できるだけこれは販売費の中から返還していくというそもそもの仕組みでもありますので、是非、大臣としてはもう一歩踏み込んで、何とか国民負担がこれによって増えないようにと、今回のいわゆる捕鯨の判決の見通しが甘かったのは政府のせいじゃないかという声もあったんですけれども、その辺の御答弁ももう一度いただきたいんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 
判決につきましては先ほど申し上げたように大変残念なことで失望しておりますが、これは法治国家でありますのでしっかりと受け止めるということでございます。
 今の事業の仕組みは、申し上げたとおり赤字が生じた場合は十分の一を返還する仕組みと、こういうふうになっておるところでございますが、これは税金でございますので、なるべくそういうことのないようにしていくというのは当然の考え方であります。
 一方で、先ほど小川委員からも御指摘があったように、これはそもそも調査捕鯨というのは国の仕事としてやっているので国費でやるべきではないかという御意見も方々から聞かれておるところでございますので、今の山田先生のような御意見や先ほどの御意見等もいろいろ踏まえながらしっかりと検討したいと、こういうふうに思います。

○山田太郎君 
もう一つ、この調査捕鯨をめぐる話について、まさにこの百億円の国費投入を受けている日本鯨類研究所についてお伺いしたいと思うんですが、実はこの調査捕鯨に関する国費のほとんどが共同船舶株式会社という船会社の事業の活動に実は使われています。この日本鯨類研究所はこの共同船舶会社と随意契約を、用船契約を結んでおりまして、まさに下請のような構造になっているわけですね。
 そこでちょっと気になりましたので調べさせていただきましたところ、日本鯨類研究所の役員名簿を見ますと、この下請になっているところの共同船舶の社長さんがそこのいわゆる研究所の発注者側の理事に名前を連ねていると、こういう構造になっているわけですね。まさに公金を受領する財団法人の役員に仕事を発注する会社の社長さんが理事として法人の経営、運営に参画しているというのはいかがなものかというふうに思います。昨今、独法もJEEDの問題が非常に今大きな問題になっております。くれぐれもあらぬ誤解を得ないように、この辺り今後見直していただきたいと。
 やっぱり、そうなってくると、調査捕鯨にも何か甘さがあったんではないかとか、要は情報発信とか効果的なものができなかった要因はこういうところにもあるんではないかというふうに誤解されてしまうと思いますから、是非そういったことも含めて、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)
先ほどちょっと申し上げたように、私は党の議連の幹事長もやっておりますので少し中身もお話しさせていただきますと、まず我が国で母船式の船舶、これを持っているのがこの共同船舶のみということがございます。したがって、この調査捕鯨の実施主体である鯨研、鯨類研究所ですが、これは共同船舶から用船することが必要であると、そこはそういうふうに認識をしておるところでございます。
 したがって、今委員から御指摘のあったように、あらぬ誤解を招かぬようにと、こういうことでありますので、まず鯨研と共同船舶の役員において三名が両組織の役員を兼務しておるところでございますが、これはかつてモラトリアムが始まる前の商業捕鯨華やかなりし頃と比べると、調査捕鯨になって全体の規模も随分縮小しておりますので、この調査捕鯨の知識を有しているという人材がなかなか少ないわけでございます。そういう中で円滑な実施に必要な役員の確保を図るための措置であり、一方の組織の常勤の役員は他方においては無給の非常勤役員としておるところでございます。さらに、この組織の間で取引ということが行われるわけでございますので、その場合は、両組織の役員会等で審議を行う場合は、当該兼任役員はその審議に加わらないか、仮に審議に加わるときは議決権を与えないと、こういう措置をとることによって利益相反が起こらない、またそういう指摘がいただかないようにしておるところでございます。

○山田太郎君
大事な時期ですし、もちろん随意契約でここしかないということは承知をしておるんですが、やっぱりこういうときだからこそ緊張感を持ってということでお願い是非したいと思っております。
 さて、旧政府倉庫の話に移っていきたいと思います。
 まさに消費税が始まりましたけれども、一方で、我々自身、その前に予算の無駄というか、やるべきことがあるだろうということを訴えております。
 そんな中でも、農林水産省さんの所管のいわゆる食料安定供給特会の中の普通財産の処分という辺りについて質疑をさせていただきたいんですが、皆さん御案内のとおり、国有財産は行政財産と普通財産と分かれております。行政財産の方はもちろん行政目的に使われるということでありますが、普通財産の方はどちらかというと用途が決まっていないというか、土地であれば一種の空き地になっているような部分もありまして、基本的にこの普通財産については処分をしていくと、それで代金を国庫に返納していくと、こういうことが政府の方でも方向性決められているんじゃないかなというふうに思っております。
 そんな中で、まず、財務省、今日来ていただいていると思いますが、平成二十四年度の末の数字で国の特別会計に所属する土地、建物全体の金額と農林水産省所管の特別会計に所属する土地、建物の合計金額を会計別に教えていただけますでしょうか。

○大臣政務官(山本博司君)
平成二十四年度末時点の台帳価格によりますと、特別会計所属の普通財産のうち、土地の合計額は約千三百二億円、建物の合計額は約百六十三億円でございます。このうち、食料安定供給特別会計に所属する土地は約二百三十二億円、建物は約七十億円でございます。

○山田太郎君
今日お配りした一枚目の紙が多分その説明にも当たると思うんですが、今の御発言の中で、こういった財産、特に特別会計の普通財産に関して内閣を挙げて売却を進めるということだと思いますけれども、この辺りの方針、財務省いかがでしょうか。

○大臣政務官(山本博司君)
平成二十四年八月、政府の行政改革実行本部におきまして決定されました国有資産及び独立行政法人が保有する資産の売却等に係る工程表におきましては、平成二十八年度末までの間に売却等による収入の合計額が五千億円以上となることを目安として必要な措置に取り組んでいくこととされております。
 特別会計所属の普通財産につきましては、各省庁におきまして工程表に沿って売却等が進められているものと認識をしております。

○山田太郎君
もう一度資料を見ていただくと、財政金融特会の土地、建物は六百億ぐらい。これはもう近々ほとんど売却される予定のものだというふうにお伺いしておりますけれども、それ以外、社会資本整備特会は今年から一般会計になりましたので、それを除くと、食料安定特会の土地、建物三百億というのは断トツな金額なんですね。その中身は何かといいますと、食管制度がありました、米の倉庫だった土地と建物、旧政府倉庫と言われるようなものが中身だと思います。これを調べましたところ、全国に十二か所ありまして、長いものですと二十年以上放置されていると、こういうことであります。
 旧政府倉庫に掛かる維持費というのは、分かる範囲で結構なんですけれども、どれぐらい維持費に掛かっているんでしょうか、お答えいただけますでしょうか。

○大臣政務官(横山信一君)
平成二十年度から平成二十四年度までの五年間におきまして、会計検査院の決算検査報告で指摘を受けた十一の旧政府倉庫等の維持管理に要した費用は約三千万でございます。

○山田太郎君
不要な土地とか建物を持っているだけでお金掛かりますから、一刻も、処分されるというのが常識なんですけれども、なかなか農水省さん、これを放置してきたと。考えてみれば、これを売って売却益が入りますと一般会計からも予算が減らされちゃうと、こういう構造になっているとちっともやらないということになるかと思います。
 実は、これは会計検査院の方からもこの旧政府倉庫に関しては指摘を受けておりまして、会計検査院から昨年の十月二十四日付けの文書で、農水大臣宛てに意見の表示というもの、言わば警告がなされております。
 平成二十四年度の決算検査報告にも記載されるところとなっておるんですけれども、実はこの決算報告の四百二十ページに「本院が表示する意見」ということでかなり厳しい意見が警告として出されております。その一つが例えば、地方農政局において旧政府倉庫等の処分に向けての具体的かつ詳細な計画を策定しなさいと、計画を出しなさいと、こういうことにまずなっているんですが、この辺の計画はいかがになっているでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 
委員が今御紹介いただいたように、平成二十四年度の決算検査報告においては幾つか指摘をなされておりまして、その一つが、地方農政局において具体的かつ詳細な処分計画の策定をしなさいと、こういうことでありました。
 これを受けまして、農林水産省としては、昨年九月に普通財産の取扱要領、正確に言いますと、食料安定供給特別会計(食糧管理勘定及び業務勘定)所属普通財産の取扱要領ということですが、これを改正をしまして、地方農政局等による各倉庫ごとの処分スケジュール表の作成、本省による定期、統一的な進行管理、地方自治体と協議等を行う際の目標期限の設定等の早期処分を図るための措置を講じたところでございます。

○山田太郎君 
今大臣がおっしゃられた、本庁においては統一的な進行管理及び地方農政局に対する指導も行いなさいと、こういった警告もなされているということでありますが、では、この指摘を受けて具体的にどのような対応を農水省さんとしてはされたんでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)
この各地方農政局において、昨年の九月に今申し上げました改正しました普通財産の取扱要領に基づきまして処分等の工程表や処分等に係る折衝状況を作成しまして、定期的に農林水産本省に提出することにしたところであります。
 この中身でございますが、これ将来的に処分をしていきます。したがって、旧政府倉庫等の入札等で処分をやっていこうということが想定される中で、この入札の前にこの中身、関連情報を提供をするということになりますと公正な入札の実施に支障が生じるおそれがあるということ、それからさらに、対外的に公表することを前提としない関係機関との協議、折衝状況、これも実はそういう地方農政局から来ておるものには記載をされております。したがって、この具体的な内容についてはこの場で提出、お話しすることは適当でないと、こういうふうに考えております。

○山田太郎君
それだと、会計検査院が警告をしてどう対処しているかということは、やっぱり国会のチェックの必要性はあるかと思っています。私も実は決算委員でもありますので、そこで詳細は譲って議論させていただきたいと思いますけど、ただ、いずれにしても、その進行状況ですとかある程度の中身はやっぱり国会には報告していただきたい。もちろん、入札価格とかその時期を詳細に出せと言っているわけではありませんので、しっかりやっているかどうかということが我々国会議員としてもチェックできるかどうかということですので、またそれは決算委員会でしっかりやりたいと思います。
 それで、今もう一つ気になりましたのは、地方農政局へのいわゆる通達等をきちっと文書等を含めてやったのかどうかといったところがありますけれども、その辺り、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)
これは、平成二十三年の十一月二十九日付けで作りました生産局長通知を昨年の九月五日に改正をしておりまして、その旨、関係の地方農政局にも通知をしたというところでございます。

○山田太郎君 
文書で、私どものレクに対しては、農政局への文書は出していないというような内容であったんで、ちょっと今日の御答弁びっくりしたんですけれども、そうであればきちっと徹底していただきたいということと、もう一つ、この警告文書の中には、あらかじめ具体的な期限を設定して、必要以上に時間を費やすことがないようにと、かなりこの辺も厳しく会計検査院の方もメッセージ一つ上げていますので、是非どうかよろしくお願いします。
 さて、最後、時間が少なくなってきましたので、借り上げ宿舎の問題について移っていきたいと思っています。
 国家公務員宿舎の中には、自前の宿舎と同時に、借り上げ宿舎があります。まず、財務省に借り上げ宿舎の状況につきまして、平成二十四年九月の数字で、全体の数と、農水省さんの借り上げ宿舎の戸数、そしてその借り上げ宿舎についての政府の方針ということをお答えいただけますでしょうか。

○大臣政務官(山本博司君)
平成二十四年九月現在におきまして、全国に所在をする国家公務員宿舎は約二十万一千戸でございます。そのうち、民間等からの借り上げによる宿舎を確保しているものは約二万六千戸となっております。
 なお、農林水産省所管の省庁別宿舎は全体で約八千戸、そのうち借り上げは約千八百戸となっております。
 国家公務員宿舎につきましては、平成二十三年十二月に取りまとめられました国家公務員宿舎の削減計画におきまして、真に公務のために必要なものに限定をし、借り上げ宿舎も含めました宿舎戸数を、平成二十一年九月時点の二十一万八千戸から平成二十八年度を目途に十六万三千戸まで、五万六千戸、二五・五%程度を削減することとしております。

○山田太郎君
二枚目のお手元の資料を見ていただきたいと思うんですが、まさに、これも農水省さんが段トツで借り上げ宿舎分というのが多いんですね。これ、役所が支払う借り上げ料と入居者が支払う家賃だと逆ざやが発生しておりまして、これ、お手元の資料の方、下の方を見ていただくと分かるんですが、平成二十四年度で実に十億円ぐらいの税金が借り上げ宿舎のためにつぎ込まれていると思います。
 どうして農水省さんは他の省庁さんに比べて借り上げ宿舎がこんなにも多く必要なのかと。防衛上の問題で自衛隊さんとかが多いのは何となく理解できるんですけど、その辺りを教えていただけますでしょうか。

○大臣政務官(横山信一君)
国家公務員宿舎につきましては、平成二十三年十二月に策定されました国家公務員宿舎の削減計画におきまして、真に公務のために必要な宿舎に限定するということにされておりまして、農林水産省といたしましても、平成二十三年九月から平成二十九年三月までの五年半で、宿舎戸数を約三割削減するとともに、本年四月から使用料を段階的に引き上げ、平成三十年度以降、宿舎に関わる歳出におおむね見合う歳入を得ることとしております。

○山田太郎君
私の質問は、特に何で農水省さんが多いのかなというようなところをお伺いしたんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)
今政務官から答弁いたしましたように、きちっとこの全体の計画に対応して減らしてきたところですが、先ほど委員からお話があったように、ほかのところと比較するとこの数字が多いと。一つは、防衛省に続いて職員の数がそもそも多いということはあるんだと思いますが、その中でもやっぱり地方で仕事をするというところが非常に多いわけでございまして、例えば国営のかんがい排水事業を行う事業所ですとか、それから森林管理署等の勤務の職員ということで、そういう方のための借受け等による宿舎を設置しているところでございます。
 必ずしもそういうところは、農村部、山間部でありまして、都心のような民間住宅物件が余り多くないと、こういう事情も考慮して、業務環境の整備のために借り上げをして職員が確実に居住できるようにしている事情があるということでございます。

○山田太郎君
であれば、現場の工事の方々は車で通ってきていたりしていると多分思いますので、しっかり現状を調べていただいて、本当に必要なのかどうかということについては精査していただきたいと。先ほどの旧政府倉庫であったり、こういう問題、農水省さん、特に遅れているというふうに思われてはなりませんので、是非そういった意味でスピーディーに、いわゆる政府の方針も出ているわけですから、対処していただければなというふうに思っております。
 それから最後、その借り上げの問題に関しては、できれば直接オーナーと契約していただいてその部分を負担すると、要は、ということになりますと、政府は一定の基準で家賃を払うということになっちゃいますから、特にこれ、借り上げの安い物件を探すとか努力が今後必要だと思うんですね。その辺り、この問題について、もう一度最後大臣から、どのようにされていくのか、御意見いただけますでしょうか。

○国務大臣(林芳正君)
これは、つまるところ税金でございますので、しっかりと国民負担の低減に努めるということが重要であります。それと公務員が国家国民のため積極的にきちっと働ける環境と、これをどう両立させるかと、こういうことであろうかと、こういうふうに思っております。
 これまでも、先ほど政務官から答弁ありましたように、全体の基準に従ってやってきたところでございますし、それに加えて、経費節減ということで、赴任してくる職員の年齢層、単身、世帯の別などを考慮に入れて、できる限り長期間借り上げることが可能な間取り等の物件を借り上げの対象として、そのことによって契約コストを節減する。また、個別の部屋をばらばらに借りるのではなくて、四月などの異動期に合わせて例えば一棟ごと借り上げるなど、まとめるということができるように、日頃から近隣の不動産情報や家主とのコンタクトを取るということに努めてきたところでありまして、こういう地道な努力をしっかりと続けていくことも併せてやっていきたいと思っております。

○山田太郎君
時間が来ました。引き続き決算委員会なんかもありますので続けていきたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。