2019.9.26

あいちトリエンナーレの補助金全額不交付の件

本日(9月26日)、文化庁の地域文化創生本部より愛知トリエンナーレの補助金全額不交付の件についてヒアリングを実施しました

文化庁の説明は

  • 愛知県(申請主体)の事務局が来場者や関係者などへの危険を予知していたにもかかわらず、申請の段階で文化庁に報告しなかったことが不交付決定の理由である
  • 今回の決定は、表現の不自由展の展示物についての問題ではなく、申請における形式上の瑕疵の問題である
  • 官邸や文科省政務三役、国会議員などによる政治的な影響はまったく受けず、文化庁の中でのみ検討し決定した

とのこと

問題点としては

  • 既に補助事業としての採択(「内示」相当)をしているにもかかわらず、「危険予知が出来ていなかった」ことだけを理由に補助金不交付の決定をした
  • 開催前に補助金交付決定がなされるべきであったと思われるが、補助金交付申請の標準で審査にかかる30日を超えて、事業開始までに交付決定がされていなかった
    (正式に補助金交付の決定がなされてから補助事業を実施すべきであったが、その「内示」段階で補助事業を開始した。「交付決定の取消し」(補助金適正化法17条)は、「不交付の決定」(同法6条)よりも法律上要件が厳しく、正式な補助金交付決定がなされていたとすれば、補助金を払わないという今回のような判断にならなかった可能性がある)

ことである

展示が始まっているにもかかわらず、危険予知を報告しなかったということを理由に補助金交付の決定をしなかったということは、今後の補助金事業についての悪影響も懸念され慎重さを欠いた判断であり、問題があります

今後は、愛知県が「合理的な理由があるのかということについて、国と地方の係争処理委員会で理由を聞くことになる」とのことですので、経緯を見守りたいと思います

文化庁からの提出資料(PDF)