2023.5.31
地方デジタル特別委員会〜マイナンバー法改定案について〜(2023年5月29日)
〇山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。
まず最初、昨日から今朝にかけて、政府、マイナンバー、全口座ひも付け義務化検討、来年の法改正を目指すと、実は、古い記事が実はトレンドになっておりまして、これは大変だと、本当ですかという話なんですけれども、その辺り、これSNS上でも非常に今拡散しておりまして、たださなきゃいけないと思っていますので、まず、この辺り、事実関係を確認させていただきたいと思います。
〇国務大臣(河野太郎君) SNSで、三年前ですかね、二〇二〇年当時の記事がなぜか拡散をされておりまして、昨日今日の記事と勘違いされている方がいらっしゃるようでございますが、これは三年前の古い記事でございまして、特にその記事にあるようなことが現在あるわけではございません。
〇山田太郎君 ありがとうございました。安心しました。
さて、またこれも、今日は本当に、私も古巣ではありますけど、デジ庁には厳しく問わなければいけない内容ばかりだと思いますが、また先日、新たに、マイナンバーと公金受取口座ひも付けをして登録する手続ですね、誤って他人の口座が登録されるトラブルが複数発生したということであります。
これも、トラブルの件数、被害の状況、原因の分析、再発防止策について教えていただきたいと思います。
〇政府参考人(楠正憲君) 公金受取口座の情報登録の誤りは、個人情報保護に関する国民の皆様の信頼を損なう重大な事案であり、国民の皆様に不安を与えたことについて大変申し訳なく思っております。
具体的には、五月二十五日十七時時点におきまして、十四自治体において、マイナポイント支援窓口における端末操作のログアウト忘れ、この人為的ミスによります誤登録が二十件あったというふうに認識をしております。
これらはマニュアルとは異なる取扱いがされたことによる人為的なミスであることから、各自治体に対して改めてマニュアルの遵守の徹底などについて通知を行ったところでございます。また、こうした人為的ミスはどうしても避けられないものであるということから、これまで登録された公金受取口座について総点検に着手するとともに、今後も継続的に点検を実施してまいりたいと考えております。
加えて、所得税の還付金の受取口座を公金受取口座として登録する際に、国税庁において登録申請者を同姓同名の別の方と取り違えた誤登録が一件ございました。こちらについても、同様の事例がないか国税庁と連携して点検を実施するとともに、事案の発生要因を詳しく分析し、再発防止を徹底してまいりたいというふうに考えております。
〇山田太郎君 この質疑が始まってから次から次へといろんなことが起こります。コンビニ交付の証明書の誤交付から始まって、マイナ保険証に別人の情報のひも付けがあったということ、それから公金受取口座が他人のマイナンバーに誤登録されていました。マイナポイント事業で別人にポイントを誤交付したと。もう本当に次から次へと、何でこの質疑の最中、特段、余り一年間そんなになかったと思うんですが、これもうヒューマンエラーもシステムエラーも起こらないように徹底した対策が必要だというふうに思っていますが、こういったインシデントに対して、今後デジタル庁きちっとどう対応されていくのか、もう何遍も聞いている話でありますが、改めて与党からもきちっとここは問わなきゃいけないと思います。
特に、私、誤登録、ヒューマンエラー、これもあってはならないんですが、特にシステムに関しては、これ全体が疑われてしまうというんですかね、ほかのシステムにもこういうことが起こるのではないかということで、私は、システム上のこのコンビニ交付の分は特段深刻だというふうに思っておりますが、それも併せて、今後の対応どうされていくのか、お答えいただけますでしょうか。
〇国務大臣(河野太郎君) 個人情報の保護に万全を期しながら、デジタル庁の施策、特にマイナンバーカードの普及や利活用の促進に向けて取り組んでいることが、取り組んでいくことが重要だと認識をしております。
今回の公金受取口座での誤登録といったマイナンバーカードの利用に関連する一連の事案については、国民の皆様に不安を与えており、大変申し訳なく思っております。
こうした事案を踏まえ、先週二十五日、総理から私に対し、総務大臣、厚労大臣など関係大臣と連携して、マイナンバーカードの信頼確保に向け、事案に関係する全てのデータやシステムを再点検するなど、万全の対策を迅速かつ徹底して講じるよう指示がございました。
この総理指示を受け、デジタル庁を中心に関係府省等が一丸となって、まずは、既存のデータ、システムを総点検いたします。さらに、新規データが誤登録されないよう防止策を徹底をいたします。これに加えて、人為的ミスを低減させるためのデジタル化の推進にしっかりと取り組んで、国民の皆様の不安解消への対応を講じてまいりたいと思っております。
また、デジタル庁として、今回の対応を踏まえ、プロジェクト管理、品質管理の強化に取り組んでまいりたいと思っております。
〇山田太郎君 問題だ問題だということだけでは問題が解決しないので、これ私からも少し提案をしたいと思います。
特に、先ほど私が申し上げたシステム上のトラブルは、非常に、その他も全部のシステムが信頼できないということにもなりかねませんし、特に専門的な分野であればあるほど分からないということで心配と、いわゆる信頼を損なうということが起こっていると思います。
そういった意味で、確かに河野大臣、昨今は守戦、守りに徹して大変だと思いますが、私、技官というか専門官というか、しっかりその方々も会見に出て、技術専門官みたいな人が発表も、こういうインシデントが起こった場合には丁寧に専門的な部分についても説明をしていくということが必要なんではないかなと。政治的な対応というものも大事だと思いますが、やっぱり技術的なところに対する信頼の問題というのは大きいと思うので、その辺りは技術専門官というのをしっかり置いて、その方も一緒になって帯同してしっかり説明をする。
逆に言うと、玄人にも分かる、なるほど、玄人のいろんなところの人たちが、これならば信頼できるよというふうに第三者評価が逆にもらえれば、それはそれで一つ信頼にもつながってくると思いますが、その辺り、いかがでしょうか。
〇国務大臣(河野太郎君) デジタル庁は、官民が融合した組織でございまして、専門性の高い人材を多く採用している中、セキュリティーに関連する分野についても重要と認識をしており、セキュリティー分野に関する知識、ノウハウを有する専門人材も活躍してくれております。
政府の情報システムの安定的稼働に向けては、デジタル社会推進標準ガイドラインを始めとしたプロジェクト管理や技術面のドキュメントを作成、提示し、デジタル庁の専門人材の知見を政府内で共有するとともに、デジタル庁が運用するシステムを中心に、セキュリティー、デザイン、プライバシーなどの専門人材が情報システムのプロジェクトの支援を実施し、その品質の向上に取り組んでいるところでございます。
今後も、平時よりこういった取組を一層推進するとともに、インシデント発生時においてもセキュリティー等の専門人材の知見を踏まえつつ、適切に情報発信を行い、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
〇山田太郎君 珍しいですね。今日は河野大臣がしっかり答弁書を読みながら答えているという、なかなか見たことがない光景がですね、それぐらい慎重に答弁されなきゃいけないんだと思いますが。
私は、もう一つやっぱり突っ込みたいのは、確かに、私もデジ庁いましたので、デジ庁の中には多くの専門家がいるのはよく知っています、存じ上げております。ただ、やっぱり国民に対するメッセージということを言う場合に、ああ、この人、こういうような専門的な人がしっかりと責任を持って発露するのであれば、政治家以上に、大丈夫だと、分かっているんだなということにもつながるというふうに思っておりますので、ちょっとそれは、私からの御提案ということでありますけれども、工夫を是非していただければというふうに思っています。決してデジ庁に専門家や専門の人がいないということを問うているわけではなくて、やっぱり対応に関してもしっかり国民の皆さんに安心してもらうということはすごく重要なのだというふうに思っていますので、どうか、その辺り、一応提案だということで受け止めていただきたいと思います。
二点目の提案もさせていただきたいのは、一方で、やっぱり、組織は隠すとか、ないということにするとか、やっぱり疑われがちだと思います。こういうインシデントが起こったときに、第三者の諮問機関みたいなものを立てて徹底的に予防策含めて原因の分析、追求をしていくということは重要だと思っておりますが、そういう御提案もさせていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
〇国務大臣(河野太郎君) デジ庁の専門人材、セキュリティーを始めとした専門知識、ノウハウを有する人材を配置しているところでございます。セキュリティーの分野における世界的な潮流や技術動向について、随時、外部から情報を収集しながら業務を行っているところでございます。
インシデント発生時など迅速な対応が求められる事案において、機動的に自ら対応できるよう体制をより強化し、関係者とも連携しながら進めてまいりたいと思います。
〇山田太郎君 これも何かしっかり答弁書を読まれて慎重に答えていたと思うんですけれども、何というんですかね、今回は、私はデジ庁の対応はある意味で誠実な部分もあったのかなと。いわゆる、大きな事故が起こる前に、こういう事実がありましたということを幾つかこのタイミングで出したというのもなかなか勇気が要るところだと思いますが、でも、やっぱりあってはならないことだったんだというふうに思いますので、決して、これは何度も言うんですけど、内部に専門家だとかガイドラインがあるないということではなくて、やっぱり国民からの信頼があって初めてデジタル社会ということは実現すると思いますし、セキュリティーというのは、やっぱり使っている、利活用している方々が感じて初めてセキュリティーも担保される部分もあるかというふうに思っておりますので、是非、私自身は、その発表の仕方に関しても、専門家の人たちの帯同又は第三者によるそういった審査というものを、全てについてではないですが、一定の基準を設けてやっていただくのがいいのではないかと思いますので、どうかよろしくお願いします。
最後の質問になりますけれども、公金口座受取の誤登録の事案なんかも発生しているんですけど、改めて、本法律案の必要性、その効果について、ずうっとこの委員会では残念ながらこの誤登録から始まったいろんな問題点ばかりが指摘されましたが、改めて、本来の今回委員会で質疑している部分についての本法律案の必要性と効果についてお答えいただければと思います。
〇国務大臣(河野太郎君) この法律は、国民の利便性の向上及び行政運営の効率化を図るということを目的としております。
具体的には、マイナンバーの利用範囲を拡大をしていく、マイナンバーの利用及び情報連携に係る規定の見直し、それから、マイナンバーカードと健康保険証の一体化、これに伴う措置、マイナンバーカードの更なる普及と利用の促進、戸籍等の記載事項へ氏名の振り仮名を追加をする、そして公金受取口座の登録を促進する、こうしたことを目的とする改正法案でございます。
この改正によりまして、各種の事務手続において様々な添付書類を省略をすることができる、あるいは、マイナンバーカードを申請、取得できる選択肢を拡大をする、利用を促進する、こうしたことを実現することで国民の利便性が高まっていくわけでございます。
また、今回、公金受取口座の誤登録が発生をしておりますが、マイナンバーカードの氏名が漢字である一方、銀行口座、これは仮名で振っておりますので、システム上、自動でマイナンバーカードの氏名と銀行口座の氏名を照合することができませんでしたが、今回の法改正で、漢字にしっかりと振り仮名を振って、それを公証するということが行われますので、そのタイミングに合わせてシステム改修を行って、口座の名義人などの自動照合を実現していきたいと思っております。
また、今回の法改正によりまして、公金受取口座の登録の特例制度、これが実現できれば、既に年金を受給している方々の口座をデジタル処理、システム的に公金受取口座に登録をすることができるようになりますので、人為的なミス、これを防止することができるようになると考えております。
今般の事案につきまして、しっかりと今後の再発防止を徹底しながら、マイナンバー制度の安全と信頼の確保に努め、デジタル社会の基盤であるマイナンバー制度をしっかりと推進してまいりたいと思っております。
〇山田太郎君 以上、終わります。ありがとうございました。