2025.7.5

コロナ禍の同人誌即売会支援

~概要~

新型コロナウイルスが世界各地で猛威を振るったことにより、表現活動の場も危機に直面。感染拡大防止のため、多くのイベントが中止・延期・縮小を余儀なくされました。コミケも、2020年GW開催予定だったコミックマーケット98が中止に、2020年12月の開催を見送り2021年GW開催を目指していたコミックマーケット99(旧C99)は延期になる等、全国の同人誌即売会は開催・継続が困難な状況に追い込まれました。

このままでは、文化のゆりかごである同人誌即売会がどんどん失われてしまう。強い危機感を覚えた山田太郎は、同人文化の火を絶やさぬよう、さまざまな支援策に取り組みました。

~同人誌即売会の支援対象外問題~

もともと、行政は同人誌即売会を産業とも文化芸能活動とも十分に認識しておらず、経産省や文化庁も自分の担当とは考えていなかったため、新型コロナ支援事業の対象から外れていました。
そこで、2020年9月、文化庁の新型コロナ支援事業「文化芸術活動の支援事業」に同人誌即売会を含めるよう政府に働きかけ、対象とすることに成功しました。さらに、同人誌即売会を含む集客型エンターテイメントを支援するため、次の4つの要請を政府に提出しました。

提言内容(第1弾)
・収容率50%に制限された施設の使用料補助
・合理的な対策のもとでの収容人数および収容率の緩和
・参加者の連絡先を事前に取得するシステムの利用補助
・チケット料金の払い戻しをせず寄付した場合の税優遇措置

感染拡大防止のため集客が制限される一方で、会場費は安くならず、しかも感染対策費用が追加で発生するため、イベントを開催すればするほど赤字が増えてしまうという深刻な問題がありました。そのため、上記の提言は、イベント主催者の経済的負担を軽減し、イベントの継続を可能とするために必要なものでした。

~緊急事態宣言をめぐる混乱と対応~

2021年4月23日夜、感染力の強い変異株による感染者急増を懸念して、3回目の緊急事態宣言が発令されました。それによって、同月25日に開催が予定されていた同人誌即売会「スパコミ」が中止に追い込まれる事態が発生。しかし、同人イベントが無観客か中止かを余儀なくされた一方で、プロスポーツの試合が有観客で開催されていたことに関して、関係者の間で不信感や不公平感が強まりました。

これを受けて、山田太郎は盟友の赤松健さん(当時はまだ国会議員になる前でした)と共に、業界関係者へのヒアリングを実施。文化庁や経産省とも意見を調整し、2021年5月に次の3つの要請を総理官邸に提出しました。

提言内容(第2弾)
・開催制限や人流抑制はエビデンスベースで行うこと
・補助金を損失補償へ移行し、その間は補助金等をラフジャスティスで支払うこと
・Withコロナでの中長期的な戦略を立てること

~成果:支援策の拡充~

業界関係者からのヒアリングをもとにした提言を私が政府に強く訴えた結果、同人イベントも対象とする補助金・給付金・融資などの支援策が拡充され、クリエイターやエンターテインメント産業従事者の経済的救済につながり、同人文化が維持・継続できました。