2023.5.19
地方デジタル特別委員会 参考人質疑〜マイナンバー改正法案〜(2023年5月17日)
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会を開会いたします。
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺いたいと思います。
御出席いただいております参考人は、中央大学国際情報学部教授石井夏生利君、全国保険医団体連合会副会長竹田智雄君及び障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会事務局長家平悟君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げたいと思います。
本日は、お忙しいところ、こうして御出席を賜り、本当にありがとうございます。
皆様の闊達な御意見を賜りまして、今後の審査の参考にしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げたいと思います。
まず、石井参考人、竹田参考人、家平参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをしていただきます。
また、発言の際は、挙手を軽くで結構ですからしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきをいただきたいというふうに思います。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず石井参考人からお願いをいたします。石井参考人。
○参考人(石井夏生利君) 中央大学国際情報学部の石井と申します。着席のまま失礼いたします。
本日は、マイナンバー法等の一部改正案について意見を述べる機会を与えていただきましたことを大変光栄に感じております。
私からは、今回の改正法案について五点の意見を申し上げたいと思います。
まず第一は、マイナンバー法の利用範囲の拡大と情報連携に係る規定の見直しについてです。
マイナンバー法が二〇一三年五月に成立してから約十年が経過いたしました。その間、様々な社会の変化が生じております。ビッグデータ、クラウドコンピューティング、SNS、IoT、ここ最近ではメタバース、ウェブ3、生成AIなどが次々と登場し、情報分野の技術発展、新たなサービス展開が多様化するとともに、スピードもますます加速している状況にあります。こうした状況変化によって公的分野においてもDXが求められるようになりましたが、いまだ道半ばの状況にあると認識しております。
私自身も、大学以外からの御依頼をお引き受けする際に、承諾書ですとか報酬に関わる書類を郵送でやり取りすることが多く、件数がかさむと負担を感じることもあります。公的部門のDXを進める上では、国民に悉皆的に番号を付与し、行政機関の保有する情報を効果的にやり取りする仕組みであるマイナンバー制度を円滑に運用する重要性は極めて高いと考えております。
マイナンバー法の理念規定の中にも、一、個人番号及び法人番号の利用について、社会保障、税及び災害対策以外の行政分野における利用を促進するとともに、行政分野以外の国民の利便性の向上に資する分野における利用の可能性を考慮すること、二、行政事務以外の事務処理において個人番号カードの活用が図られること、三、社会保障制度、税制、災害対策以外の行政分野における情報提供ネットワークシステムの利用を促進すること、特定個人情報以外の情報の授受に情報提供ネットワークシステムの用途を拡大することなどがうたわれておりまして、マイナンバー法の基本理念の中に個人番号、特定個人情報、情報提供ネットワークシステムそれぞれについての用途の拡大が盛り込まれているところであります。
今回の改正は、それらの中でも、個人番号の利用範囲を拡大し、情報連携に係る規定を見直すものであって、法が本来目指す理念を実現する方向の改正であると考えております。
第二は、今回の見直しの範囲についての意見です。
改正法案は、事務の範囲については三分野以外の行政事務を対象とすること、個人番号の利用範囲については法定の事務に準じる事務とすること、情報連携の範囲は個人番号の利用が法律上認められているものに限るとされており、過度な拡大を意図したものではないという理解でおります。改正法の定め方においても、拡大される行政事務は国家資格等一部の事務、準ずる事務は事務の性質が法定のものと同じものに限るということで、拡大の範囲にも配慮がなされているものと考えます。
特に、情報連携については、別表二に基づいて情報提供ネットワークシステムを介して新たに情報連携を行おうとすると、法令改正のために一年単位の期間が掛かり、スムーズな情報のやり取りの支障となってしまう面があります。今回の改正はそうした問題を解消するためのものと理解しております。
ただし、この点に関しまして、留意すべき事項を述べさせていただきます。
元々別表二を設けた趣旨は、個人情報保護への配慮に基づくものでありました。また、行政機関が適法な行政活動を行うためには法律の規定にのっとる必要があります。そのため、主務省令で情報連携を行えるようにすることは、制度の柔軟性を高める一方で、個人情報保護、法律による行政の観点からは慎重な見方も必要になってまいります。ついては、主務省令を通じた情報連携を行う際には、法定の事務に基づいていることを適切に確認するプロセスが重要であろうと思料いたします。
主務省令が改正される場合にはパブリックコメント手続に付されるわけですが、この手続自体が必ずしも国民に広く浸透しているわけではないと思いますので、どのような手続において情報連携がなされているかは、別途、デジタル庁のウェブサイトなどを通じて周知を図っていくことが望ましいと考えます。
また、一般法である個人情報保護法においても、行政機関等が個人情報を保有するに際しては、法令の定める所掌事務又は業務を遂行するために必要な場合に限るということをうたっておりますので、一般法の基本的な考え方を逸脱しないという観点も重要であると考えます。
そして、国民は、自己の情報のやり取りを確認する手段として、情報連携の記録をマイナポータル上で照会できるようになっており、利用登録者数も約六千万近くに上っていると伺っております。マイナポータルは、国民が自己の情報の取扱状況を確認する重要なツールであって、用途も拡大しておりますが、国民がマイナポータルを積極的に使えるような環境整備も求められると思われます。
第三は、プライバシー、個人情報保護との調整についての意見になります。
マイナンバー制度は、国が全国民に唯一無二の番号を悉皆的に割り当てて個人情報を取り扱う制度ですので、個人情報保護の要請に対しては一定の譲歩を求めるという性質を持ちます。この点は、制度創設時の検討において論点が整理されておりまして、一、番号をキーに個人の様々な個人情報が名寄せ、突合されて一元管理されるのではないかという国家管理への懸念、二、番号を用いた個人情報の追跡、名寄せ、突合による外部漏えいや、本人が意図しない形の個人像が構築されたり、特定の個人が選別されて差別的に取り扱われたりすることへの懸念、三、番号や個人情報の不正利用等により財産的被害を負うのではないかという懸念を想定いたしました。
マイナンバー制度は、これらの懸念に対処するために、システム上は個人情報を機関ごとに分散管理し、制度上の手当てとしては手厚い個人情報保護措置を講じております。具体的には、独立監視機関である個人情報保護委員会の設置、個人番号の利用範囲の法定、特定個人情報の収集の制限、個人番号の取得時の本人確認、特定個人情報を提供する際のポジティブリスト方式、特定個人情報保護評価に加えて委託や再委託への制限、個人情報保護法よりも重い法定刑などが制度上手当てされております。
令和三年の最高裁判決においても、こうした様々な保護措置を踏まえ、行政機関等がマイナンバー法に基づき特定個人情報を利用、提供等する行為は憲法第十三条を侵害するものではないと判断されております。
今回の改正においても個人情報保護制度に変更は生じませんが、個人番号の利用範囲や情報連携の範囲が拡大した後も、独立監視機関である個人情報保護委員会を中心に、マイナンバー法における個人情報保護措置が適切に担保されるように十分な監督を行っていただきたいと考えております。
なお、個人情報の利活用については、もっと広く民間を含めて利活用すべきだという議論もあろうかと思われます。確かに、行政分野以外に個人情報を使うことは可能性としてマイナンバー法の理念にもうたわれておりますので、そのような議論もあり得るかとは思います。他方、マイナンバー制度の主眼は、行政手続における本人確認をスムーズに行い、国民の利便性を高めることにありますし、個人情報保護の観点からも、識別強度の高い個人番号の利用を民間に広げるというような議論は、その適法性の担保や個人情報保護委員会の監督が十分に及ぶかという点に懸念が生じます。
マイナンバー制度を社会のインフラとして機能させるためには、まずは、マイナンバー法の目的を達成するに適した行政分野での利活用を一層進めるということが求められるべきと考えます。そのため、利用範囲の拡大に際しては、行政分野での個人番号の利用が円滑に行われるということを軸に据えた上で、民間での利用可能性があるにしても、あくまで法の目的を実現するに資する範囲に絞るべきというように考えております。
第四は、マイナンバーカードについての意見になります。
マイナンバーカードに関しましては、なぜ持つ必要があるのか、持つことでどのようなメリットがあるのかといったことを取材などを通じてよく質問されてきました。
元々マイナンバー制度設計時には、マイナンバーカードを国民が保有せずとも制度を運用できるようにしておりましたので、カードの申請状況や交付率自体は、主に国民のマイナンバー制度に対する受容性を測る指標であると捉えておりました。マイナンバーカードの交付開始後も、国民からの関心はなかなか得られず、あるいは個人情報保護への懸念があったということを承知しておりますが、ここ最近になって申請率や交付率が急激に伸びたのは、マイナポイントなどの政府の施策が徐々に効果を生じてきたことによるものと思われます。
交付率を高めることによってマイナンバーカードを国民のデジタルIDとして使うことが可能になってくるわけですが、それに向けた大きな取組が、保険証の廃止とマイナンバーカードによるオンライン資格確認であると考えます。
これは、マイナンバーそのものを使うのではなく、カードの本人確認機能を使ってオンラインの資格確認を行うための措置でして、この仕組みが普及すると、マイナンバーカードのデジタル身分証としての利便性は高まると思いますし、医療機関側の事務負担や検査費用の軽減等にも資することになります。また、顔写真のない健康保険証と比べて、身分証明の際の成り済ましのリスクも格段に減ることが期待されると思います。
他方、一般国民にしてみると、マイナンバーが券面に記載されたカードは気軽に使いにくい面があろうと思います。カードを使ってマイナンバーが漏れると大変なことになるのではないか、オンラインで身分を証明する手続がマイナンバーを使っているのかそうでないのか分からない、保険証で用が済むうちはマイナンバーカードを使う気にならないといった理由から、保有はするものの使うことには積極的になれない方もいらっしゃるでしょうし、最近発生しました住民票などの誤交付についても、マイナンバーカードを使った手続ですので、国民に心配を与える原因になってしまったと思われます。
このようなことから、マイナンバーカードについては、マイナンバーを使った手続であるのか、本人確認機能を使った手続であるのかが国民に分かるように説明される必要があると思います。
あわせて、ICチップに記録される個人情報に機微なものが含まれないことや、暗証番号を何度か間違えるとロックが掛かるなど、カードを紛失、盗難しても機微な情報が取られるわけでもなければ、マイナンバーから機微な情報が引き出される仕組みになっていないことなど、国民がマイナンバーの記載されたカードに触れることについて過度な心配をしなくて済むような説明は必要であろうと考えます。
あわせて、マイナンバーカードの正しい理解や、今後広がっていくであろうメリットを説得的に国民に伝えるためには、マイナンバーカードの利用者側である個人から前向きな情報発信があるということが望ましいと考えます。政府が懸命に説明を行っても国民には伝わりにくい傾向が見られると感じておりますので、ユーザーからの前向きな評価を得ることがマイナンバー制度が真に受容される上で求められることであると考えました。
また、今後は、マイナンバーをカードに記載しているインターフェースの妥当性についても見直しを検討すべきであろうと考えます。
第五は、公金受取口座についてです。
口座情報を国に把握されることについては国民の間に一定の抵抗があることは承知しております。しかし、特別定額給付金の支給時に混乱が生じましたように、マイナンバー制度がありながら、給付事務を円滑に進めるべきときにそれが円滑に進まないということは避けるべきであると考えます。今後も災害又はそれに類する事態が生じることが予想されますので、その際に迅速な給付を行えるよう、給付事務に限っては公金受取口座の登録を促進することが望ましいと考えました。
その際に問題となるのが、個人情報の取扱いに関する同意です。法的に有効な同意を得るためには、自由意思で承諾をすることが必要になります。例えば、本人に対して、一定期間内に回答がない場合には同意したものとみなす旨の電子メールを送り、当該期間を経過した場合に、本人の同意を得たと見ることはできない旨の解釈が個人情報保護委員会から出されております。
今回の改正法案は、公金受取口座の登録率の低い年金受給者を念頭に、既に行政機関等に提供している年金受取口座を公金受取口座に利用するためのものであって、新たな情報提供を求めるものではないこと、同意については書留郵便等で回答を求めること、登録結果を通知すること、回答を行わなかった結果、登録に至ったとしても、事後的にいつでも抹消できること、本人が郵便物の到達や内容を把握しにくい場合には同意したものとしないことなどを保障し、本人の自由意思を担保するための措置は講じられているものと考えております。
以上五点が私の意見となります。ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
次に、竹田参考人にお願いをいたしたいと思います。竹田参考人。
○参考人(竹田智雄君) 竹田でございます。済みません、失礼いたしました。
資料を御用意しております。手元に併せて御覧いただけましたら幸甚でございます。よろしくお願いいたします。
私は、全国保険医団体連合会副会長の竹田でございます。竹田智雄と申します。岐阜県の開業医でございます。
全国保険医団体連合会とは、十万七千人の医科、歯科の保険医の医療運動団体でございます。多くは開業医であります。国民医療の向上と会員の生活と権利を守ることを理念として掲げ、活動しております。
本日は、発言の機会をいただき、誠にありがとうございます。行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律などの一部を改正する法律案につきまして、医療現場の実態から意見を申し上げさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
オン資義務化、保険証廃止で医療崩壊が加速に向かっているということについて申し上げたいと思います。
まず、医療機関の現状でございます。
マイナ保険証によるオンライン資格確認の前提となるオンライン資格確認のシステム整備が全ての医療機関に今年四月より義務付けられました。顔認証付きカードリーダー設置を起点として、審査支払機関のサーバーに常時アクセスが可能となる閉域通信回線網の整備、電子機器などの保守管理やセキュリティー対策などが求められます。
政府は、このシステムを医療DXの基盤と位置付けており、オンラインでの資格確認にとどまらず、医療情報、薬剤情報など高度な医療情報を常時やり取りすることを想定しています。医療機関側がシステムの常時稼働に伴うサイバーセキュリティー対策等のリスクも負うこととなります。
電子機器の品不足やベンダーの多忙などにより、システム整備の遅延など六類型の理由により五万五千件の医療機関が本年九月まで猶予措置の適用を受けており、二四年秋の保険証廃止までに閉院、廃院との理由で約千件の医療機関が猶予を届け出ております。
資料六ページ上段を御覧ください。
昨年十一月に施行した保団連調査では、コロナ禍による受診抑制、経営困難、スタッフ不足や高齢などの理由で一五%の医療機関が導入しない、導入できないと回答いたしました。
十二ページに飛んでいただきまして、上を御覧ください。ここに理由が述べてあります。
当会加盟団体の調査では、約一割の保険医療機関が閉院、廃業を検討と答えております。実際に本年三月末時点で各厚生局に廃止届出を出した保険医療機関は医科、歯科で千百三件と、かなり高い水準でございます。
また、調査では、システム整備に伴い、半数以上の医療機関が補助金を上回る費用の負担を強いられており、新たな設備投資やスタッフの確保が困難、情報漏えいやセキュリティー対策への不安などから、長年培った患者さんとの信頼関係に涙を流しつつ閉院を余儀なくされているのが実態でございます。もちろん、閉院、廃院の理由は、経営困難、高齢化など複合的な要因によります。しかし、コロナ禍で奮闘してきた医療機関の閉院を加速化させたことは間違いございません。
医療の質向上を掲げたシステム整備の義務化により医療機関が閉院、廃院に追い込まれることは本末転倒と考えます。地域医療崩壊を加速させていると言わざるを得ません。
十三ページ、御覧ください。下の方を御覧ください。ちょっと横になっております。見にくくて恐縮でございます。
医療現場でのマイナ保険証の利用実態について述べます。
厚労省発表では、本年三月分のオンライン資格確認システムの利用は、全国で一億千八百四万件です、一番下の段、合計の下を御覧ください、が、そのうちマイナ保険証利用は約二百六十七万件と、僅か、右の青色でございます、二・三%にすぎません。残りの九七・七%が現行の健康保険証でオンライン資格確認を実施されています。オンラインでの資格確認においてマイナ保険証は必要ないというのが医療現場の実感でございます。
八ページへ戻ります。お願いいたします。
また、昨年十一月の保団連調査では、運用開始医療機関が二四%の段階で、運用を開始した医療機関の四割でトラブルが発生したと回答いたしました。主なトラブルは、これ九ページの上に参ります、六割が有効な保険証が無効と判定された、四割が顔認証付きカードリーダーの不具合でございました。
現行の健康保険証の廃止には、四ページへ参ります、四ページ下を御覧ください、六五%が反対と回答しており、賛成は僅か八%にすぎません。健康保険証廃止による医療機関、患者への影響につきまして、マイナカード利用に不慣れな患者への窓口対応の増加、システム不具合時に診療継続が困難となる、カードの紛失、盗難などトラブル増加などでございます。
政府はマイナ保険証によるオンライン資格確認の準備で医療機関の事務負担が軽減されるとメリットを強調していますが、顔認証付きカードリーダーの操作に戸惑う高齢者などへの対応や紛失などのトラブルがマイナ保険証利用者の増加に比例し増加します。
十五ページを御覧ください。
これは、本年四月一日以降、義務化がなされた後の状況ですが、本会、当会加盟の大阪府保険医協会が実施した調査では、半数以上の医療機関でオンライン資格確認のトラブルを経験しており、状況に変化はございません。トラブルは改善されてきていると厚労省は説明していますが、マイナ保険証での利用者がまだまだ少ないにもかかわらず、運用開始当初と同じシステムの根本的なトラブルを多く抱えています。
トラブルの種類は、資格確認データの不備、電子機器のシステム障害、電子カルテなど院内システムが動作不良となった、患者とのトラブルなど多様ですが、現行の保険証では、健康保険証では起こり得ないトラブルであり、いずれも診療継続に支障を来すものばかりでございます。そのため、多くの医療機関が現行の健康保険証が廃止されたときの対応に強い不安と懸念を示しております。
要介護高齢者のカード管理困難と、これが犯罪の温床につながる懸念について述べます。
健康保険証の廃止は、要介護高齢者など、マイナンバーカード取得、利用、管理が困難な方に重大な影響をもたらします。健康保険証廃止に伴う高齢者施設等への影響を明らかにするために、本年四月に、全国の特養、老健などを対象に調査を実施いたしました。
千二百十九件、二十三ページを御覧ください、下でございます、回答があり、八三・六%の施設で入所者、利用者の健康保険証を大事にまずお預かりしております。医療機関の受診の際にはそれを利用して受診するわけでございます。
二十四ページの上を御覧ください。九三%の施設が、本人の意思確認ができない、手間や労力が掛かるなどから、利用者、入所者のマイナンバーカードの申請代理には対応できないと回答しております。
二十五ページ下を御覧ください。また、九四%の施設が、暗証番号、二十六ページの下も御覧ください、暗証番号を含むカードの紛失責任が重く、管理が困難などの理由で、利用者、入所者のマイナンバーカードを管理できないと回答しております。
健康保険証が廃止され、マイナ保険証利用が基本となると、利用者、入所者の医療へのアクセスが著しく制限されます。同時に、介護、高齢者福祉関係者にとって多大な負担となり、利用者、家族との無用な混乱、トラブルを招くことが危惧されます。有効期限が一年で被保険者本人の申請が必要な資格確認書でも手間は変わりません。高齢者施設の職員、利用者、入所者とその家族は健康保険証の存続を願っております。
マイナカードのICチップに搭載された電子証明書を利用した公的個人認証サービスは、公的手続だけでなく、銀行・証券口座開設やローン契約など、百七十四社の民間サービスにも利用できます。要介護高齢者や認知機能が低下した方など、マイナカードを自己で管理できない人にマイナカードを無理やり所持させた場合に、第三者が本人に成り済まして銀行や証券口座の開設、保険契約などを本人の意思に反して行われる危険性がございます。公的には本人が当該契約を交わしたことになり、犯罪、成り済ましが発覚しにくい状態です。しかも、署名用電子証明書はコンビニで初期化できます。実印と印鑑証明に加え、銀行印の機能も兼ね備えたマイナカードは、意思能力がある人、自己で管理できる人に限定すべきだと考えます。
続きまして、無保険扱いとなる人を生み出していいのかということに関して申し上げます。
保険者が全ての被保険者に被保険者証、健康保険証を発行、交付することは、公的医療保険制度の根幹であります。法令上も義務付けられております。
改正法案では、任意取得が原則のマイナカードによる電子資格確認が原則となり、例外として、電子資格確認を受けることができない状況にあるときに資格確認書が発行されます。法令上は、資格確認書の発行対象がマイナ保険証を持たない人に限定されており、有効期限が一年以内とされ、保険者への申請が必要となります。申請漏れ、申請遅れにより、有資格者であるにもかかわらず、資格確認が困難なため無保険扱いとなる人が必ず発生いたします。要介護高齢者、在宅高齢患者など、制度からこぼれ落ちる患者、国民を生み出し、国民の医療へのアクセスが妨げられます。
誰しも突然のけがや病気によって受診が必要となる可能性があり、無保険扱いの状態は本来あってはなりません。発行・交付義務から申請主義への転換は無保険扱いとなる人を政策的に生み出すもので、被保険者、国民に大きな不利益をもたらします。国は、資格確認書の申請漏れ等への対応として、被保険者本人の申請によらず保険者の職権で交付する仕組みを附則第十五条で規定し、保険者が申請勧奨を行うことで全ての被保険者に必要な保険診療が受けられる仕組みをすると答弁しております。こうした仕組みを構築するには、保険者がマイナ保険証を有しない国民を常時把握することが必要となります。
厚労省は、二四年秋の健康保険証廃止に向けて、マイナ保険証を登録していない国民に対して、保険者が資格確認書の申請勧奨を行い、有効期限到来時に手続の案内を送付すると答弁していますが、こうした仕組みの構築は、保険者、被保険者双方に多大な負担を課すことになります。
以上の懸念は、健康保険証を存続させれば全て解決いたします。一人の無保険者を生み出すことなく国民皆保険制度を守るためには、健康保険証の廃止は撤回していただきたいと考えます。
デジタル化、医療DX推進の名目で、患者、国民、医療者が切り捨てられかねない、国民皆保険制度の根幹を揺るがしかねない状況にあると言わざるを得ません。あくまで健康保険証による資格確認を前提とした上で、マイナ保険証による医療情報、薬剤情報の取得、活用はあくまで付加的なサービスにとどめるべきと考えます。
マイナカードをコンビニで利用し、他人の住民票や戸籍を取得できた問題、マイナ保険証の誤登録で別人の薬剤情報等が閲覧された問題など、この間の拙速かつ制度設計が不十分な中で問題が噴出しております。
国民、患者、医療従事者、保険者に押し付け、しわ寄せとなるデジタル化は本末転倒でございます。国民皆保険制度を維持発展させるために、健康保険証廃止を含むマイナンバー法等の撤回を強く要望して、発言を終わります。
以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
それでは、引き続き、家平参考人にお願いをしたいと思います。家平参考人。
○参考人(家平悟君) 済みません。
障害者自立支援法など、そういうような法律があったということも重く受け止めていただいて、今回の改正法の、現時点ではそういう差別が起こり得るということも重く受け止めていただきたいということも訴えて、憲法二十五条や権利条約に示された人権保障の立場に立った法改正になるよう、再度検討をお願いしたいと思って、発言を終わります。
済みません、長くなりましたが、ありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
〇山田太郎君 自民党の山田太郎でございます。
本当に、三名の参考人の皆さん、いろいろありがとうございました。大変もう厳しい意見もいただきまして、今回、この法案、どういうふうに質疑していくか、重要な局面にあると思っていますので、是非いろんな質問をさせていただきたいというふうに思っております。
まず、ちょっと、各参考人にまさに参考という意味でお聞きしたいんですが、実は、それぞれ皆様、マイナンバーカードを申請、取得されているかどうかというのをそれぞれお聞きしたいんです、いかがでしょうか。石井参考人、竹田参考人、家平参考人、よろしくお願いします。
○委員長(鶴保庸介君) じゃ、順次、石井参考人。
○参考人(石井夏生利君) 申請、取得しております。
○参考人(竹田智雄君) 申請しておりません。
○参考人(家平悟君) 申請していません。
〇山田太郎君 ありがとうございます。
私自身、元々、前のデジタル大臣政務官やっておりまして、この方面も推進した張本人でもありますので、自ら申請して、いろんな角度で使っております。
そのとき、いろんな、まあ今日のような厳しい御意見なんかもいただいてはきたものの、やっぱりプラスの部分も多いんじゃないかということで進めてきましたが、もちろん、今日は参考人の御意見を真摯に受け止めて、今はこの内閣委の一員でありますので、しっかり質疑していきたいと思いますが。
まず、石井参考人にお伺いしたいんですけれども、マイナンバーカードの在り方なんですが、今は、実は御案内のとおり元々はデジタルの個人認証をするためにつくったんですが、いわゆるアナログとしても、券面でもって要は身分証明書にもなるという、私からするとちょっとぜいたくにし過ぎたのかなと。
何が言いたいかというと、デジタルの認証だけにすれば券面に住所も名前もなくてよかったわけでありますし、今スマホ搭載が進みましたけど、そうすると、具体的にカードを持たなくてもいいということに本来なるはずなんですね。実際に物理的なカードがあるために、券面があって、そこで個人情報を隠す隠さないとか、落としたときどうするのかとか、実際には住所が変わったときに届けるだとか、新たに取得しなければならない。
実は、アナログの部分を一つ機能として持たせたために結構面倒くさいことも起こっていると思うんですけれども、その辺り、石井参考人から御意見あれば、それでもやっぱり両方あった方がいいのか、別々の方がいいのかも含めて御意見いただけますでしょうか。
○参考人(石井夏生利君) 御質問ありがとうございます。
私個人の感想という形になってしまいますが、アナログ機能を備えたマイナンバーカードは非常に便利に使わせていただいております。リアルの現場で身分証明をするときに必ずマイナンバーカードを使って証明しておりますので、私にとっては非常に便利であるというように感じております。
大学の教員しておりますので、学生にもマイナンバーカードを取得している学生がおりまして利用状況どうかということを聞いてみることもありますが、やはり、運転免許証など持っていないので、身分証明に使うときにすごく便利だという声を聞くことが最近では増えております。以前は全く関心がないような様子ではありましたが、ここ最近の学生の傾向などを見ると、便利だという声も上がっているという状況はあります。
カードの券面の一つの論点としては、マイナンバーがカードに記載されていることで使いにくさが生じているのではないかと。これについては今後要検討であるというように考えております。
以上です。
〇山田太郎君 失礼いたしました。
私自身なんかは、住所が書いてあるがために、引っ越したときに作り直さなければならないだとかいろんな問題がありますので、本来はこのマイナンバーカード、デジタルの個人認証をするためには何らかのものはやっぱり必要なんですよね。本人とデジタル上の申請とが、まさに本人であるというものがなければデジタル上のいわゆる申請の仕組みというのは全くできないので、今日、いろんな参考人の方々からもマイナンバーの問題点、カードの問題点ということを指摘はされたんですが、これを作らないと、じゃ、どうやって個人認証をするのかということはありますので、いろいろ問題は解決しなければいけないんじゃないかと、そんな立場から質疑をする必要があると思っております。
もう一つ、これ石井参考人にお伺いしたいんですが、公金口座受取に関しても、実はいろんな議論がありまして、申請主義からプッシュ主義ですよね。多くの困難を抱えていらっしゃる方々ですとか、私なんか子供政策すごい進めてきたんですけれども、申請のやり方が分からないとか、実際には国が制度をつくったとしても、その申請のいわゆる補助金であったりだとか手当が消化されていないという現実があって、特に、まあ情報弱者という言い方は余り好きじゃないんですけれども、申請の仕方が分からない人にとってみるとそれが難しいと。
であれば、要件に満たす方がいるのであれば、自動的に公金口座を一つ結び付けることによって、将来的にはプッシュでもってしっかり手当を配付していくという可能性は高いのではないか、そんな目的を持ってつくられたんですが、そういった意味での公金受取口座に対する考え方、今後の在り方について御意見いただければと思います。
○参考人(石井夏生利君) ありがとうございます。
先生おっしゃったような、申請主義からプッシュ型の主義に移行していって、補助金などの必要な手当があまねく行き渡るようにすべきというのは、私も賛成の意見でございます。給付型に限って、給付事務に限っては、公金受取口座を幅広く登録していただくような施策が必要であるというように考えております。
以上です。
〇山田太郎君 次に、竹田参考人にもお伺いしたいと思います。
今回もう一つポイントになるのは、代理申請とか申請代理の問題というのは実は大きな問題だと思っております。これもこのマイナンバーカード使用に当たっての検討の中では議論があったんですが、実はこれ保険証も同じでありまして、ちょっといろいろ、預かって保険証を使っているような話がありましたが、実際、それは厳密的に言うと、その代理申請の局面から委任が取れているかどうかということで疑義はあるということは議論があると思うんですね。
そんな中で、とはいえ、直接的にアクセシビリティーが非常に困難な方に関してはこの代理申請をしなければいけないと。一方で、マイナンバーカード、もし普及するあるいはそれを是とした場合には、代理申請というのはどうあるべきなのかという議論があるんですが、そもそも、困難をいろいろ抱えている方々にとっての代理申請の在り方ですよね、これ実は全然議論がされていなくて、どうしていけばいいのか。
これは既存の保険証でも同じ問題抱えていますので、是非何か御意見あればいただきたいと思います。
○参考人(竹田智雄君) 正しい意見かどうか分かりませんけど、私の考えとして述べさせていただきますと、後見人という多分システムがあったかと思います。やっぱり後見人に当たる人、そういった存在の方でないとやはり難しいのではないかという印象です。
以上です。
〇山田太郎君 そうなると、本来整理しなければいけないのは、よく学校が保険証を預かるとか介護施設が預かるという場合は後見人では必ずしもなかったりするので、これはいい悪いというよりも現実的な問題として整理する必要はあるだろうと思っています。
それは、実は、マイナンバーカードをうまく使うに当たっても、もし代理人が申請しなければアクセシビリティー上難しい人がいるということであれば、ちょっと整理はしなきゃいけないと思っていまして、私は、今回の政府の質疑あるいは議論の中で少し足りていない部分ではないのかなというふうには思っておりまして、ちょっと問題意識を持っています。
次に、家平参考人にいろいろお伺いしたいというふうに思っています。
保険が、マイナンバーカードが例えば切れていたり、落としたり、提示されないと無保険者扱いになってしまうということの指摘がありました。
私は、絶対に無保険者扱いなんてしてはならないというふうに思っておりまして、日本は皆保険制度でありますから、いずれにしても、全員がいわゆる健康保険、どんな形でも、社会保険であれ国民健康保険であれ、入っているというのが前提であります。
実は、この問題は必ずしもマイナンバーカードだけの問題ではないんじゃないかなというふうに思っておりまして、というのは何かというと、結局、保険証をなくした、持っていけなければ、いわゆるそこの保険の資格があるかどうかということが確認できないがために、同じような状況になってしまうと思うんですよね。それは、マイナンバーカードを持っている、持っていない、申請できない、しにくい、それから、保険証の、物理的なその紙の保険証も、持ってきた、持っていない、落としたということになれば、当然、その資格があるかどうかというのは確認できないので、無保険者扱いされるかどうかという議論になりますので、ちょっときちっとロジカルには整理する必要があるというふうに私は思っています。
ただ、ポイントなのは、紙の保険証とちょっと違うのは、マイナンバーカードは多分期限が切れてしまうという問題で、すぐ紙といわゆる同時にうまく引継ぎができるかどうかという論点があったりとか、引っ越しをした場合に、いわゆる厳密にデジタルで運用されていくと、その間、いわゆるそのマイナンバーカードが事実上無効になって、ただ、無効になっていても裏にある保険資格は別に残っているわけでありますから決して無保険者になっているわけじゃないんですが、確認ができないだけというか、ことなんだというふうに思うんですね。
あとは、持ってきていないと、当然、一回は一〇〇%例えば個人で払っておいて、後で申請を債権が残っている間にするというふうになるわけで、これ実は、考えてみれば、紙の保険証であろうとマイナンバーカードになろうと実は同じ問題を抱えているが、特にデジタルがゆえにちょっと難しい問題があるんじゃないかなというふうに思っていますが、そういう形で整理はできないだろうかと。
必ずしも、私は、無保険者になるわけではないんじゃないかというふうに考えているんですけれども、家平参考人、御意見いかがでしょうか。
○参考人(家平悟君) ありがとうございます。
実態としては、保険証は今、コピーでも使えたりだとか、一か月に一回見せれば確認するみたいなことで柔軟に対応して、で、医療が受けられているというので、病院が変わったりとか薬局変わったりすることも余りないことも障害者の場合は多いと思うので、そうすると、そのまま、ああ、いつも来ている人やし、これは必要やしということでなっていると思うんですね。そういうものが、マイナンバーカードにもしこれが廃止されて移行すると、必ずマイナンバーカードの顔認証だとか、毎回やらなければならないということについては、そのハードルが上がるということですね。
自己決定ができる人ならまだともかく、できない場合には誰か支援者に手伝ってもらうとか、そのところに責任を持ってもらわないけないと思うんですけれども、そういう体制が取れているのかというところが、誰が責任を持つのかという議論はされていないと思うんですよね。
それは、制度上どう担保するのかということを抜きに考えれば、私が先ほどから言ったように、やっぱり制度的な、制度的差別というか、そういうことがやっぱり障害者や困難を抱えている人に起こるんじゃないかということが大きな問題で、そこの議論抜きに廃止だけを先行するというやり方はやっぱり大きな問題やというふうに思っていますし、それの答えというのが、やはり答弁の中とか国会審議の中でも、どうするのかというのは、もう廃止だけ決めてしまって通してしまった後で考えるみたいな、そういうものではないはずだと思うんですけれども、そこの責任体制というのは、やっぱり誰かに支援が必要な人についてはしっかり考えていただかないと、無保険ということも含めて出てくるんじゃないかなというふうに思います。
〇山田太郎君 もう一つは、これも家平参考人にお伺いしたいというか、大変私も、アクセシビリティーという観点では、障害を持たれている方がこんなにもマイナンバーカード等の取得に関して困難を抱えているということは、いろいろ聞かされまして、これ実は保険証だけの問題じゃなくて、マイナンバーカードを使ってデジタル認証をしていこうという意味においては根源的に抱えている問題なので、必ずしもこれは保険証だけの問題じゃないということで、大変強く認知しました。
ただ一方で、これは竹田参考人にもお聞きしたいところなんですけれども、代理申請という観点からいった場合に、例えばマイナンバーカードであれば、サインだとかができなくても、顔写真が例えば付いているという形でもって、いわゆるその認証というのができる可能性もあるというふうに思っています。
そういう意味での、デジタルだからこそやりやすいアクセシビリティーというのは考えればあるのではないかというふうにも思っているんですが、その辺り、家平参考人、それから竹田参考人、プラスのもうちょっと、アクセシビリティーのマイナスの側面だけではなくて、デジタルのプラスの側面というのは考えられないんだろうかというところも御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(鶴保庸介君) 竹田参考人から参ります。じゃ、竹田参考人。
○参考人(竹田智雄君) どうも、貴重な御意見ありがとうございます。
代理申請に関しましては、なかなかちょっと難しいところあるかもしれませんけど、私ども、マイナンバーカードを否定するものでもございませんし、マイナ保険証を否定するものでもないんです。価値があるものであり、立派なものであれば、どんどん使っていただいて結構だと思います。それを全ての人が持たなければいけないというところが問題ではないでしょうかという問いかけをしています。
原則、基本、保険証があるところに加えて、様々なメリットが言われています。薬剤情報であったりとか健康診断の情報であったりとか、それから様々な、マイナポータルで自分の健康管理ができるとか、様々ないいことがたくさんあります。それ、議員おっしゃるとおりでございます。それをよしと思う方はどんどん活用していただいたらいいと思うんです。そういった人がどんどん増えていくことが、自然と増えていくことが望ましい在り方ではないかと思います。
無理やり期限を切らされて義務化されて、保険医取消しとか、こういうことになって、そちらの方に行かなければいけないという、これはいかがかなという、本当にそういう思いでございまして、代理申請に関しても、いい方法があって、マイナカード、マイナ保険証がとてもいいものであるから、御本人の意思の確認が取れて、私は取りたい、私はこれで医者にかかりたい、そう思えばそれで結構だと思いますので、そういう観点でいい方法を私も一緒に考えてみたいと思います。
ありがとうございます。
○委員長(鶴保庸介君) それでは、家平参考人、よろしいですか。
もう目くばせで結構ですから。
○参考人(家平悟君) ああ、そうですか。どうも。
マイナンバーカードの、保団連さんも言われているように、やっぱり活用が本当にメリットがあったりとか、社会的な重要性が増していくのであれば、自然とそうなっていくと思うんですよね。しかし、そのときに、困難が抱えている人たちがどう取り扱われるのかというところがやっぱり最大の焦点であって、今言われている顔写真の問題だとか認証の問題とか、窓口に行って障害の理解がないがゆえに排除されるみたいな問題というのは、この間、通知、デジタル庁さんから出されていて、そういう対応はないようにみたいなこともやってはると思うんですけれども、実際にどうなのかという実証というのがやっぱり必要だと思うんですよね。
顔写真でどんな障害の人が困難を抱えるのかとか、そういうこと一つ一つ丁寧にやっていかないと、今現在やられていないからこそこういう問題が起こっているわけで、そういう検証とか実証とか積み重ねた上でやるということ、それの保障。それまでの期間というのは、やっぱり同じように、今まで健康保険証が気軽に使えたものを使えなくするみたいなことではなくて、そういうやり方をしっかり実証していくということ抜きには考えられないんじゃないかなというふうに思います。
〇山田太郎君 以上、終わります。ありがとうございました。