2021.6.18
「デジタル・ニッポン・アンリミテッド2021」菅総理、平井大臣に申入れ【全文公開】
私が役員(事務局長代理)を務める自由民主党・デジタル社会推進本部で取りまとめた「デジタル・ニッポン・アンリミテッド2021」について、菅総理、平井大臣に申入れを行いました。
■5月25日(火)に菅義偉総理大臣に申し入れ
写真)左から山田太郎事務局長代理、甘利明座長、菅義偉総理大臣、下村博文政調会長、牧島かれん事務局長、小林史明事務総長
この「デジタル・ニッポン・アンリミテッド2021」は、デジタル社会推進本部で令和2年11月に取りまとめた「デジタル庁創設に向けた第一次提言」、その翌月の12月に取りまとめた「第二次提言」の内容を包含しながら、デジタル時代において解決すべき課題を整理しつつ、分野別のデジタル施策や制度改革の具体的な提案を行っています。
第一次提言はデジタル庁をどのようにつくるか、第二次提言はそのうえでどのようにデジタル改革を推進するかでしたが、「デジタル・ニッポン・アンリミテッド2021」はデジタル改革においてどこでどのように効果を出していくのかを中心とした提言です。
多くの企業や有識者の方々からヒアリングを行って提言をまとめましたが、ヒアリングは主に私が委員長を務めるデジタル施策調査小委員会で行いました。そして、私は、たたき台の作成から完成に至るまで、初めから終わりまで、全面的に提言の作成に関わりました。
ヒアリングの内容を基に、さまざまな議員の意見も反映しながら、今回は国民目線で「どの分野で、どのような効果をもたらすか」ということを軸に作成しましたので、国民のみなさんの生活に大きく関わる提言となっています。
今回の提言の構成としましては
1.デジタル・ニッポンの経緯と本提言
1-1. これまでの経緯
1-2. 本提言の位置づけと方向性
1-3. 本提言の構造
2.システム構造
2-1. 国民とのインターフェース
2-2. 現場にあるデータの利活用
2-3. 横串を通すプラットフォーム
3.分野毎のデジタル施策・制度改革
3-1. デジタルガバメント
3-1-1. ユーザーインターフェース(UI)
3-1-2. 国と地方の情報システム
3-1-3. マイナンバー制度
3-2. 健康・医療・介護分野
3-3. 教育分野
3-4. 防災分野
4.デジタル時代の解決すべき課題
4-1. サイバーセキュリティ
4-2. デジタルデバイド対策(誰一人取り残さない)
4-3. 個人情報保護
4-4. 著作権法上の問題
5.デジタル時代に求められる制度改革
5-1. アジャイル・ガバナンス
5-2. デジタル人材
今回の提言ではこのようなビラミッド状の構造を作りました。
ピラミッドの頂点には恩恵を受けるべき国民たるユーザーがいます。
構造の【2.システム構造】では1番上にインターフェースを置いています。
これはどんなに素晴らしいシステム、アプリケーションを作ろうと、ユーザーが「使いやすい!」「次も使いたい!」と思ってもらえるものにしなければ意味がないためです。
そして2番目以降はデータあってこそのプラットフォームということで、2番目にデータ、3番目にプラットフォームとなっています。
それらのシステム構造に対して「どの分野で」というのが【3.分野毎のデジタル施策・制度改革】です。
ここでは
● デジタルガバメント
● 健康・医療・介護
● 教育
● 防災
中でも医療・介護、教育、防災といった準公共分野で効果を出すべく、取りまとめています。
準公共分野では「平時の便利、有事の安心」に繋げるため、各分野の整備は重要です。
今回提言に記した内容の一部として
■医療・介護
●電子カルテ・入院時記録・処方箋等の医療データの活用を促進するため、個人情報の目的外利用や流出・漏洩等への対策を前提として、医療現場において医師や看護師、患者が、スマートフォンから医療データへアクセスできるようにすること。BYOD(Bring Your Own Device:私的デバイスの利用)の規制緩和も検討すること
⇨現在は個人情報保護等の問題があり、電子カルテなどを個人の端末(スマートフォン等)で確認することができません。しかし、例えば急患を処置する、医師が外から駆けつける状況で、処置するまでに確認しておく必要があるのではないでしょうか。そのため、BYODの規制緩和によって、より効率的な処置ができるような環境を整備しなくてはいけません。
■教育
●デジタル格差が生じないよう、全ての児童、生徒がGIGA スクール構想で貸与(または支給)された端末を自宅に持ち帰りインターネットに接続できる環境を整備すること
⇨現状GIGAスクール構想で各生徒に端末が貸与されておりますが、落として壊したら大変だからなどの理由で、自宅に持ち帰ることが出来ない学校がほとんどのようです。それでは自宅で端末やPCを持っている子と、持っていない子では、帰ってから家で調べ物ができるかどうかで学習の差が生じてしまいます。そのため、端末は自宅に持ち帰ることができるようにしなければなりません。
また、持ち帰ることが出来ても、自宅でインターネットに接続出来る環境が無いと調べ物はできませんので、そこの環境整備も必要です。
■防災
●災害情報をリアルタイムにスマートフォンや TV 等の身近なデバイス上の「マイ・タイムライン」に通知し、個別最適な避難誘導につなげる仕組みを構築すること
⇨災害が起きた際に、どの避難経路を通れば安全なのかをより身近端末に通知が来る仕組みがあれば、避難時の混乱等を防ぐことが出来ます。また、身近なデバイスというとスマートフォンを想像される方がほとんどだと思われますが、ご高齢の方などでスマートフォンを持っていないといった方もいらっしゃるので、TV等でも確認が出来る必要があります。
こちらでは各分野一つずつを例に挙げ紹介させていただきましたが、私のYouTubeチャンネルではもう少し詳しく説明しておりますので、ご覧ください。
また、詳細を20ページで記した提言書本文は下記よりご覧いただけますので、よろしければご一読ください。
■5月28日(金)も平井卓也デジタル改革担当大臣に申し入れ(残念ながら私は委員会で参加できませんでした)
こちらから提言となります