2021.5.11

内閣委員会〜 デジタル改革関連法案〜(2021年5月11日)

〇山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。

デジタル関連法案、今日が多分、私の質疑最後になると思うんですけれども、連日、本当に機会をいただきまして、関係の皆さん、ありがとうございました。

まだまだたくさん聞きたいこと、詰めなきゃいけないことは残っていると思いますが、特に今日は、このデジタル化で効果を出すこと、それからいろんな権利関係で難しい問題がまだ残っていると思いますので、その辺りを重点的に質疑させていただきたいと思っています。

まず最初は、デジタル化と著作権の関係の話を少し行きたいと思っております。

政府がクラウドに例えばデータを保存する場合に、新聞記事とか雑誌記事とか、著作物に該当するデータを載せることがあると思います。著作権法の問題が生じる可能性があるというふうに思っておりますが、クラウド・バイ・デフォルト原則ということで、これまでは今、中でのLANという形を中心にこの辺はクリアしてきたと思うんですが、これがクラウド・バイ・デフォルトで、まさにクラウド上になると公衆送信の問題が発生すると思いますが、この辺り念頭に置いて今回検討されてきたのか、IT室さんの方から御答弁お願いします。

〇政府参考人(成田達治君) お答えいたします。

先生御指摘のとおり、クラウド・バイ・デフォルト原則とは、各府省で政府情報システムの構築に当たりまして、効率性であったり柔軟性などの観点から、クラウドサービスの利用を第一候補として考える方針を示したものでございます。

その利用の際の具体的な検討に当たりましては、導入を検討する省庁におきまして、保存するデータの性質であったり、御指摘のありました著作権法などの関係法令を勘案してシステムの利用の在り方が検討されるべきものと、そのように考えてございます。

〇山田太郎君 今各省庁で考えなさいという答弁でして、ちょっとこれは、私は驚くべきというか、これはやっぱりデジタル庁さんなり文化庁さん、著作権課と、この後も答弁してもらいますけれども、議論をするべきじゃないかなと。

申しますのは、実はこれ、先行して社会保険庁の職員が雑誌等をLANシステムの掲示板に掲載して事件になっておりまして、これ平成二十年なんですけれども、著作権法四十二条の侵害ということを適用外とされまして、損害賠償と差止めが認められたという大きな実は判決を持っているんですね。かつ、著作権法四十二条だと、行政の目的での複製は可なんですけど、公衆送信は認められていません。

そういう意味で、職員の個人用フォルダでの著作物の保存は、複製なのでそれ自身は可かもしれませんが、同一構内からのみのアクセスできるLAN上の共有フォルダでの著作物も公衆送信に当たらず複製なので可だと。ただし、クラウド上での著作物を保存、アップロードは公衆送信に当たり不可だということなんだと思いますが、この辺り、文化庁さん、現行の著作権法上、職員が行政目的のために取得した著作物を多数の者が利用するクラウドに保存、アップロードして共有する、多数というのは、多数の、関係複数の部局だとか職員がいますのでそれに当たると思いますが、大丈夫なのかどうか、共有できるのかどうか、お答えいただけますでしょうか。

〇政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。

先生御指摘のように、著作物を不特定又は多数の者が利用するクラウド上に保存し、アップロードする行為は、著作権法上の複製及び送信可能化ということに該当いたしまして、原則として著作権者等の許諾を事前に得る必要がある、こういうことでございます。この許諾のことにつきましては、例えば新聞記事等につきましては、事前に契約等で包括的に許諾を得た上でアップロードを行うと、こういう方法もあるところでございます。

また、先生御指摘のように、行政目的の内部資料として必要と認められる場合など一定の要件に該当する場合は、著作権法第四十二条第一項の規定に基づきまして許諾なくして複製することができますが、送信可能化することは認められていないと、こういうことでございます。

〇山田太郎君 これはすごく大問題でありまして、複製はオッケーなんだけど、公衆送信化が駄目と言っているのはどういうことかというと、インターネット上で流すのには事前許諾が必要だと、こういうことなんですね。そうすると、根本的にクラウド・バイ・デフォルトを進めようということ自身が実は崩れてしまう可能性があると思っております。

そういう意味で、この問題、大臣にお聞きしたいと思いますが、私は、早急にこの著作権法四十二条の問題をきちっとクリアすると。行政がそもそも法律を犯しているという状態にならないように、複製及び送信可能化ということに関してきちっと法の整備をつつがなく追加してやるべきだと、こういうふうに思っておりますが、この辺り、大臣、いかがでしょうか。

〇国務大臣(平井卓也君) デジタル化が進むということは、当然著作物の保護と利用の在り方について常に考慮していかなければならぬというふうに思います。

政府が今原則としているクラウド・バイ・デフォルト、クラウドをベースに基本的にはシステムを考えていこうということですが、直ちにさっき言った複製をそこに格納してということは余り想定はしていなかったんですが、そういうケースもあり得るということを委員の今日の御指摘で分かりました。

基本的には、政府情報システムの構築、運用に当たっても、保存するデータの性質と著作権法との関係などを常に考慮しながら法にのっとった適切なシステム運用とかデータ利用を行わなければならないのは当然のことでありまして、今後とも文化庁を含めた関係省庁がやっぱり積極的に連携してそのような問題に事前にいろいろケースを想定してその解決策を考えておくということが必要だと思います。

デジタル庁においても、もう当然そのようなことに関しては積極的に議論に参加をさせていただきたいと、そのように思っております。

〇山田太郎君 是非、当委員会でも個人情報保護法との関係そのものについてはすごく議論してきたんですが、もう一個の著作権法ということに関しても非常に重要な、いわゆる個人その他の権利を侵す可能性もあるというふうに思っておりますので、どうか対処をお願いしたいと思います。

さて次は、効果を出す意味において、医療分野について少し触れていきたいというふうに思っております。

私、いろんな党の方で、例えば医療分野でデジタル化、どこで効果を出せるかということで、いわゆる電カル、電子カルテを普及しつつ、かつ、それだけではなくて、お医者さん、それから患者さん関係も、あるいは看護師さんその他の人たちがスマホでもってその電子カルテに例えばアクセスできる必要があるんではないかと、こういうようなことをいろんなケースからも考えまして、特にこの愛媛県にある石川HITO病院さんがすごく全国でも先駆けてこの電子カルテとスマホをうまく使って対応して、例えばリハビリの提供時間が物すごく増えたとか労働外時間が短縮相当された、これ年間二千五百万円以上の時間外手当の削減ができたとか、あるいは働き方の時間としても相当いわゆる効果が出てきて改善されたんだと、こういうような議論であります。まさに、医療、介護におけるDX推進を図るためにBYOD、その私的なデバイスを使ってできないかと、こういうことなんですね。

今、実は私的なデバイスに関しては医療情報システム安全管理に関するガイドラインというのがありまして、これ令和三年一月に出されているものでありますけれども、原則として行うべきではないと、こういうふうになっちゃっています。なので、先ほど申し上げた石川HITO病院さんも病院の方が多額の投資を、もう一個の例えばスマホを持っているにもかかわらず多額の投資をしているというような状況下でありまして、一方で病院の多くも赤字でこれ以上の投資ができない、こういうようなジレンマもあります。

私自身は、BYOD、もちろんセキュリティーには最善の努力をしつつ、ある種のそこにガイドラインを作って、いわゆるできるようにするというんですかね、そういう取組、検討がなされてもいいと思うんですが、この辺り、厚生労働省さんお願いします。

〇政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。

委員御指摘のように、厚生労働省では、医療機関において医療情報を取り扱う際に留意すべき事項として、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを定めてございます。

スマートフォン等のモバイル端末、特に個人所有の端末、BYODという形で使用して院外等で情報を確認することについては、一つは医師の働き方改革あるいは医療機関の業務の効率化に資するというメリットがあるというふうに考えております。それと同時に、やはり外部に持ち出すということですので、使い方を間違えますと、医療従事者による個人情報を含めた情報が漏えいするリスクがあるということで、さっきもそのような事件がある病院でございました。

その両面がありますので、適切な利用が行われるよう、今後、両者の観点からそのガイドラインの記載をしっかり検討していきたいというふうに考えてございます。

〇山田太郎君 ありがとうございました。

次に、教育分野に関しても、もう本当に幾つもこのデジタル化で効果を出すところを質疑していきたいんですが、何点か絞っていきたいと思います。

GIGAスクール構想で小中学生に一人一台端末が貸与されるということなわけでありますが、これ自身、私は非常に歓迎すべきことだと思いますが、ただ、子供のデジタルデバイドをやっぱりなくすために、私自身は、貸与ではなく支給に切り替えるべきなんじゃないか、こういうふうにも思っております。

一部の学校では、びっくりしたんですけれども、小学生、一年生にですね、これから皆さんにこのパッドを渡すけれども、六年たったらちゃんときれいに返してねと、君たちの後輩が使うんだからと。六年前の機種をそのまま使い続けるのかと、こういうふうにも思いますし、一方で、家に持ち帰るのかどうかという議論がありまして、文科省さんの方の公立学校情報機器整備補助金のQA集の中では、これは自治体の判断になるということになっているんですが、私は、そうすると、結局家にいわゆるパソコン環境があるかどうか、あるいは、お母さんのスマホ、お父さんのスマホを使うということになると、おうちに親御さん帰ってこないと実は宿題なんかもできないとか、そういう部分もあると思っております。

そういう意味で、貸与というよりも基本的に支給ということに、結局減価償却だったりそういうこともありますので、切り替えて考えていくべきじゃないかということを思っておりますが、この辺り、文科省さん、いかがでしょうか。

〇政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。

文部科学省では、学校ICT環境の違いによりまして子供たちの学びに差が生じることがないようにということで、GIGAスクール構想に基づきまして全国の小中学校における児童生徒の一人一台端末の整備に取り組んでまいりました。

また、学校のみならず、今御指摘いただきましたように、ICT端末を自宅等での学習において活用することも有効と考えておりまして、自治体を始めとする学校設置者等に対しまして、家庭への持ち帰りを含め、様々な場面で端末を適切に活用するよう働きかけているところでございます。

今回整備いたしました端末につきましては、学校の授業や家庭での学習において使用するということを念頭に学校に必要な備品として整備いたしましたので児童生徒個人に支給するものではございませんけれども、引き続き、学校設置者等とも連携しながら、効果的な活用の促進に取り組んでいきたいと考えております。

〇山田太郎君 それだと答えていないと思うんですね。学校の方針でもって判断されると、それによって差が出てしまうではないかということが論点なので、ここはガイドラインでも構わないんですけど、できれば、子供たちに、家に持って帰ってもセキュリティーのところだけ気を付けてねという、きちっと指導をすると。まあ学校にいたって別にセキュリティーの問題は関係しているわけですから、校内だと漏れない、校外だと漏れると、こういうこと絶対ないわけでありまして、理屈から考えても余り問題はないんではないかと思っています。

何度も言うようですけれども、いわゆる持っている子、持っていないかということによってデジタルデバイドが発生するということは大変大きな逆に課題になってしまうと思いますので、改めて答弁いただけないでしょうか。

〇政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。

先ほども少し申し上げたとおりでありますけれど、ICT端末、家庭でも是非使ってほしいということにつきましては、文科省でも設置者に対しまして通知等でも働きかけをしているところでございまして、是非、御指摘いただきましたセキュリティーの問題ですとか、あるいは、安全に使うということ、健康面に配慮するということ、いろんなことに配慮しながら家庭でもしっかり使っていただきたいというふうに思っているところでございまして、我々としても、引き続きその旨お伝えをしていきたいというふうに考えております。

〇山田太郎君 是非、おうちに持って帰ってでも使うということを前提として、これは進めてもらいたいというふうに思っております。

さて、もう一つは、家でのインターネット環境の整備ということも大きな問題だと思っておりまして、デジタルの教材等は、今後、動画というのが中心になってきます。そうすると、やっぱり家の中でインターネットの環境があるかないかということで、これはまた子供のデジタルデバイドにつながってはならないと。

当委員会も、例えば高齢者の人だとか、そういう方についてもデジタルデバイドの議論をしてきたんですが、子供にもそういうことがあっては私はならない、家庭環境の差によってもならないと思っておりますが、この辺り、家庭でのインターネット環境の整備についての取組、これも考えていらっしゃるのか、御答弁ください。

〇政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。

一人一台端末を活用した学びを進めるに当たりまして、家庭のICT環境の違いによりまして、御指摘いただきましたように、子供たちの学びに差が生じるということは、生じないようにしないと、しないようにするということは極めて重要なことと考えております。

このために、文科省としましても、これまで補正予算等を通じまして、経済的にICT環境整備が困難な家庭に学校が貸与するモバイルルーター等の整備支援でありますとか、あるいは低所得世帯への通信費の支援などの取組を行っております。今後とも、GIGAスクール構想に基づき整備された一人一台端末が学校はもとより家庭におきましても効果的に活用されまして、全ての子供たちの学びの充実が図られるように支援していきたいと考えております。

〇山田太郎君 その辺りの補助は多分これから始まったところだと思いますので、我々自身もしっかりそれが行き渡るようにしていただきたいというふうに思っております。

さて、最後になりますけれども、GIGAスクール構想で貸与された端末で今度は生徒自身が作った制作物とか動画が例えば保存、ダウンロードされた場合に、卒業後その内容は引き継げるんだろうかという問題もあると思っています。小学校から中学校、中学校から高校、もしかしたら大学、あるいは個人として使えるのかどうか。例えば端末の中にあるものは貸与されたものであるからそれが引き継げないということになると、例えば歴史でこれを、僕はこういう動画見て勉強したんだけどというものが全部クリアして、しなければならないということにもなるかと思っています。

一方で、実はこの問題難しいのは、先ほどのまた著作権の話にもなるんですが、今回、教育目的における公衆送信権、送信に関しては緩和されて使えるようになりましたが、その教育目的というところも難しくて、じゃ、成人になった場合、それを引き継ぐと、多分教育目的送信としていわゆる取っていたものができなくなる可能性もあると、この辺の整理を是非していただきたいと思うんですが。

まず、卒業時にそのデータをきちっと個々人は引き継げるんだろうか。これ、学校はじゃなくて個人がですよ、個人が自分のものとして大事に学習の結果として引き継げるんだろうか。それから、公衆送信、教育目的における公衆送信においていわゆるダウンロードされたものというのは、今後、例えば成人等を含めたら、きちっと消さなければ直ちに著作権法違反になってしまうんだろうか。

その辺り、是非御答弁いただきたいと思います、文科省さん。

〇政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。

GIGAスクール構想によって一人一台端末の環境が整備進んでおりますので、教育データを蓄積、活用していくことというのは、一人一人の学びの状況を継続的に把握し、指導や支援の充実を図っていく上でも大変重要と考えております。

学校の教育活動で蓄積される教育データをどのように児童生徒に引き継いでいくのかということにつきましては、紙の記録と同様に、学校設置者や学校におきまして個々の状況に応じて判断されるということになりますが、現状におきましては、児童生徒等の間ではありませんけれども、学校間でこの教育データを引き継ぐことによりまして、小学生の学力、体力、生活状況等のデータを中学校の指導や授業の内容に反映させているといったような事例もあると承知しております。

文科省としましては、引き続き教育データの引継ぎに関する好事例の収集や発信というものを行うとともに、児童生徒個人への引継ぎの在り方につきまして、その適切な在り方についても、御指摘いただきました著作権の問題なども生じてこようかと思いますが、引き続き検討させていただきたいと考えております。

〇山田太郎君 時間になりました。

学校間というよりも、大切なのは、個人で作った大切な、やっぱりもう自分の財産だと思うんですよね。それがいわゆる法律のはざまの中におっこちちゃって、自分でずっと活用し続けないというのは問題だと思いますし、これ、教育目的の公衆送信の問題に関してはまだまだ詰めなきゃいけないことはたくさん、別のちょっと法案の議論されていると思いますが、これは著作権課さんも含めて是非お願いしたいというふうに思っております。

以上、ありがとうございました。

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