2021.11.10

秋の行政事業レビュー2021①「こどもの貧困・シングルペアレンツ問題」を検証

2021年11月8日から2日間にわたり、秋の行政事業レビューが行われました。行政事業レビューとは、国の約5,000のすべての事業について、Plan(計画の立案) – Do(事業の実施) – Check(事業の効果の点検) – Action(改善)のサイクル(「PDCAサイクル」)が機能するよう、各府省が点検・見直しを行うもので、いわば「行政事業の総点検」とでもいうべきものです。各府省が最終公表した行政事業レビューシートを基に、更なる見直しの余地がある事業を対象として、行政改革推進会議の下「秋のレビュー」と呼ばれる公開検証を実施します。私は、今回の「秋のレビュー」に、デジタル大臣政務官として出席し、レビューを実施しました。

2日目のテーマは、私が公約にもかかげる「こども庁の創設」と深く関わるテーマのため、ブログで詳細をお伝えします。

まず、「子どもの貧困・シングルペアレンツ問題」「子どもの見守りシステム」についてです。

論点は以下に4つです。

  • 支援ワンストップ化・手続き簡素化について

・支援を受ける者、支援を行う側双方の事務負担の軽減・利便性の向上の観点は確保されているのか。

  • プッシュ型支援について

・支援を必要とする人やイエローゾーンの方への状況を的確に把握し、子どもの成長に応じた切れ目のない支援につなげていくアウトリーチの取り組みは進んでいるか。

・自治体における福祉部局と教育部局の情報の一元化、連携がうまくいかない要因はなにか。

  • 学習支援の充実

・学校外教育の充実等、中退者等にも配慮した切れ目のない支援の取り組みが進んでいるか。

  • 現場のマンパワー拡充と雇用の安定化

・現場の声(実態調査等)を踏まえた母子・父子支援員等の支援を担う人材の待遇改善・キャリアアップのための取り組みは有効なものとなっているか。

  • その他(不登校支援、養育費手続きの簡素化・迅速化、コロナ禍での支援)

各取り組みについて、コロナを踏まえてどのように対応しているのか。

私からは、「議論が子育てのワンストップ化に向いている。貧困・シングルペアレンツ全体で政府は何ができていないのかを明らかにすべき。データをつないだだけでは、イエローゾーンの家庭にアクセスし、こどもの問題解決することはできない。一足飛びにデジタル化という話ではなく、シングルペアレンツや貧困の実態を把握し、当事者に向き合いながら施策検討を進めていくことが重要。それがあって、真のワンストップ支援が実現できる。その後ろ側の制度と合わせて、こども庁や情報の一元化を急いでいくべきだ。」という意見を述べました。

また、「シングルペアレンツの貧困の原因はなんなのか。現在、シングルペアレンツの約23%しか養育費を払われていない。そこには、弁護士にアクセスできない。相手側の住所を明らかにできないといった大きな原因もある。また、産後うつや働くときの子どもの預け入れ、休みやすい企業制度等、そういったシングルペアレンツの問題に迫ったうえで、困った問題を深堀し、解決すべきであるデジタル以前の問題として、当事者に寄り添って何をすべきかを迫って仕組みを検討すべき。」ということも強く主張しました。

ワンストップ型の支援については、データを使って子どもの貧困の探査、探知しアプローチする場合の、個人情報の取り扱いの整理も必要です。また、県をまたぐ場合の情報引き渡しの問題、小中から高校への情報の連携についても議論されるべきです。

牧島大臣からは、「行革推進会議の下におかれたワーキングチームで政務官に出席してもらい議論を深めていきたい」という指示がありました。「子どもの貧困とシングルペアレンツ問題」について政府内で、私が責任をもって進めていきます。

次のテーマである、「子どもを見守るためのデータ連携」「教育現場のオンライン化」のレビューについても次のブログでご報告いたします。

▽全編は以下からご覧いただけます▽
https://youtu.be/Chw1JN9P1Lc