2024.4.2

財政金融委員会〜金融政策決定会合における決定について、イノベーションボックス税制について、スタートアップに関する税制について 他〜(2024年3月21日)

金融政策決定会合における決定について

○  山田太郎君 自由民主党の山田太郎君でございます。よろしくお願いします。

財政金融委員会での、私、実は質疑初めてでご ざいますので、元々は専門外だったんでありますけれども、筆頭理事にもなりましたので一生懸命頑張らせてやらせていただきたいと思っています。

まず、今回、金融政策会合決定で、マイナス金利解除と、十七年ぶりの利上げということもありまして、イールドカーブの、イールドカーブコントロールの終了ですとかETFの新規購入枠の終了等が決定されました。

それぞれの、まず、植田総裁の評価をお伺いしたいと思います。あわせて、引き続き行われる金融緩和策というのはあるのかどうか、これも併せてお願いします。

○  参考人(植田和男君) これまで私ども日本銀行は、マイナス金利政策、イールドカーブコントロールは主として実質金利の低下を通じて、また ETF等の買入れはリスクプレミアムに働きかけることを通じて経済、物価の改善を促してきたと考えております。

一昨日の金融政策決定会合では、賃金と物価の動向をしっかりと点検した上で、先行き、二%の物価安定の目標が持続的、安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断し、大規模な金融緩和の見直しを決定いたしました。

引き続き、二%の物価安定の目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から、短期金利の操作を主なる、主たる政策手段として、経済、物価、金融情勢に応じて適切に金融政策を運営してまいります。

先行きについても、現時点で私どもが持っております経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境は継続すると考えており、こうした緩和的な金融環境は経済、物価をしっかりと支える方向で作用すると見ております。

○  山田太郎君 今、総裁の方が、二%の物価安定の目標が持続的、安定的に実現するとおっしゃっていたんですが、実際どの程度続くと御覧になられているのか。特に気になりますのは、今回いろんな形で物価が上がっていますが、資源価格の高騰ですとかコロナ禍の経済の復活と、こういったこともあったというふうに思っておりまして、一時的ないわゆる上がりではないかという懸念もあると思うんですね。

そういう意味で、この物価上昇が今回の決定によって腰折れすることは本当にないのかどうか、その辺り、お願いしたいと思います。

○  参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、過去二年程度振り返りますと、消費者物価の前年比は、コロナ後の世界的な経済の急回復やロシアのウクライナ侵攻等を受けた輸入物価上昇というコストプッシュの影響を強く受ける形で高めの水準で推移してまいりました。こうした既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきておりまして、先行きも減衰していくと考えております。

ただ一方で、サービス価格を見ますと、これま での緩やかな賃金上昇も受けて緩やかな上昇が続いております。また、春季労使交渉の動向など最近のデータ、あるいは私どものヒアリング情報を踏まえますと、賃金と物価の好循環の強まりは確認されてきております。一月に出しました展望レポートでも、二四年度の物価見通しは二%を上回ることを見込んでおります。さらに、我が国では、中期的な予想物価上昇率はまだ二%に向けて上昇していく過程にあると考えております。

日本銀行としては、当面、緩和的な金融環境を継続することを通じて、経済、物価をしっかりと支えていく方針でございます。

○  山田太郎君 ちょっとこれは質疑通告していないんですけど、ちょっと厳しい言い方をすると、結局まだ見通しなんですよね。過熱感が本当にあるのかどうかということも含めて早過ぎたんではないかというような嫌いもあると思っています。物価安定を本当にしっかり見た上でやるべきで、かつ金融の正常化を焦ってはいないかといった声もあるんですが、済みません、総裁、その辺りいかがでしょうか。

○  参考人(植田和男君) もちろん、完全に二%を長い期間持続的、安定的に達成したということを見極めてからいろいろな大規模緩和の措置を終了するという選択も考えられたと思いますけれども、もしもそういう選択をした場合には、物価が二%、インフレ率がですね、二%の上昇率できちんと止まるかどうかはっきりしない、アップサイドのリスクも非常に上がってまいります。また、それを抑えるために大規模緩和政策を終了した後の金利の引上げというのは非常に急速、大幅なものとなる可能性が強まってまいります。そういうことがもたらすリスクとの比較考量の上、今回のような措置、判断をいたしたということもあります。

○  山田太郎君 もう一つ、今回の割と情報がリー クされていたんじゃないかということと、相当市場関係者、伝わっていたんじゃないかということで事前から相場が動いていたと思うんですが、その辺の情報管理というのは、済みません、ちょっと厳しい言い方をすると、しっかりやられていたかどうか、その辺りもお聞きしたいと思いますが、いかがですか。

○  参考人(植田和男君) 情報管理は常日頃のやり方でしっかりしてまいりました。ただし、委員御指摘のように、様々な報道が今回の政策決定の前に行われたことも事実であるかと思います。

その背景としては、私ども、今回の政策変更が かなり大規模なものになるということを考えまして、前もって、その政策変更に至る場合はどういう考え方でどういう指標を見つつ実行するのかという点を市場や経済の様々な主体に向けて分かりやすく発信するということに努めてまいりました。そうした我々の情報発信を受けた形で様々な観測報道がなされたというふうに理解しております。

○  山田太郎君 是非、今後も情報発信は是非慎重に、気を付けていただいた方がいいかと、特定の人だけがもうかるような仕組みではまずいと私は思っておりますので、是非それお願いしたいと思います。

さて、もう一つ、今回決定でローン金利が国民生活にどんな影響を及ぼすのか、そしてそれに対して今後日銀はどんな対応をしていくのか、これも心配されておりますので、是非総裁の方からお願いします。

○  参考人(植田和男君) 住宅ローンを含みます貸出金利ですが、今回の政策変更を受けて市場金利が動きます。その動向を踏まえて、各金融機関の判断において設定されることになります。

もっとも、今回の政策変更に伴う短期金利の上昇は〇・一%程度にとどまります。また、長期債市場では、これまでと同程度の国債買入れを継続し、長期金利が急激に上昇する場合は、更に機動的に買入れオペの増額等を実施する方針であります。

したがいまして、今回の措置を受けて、住宅ローン金利を含む貸出金利が大幅に上昇するとは見ておりません。先行きについても、現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、先ほども申し上げましたとおり、当面緩和的な金融環境は継続すると考えております。こうした緩和的な金融環境が経済、物価をしっかりと支える方向で作用すると見ております。

○  山田太郎君 日銀総裁の質問はここまでですので、委員長のお計らいをお願いします。

○  委員長(足立敏之君) 植田日本銀行総裁は御退席いただいて結構でございます。

イノベーションボックス税制について

○  山田太郎君 次は、今回の所得税法等改正のイノベーションボックス税制について少しお伺いしていきたいというふうに思っています。

今回、国内での無形資産投資の後押しのために導入を予定していますイノベーション税制ボックスなんですが、特許権とAI関係のプログラムの著作権が対象の知的財産とされているんですね。このイノベーション税制の導入による減収額は二百三十億というふうに出ているんですが、ところで、現在、国内外の著作権料の使用料の額が分からないのにどうやってこれ統計出されたのか、教えてください。

○  政府参考人(田中哲也君) お答え申し上げます。

減収額につきましては、対象の知財が令和六年 度以降に取得されたものに限定されていることなどを踏まえますと、適用件数や適用規模の見込みを現時点で示すことは難しいものがございますが、関連する統計データ等に基づきまして、平年度で減収規模は年間二百三十億円程度となると試算されております。

なお、御指摘の特許権の使用料については、経済産業省の企業活動基本調査の技術取引の受取額の項目において、著作権に関わるライセンス取引や譲渡取引の受取額として示されておりまして、減収規模の試算に当たってはこうした数値を活用しております。

○  山田太郎君 逆に、このイノベーションボックス税制の導入で、対象の知的財産への投資額がどれぐらい増えるというふうにこれは試算しているんですかね。

○  政府参考人(田中哲也君) お答え申し上げます。

イノベーションボックス税制の導入による国内投資への効果につきましては、事業環境や制度の活用状況等の様々な影響を受けることから、現時点で定量的に申し上げるのは困難でございます。

ただ、他方で、制度の対象範囲や税率が異なるため単純な比較は難しいものの、例えば、同様の制度を導入している英国では、イノベーションボックス税制の効果として、税制の適用を受けた企業の投資額が制度導入から五年間で一〇%増加したという調査結果を二〇二〇年に英国の税務当局が公表しております。

こうした英国の事例を踏まえますと、我が国でもイノベーションボックス税制を導入することによって知的財産権を生み出す投資が増加するものと期待しております。

○  山田太郎君 知財を一生懸命活用していくというのは分かるんですが、ちょっと試算が、イギリスでやっているからだとか、そんな感じで甘いんじゃないかなと思うところなんですが。

そのもう一つの理由に、多分この税制のAI関連のプログラムの著作権というものがいまいちはっきりしないんだと思うんですね。AIによって作られたプログラムって何を指すのかとか、著作権部分というのはどこなのかとか、こういったことがありますので、このAI関連のプログラムの著作権に該当するというのはどんなものを想定されているのか、それも教えてください。

○  政府参考人(田中哲也君) お答え申し上げます。まず、AI関連は、官民データ活用推進基本法に定める人工知能関連技術を指しておりまして、人工的な方法で学習、推論、判断等の知的な機能を実現することやその機能を活用することに関する技術を指しております。その上で、AI関連プログラムとしては、例えば生成AIの基盤モデルや個別モデル、その開発に必要なソフトウエアを想定しているところでございます。

なお、具体的な定義につきましては、業界団体や外部有識者等の専門家との議論を行い、検討した上で下位法令やガイドライン等でお示しする予定でありまして、事業者の方々にも活用しやすい制度にしたいと考えております。

○  山田太郎君 そのときに、著作権というのは無方式主義、つまり何か登記されたり登録されたりするということじゃなくて著作権って発生するんですよね。税務上、この著作権性とか著作権者性をどう判断するのかなと。誰に帰属するのかというのは非常に分かりにくいし、もめるところだと思います。

仮にこの税制の適用を受けた場合に著作物性が否定されたり著作者性が否定された場合には税務上どんな処理になるのか、これ、経産省さん、財務省さん、それぞれお答えいただければと思っています。

○  政府参考人(田中哲也君) お答え申し上げます。

御指摘のとおり、著作権は無方式主義であると承知しておりますが、事業者が自ら研究開発を行い製作したプログラムについては、通常、その事業者が著作権を有しているものと考えられます。その上で、経済産業省としては、イノベーションボックス税制を利用するに当たり、申請者から提供されたプログラムの概要や活用状況、関連する研究開発活動に関する情報を事前に確認し、当該プログラムが税制の適用対象になる知財である旨の文書を交付することを予定しております。

なお、訴訟等で事業者が他者の著作権を侵害していたことが明らかとなった場合には、経済産業省の確認後であったとしても制度の対象外となるものと考えております。

なお、御指摘の税務上の扱いについては税務当局において対応されるものと認識しております。

○  政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。

イノベーションボックス税制の対象となる特定特許権等に該当するかどうかにつきましては、先ほど経済産業省の政府参考人から説明があったとおり、経済産業省におきまして確認の仕組みが検討されていると承知しております。

その上で、一般論として申し上げますと、納税者が租税特別措置を適用した確定申告書を提出した後にその措置の適用を受けられないことが判明し、納付すべき税額が不足してきた場合には、その納税者は修正申告及び不足していた税額の納付を行っていただくということでございます。

スタートアップに関する税制について

○  山田太郎君 次に、スタートアップに関する税制といったところをちょっと質疑させていただきたいと思います。

今回、ストックオプション税制を始めとしていろんな税制議論されていますが、ちょっとそれに関連して、私自身、現行の税制上の減価償却制度ってちょっと問題があるのかなと思っているんですね。

法令によりまして、御案内のとおり、各資産の耐用年数というのはいろいろ決められているんですけれども、例えばよく言われるのは、パソコン四年とかサーバー五年、スマホは実は十年間、十年前のものを使っている人の方がもう珍しいというふうに思うんですけれども。あるいは、そういった意味で、実際の企業活動に合わせて各企業、本来、これはどれぐらい使うのだからということで償却期間を決められるということの方がどんどんどんどん投資も促進されると。そうでないと減損の対象になっちゃいますので、そういう必要があるというふうに思っています。

そういう意味で、私、以前から、自由償却税制、もちろん自由といっても毎回毎回変えるのではな くて、しっかり宣言をした上で、我が社はパソコンならパソコンをどれぐらいの償却期間とするということを宣言するということでその償却の仕組みをつくると、これもありなんじゃないかなと。現実的に定率法とか定額法で得られる分もあるわけでありますから、そういった意味で、今後投資を促進するといった意味、それからむげな、過度な例えば減損をさせないという意味においても、この自由償却というか事前決定償却主義というんですかね、そういったものを検討していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○  国務大臣(鈴木俊一君) 固定資産の減価償却でございますけれども、課税所得を計算する際の適正な費用配分を行うものでありまして、公平公正な課税を確保する観点から統一的な取扱いとするため、使用実態を踏まえて資産別に税務上の耐用年数を定めているところでございます。

そして、いつ、どの程度の減価償却を行うかに ついて、企業の自由に任せてはどうかということでございますが、これにつきましては、恣意的な利用調整により課税の公平性を損なうおそれがあるため、慎重に検討すべきものと考えております。

一方で、特段の政策的必要性が認められる場合には、即時償却でありますとか特別償却を認めてきております。例えば、令和五年度税制改正においても、即時償却等を含む中小企業経営強化税制の二年延長を行ったところでございます。

こうした制度によりまして、スタートアップの積極的な投資を促してまいりたいと考えております。

○  山田太郎君 実は、私も会社幾つか経営してき ている中で、結構この償却というのは、多分すごく利益に対してというか企業経営に対して余りニュートラルな立場にないんですね。税金というのはあくまでもいろんな行いに対してニュートラルな立場でなきゃいけないのであって、税制の方がそれぞれの固定資産をどれぐらい使うべきなのだ、どれぐらいで価値がなくなるのだというのはやっぱり私はおかしいと思っていますので、これちょっと引き続きやっていきたいと思いますから、議論はさせていただきたいと思います。

次ですけれども、スタートアップの経営者に対する対応ということで、創業してからしばらくの間はスタートアップの創業者ってどれぐらい売上げとか利益が出るか分からないんですよね。そういった意味で、通常は役員報酬というのを低く抑えていたりとか、あるいは定期的な給与を取らない、で、何とか、もうかったというところまでいきません、食っていけるぐらいになってきて初めて自分たちに給与を出そうと思えたら、事前に決めていないんで当然それは賞与になるんだということになってしまって損金扱いもできないと、まあこういうことになってしまっています。業績連動報酬とかの仕組みもあるというふうに言うんですけど、同族会社以外は使えないので、事実上これもできないんですね。

なので、これ、本当にスタートアップを助けるためには、創業から一年、柔軟に役員報酬を決められるような仕組み、それがあっていいんじゃないか、あるいは、それが遡って給与というふうになるようなことで後押しできないかなと。

いつも私が何社か会社をつくっているとき、本当にこの問題、みんな苦しんで苦しんで一年頑張って、やっとお客様からお金いただいたら、それは税金でたんまり持っていかれてしまうということでは、余りスタートアップの後押しになってないと思いますので、この辺り、是非、改革というか新たな提案求めたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○  国務大臣(鈴木俊一君) 役員給与におけます法人税の取扱いでございますが、その水準を恣意的に操作することによって税負担が回避されないようにするために、毎月決まった額を支払うような報酬に限って役員給与の損金算入を認めているところでございます。

山田先生から御指摘の役員への業績連動給与、これは特定の指標について報酬委員会等の適正な手続を経ていることを要件に損金算入を認めているものでありますが、同族会社は少数の株主に支配されているため必ずしも恣意性を排除できないことから、損金算入の対象としてはいないところ でございます。こうした制度は課税の公平性を担保する観点から設けられているものでありまして、その柔軟化には慎重な検討が必要であると考えます。

一方で、スタートアップを推進していくこと、 これは重要な課題である、あるわけでありまして、例えば令和五年度税制改正においては、自己資金による創業等をした場合、投資額と同額の株式譲渡益を二十億円まで非課税にするという措置が、措置を講じたほか、現在御審議をいただいております改正案におきまして、ストックオプション税制について、スタートアップの人材確保を後押しするため、年間権利行使価額の上限額の引上げ等を行うこととしております。

こうした措置を通じまして、日本におけますスタートアップ育成に向けて取り組んでいきたいと考えているところです。

○  山田太郎君 大臣は後半のところでスタートアップ推進やっていると言うんですけど、本当に始めたスタートアップの苦しさというのは食っていけるか食っていけないかという瀬戸際でやっているのであって、おっしゃられたところは二次的というか、ところだと思うんですよね。

恣意的というのも分かるんですが、実際は、じゃ、最初の会社というのは消費税減免されていりだとかいろんな手当てがある中で、一番重要な 本当に頑張っている人たちを応援するという仕組みにおいて、その人たちの最低限の生活を支えるためにはどうしなきゃいけないのかという意味では、私は、当初のつくったばかりの会社、しかも、何かの制限をしてもいいと思います、確かに、いわゆる税金を逃れようと思って、じゃ、どんどん会社つくっていって、それに関しては全部賞与にならないというふうになられてもまずいので、それは分かるんですけれども、ちょっとこの辺り、今後も提案していきたいと思いますので、継続して提案というか主張させていただければというふうにも思っております。

消費課税におけるプラットフォーム課税について

次に、消費課税におけるプラットフォーム課税といった辺りも、今回プラットフォーマーに対する対応、規律ということで出ていますので討論、質疑させていただきたいんですけれども、消費課税におけるプラットフォーム課税については、デジタルプラットフォームを通じて役務提供を行う国外事業者のみを対象とする制度ということにされています。

今回、国外事業者、国内事業者を対象とする制度というのはあるんですけど、今回の法改正で前者を選択したというのはどうしてなのか、この辺りを教えてください。

○  政府参考人(青木孝君) お答え申し上げます。

今般、プラットフォーム課税を導入することといたしましたのは、執行管轄権が及ばない国外の事業者に対しまして適正な課税を確保し、国内の事業者との公平な競争環境を早期に整える必要があったことなどが背景にございます。

委員御指摘のとおり、諸外国、あっ、委員が御指摘のとおり、諸外国には国内、国外双方の事業者が提供するデジタルサービスを対象にする国もあると承知しておりますが、国内の事業者につきましては、税務当局の目の行き届くこともあり、適正な課税の確保が期待できること、仮に対象とした場合にはプラットフォーム課税対象のプラットフォームを介した取引かどうかで売上げを区分して管理する必要が生じ、追加的な事務負担が生じることなども考慮して、国内事業者が行うデジタルサービスについては対象としなかったところでございます。

○  山田太郎君 この問題は、二〇一五年の三月に改正消費税法ということで、役務を行っている者が国内にある場合は、海外からインターネット取引したとしてもちゃんと消費税払いなさいよと、こういう法律からスタートしていて、なかなかそこで回収できないということなので、プラットフォーマーを経由してきちっと消費税を納めてもらいましょうと、こういうことなんですね。

実は私、これ深く関わっておりまして、たしか 二〇一四年段階だと思いますが、元、ここの委員にもされていた大久保議員と一緒に私が議員立法をさせていただいて、ただそれはちょっと是非財務省の方で閣法で出させてくれと言われて、一年待ってこの法律ができたということもあって、そういう意味ではしっかりやっていただいているというのは、裏を返して私は感慨深げなんでありますが、一方でまだまだ課題は多いということでありまして、しっかり外国会社に対しては消費税を納めてもらうというふうにしたいんですけれども、例えば、これ一番ターゲットというか対象になるのは、海外のゲームアプリ事業者なんですよね。

そういった意味で、そもそも日本に消費税を納めていない、そういった海外ゲームアプリ事業者がどれぐらいの数あるのか、どれぐらいの消費税が未徴収となっているのか、これも教えてください。

○  政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。

国税当局といたしましては、日本において消費税の申告納税義務のある海外ゲームアプリ事業者につきましては、様々な機会を通じて入手した情報などから捕捉に努めておりますが、御指摘のような件数を網羅的に把握しておりませんので、お答えすることは困難でございます。

○  山田太郎君 一方で、今回の消費税法の改正によって、今後海外ゲームアプリ事業者に関わる消費税の納付がどれぐらい増えると試算しているのでしょうか。

○  政府参考人(青木孝君) 今般のプラットフォーム課税の導入によりまして、デジタルサービスを提供する国外の事業者に代わってプラットフォーム事業者から適正に納められることとなる消費税額は、国、地方合わせて平年度ベースで約二百三十億円と見込んでおります。

○  山田太郎君 これ、ちょっと不思議なんですよね。幾ら納められているか分からないと言っておいて、今回の仕組みで納められる金額は二百三十億って分かっているという、どういうことなのかなということなんですけど。

多分、一つ、からくりは、これプラットフォー マーの対象も五十億円以上の取引というところがあるので、全部は多分集められないんだろうなということと、もう一つは、プラットフォーマーを経由してこないものというのもあるわけでありまして、それは相変わらず、まあ、ざるというかですね、消費税が取れていないんじゃないかと。で、今後、BトゥーBトゥーCであればこのモデルをプラットフォーマーを介して消費税を徴収することはできるんですが、いわゆるBトゥーCですとか、昨今、CトゥーCですとか、あるいはUGC、ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツという時代になってきていますので、すぐプラットフォーマーだけでは対応が非常に難しいんじゃないかというふうに思っているんですけれども、済みません、この辺り、質疑通告していなかったんですけれども、そういったところに関しては今後どういうふうに考えていけばいいのか、お答えいただけますでしょうか。

○  政府参考人(青木孝君) 今の現状のマーケットを見てみますと、今回の五十億円以上のプラットフォーマーを対象にすることによりまして国内市場の約九割程度をカバーできるのではないかというふうに考えておりますが、本件、これからこの制度を導入して、その状況をよく注視しながら、いろいろまた必要があれば対応を考えていきたいと考えております。

○  山田太郎君 一方、申告とか納税義務を果たしていない海外事業者に対して日本はどういうふうに対応していくことができるのか、これも併せてお答えください。

○  政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。

国税当局といたしましては、インターネット等の情報など様々な機会を通じまして収集した資料情報について分析、検討を行うとともに、租税条約等に基づく情報交換の積極的な実施により外国税務当局とも緊密に連携、協調いたしまして、国内に拠点を持たない事業者の実態の把握に努めております。

その上で、日本で消費税の申告納税義務を果たしていない事業者が把握された場合には、日本国内に納税管理人を指定の上、その者を通じて申告納税を行うよう促しております。また、仮に課税上の問題が認められる場合には、納税管理人を通じまして海外事業者へ連絡し、調査等の対応を行うこととしております。

資金決済法

○  山田太郎君 次に、資金決済法等に関してお話聞いていきたいと思うんですけれども、これ、消費税だけにとどまらずに、資金決済法は、前払方式というのがありまして、基準日における未使用残高が一千万円を超える前払方式の自家型発行者と第三者発行者、発行者は、その未使用残高の二分の一以上に相当する額の発行保証金を法務省に供託して保全することが義務付けられているということです。これ、ゲームの課金とかでいろんな通貨みたいのをゲームの中でやった場合に、それをどこか行っちゃわないようにその半分は保全しなきゃいけないということなんですね。

ただ、残念ながら、この供託義務を負っている、履行していない海外ゲームアプリ業者が多数いる んじゃないかと、で、日本のゲームアプリ業者との競争においても不平等が生じているんじゃないかと、こういうふうに考えているんですけれども、この供託義務を果たしていない海外ゲームアプリ 事業者ってどれぐらいいるのか、把握しているのか、教えてください。

○  政府参考人(油布志行君) このゲームアプリ事業者のうち海外事業者でございますが、届出、登録を行わず資金決済法上の義務を果たしていないおそれがあると判断し、金融庁財務局が接触を図った事業者は、二〇二三年の一年間で二十二事業者存在いたします。

当該二十二のこの海外事業者でございますけれども、現時点では、うち六事業者が日本拠点から届出を実施いたしました。四事業者は届出が不要な事業者であると判明しております。で、残る十二事業者について照会を継続しております。

○  山田太郎君 本来、日本の国内向けに課金があるゲームを提供している海外のゲームアプリ事業者は、外国企業の登記が必要だということでもあります。

金融庁が二〇二三年に対応した二十二のこの海外ゲームアプリ事業者のうち、外国会社の登記がされている会社は何社あったのか、これを教えてください。

○  政府参考人(油布志行君) 当該二十二の海外事業者について確認私どもの方でいたしましたところ、九事業者が登記されております。この九事業者は、ただ、外国会社としてではなく、日本における現地法人として登記されてございました。

○  山田太郎君 あのですね、これ、非常にネットにおける問題だと思っておりまして、例えば、何か海外事業者が悪さをしますといったときに、国内に登記をされていないとほぼもうその会社を罰していくだったりとか、裁判を起こそうと思っても、いわゆる管轄権の問題から海外で裁判を起こさなきゃいけない、こういうような嫌いもあるわけですね。

これ、実は海賊版対策なんかでも同じ問題も起 こっておりまして、特にこの問題に関しては、会社法の八百十七条と八百十八条で、本来、国内で継続的に取引する会社は外国会社としての登記をきちっとしなければならないと、こういう話なんですね。実際、これは法務省さんとか総務省さんが実は結構動いていただいて、多くの会社が外国会社との登記をし始めたんですが、まだまだゲームアプリ会社はそういった動きになっていません。

是非、しっかり法律に基づいて、我々も法治国家でありますから、日本の権益を守るためにも、しっかりと外国会社に対して登記をしていただいて、消費税を払わないというようなことのないように、是非お願いをしたいというふうにも思っています。

そういった意味で、これ、いろいろと供託義務を果たしていないケースがあるということで、金融庁さんの方は幅広い情報収集とそれから適切な対応というのをお願いしているんですが、作成のリーフレットというのがあるんですね、資金決済法に基づく手続が必要であるというふうになっているんですけれども、今私が申し上げた外国会社としての登記も法務省さんと一緒に盛り込んでもらいたいと、こういうふうに思っておりますが、この辺り、大臣、よろしくお願いします。

○  国務大臣(鈴木俊一君) 御指摘のように、外国の会社が日本において取引を継続して行おうとするときは、会社法に基づきまして外国会社の登記を行うか又は国内で設立登記した法人で事業を行う必要があると認識をしております。

海外ゲーム事業者等がこうした登記を適切に行 った法人により事業を行えば、日本における代表者や所在地等の確認が容易になりまして、金融庁としては、当該海外ゲーム事業者等が資金決済法に基づく届出義務や供託義務を履行しているかどうかの実態把握がしやすくなると考えております。

こうしたことから、金融庁といたしましては、法務省としっかり連携をいたしまして、海外ゲーム事業者に対する周知において、海外ゲーム事業者が日本国内でサービスを提供する場合には外国会社の登記又は国内で設立登記した法人で事業を行うことも必要である旨を盛り込むように前向きに検討したいと思っております。

○  山田太郎君 前向きということなんで、しっかりやっていただきたいと思います。

国民からは、インボイスということで、八%なのか一〇%なのかということで、相当細かく消費税をきちっと取るということを国はやろうとしているわけなんですから、海外企業がこれによって多額な消費税を払わないというのは多分あり得ない話だと私は思っておりますので、まず国民を大事にするという意味においても、しっかり海外事業者から取るべき消費税は納めてもらうということを徹底していただきたいというふうにも思っております。

時間も来ましたので、私の質疑はここまでにしたいと思います。

どうもありがとうございました。

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