2025.6.15
東京コロニー大田福祉工場の50周年記念,新たに完成したデジタル棟のお披露目式に参加
このデジタル棟は、国立国会図書館の蔵書をスキャンしてデジタル化する業務が行われます。
実はこの業務、私が国会で予算を確保し、関係省庁と連携して立ち上げた事業の一つなんです。
6月11日、東京コロニー大田福祉工場の50周年記念式典、
そして新たに完成したデジタル棟のお披露目式に参加しました。
目の前に立派な建物が完成し、関係者の皆さんとともに完成をお祝いできたこと、感無量でした。
■月1万7千円の現実を変えたい
このプロジェクトに取り組むきっかけとなったのは、「就労継続支援B型」で働く方々の厳しい現状でした。
平均時給はわずか243円、月収にして1万数千円程度。障害年金と合わせても自立した生活には到底届きません。
しかも、障害者就労施設への国の調達割合は0.1%以下という状況。
「このままではいけない」——そう思い、長年止まっていた国立国会図書館の蔵書デジタル化に着目しました。
■207億円を確保し、全国13拠点・3.4万人の雇用へ
国会では40人以上に根回しを重ね、207億円の予算を確保。
さらに、障害者優先発注や契約上限撤廃といった制度面の調整も、関係省庁と粘り強く交渉しました。
その結果、全国13拠点で約3.4万人分の仕事が新たに生まれ、各地でデジタル化業務がスタートしています。
■ 「本当に任せて大丈夫か?」という声を覆した現場の力
正直に言えば、当初は「本当に障がい者に任せて大丈夫か?」という不安の声もありました。
でも、その懸念を見事に覆してくれたのが、現場で働く皆さんの努力と成果でした。
劣化した本を一冊ずつ丁寧に扱い、ズレなくスキャンし、画像をチェック、目次を入力し、納品まで行う——
緻密で集中力が求められる仕事を、高い品質で日々やり遂げてくださっています。
さらに驚いたのは、コロニー東村山の利用者のお1人が、国会図書館の厳しい仕様に合わせて、
独自の画像変換ソフトと工程管理システムを開発されたこと。このプロジェクト全体を力強く支えています。
■「国の一生残る仕事に関われて、誇りです」
現場でいただいた、ある利用者の言葉が胸に残っています。
「国の一生残る仕事に関われて、研究者の方や社会の役に立てることを誇りに思います」
思わず胸が熱くなりました。政治家として、こんなに嬉しい瞬間はありません。
■選択肢をつくるのが、政治の使命
私はこれまで一貫して、「障がいがあっても、誰もが自分の力を発揮できる社会」を目指して活動してきました。
今回の取り組みは、その理想に一歩近づいたものだと思っています。
でも、まだ道半ばです。
これからも国のデジタル化を障がい者の仕事につなげ、経済的に自立できる選択肢をさらに広げていきます。
引き続き、皆さんと一緒に全力で取り組んでまいります。
