2025.7.9

国会図書館デジタル化で便利になった経緯について

国会図書館デジタル化を評価してもらえて本当に嬉しい❗地道に続けてきた私の取組みが報われた気持ちです。是非一人でも多くの方々に便利になった国会図書館のサービスを利用していただきたいです!

以下、国会図書館デジタル化で便利になった経緯等をご説明させてください。

2020年時点では、ネット公開されていた資料は55万点でした。(※1)うち、図書は35万点でしたが、1968年までのもので、著作権が切れているものが中心。しかも、OCRされておらず単なる画像データでした。当時は、正直、使い勝手が悪いという声しかありませんでした。

そこで、2020年9月に、「国立国会図書館の図書等のデジタル化についての提言」をとりまとめ、207億円の予算措置をして一気に2000年までの図書をデジタル化。(※2)この予算の中で、OCR化も実施。

また、2021年の著作権法改正では、国会図書館による絶版等資料のインターネット送信を可能にしました。(※3)これによって、著作権が切れていなくても、絶版等により一般に入手困難な資料は、家で読めるようになりました。

さらに、2022年には、国立国会図書館法の改正により、オンライン資料の収集の対象を拡大。(※4)

これらの取組みを経て、2022年12月、「国立国会図書館デジタルコレクション」をリニューアルしました。(※5)閲覧画面の改善、画像検索機能の追加、全文検索可能な資料が5万点から約247万点に増加等、一気に利便性が向上しました。

2025年4月時点で、ネット公開されている資料が約「200万点」ですが、今年度まで大規模な図書のデジタル化が行われていますので、さらに家で読める資料が増えます。

また、ネット公開していないデジタル化資料のうち、絶版等の理由で原資料の入手が困難となっている「205万点」については、個人向けデジタル化資料送信サービスを使って、ご自身の端末(パソコン、タブレット)等で閲覧できます。(※6)

ただ、今なお、国立国会図書館の資料のうち、2000年以前に出版された「雑誌」については、550万点中137万点しかデジタル化が完了していません。

そこで、私が事務局長としてとりまとめた今年2025年の「知的財産戦略調査会提言」には、2000年以前の雑誌について、2029年度までの5年間で計200億円の予算措置を行い、デジタル化を推進することを盛り込みました。(※7)

これからも国会図書館の所蔵する国民共有の文化的資産にアクセスしやすくする取組みを進めていきますので、ご期待ください!

※1
https://japanlinkcenter.org/top/doc/210121_t_02_Fukubayashi.pdf

※2
https://jimin.jp/news/policy/200591.html

※3
https://bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/r03_hokaisei/

※4
https://ndl.go.jp/jp/news/fy2022/220526_01.html

※5
https://ndl.go.jp/jp/news/fy2022/221202_01.html

※6
https://ndl.go.jp/jp/help/service_digi_individuals.html

※7
https://jimin.jp/news/policy/210660.html