2026.3.25

AIロボティクス戦略の策定へ——日本が世界に勝つための、最後の勝負どころだ

先日3月19日、ロボット議員連盟の総会を開催し、AIロボティクス戦略について、真剣な議論を行いました。 

日本で国家レベルのロボット戦略が策定されたのは、2015年2月——もう10年以上前のことです。その間に何が起きたか。サービスロボット市場は爆発的に成長し、AIは人間の知能に迫る水準まで進化し、「フィジカルAI」という概念さえ登場した。世界は、私たちが想像していた何倍もの速さで変わってしまいました。 

その変化に、日本の国家戦略は追いついていなかった。これは率直に言って、深刻な空白です。 

■ これまでの取り組み 
だからこそ、昨年5月21日、私は事務局長として「新たなロボット戦略を策定すること」を柱とするロボット議員連盟の提言をとりまとめ、関係大臣へ申し入れを行いました。そして6月13日、骨太方針2025に「2025年度中にロボットの実装拡大・競争力強化に関する戦略を策定する」と明記されることになった。政府が正式に動き出したのです。 

先日のロボット議員連盟では、政府からその検討結果の報告を受け、活発な議論が行われました。私からは、以下の3点を強く要請しました。

 ① 社会実装を支える構造を、今すぐ整備せよ 
日本のロボットは「作れるのに、使われない」。これが現実です。世界に誇る製造技術を持ちながら、現場への導入が進まない——これは技術の問題ではなく、構造の問題です。ディストリビューターやシステムインテグレーター(SIer)など、現場への橋渡しを担うプレイヤーが弱すぎる。開発から実装まで一体で支える仕組みを、今こそ構築しなければなりません。

② 予算をバラバラにするな
戦略的に集中投下せよ 各府省庁がバラバラに計上しているロボット関連予算を、このまま放置するわけにはいきません。2040年には60兆円規模に達すると見込まれるAIロボット市場——その勝者の座を狙うなら、「研究開発」だけでなく「社会実装」も含めた重要分野へ、予算を戦略的に集中投下する必要があります。分散では、勝てない。

③ 通信・基盤インフラの整備なくして、社会実装なし 
ロボットを現場で動かすためには、高精度・低遅延・高セキュリティの通信環境が不可欠です。これは付帯条件ではなく、戦略の中核です。通信インフラの整備を「後でやる話」にしてはならない。社会実装と同時並行で、今進めなければならない課題です。 

■ 日本の勝ち筋 
確かに、AIロボティクスでは米国と中国が先行しています。しかし日本には、彼らが持っていないものがある。製造・物流・インフラ・介護——そのリアルな現場と、そこで蓄積された高品質の実データです。 
問題は技術ではない。どの分野で、どの順番で、どう実装するか——優先順位を定め、日本の強みを最大限に活かすことができるかどうか、そこにかかっています。 
2025年度中の戦略策定まで、残り時間はわずかです。迷っている暇はない。結果につながるAIロボティクス戦略の策定へ向けて、最後の詰めに全力を尽くします。