2015.3.27

政府の衝撃答弁!「著作権非親告罪化がコミケに影響なしとは言えない」と予算委員会にて

3月19日、参議院予算委員会にて、質疑を行いました。
今回は、著作権非親告罪化に関して、宮沢経産大臣、下村文科大臣、西村内閣副大臣それぞれの担当立場からの見解に、深く切り込みました。
その中で、著作権非親告罪化が同人誌即売会の最大イベントである「コミックマーケット」へ「影響がなしとは言えない」と、政府の答弁として初めてではないでしょうか。

(未定稿)
○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。
 本日は、表現の自由を守り、漫画、アニメ産業を盛り上げる、そして農産品の輸出を増やす、そんな観点から日本を元気にするための質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、TPPに関して、著作権の非親告罪についてお伺いしたいというふうに思っております。
 西村内閣府副大臣にお伺いしたいんですが、thinkTPPIPは、三月十三日に知財条項への緊急声明ということで記者会見をやっております。その前に、六十八団体、二百八十三名連名による緊急声明を西村副大臣に手渡しておりますが、その内容をどのように理解されているのか、お答えいただけますでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、関係の皆様が私のところに来られまして、知的財産権の交渉についての意見書を私自身受け取りました。
 いろいろ意見交換をさせていただく中で、この著作権について、権利者の保護とそれから利用の促進という両方の視点でバランスの良い結論となるように是非やっていただきたいと、そういうお話でしたし、私自身もそういう趣旨でお答えをさせていただきました。

○山田太郎君 ちょっとばっくり言われちゃったんですけれども、著作権の非親告罪については海賊版対策などに限るべきというのが骨子だったというふうに思います。
 さて、その後、西村副大臣はツイートされていますが、どのような内容でしたでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) 私のツイートの内容は、津田大介さん始めコンテンツ関係の方々が、TPP交渉における知的財産権の交渉に関する意見書をまとめ意見交換、知財は最も難航している分野、御意見も踏まえ、また国内の制度との整合、調整も考えながら、国益を最大にすべく粘り強く交渉を続ける、こういう内容でございます。

○山田太郎君 ありがとうございます。
 それでは、その国益を最大にする国益とは何を意味するのでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) TPP交渉における国益については、次のように考えております。
 まさにTPPによって、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々と経済連携に関する二十一世紀型の新たなルールをアジア太平洋地域に作り上げること、そして、同地域の活力を取り込むことで我が国の力強い経済成長を実現すること、また、美しい田園風景、農村の伝統、文化、国民皆保険を基礎とした社会保障制度といった世界に誇るべき我が国の国柄を守るということなどを念頭に置いております。
 以上です。

○山田太郎君 今、西村副大臣の方、お話しいただいたのは、お手元にお配りした紙のとおりであります。政府がこの国益に対して回答した内容なわけでありますが、それでは、海賊版対策以外に非親告罪にすることによる国益は何があるのか、お答えいただけないでしょうか。西村副大臣。

○副大臣(西村康稔君) 先ほど申し上げたとおり、知的財産については、その権利者の保護ということと利用の促進とのバランスの取れた合意を目指しているところでありまして、このバランスというものが大事だというふうに考えております。

○山田太郎君 もう一度ちょっと質問をしたいんですが、国益を守るということは具体的に何が当たるのか、もう一度具体的に教えていただけないでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) 国益とは、先ほど申し上げたとおりでありますけれども、我が国の国柄も含めて、そして我が国の経済成長をしっかり実現すること、こうしたことが国益でございます。

○山田太郎君 まさにその内容は、多分新たなルールを作るということと国柄を守るということがポイントだと思うんですね。
 その国柄についてなんですが、日本には、守破離ですとか、習うより慣れろ、学ぶより盗め、それから写経、写本などのまねる文化があると思っております。
 それで、コミケも含めたまねる文化、パロディーの文化を守ることは、これは西村副大臣が言う国益、つまり日本の国柄を守ることだと思いますが、西村副大臣、いかがでしょうか。

○副大臣(西村康稔君) 様々なこと、日本の国の文化、そして社会でのいろんな意識、人々の意識、こうしたことも含めて全体として国柄を守っていくということが大事だというふうに認識しております。

○山田太郎君 やっと西村副大臣とかみ合ってきましたので、今度は経産大臣の方にもお伺いしていきたいと思いますが、コミケなどの同人誌即売会とか、今月はアニメジャパン、オタクサミット等があります。そんな中で著作権の非親告罪化によってこういった同人誌マーケットや同人文化は打撃を受けると言われていますが、それについてはどのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(宮沢洋一君) 私も御質問を受ける前までコミックマーケットって何かと知らなかったのですが、そう言われてみると、ワイドショーとかニュースで若い女性なんか来て本当に楽しそうにたくさんの人が集まっている場面見たなと思っておりました。
 恐らく麻生大臣の方が答弁されるのに適当かと思いますけれども、コミックマーケットの関係者からは、仮に著作権侵害が非親告罪化された場合には、厳密に言えば違法だが、権利者に実害がない限り、強いて問題視はされていない多くの利用を萎縮させるおそれがあるといった懸念が表明されていることは承知を、認識をしております。
 全面的に著作権侵害が非親告罪化されるとなると、そのコミケ、コミックマーケット等の参加者に影響なしとは言えないという気がいたします。

○山田太郎君 実は、今月末のオタクサミットはまさに経産省が後援しているイベントでございまして、アニメとか漫画を広めようとする経産省のトップがその程度の理解では非常に困りますし、特に若者は今の答弁を嘆いているんではないかなと、こんなふうに思いますので、是非この辺り、今後御理解いただければと思っておりますが。
 さて、今経産大臣の方から積極的な御発言いただきましたが、じゃ逆に、著作権法の実は担当である文化庁にそのことをお伺いしたいんですが、そういった経産省の考え方を実は言ったことがないと。つまり、これ、事務方の方の経産省の担当にお伺いしたところ、著作権を非親告罪化して一律に扱うと、アニメ、漫画など同人の文化には大きな影響があるんだ、これを今まで文化庁等には言ったことがないということなんですが、文科大臣がここにいらっしゃいますので、アニメ、漫画振興の担当省として、そこでこの趣旨を伝えてはどうかなというふうに思うわけでありますけれども、経産大臣、いかがですか。

○国務大臣(宮沢洋一君) まだ仮定の話でございますので、仮に著作権法の改正の検討が行われるという場合には、コンテンツの権利保護と利用促進とのバランスを踏まえて総合的に判断される必要があると考えておりますので、そうした点も含めて、必要あれば文部科学省と適切に相談していきたいと思っております。

○山田太郎君 やっと文科省と話をするということになったわけでありますが、さて、じゃ、文科大臣にお伺いしたいと思いますが、海賊版対策以外の著作権の非親告罪化に対しては慎重にしてほしいという意見があるという話なんですけれども、これについてどのように対応されていくんでしょうか。

○国務大臣(下村博文君) まず、我が国の著作権法では、著作権等の侵害罪は、原則として著作権者等の告訴がなければ検察官が公訴を提起することができないいわゆる親告罪となっているわけでございます。
 著作権等の侵害罪の非親告罪化につきましては、文化審議会著作権分科会において検討が行われました。その結果、平成二十一年の著作権分科会報告書では、著作権等の侵害が著作権者に与える影響は著作物の利用形態や規模によって多様であることなどから、一律に非親告罪化することは適当でない旨の結論が示されました。
 したがって、このような文化審議会での検討の経緯や国内外の諸状況を踏まえつつ、適切に対応していくことが必要であると考えております。

○山田太郎君 今文科大臣にも経産大臣にも、あるいは西村副大臣にもお伺いしまして、まさにTPPの著作権に対する非親告罪に関しては影響があるということを大臣御認識だと思います。ただ、その大臣方々が、実は今、TPPの交渉、特に著作権の問題についてどこまで情報を知っているのか、どんな交渉にあるのか。
 その辺り、各大臣ですね、文科大臣、経産大臣、西村大臣、御認識あるのかどうか、知っていらっしゃるのか、この辺り、是非それぞれお答えいただけないでしょうか。

○国務大臣(下村博文君) そのことについては、今お答えできる立場ではございません。

○国務大臣(宮沢洋一君) 私もTPPに関係する閣僚でありますけれども、TPPの交渉の中身については申し上げるわけにはまいりません。

○副大臣(西村康稔君) 私はTPP交渉の担当副大臣でございますので、様々な報告を受けております。

○山田太郎君 海外との交渉結果によっては、実は国の極めて重要な商習慣、国内の整備、整合性が問われると。各大臣からはいわゆる文化に対しても影響があるというふうに言っているわけですから、これで我が国は主権国家なのかというふうに思いますので、中身についてはしっかり大臣はよく理解していただいて、聞いていただいて、やっぱり国内の問題は国内の問題として、是非、所管の大臣の方々はこの問題しっかり守っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。もしかしたら西村副大臣だけが知っていると、あるいは甘利大臣だけが知っているという状況では、日本の私は文化は守れないというふうに思っております。
 さて、これまでの国益議論を踏まえて、TPPの担当大臣である甘利大臣の方からも、この非親告罪の交渉にどう取り組むのか、お答えいただけないでしょうか。

○国務大臣(甘利明君) この著作権侵害の非親告罪化、主要国で親告罪を取っているのは日本とドイツと韓国でありまして、韓国も非親告罪化の方向にかじを切るやの情報があります。TPP十二か国のうち、親告罪化を取っているのは日本とベトナムだけであります。世界的な分布図でいうと、親告罪の方が圧倒的に少ないということであります。
 全体的な世界の流れはそっちの方に向かっているのかなとも思うわけでありますが、いずれにいたしましても、西村副大臣が最終的な結論を、我が国が取る立場についてお話をさせていただきましたとおり、これは権利者それから利用者、権利者はできるだけ権利を守ってもらいたいと。しかし、余りがちがちに守りますと利用ができませんから、結局流通しないということにもなるわけです。利用者に余り偏りますと権利保護が失われるということで、このバランスが非常に大事だと思っております。
 パロディー文化というお話もありましたけれども、欧米にも広く一般的にパロディー文化というのはあるわけでありまして、日本と共通の認識の下にいろんな制度が国内的に取り組まれているんだと思います。
 結論といたしましては、西村副大臣が申し上げましたように、権利保護と利用促進のバランスを取りながら共通のルールを作っていきたいというふうに考えております。

○山田太郎君 バランスを取るということは考慮するということだと解釈したいと思います。
 もう一つ、解決策として、例えば自由利用マークとか同人マーク、著作物の二次利用に関する事前の承諾マークというものを付すということがあるかと思います。
 そこで、これについては警察庁それから法務省にお伺いしたいんですが、そのマークが許諾する範囲で二次利用を行うことはどんな場合でも捜査や起訴はされないのかどうか、この辺り、お答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(辻義之君) お答えをいたします。
 一般的には、著作者が許諾する範囲内での二次創作行為については著作権法上の問題は生じないと考えておりますが、お尋ねの事前許諾マークを付した作品の二次創作行為について著作権法違反としての捜査の対象になるかどうかにつきましては、どの範囲での使用を許諾したのかなどを確認する必要があるから、個別の事案ごとに判断されることになるというふうに考えております。

○国務大臣(上川陽子君) そもそも、犯罪の成立するか否か、また捜査機関が捜査するか否か、起訴するか否かというような判断につきましては、捜査機関によりまして収集された証拠等に基づきまして個別に判断される事柄であるということではございます。一概にお答えすることがなかなか難しいということでございます。

○山田太郎君 今のお話だと、要は、ケースによっては、それが本当に許諾されたかどうかということを確認しなきゃいけないんで、捜査をする可能性はあるということなんですが、そうなると、これは文科大臣、お答えいただきたいんですが、文化庁が推進している自由利用マークでもいわゆる捜査、起訴される可能性はあるということになっちゃうんですけれども、これはいかがでしょうか。

○国務大臣(下村博文君) 御指摘のような事前許諾マークは、著作物の積極的な活用を図るため、著作権者があらかじめ一定の条件の下に著作物の利用を許諾する意思を表示するものであると考えます。著作権者によりこのようなマークが付された著作物については、その許諾された利用方法や条件の範囲内であれば、著作権法上、適法に利用することが可能であると考えられます。要は、その利用方法、それから条件の範囲内、それをどう判断するかということだと思います。

○山田太郎君 まさにこの問題、被害者の告訴なき例えば起訴とか処罰を可能にするかもしれない非親告罪というのは、権利者に実害のない限り、強い問題視をされていない多くの利用の文化まで萎縮する可能性があるということですから、特に政府並びに捜査機関はしっかりそのことを理解して対処していただきたいと思っております。
 さて、ちょっと時間が迫っていますので、次に農業と農薬の話を少しいきたいと思っております。食の安全ということでいきたいと思っております。
 先日の決算委員会、二月十日に行われた決算委員会で、OECDの加盟国における単位当たりの農薬使用率、使用量ですね、日本はとっても高くて韓国に次ぎ二位であるという話をさせていただきましたが、まず農水大臣、この辺り、御感想いかがですか。

○国務大臣(林芳正君) 農薬の使用ということですが、やはり気候や風土の違いによりまして病害虫の発生状況、それから農作物の生産、流通における事情等が異なっておりまして、それらに応じて農薬の使用方法が異なっております。
 一般的に言いますと、日本は高温多湿なため、病害虫が発生しやすいため、防除に必要な農薬の使用量が多くなる場合があると、それから日本の流通業者、また消費者がきれいな野菜等を好む傾向がある、こういう事情があるのではないかというふうに考えております。

○山田太郎君 逆に、農薬を使わない有機栽培のシェアということについても少し触れておきたいと思います。
 本当は資料を作ったら分かりやすかったんですが、例えば、口頭で数字を言わせていただきますと、イタリアは有機栽培の割合が九%、ドイツは六%、アメリカは〇・六、フランスは三・六なんですが、何と日本は〇・二しかないんですね。二〇〇七年が〇・一で、何とか二〇一一年まで〇・二にしたということであります。
 じゃ、高温多湿である同じお隣の韓国はどうかというと、親環境農業ということで、二〇〇七年当時〇・五だったものが、今、二〇一一年で一・〇まで増えているということであります。よく食の不安をされる中国においてもどうかというと、二〇一一年段階で〇・四あるということで、日本の〇・二に対して何と有機野菜の比率は中国に負けていると。
 じゃ、日本の個別のJAS規格における有機野菜の割合はどうかというと、野菜においては〇・三五、果実においては〇・〇九、米は〇・一三と、主要な項目でも〇・四以下だということが言われるわけであります。
 この状況を、もう一度、林大臣、いかがお考えでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 有機農業などの環境保全型農業は、農業生産に伴う環境への負荷を低減するということがありまして、農業の持続的な発展に資するとともに、安全でかつ良質な農産物に対する需要というものにも対応した農産物の供給に資するものと考えております。
 実は平成十八年に、有機農業の推進に関する法律、これが制定されておりまして、この法律に基づきまして、耕地面積ベースですが、有機農業の取組面積の割合を倍増すると、これ〇・四%から一%ということでございますが、こういう目標を有機農業の推進に関する基本的な方針ということで定めまして、これを推進していこうとしているところでございます。
 御審議いただいているこの二十七年度予算においても、二十七年度から新たに法律に基づき実施される環境保全型農業直接支払、二十六億円でございますが、さらに研修カリキュラムの作成等、有機農業の参入支援、それから、有機農産物、少し割高になりますので、販売先を確保するためのマッチングフェア、こういう開催支援、こういうものを行って、また、産地において有機農業技術の確立のための実証圃設置支援、こういうものを行うと、こういうことにしております。
 また、表示の面からも、適正に表示して消費者の選択に資するということのために、農業者の有機JAS認定取得の支援、こういうことをやっておりまして、環境と調和の取れた農業生産である有機農業を着実に推進してまいりたいと思っております。

○山田太郎君 安倍政権は農業を輸出産業にするんだということで一兆円を目指しているということですが、じゃ、お隣の台湾に輸出されたということで少しお話をしたいんですが、平成二十六年、台湾の通関検査において残留農薬が原因で不合格になった食品を多い国から並べるとどうなっているのか。例えば、アメリカ、中国、韓国、日本で、日本は何番目だったか御存じでしょうか。林大臣。

○国務大臣(林芳正君) 済みません、ちょっと手元に資料がないものですから、確認してお答えしたいと思います。

○山田太郎君 実は、残念ながらこれ一番なんですね。日本が一番多いと。
 もう一つ、先月の二月に、徳島県の勝浦町からフランスに向けて出荷されたはずだった貯蔵ミカンも、欧州の加盟国の検疫基準を超えた残留農薬が検出されたということで、実は欧州は〇・〇二ppm以下でなきゃ駄目なんですが、国内は五ppmというのが基準なんですね。これで、結局輸出ができず国内に向けられたということなんですが、このような状況を林大臣、どうお考えでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げたように、高温多湿等の理由もあって、農薬の使用という状況がヨーロッパ等に比べて違っているということは申し上げたとおりでございますが、農薬を登録するときに科学的な見地に基づいて評価、審議を行っておりまして、やはり使用方法、それから使用上の注意事項、これを遵守して農薬を使用する限り、食の安全はまず確保されると考えております。
 その一方で、やはり環境への負荷をできるだけ軽減するということは重要でございますので、化学合成農薬のみならず、IPMというのがございまして、天敵、それからフェロモン剤、防虫ネット、こういった様々な技術を組み合わせた総合的病害虫・雑草管理、これを推進を図っていくということが重要であると認識しております。

○山田太郎君 まさに、いわゆるしっかり農薬の基準を抑えていくということなんですが、ただ、実は足下でネオニコチノイド系農薬のクロチアニジンの残留基準が緩和されるということがありまして、今回、カブ等葉っぱ物、ホウレンソウではEUの二十倍の四〇ppmに、米はEUの二倍、アメリカは百倍の一・〇ppmなど、大幅に残留基準を緩めちゃうということなんですよね。世界の流れに逆行しているんではないかと。
 農薬メーカーから、このような要請に、この段で残留基準を緩和して農薬を強めることを検討されている理由は何なのか、この辺り、林大臣、お願いできますか。

○国務大臣(林芳正君) 現在、ネオニコチノイド系の農薬であるクロチアニジンにつきましては、厚生労働省において薬事・食品衛生審議会における審議、それからパブリックコメントの結果を踏まえて残留基準値の設定を検討しておられると、こういうふうに聞いております。今後、厚生労働省において薬事・食品衛生審議会の答申を受けまして残留基準値が設定されれば、農林水産省は農薬取締法に基づきまして使用方法及び使用上の注意事項を定めて登録を行うということにしております。
 先ほどの繰り返しになりますが、こうして定められた使用方法を遵守して農薬を使用する限りは、人の健康に悪影響を及ぼすことはないと考えております。

○山田太郎君 実は、聞いているのは、緩和を求めたのは農水省なんですね、メーカーからの要請で。その理由は何かということをお伺いしているんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(林芳正君) このネオニコチノイド系の農薬というのは、水稲のカメムシの防除のために大変重要でございまして、ほかの殺虫剤に比べますと人や水生の生物、水の中に生きている生物ですが、に対する毒性が弱いということでございまして、そういうことからこの要請をさせていただいているということであろうと思います。

○山田太郎君 私は、この理由は二つあるのかなと。一つは、農薬が効かないために、効き目を強くする。または、実際はかなり濃いものをまいてしまっているので、それに合わせにいっているんじゃないかなと、そんな疑問さえ持つわけでありますが。
 さて、この基準をきちっと精査しているのが内閣府の食品安全担当、それから委員会、それから厚労大臣だと思いますが、それぞれ、このネオニコチノイド農薬、人体にも悪影響をすると言われておりますけれども、それを緩和すべきでないと私は思いますが、その辺り、いかがでしょうか。

○国務大臣(山口俊一君) お答えをいたしますが、先ほど林大臣の方のお話にありましたように、厚生労働省の方でパブリックコメント、これを実施をいたしておりますが、これへの対応につきましては厚生労働省において適切に行われるものであろうと理解をいたしております。
 私どもの食品安全委員会、このリスク評価につきましては、科学的知見に基づいて客観的かつ中立公正に行われたものであると承知をしておりまして、評価結果を変える必要はなかろうと。
 食品安全担当大臣としましては、今後とも、関係省庁と連携をして、科学的知見に基づいて食品の安全を確保してまいりたいと考えております。

○国務大臣(塩崎恭久君) 食品中の農薬の残留基準値につきましては、食品安全委員会による科学的な評価の結果を踏まえた上で、子供や妊婦を含め国民の健康に影響が出ないように薬事・食品衛生審議会での審議を踏まえて設定をしており、その設定に当たっては、事前にパブリックコメントを行い、国民の声を聞くということになっております。
 クロチアニジンの残留基準値につきましては、農林水産省からの依頼を受けて、一部の食品について引き上げる方向で検討を進めておりますけれども、パブリックコメントの結果等も踏まえ、この一連の手続を二回繰り返して慎重に進めてきているところでございます。
 厚生労働省においては、これまでのパブリックコメントの御意見なども踏まえつつ、食品安全委員会の食品健康影響評価など科学的根拠に基づいて慎重に審議を重ねてきたものでありまして、今回の改正案については、人の健康に対する安全性が確保しているものと考えているところでございます。

○山田太郎君 時間が来ましたのでまとめますと、私が調べたところによりますと、日本の国内のトップ農薬メーカー、住友化学さんですが、実はここから自民党さんに政治資金として五年間で一億三千七百万円の献金がされているんですね。
 やっぱり疑いを持たれないように、しっかり、メーカー側に立ってではなく、審査を国民側に立ってしていただきたい、そういうふうに思っておりますので、是非、今日ちょっと質問もこれ半分以上できなくなったんですが、次回、また機会を捉えてこの辺りやっていきたいと思っていますので、どうかよろしく行政の方お願いします。

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