2020.2.26
自民党知財調査会で、音楽・演劇・映像分野における実演家の制作環境について議論しました。
2月26日は、朝8時より自民党の知財調査会が開かれ、音楽・演劇・映像分野における実演家の制作環境について専門家からヒアリングを行いました。制作現場の実態を国際比較すると、映像・音楽・アニメすべての制作現場の環境は欧米に劣っているのが現実です。例えば書面契約は定着しておらず、収入状況も低いままです。具体的には日本のスタジオミュージシャンの基準演奏料金は1時間8400円です。それに対しEUは20年間の間にレコード会社が得た収入の20%がスタジオミュージシャンのための基金に充当されています。米国でも契約条件は詳細まで取り決めされていますし、ソロ・デュオ歌手の場合、レコーディング1時間あたり最低251ドルのレートを定めています(SAG-AFTRAの労働協約)。わが国ではスタジオミュージシャン含む、ミュージシャン全体の保護や正当な報酬を獲得できる制度が不十分です。これが知財調査会事務局が作成した制作現場の国際比較の概要資料です。
私はミュージシャン(スタジオミュージシャン含む)の環境改善のためにも、参加ミュージシャンに関する情報が漏らさず報告され、一元管理できるデータベースを検討する必要があると主張しました。現在存在する演奏参加者のデータベース「P―LOG」の情報を共有することで、すべての参加ミュージシャンがメリットを享受できるのでないか、ということも含めて私が事務局長を務める知財小委員会で引き続き議論を進めていきます。