2014.4.18

東日本大震災からの農林水産業の復旧・復興状況等に関する実情調査

参議院農林水産委員会で東北震災後の現地農業水産業の復興状況がどうなっているのか、視察を行います。

国会議員の現地視察とはどんなものなのか、今日はできればライブ感覚で公開して行きたいと考えています。

7:50

7時56分発のはやぶさ101号で仙台に向かいます。
15名程の議員バッチを着けた議員が、ホームをウロウロ。

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9:40

今日のバスガイドの伊藤さんです。

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国会議員だらけなので、ガイドさんも少々緊張気味かもしれません。いや、同行する、参議院職員、農水省の担当者10名のが緊張状態。これから石巻、東松島に向かいます。私は、震災後直後、震災一年前、二年前にここ、仙台に来ています。仙台駅周辺は全く震災の跡が分からない程、復興しています。仙台は、桜満開です。

バスの中では、農林水産関係の震災による被害状況と、復興の説明が続いています。沿岸の多くの農地、全体耕作地の約1割が海水に浸水。2%の塩水濃度を0.5%の20分の1にする必要がありました。除塩は写真の通りですが、湛水を何度も入れては、排水し土壌が粘土化しているものには、石灰質を入れます。これで、現在60%の農地が回復しています。

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宮城県の漁業の震災による影響は今でも深刻です。カキ、ホタテ、ホヤなどの養殖は、それ自体が3年以上掛かり、復興に時間がかかります。また、サケはの稚魚は、3年ぐらいで戻って来ますが、震災で未熟で放出した稚魚が育っているか、この秋が心配だそうです。
さらに、原子力事故の影響も深刻です。内水面の魚はセシュウムを体内に取り込むので、まだ、出荷制限があります。

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11:00

石巻市真野大家地区の農地復興事業を見学しました。
一面、海水で浸水した水田を、2年かけて除塩して復興した現場です。すでに収穫もできるところまで来ました。

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11:40

石巻グランドホテルで、石巻市副市長始め、農業、漁業の関係者との意見交換会をしました。農業は、比較的復興が進んでいますが、漁業は、原発の風評被害も深刻です。また、水揚げ、仲買人、加工業、輸送のサプライチェーンもズタズタで、構造的な問題もあります。
復興については、農水省、国土交通省、経産省などの縦割りもあり、復興庁のお伺いもしなくてはならず、復興庁は、邪魔なだけで要らないと言う意見も出ました。

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ちなみに、視察の議員の昼食は、ホテルの仕出し弁当で、写真の通りです。料亭とか、高級なものを食べてはいません。ただ、私の最近の昼食は毎日コンビニ弁当ですから、今回、高級に見えました。

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13:20

石巻の漁協の冷蔵倉庫の事務所に来ました。組合長曰く、国の補助金はありがたいが、5省庁40事業にわたり、国が政策誘導して、縦割りに使用用途を限定するので、漁港がみな同じような事をやり、多様な加工、漁業の分散が出来なくなったとのこと。もっと、現場で多様な補助金の使い方ができればと、指摘がありました。地元のことは地元でが重要です。

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写真は、サバの選別、加工自動工場と、事務所からみた石巻港です。

石巻漁港の水揚げ処理のための建物も再建設が進んでいます。復興はインフラはドンドン進みますが、若い人の担い手が問題です。人が減った分、機械化を進めないと対応が出来ない状況です。

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14:40

石巻、大曲地区の排水機場です。震災では、堤防が決壊し、排水機場も壊れたので周辺の田畑は壊滅してしまいました。地盤沈下も1m以上しているので、排水機場を立て直し、排水できるようにして、農地復旧を進めています。田畑は、水との闘いです。

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16:30

仙台から、はやぶさに乗って、今日の視察は終わりです。
ちなみに、これが悪名高き議員JRパスと国会指定のグリーン券です。グリーン券は、パスをみどりの窓口で提示すると、国会マークがついた料金ゼロ円の切符を発行してもらえます。

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今日、一日、参議院農林水産委員会の議員視察のドキュメントをしましたが、どうでしたか?多分、観光もなく、現場をただ見て、少し話をしてと言う、なんだか、つまらないなと思われる方が多いのではないかと思います。決して豪華な大名旅行でもありません。
要は、農地と漁港が、関連の建物となんの変哲もないものを見てるだけですから。でも、これが議員の大切な視察です。

現地での担当者の説明をつぶさには書くことはできませんでしたが、与野党の同じ委員会の議員が現状を知って議論につながること、現場の声が国会に反映すること、現場の官僚や担当者も国会議員に説明していい加減なことは出来ない、しっかりとした行政への監視になるなど、大切な機能があると思います。 私は、今回、漁業の問題、復興庁の問題を改めて認識しました。