2015.1.30

国民の民意?衆院選を振り返る(2015/01/30)

■衆院選を振り返る
今週から通常国会が始まりましたが、今ここで改めて昨年の衆議院選挙を振り返って見たいと思います。

投票率は53%で、私は民意を十分に反映し切れていないと考えています。
そして、次の衆院選挙まで全ての政策について与党が信任をえたということも間違っていると思います。

元気会では直接民主政治をうたっています。なにか国民を二分するような政策・法案については、選挙での信任を盾に強行採決するのではなく改めて、国民で議論を行い、その結果を国会での投票に反映するべきと思っています。

昨年12月14日に行われた衆議院総選挙。皆様は投票に行かれましたでしょうか。
私も毎週水曜日に行っているニコニコ生放送「山田太郎のさんちゃんねる」を、選挙前には3夜連続、選挙当日には5時間に及ぶ特別編成で、皆様と一緒に今回の選挙の結果を見つめていました。

結果だけを見ると、「自公の圧勝・野党の惨敗」となりました。
自民・公明の両党が325議席を獲得し、衆議院議席定数の3分の2を超えたため、参議院で否決された法案も、衆院において与党だけで強行して再可決することができるようになります。

この結果により、安部首相が訴える「憲法改正」に向けての動きが強くなると思われ、来年夏の衆参ダブル選挙で一気に総議員の3分の2を狙ってくる可能性もあります。
今回の選挙では、この「憲法改正」があまり争点になっておらず、メディアでも論じられることがありませんでした。

野党はというと、今回の衆院選で次世代の党が激減(公示前の19議席から17議席減の2議席)し、代わりに共産党が躍進(公示前8議席から13議席増の21議席)という結果が目立ちます。

■共産党が人気の訳
今回の選挙は、投票率が戦後最低(小選挙区52・66%)でした。そんな中、毎日放送が今回投票に行かなかった人に「もしも選挙に行っていたらどの政党に入れていたか?」という調査を行ったところ、なんと47%もの人が「共産党へ入れていた」と回答したそうです。(あくまでラジオ放送のリスナー向けの調査ですので、判断は難しいところですが)共産党が躍進したのも頷けます。

■与野党の差はどこで出たか
上でも述べた通り、今回は投票率が非常に低くなりました。その結果、大きな団体票を持っている与党や共産党が有利になったと言えます。また、与党の批判票が野党各党に分散してしまい、一部共産党が議席を伸ばした以外は、野党は総崩れになってしまった印象です。

また、小選挙区制では「死に票」が度々問題になっています。
小選挙区では、どれだけ票を集めたとしても、一票でも他の候補者に負けていれば、落選してしまうため、得票数と実際の議席数との間に大きな開きが出てしまうのです。
自公の圧勝とは言え、実際の得票数を見てみると、野党も全く票を取れなかったわけではなく、自民党の得票数1770万票に対し、民主党が980万票、維新の党が840万票など、自民党の半数近い得票数を集めていることが分かります。しかし、議席数にした場合、自民党が291議席獲得したのに対し、民主党は4分の1の73議席、維新の党は更に半分の41議席に留まっています。
小選挙区制は、政権交代の可能性が高い一方で、こうした問題があることが、今後の日本の選挙システムの課題であると思います。

■野党共闘の意味を考える
番組内でも散々申し上げてまいりましたが、今回の選挙における野党共闘は、はっきり言って失敗だったのではないかと、私は考えています。
自民党の対抗として本来存在していた民主党や維新の党ですが、それぞれが掲げている政策や方針というのはそれぞれ全く違う内容です。ですから、維新の党の政策に惹かれ、投票をしたかった有権者でも、野党共闘によって自分の選挙区に民主党の候補者しかいなかった場合は、投票する先がなくなってしまったはずです。維新の代わりに民主党に入れるくらいなら自民党や、あるいは共産党に入れる、という有権者もいたのではないでしょうか。

野党が本気で政権を取りたいと思っているのであれば、本来は「いつ選挙が行われても」喜ぶべきです。なぜなら、政権交代を唱えている野党は、選挙でしか政権を交代する機会がないからです。
しかし、今回の選挙では、始まる前から野党の「解散自体に対する批判」しかありませんでした。そして、ただ単純に与党である自公両党に迫るためだけに、180度政策の違う政党と手を組み、惨敗するという結果が待っていました。

民主党の海江田代表も今回落選し、民主党は代表選挙が行われました。新たな代表の意向次第では、今後も野党共闘や野党集結という動きはあると思います。しかし、今回の選挙のようにもしかしたら民意を無視した共闘に意味はあるのでしょうか。
たとえ野党であっても、国民の代表として国政に臨んでいるのです。そのことを決して忘れずに、私は新たに誕生した政治体制と向き合っていきたいと思います。

■衆院選が終わってみて
自公圧勝で終わった衆議院総選挙。その裏側では様々なドラマがあったと思います。
しかし、大切なのはこれからです。得票数が戦後最低だったとしても、民意によって選ばれた新たな政治体制が、こらからの日本の国政を左右していきます。
与党による衆議院再可決もありえるため、私がこれまで反対してきた各種法案も、厳しい局面を迎えることもあるかもしれません。参議院議員としてできることを精一杯取り組んでいきます。
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●山田太郎略歴(https://taroyamada.jp/?page_id=13)
慶應義塾大学経済学部、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程。
外資系コンサルティング会社などを経てネックステック社を創業、
同社を実質3年半で東証マザーズに上場。2012年12月より参議院議員就任、
日本を元気にする会所属、日本を元気にする会政策調査会長 兼 幹事長代行。
東大・東工大・早大などでも教鞭をとり、著書も多数。

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