2025.10.30

緊急集会!ACEサバイバー支援の実現に向けて -孤独・孤立、自死リスクに立ち向かうために-

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2025年10月27日、参議院会館においてネグレクトや虐待などの逆境的小児期体験(Adverse Childhood Experiences、通称ACE(エース、ACEsともを生き延びた方々を支援する取り組みに関する超党派院内集会が開かれました。ご自身もACEの被体験者、通称ACEサバイバーの当事者である一般社団法人Onara丘咲つぐみ代表理事の他、ACE研究の第一者である大阪大学大学院三谷はるよ准教授、医療方面からACEサバイバーケアにアプローチされている兵庫県立尼崎総合医療センター毎原敏郎先生とならび、私山田太郎も登壇いたしました。

写真:左から一般社団法人Onaraの丘咲つぐみ代表理事、兵庫県立尼崎総合医療センター毎原敏郎先生、大阪大学大学院三谷はるよ准教授

テーブルの周りに集まっている人々  AI 生成コンテンツは誤りを含む可能性があります。

写真:会場の様子

本会は丘咲代表理事のご挨拶から始まり、ご自身のACE体験だけでなく、Onaraを設立したきっかけや、設立以来3年間で助けることができなかったACEサバイバーたちがいたこと、そして議員会館で本集会を開けたことへの思いを涙声交じりでお話しいただきました。またOnaraでの活動は、単に被虐児童を発見しアプローチすることだけでなく、本人の自立を支援していることをご説明いただきました。丘咲代表は終始、多くの人々の前で、議員会館という場で本会を開催できたことの意義を強調されていました。

代表挨拶の後、三谷准教授、毎原先生の順にご登壇いただきました。ご両名にはACE研究者としての立場に基づき、それぞれのご専門である社会科学や医療の面から何がACEであるのか、それがどのように心身被害をもたらすのかをご説明いただきました。

三谷准教授からは、ACEサバイバーを社会・経済的コストの面から見るのではなく個人の幸せにおける不平等という人権問題としてとらえるべきだというご意見をいただきました。また毎原先生は、「心の傷を負っているのかもしれない」といった前提や知識を持って接するトラウマインフォームドケアに関する解説をされ、また最終的に快復を達成するのは本人であって外部からの矯正によるものではないというご見解も述べられました。

その後、私もご挨拶させていただき、丘咲代表には以前から何度も事務所にお越しいただいたこと、またこども家庭庁設立を設立した意義の中には虐待をはじめとするACEsに晒されている子どもたちを支援することを述べさせていただきました。しかし、設立から今日までの達成状況は私からして全く不十分です。従来、国は孤立やトラウマの問題については大人と同じ括りで議論されてきました。こどもにコミットするのであれば、保護だけでなく予後ケアも必要となるはずです。そして救済されたこどもたちは成人、あるいは経済的自立までは少なくともフォローされるべきであると考えています。本日ご登壇いただいたACEサバイバー当事者の皆さんの中には、私がこども家庭庁を設立するきっかけとなった方々もいらっしゃいます。この場で改めて、本当にこどものためになるこども家庭庁及びこども政策の推進を明言いたしました。

私のあとには自見議員にもご挨拶をいただきました。自見議員は小児科専門医でもいらっしゃり、また私とはこども家庭庁設立に尽力しました。自見議員も、こども真ん中政策の継続を言及されました。

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白い壁の前に立つ男性  AI 生成コンテンツは誤りを含む可能性があります。

写真:挨拶をする私(山田太郎)と、自見はなこ参議院議員

集会ではその後、丘咲代表ご本人を含む4名のACEサバイバーの方々から、それぞれの逆境的小児期体験、そして今後の公的ACEサバイバー支援に求める政策提言をお話しいただきました。加えて丘咲代表からは、Onaraで実施したアンケート調査に基づくACEs体験者の総数などについて、ご活動の現状報告をいただきました。社会的養護に繋がらなかった児童虐待被害者の「91%が自殺を考えたことがある」、「56.6%が自殺未遂をしたことがある」という衝撃的な数字も明らかになりました。

提供:一般社団法人Onara

政策提言では、トラウマケア人材の育成やカウンセリングの保険適用など、幅広いご意見をいただきました。

提供:一般社団法人Onara

また上記の4名に加えてさらに3名のACEサバイバーの方々から、当事者スピーチとして過去の経験、さらに今の社会に求める変革についてお話いただきました。いずれの方々も、過去のトラウマを思い出すこともつらい中、大勢の前でご自身の体験を共有し、ご意見をお話しいただきました。当事者スピーチの中では、涙で声を詰まらせる方もいらっしゃいました。皆さんの勇気とご協力に、大変感謝するとともに多大な敬意を表します。

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写真:一般社団法人Onara代表理事丘咲つぐみさん

ACEサバイバーは今まで最も声を聴かれなかった人々と言われていました。これは、ACEサバイバーの中には公的福祉につながることができなかったために存在を認知されてこなかった人々がいることに起因します。そのため、児童養護施設など他の福祉受給者と比べて、ACEサバイバー声は取り上げられることがありませんでした今回、参議院会館内でこの会を設けることができたのは大きな進歩です。また、虐待や逆境体験を受けたこどもたちは成人してからもその影響を受け続けます。しかし、人間は周囲の理解と支えがあれば何度でも立ち上がることができるはずです。今回の集会が、これからの政策作りや社会のまなざしを変えるきっかけになったらと思います。そして、こども達が自ら命を捨てている現状をなくし、誰もが安心して生きられる社会に向けて、本日いただいた意見を反映してまいります。