2026.3.12

クマ対策の「本気度」を問う:現状と今後のロードマップ

昨日3月9日、環境省等から「クマ対策の現状と今後のロードマップ」について説明を受け、議論を行いました。昨今の深刻な被害を受け、政府の対応も大きな転換点を迎えています。

まず、特筆すべきは予算の大幅な拡充です。クマ対策関連予算は、昨年度の6億円から今年度は96億円へと拡充しています。都道府県からの要望額については、現在「満額」を確保できる見通しとなっています 。

しかし、予算を付けるだけで終わらせてはいけません。今回の会議で私が強く指摘したのは、以下の3点です。

1.   「数」の管理と統計の妥当性

新しいガイドラインでは、個体数が400頭以上の個体群は「減少」させる方針が明記されました 。私は元統計の専門家として、この「400頭」という閾値や密度の推定精度について厳しく質しました 。統計が「いい加減」では、現場の駆除にブレーキをかけかねません 。環境省が主体となり、東北を皮切りに4年かけて全国調査を行うとのことですが、精度の高いエビデンスに基づいた管理を徹底させます 。

 2. 現場の「処分・運搬」という重労働への支援

多くの自治体が悲鳴を上げているのは、捕獲した後の「処分」です。重い個体を運び、数十キロ以下の肉片に解体して処理する作業は、現場の担当者の土日を削る過酷な負担となっています。私は、罠の設置から運搬、処分までを「パッケージ」として支援し、技術的なノウハウを持つ専門人材(ガバメントハンター等)を組織的に育成・横展開するよう強く求めました 。

 3. 「アーバンベア」から人を守るゾーニングの強化

市街地や農地を「排除エリア」と定義し、入ってきた問題個体は原則として捕殺する方針に転換します。農地での事故を防ぐため、曖昧な「追い払い」ではなく、毅然とした対応が必要です。

究極的な課題は、人口減少に伴う地域の疲弊です。人がいなくなることで、クマとの境界線が曖昧になっている。これはクマだけの問題ではなく、日本の地方の在り方そのものを問う問題です 。

 「人の命を守る」という一線を守り抜くため、単なる対症療法ではなく、実効性のあるロードマップを早期に進めていきます。現場の皆様、ぜひ具体的な困りごとがあればお寄せください。