2013.12.3

特定秘密の保護に関する法律案について質疑を行いました。

2013年12月2日、参議院国家安全保障に関する特別委員会にて質疑を行いました。

○山田太郎君

 みんなの党、山田太郎でございます。
 本日は、特定秘密保護法案に関する質疑ということで、各大臣、関係者それから法案提出者の方々、それぞれに質疑させていただければと思っております。
 今回の法案、秘密を守るというのはいいんですが、やはり国民の知る権利を制約する可能性があるということで、大変重要な問題も抱えた法案だというふうに思っております。特に、国民の知る権利を侵害しない、それから、行政の暴走、秘密化を進めない、それから、行政官それから国民、市民に対する萎縮効果が起こらない、こういう三点をやはり確認してこの法案をきっちり質疑していく必要があると思っておりますので、その点で今日は質疑を進めていきたいというふうに思っております。
 まず、知る権利というまさに憲法二十一条に関する話でございますが、権利を制約するという観点におきましては、明確性の原則というのがあるかと思っております。法律の条文解釈が明確であるということが極めて重要でありまして、また刑罰の方は刑罰法定主義、罪刑法定主義に基づいて、これも憲法三十一条で極めて明確性の原則が当てはまるというふうに考えております。そういった意味で、行政の恣意性が起こらないということが極めて今回重要だというふうにも考えておりまして、この明確性の原則は最高裁でもこれまで積み上げられてきた極めて重要な原則だと、こういう認識であります。
 そう考えるのであれば、今回、明確性の原則をまさにこの委員会それから法文で質疑しているわけでございますけれども、ここが明確に担保されないものはそもそも無効であるというふうに考えていいのかどうか、その辺り、弁護士でもありましたし法律に詳しい森大臣の方からまず伺いたいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(森まさこ君)

 条文の明確性、これは担保されることが必要であるというふうに考えております。

○山田太郎君

 それでは、その明確の原則に基づいてこれからいろんなことを明確にしていきたいというふうに思っております。まず、法律の成り立ち辺りから少し質疑をさせていただきたいと思います。
 今回の法律は、情報の一次漏えい者を処罰しようということで立て付けられた法律だと認識しております。そこでまずお伺いしたいんですが、政府が以前発表いたしました五つのいわゆる漏えい事件といったものがあるかと思います。その五つの漏えい事件のうち、秘密の情報の取扱者から直接情報が漏れた件は何件あるのか、その辺り教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 御指摘の事件が発生した当時、本法案は存在をしませんのでこの取扱者というものの概念はございませんけれども、例えば中国潜水艦の動向に係る情報漏えい事件については現行の防衛秘密が漏えいした事件でありまして、漏えいをいたしました一等空佐は漏えいした防衛秘密の取扱いの業務を行う者であったと承知しております。

○山田太郎君

 重要な法律であれば情報の取扱者は限定されているべきだというふうに思うんですけれども、当時も含めて今もそうではないんでしょうか。森大臣。

○国務大臣(森まさこ君)

 今、自衛隊法では取扱者が規定をされております。

○山田太郎君

 そうしたら、ちょっと質問を変えたいと思いますが、本件も含めてこの主要五つの漏えい事件なんですが、なぜ漏えいが起こったというふうに考えているのか、その原因分析を少し伺いたいと思います。よろしくお願いします。これも森大臣、お願いします。

○国務大臣(森まさこ君)

 なぜ漏えいが起こったかは個々の事件によって様々な状況があると承知をしておりますが、本法案を提出したその背景には、こういった漏えい事件が起こったこと自体遺憾でありますので、漏えいが起こらないようにしっかりとその取扱いの保全措置を定め、そしてそれに罰則を科したということでございます。

○山田太郎君

 この法案の趣旨ということで、もう一度遡りたいと思いますが、要は、この法案は保管を取り扱う人から漏れることを防止するというのが趣旨だと考えております。ただ、私の見立てでは、この漏えい事件のうち少なくとも三件は、そうでない、本来情報を取り扱われない人から漏れたということでありまして、立法の趣旨から外れると。このいわゆる特定機密保護法を仮に作ったとしても、政府が元々立法の基礎としている事案、事件に関しては当たらない可能性が高いんではないかと、こういうふうにも考えていますが、その辺はいかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 保管をしている本人から漏れた場合以外も、そういった情報が保管をすべき場所以外のところにあり、他者が入手をできたというその状況自体が遺憾なことと考えておりますので、しっかりとした保全措置を法律で定めることは必要であると思います。

○山田太郎君

 今回は、法律を指定するとともにその罰則を決めているにすぎないんですが、まさに今、森大臣がおっしゃったことは、どちらかというと管理、オペレーション上の問題ではないかというふうに思っています。
 であれば、それと同時に、秘密を指定してこの罰則を強化するということだけで今回の秘密漏えいがないのか、今後も起こらないのか、この辺りについての所見をいただけますでしょうか、森大臣。

○国務大臣(森まさこ君)

 本法案におきましても、その取扱者が漏えいをしたことについて罰則を科すということのほかに、この保管についての記録を作成したり、それから様々な表示、それから通知等の保全管理体制についても定めているところでございます。

○山田太郎君

 つまり、誰を特定するかということを今回の法律の中では定めていくようですけれども、関連の多くの人たちも特定秘密に触る可能性があるわけでありまして、この法案の立て付けそのものの中身に実運用上耐え得るのかどうか、そもそもこの法案のスタート、趣旨が本当に意義、意味があるのかどうかをちょっと疑わざるを得ないなと、こんなふうにも思っております。
 さて、ここ言っていても水掛け論になりますので、次の文書の破棄、早期公開という辺りについても少し質疑をしていきたいと思っております。
 秘密の破棄の問題は、今回の委員会でも随分いろんな委員が取り上げております。恣意的な運用をされないということで、まさにこの特定秘密が捨てられないということが極めて重要だということと、どこかでこれは原則公開されるものなのだということ、それによって恣意的な運用がされない、一定の歯止めが掛かると、こういうふうに考えております。これまでの質疑でも明らかになっていますけれども、この秘密保護法の施行後も、公文書管理法の規定に基づいて公文書のいわゆる破棄、それから保存ということが運用されていると思います。
 行政文書の管理に関するガイドライン、総理大臣決定という文書がありまして、これはお手元の方に配られているというふうに思いますけれども、この基準に基づいて何が歴史文書なのかということで、公文書館に移管する文書の基準が定められているということになります。
 ここには極めて重要かついいことが書いてありまして、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであること、及び国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようなことと、まさに理想的なことが書いてあるわけであります。
 そこで、防衛大臣に少しお伺いしたいと思いますが、先日、二〇〇七年から二〇一二年までの六年間の間で四万二千件の防衛秘密を破棄していたということが明らかになりました。ところが、秘密文書の破棄の規定に関しては、現在の公文書管理法の特例として適用除外になっています。今回捨ててしまった四万二千件の文書の中に、公文書管理法の一から四までの基準に照らし合わせると破棄するべきではなかったんではないかという書類は含まれているのかどうか、破棄の決裁は、そしてそれは課長が行ったのかどうか、その辺りも含めて教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君)

 防衛秘密の文書の管理の規定は、自衛隊法、自衛隊法施行令等に定めており、平成十四年十一月の同法施行以来、厳格な保護措置を講じてきました。また、防衛秘密は、文書のみならず、図画や物件も含めて厳格かつ一体的に管理をされております。
 平成二十三年の公文書管理法の導入に際し、このように特に防衛秘密文書等の管理が厳格に、かつ図画や物件も含めて一体的に管理していた実態に鑑み、防衛秘密を規定する自衛隊法、自衛隊法施行令の規定は公文書管理法第三条に規定する特別の定めに該当するものと整理され、防衛秘密文書等は公文書管理法ではなく自衛隊法等に基づき管理することとなりました。このため、防衛秘密文書等の保存期間が満了したときは、自衛隊法等に従って防衛秘密管理者等、局長、幕僚長、課長等の承認を得て廃棄することとしており、法令上の問題はありません。
 しかしながら、先月二十五日に閣議決定された特定秘密保護に関する法律案が成立、施行された場合、防衛秘密が特定秘密に統合され、防衛秘密文書の管理は特定秘密文書の管理に従うことになり、防衛秘密の文書の管理の方法が見直されることが想定されることになりますので、私から、防衛秘密の文書について原則破棄しないよう大臣通達を出しております。

○山田太郎君

 つまり、防衛秘密も、今後、特定秘密保護法によれば公文書管理法の中に運用が含まれる可能性があると。そうなると、もう一度質問なんですけれども、その捨てられた文書の中にこの公文書管理法に基づく基準でもって破棄するべきでなかった文書があったのかなかったのか、この辺りについてどうだったのか、もう一度御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君)

 繰り返しになりますが、防衛秘密に関しましては公文書管理法第三条に規定する特別の定めに該当するものと整理をされておりますので、防衛秘密文書等は公文書管理法ではなく自衛隊法に基づき管理することということになっております。

○山田太郎君

 それでは、もう一度違った角度で質問したいと思います。
 現在ある防衛秘密の中でこの公文書管理法に移管していくわけですから、そうなってくると、捨てるべきじゃない文書がどれぐらいあるのか、その辺りについて、防衛大臣、御見解いただけますでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君)

 現在、私ども、廃棄につきましては現在の自衛隊法の定めによって対応させていただいております。そして、今回、この特定秘密の法案が成立後に防衛秘密は特定秘密に移管されることになりますから、特定秘密の今度は範疇というのが公文書管理法の適用を受けるということになります。その時点で検討していきたいと思います。

○山田太郎君

 それでは、防衛大臣の方が今、防衛秘密を捨てるなというふうに指示したということは、これから中身を整理して、どれが歴史文書に当たるかどうかを精査しているということでよろしいんでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君)

 現在、この法案を審議していただいている最中でありますので、これらの作業というのは法案が成立した後に対応すること、検討することになるんだと思います。

○山田太郎君

 公文書管理法に基づけば、実は課長レベルでも文書を破棄することができるということで、まさに官僚が都合が悪いものとして捨てられるという危険性を持っているわけですね。
 そういう意味で、今回の秘密保護法、行政のトップが指定するわけですから、公文書管理法との不整合というんですか、この辺りはしっかり今後、公文書管理法の改正に基づいてしていく必要があるかなと、こんなふうにも考えております。
 それから次になんですけれども、保存期間満了後の特定秘密情報が記載された情報を破棄することができるかということを、これ森大臣、お願いします。

○国務大臣(森まさこ君)

 保存期間が満了した場合には、これは他の行政文書と同様になりまして、特定秘密の指定が解除をされておりましたら、歴史的公文書等については国立公文書館等に移管をされ、それ以外の文書については、廃棄するに際し内閣総理大臣に協議し、その同意を得ることになります。

○山田太郎君

 もう一つお伺いしますが、国立公文書館に移管されたいわゆる歴史公文書というものは、それではこれは破棄できないものなのかどうか、この辺り、森大臣、教えてください。

○国務大臣(森まさこ君)

 これは、私、公文書管理法の担当ではございませんけれども、破棄をしないものと承知しております。

○山田太郎君

 又はそれ自身を公開しないということはあるのかどうか、その辺りも、森大臣、御認識を教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 個人情報等については公開しないことがあると承知しております。

○山田太郎君

 これ、実は個人情報だけではなくて、条文によれば、公にすることにより、国の安全が害される、他国若しくは国際機関との信頼が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報に関しては出さなくていいという規定が実はこちらにもあるんですね。ちょっとそのことを認識されずに大臣は今御答弁されたということで、ちょっとこの全体の法律の立て付けを担当大臣が御理解されて、その後の文書の管理がどうなっているかというのをちょっと存じ上げていないということは驚きなんでありますけれども、ちょっと先に進みたいと思いますが。
 それでは、お伺いしたいと思うんですけれども、現行の運用ルールでは、文書の破棄について判断を行う場合に、文書が公になっていないこと又は文書が防衛、外交、テロ、スパイ等に関する情報であることで判断しているのか、それとも、あくまでも先ほど示した一から四の基準で破棄することを判断するのか、これは公文書担当の後藤田副大臣にお伺いした方がいいかと思いますので、よろしくお願いします。

○副大臣(後藤田正純君)

 公文書担当の内閣府でございます。
 今のお尋ねでございますが、特定秘密が記載された文書の取扱いにつきましては、今回の法律とそしてまた法案に基づく運用において必要な措置がとられる形で対応されると認識しておりまして、我が公文書管理を管轄する立場としては、引き続き、国民の皆様、そしてまた将来の皆様方にしっかりと公開できるようにするというのが私どもの責務でございます。

○山田太郎君

 質問は基準を聞いているんですけれども、この一から四の基準で破棄することを判断しているのかどうか、これを聞いているんですが、御答弁いただけますでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 先ほども申し上げましたとおり、これは法案に基づく運用において必要な措置ということでございますが、今回、法案の修正案につきまして、三十年を超えての秘密指定を延長することにつきましては閣議承認、これが得られなかった場合は当該秘密が記録された文書を国立公文書館等に移管しなければならないということが法案において書かれております。また、さきの総理答弁におきまして、三十年を超えての指定を継続した秘密が記録された文書は、行政機関自ら指定を解除する場合であっても歴史公文書等として国立公文書館等に移管されるよう運用基準に明記する方針が示されたものと承知をしております。

○山田太郎君

 後藤田副大臣は公文書管理法の担当大臣なんですから、公文書管理法の観点で考えた場合に、まさにこの公文書がどういう基準でもって破棄されるのか、このことを正確に御答弁いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○副大臣(後藤田正純君)

 今のお尋ねでございますが、これも、内閣総理大臣の破棄同意におきまして、対象となる文書を破棄するのが妥当かどうか、すなわち、歴史資料として重要な文書に該当しないかどうかの判断は、これ有識者で構成される公文書管理委員会の了承を経て、内閣総理大臣決定により定められたガイドラインの基準に基づいて行われるということでございます。

○山田太郎君

 そうしたら、公文書管理法を、今御答弁があったように、後藤田副大臣は改正されるという認識でよろしいんでしょうか。つまり、公文書管理法によれば、特定機密であるかないかにかかわらず、まさにお配りした基準でもって機密が破棄されてしまう可能性があるというふうに読めるんですけれども、いかがでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 先ほどもお話ししましたとおり、またこれからの運用につきましては、先ほども防衛大臣もお答えあったように、公文書管理法は五年に一度見直しを行うということでございますので、またさらには、今回の特定秘密に対する文書のこの運用基準につきましては、やはり様々なこれから議論があろうかと思います。

○山田太郎君

 もう一度お伺いしますが、それでは、今後の公文書管理法における内容は、五年の見直しを目途として、要は捨てさせない、それから原則開示していくという、この委員会では何回かそういったことも特定機密の方に関しては確認されているんですが、そのように改正していく方向であるということでよろしいんでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 現時点では、今後の改正につきまして、関係各部局でこれから議論がなされると思います。もちろん、立法府においてもであります。

○山田太郎君

 これは、機密保護法を施行するには極めて重要なポイントでございまして、今後というのは、その施行に合わせていつまでに検討され決めるのか、御答弁いただきたいと思います。現実的に、このいわゆる公文書管理法を今答弁あったように変更するということであれば、次の通常国会に法案を出していただいて直さなければ変更ができないというふうに認識していますが、いかがでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 これから来年の通常国会に向けてということで具体的なお話ありましたけれども、今回の法律も含めて、また移管の判断基準につきましても、これからこの法案を通じて、また課題があれば立法府を含めて我々行政府としても検討していくということであります。

○山田太郎君

 もう一度質問します。
 中身を理解していただいているかどうかが極めて重要なんですけれども、特定秘密保護法でずっと議論されているこの委員会、国会で話されている内容と、それから公文書管理に関する実際の法律の立て付けの差が今あるということを後藤田副大臣は御認識いただいての答弁なんでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 基本的に、今回特定秘密の文書を、我々原則は公文書管理法を適用するということでございますが、委員も先ほど来御指摘のように、公文書館への移管の判断基準、これにつきましてのガイドラインがまだ明確ではないということの中で、先ほど申し上げました三十年を超えるものにつきましては、公文書館にいわゆる移管が認められなかった、廃棄ということになったものについては、廃棄でもございません、解除となったものにつきましては法律上移管と明記をしておりますし、そしてまた、総理答弁でありますけれども、三十年を超えて秘密指定を延長して、その後解除した文書につきましては、国立公文書館への移管を運用基準に明記すると。そして、秘密指定が三十年を超えない文書につきましても、これにつきましては、通常の行政文書と同様に廃棄協議で判断する。そのガイドラインを内閣官房においてこれから検討していくものと承知しております。

○山田太郎君

 移管された後の公文書管理法としてどういうふうに保管されるのかということを聞いているんでありまして、移管された後の話なんですけれども、それについてはいわゆる公文書管理法に基づいて保存の方法又は破棄について運用していくのかどうか、これを聞いているんですけれども、いかがでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 移管後の公文書館における在り方につきましては、これは、歴史公文書等の永久保存、十五条でございますが、そういうことをやるかどうかということもこれから、今ある公文書管理委員会等でいろんな意見を聴きながらやっていく、また利用決定だとか異議申立てに対する決定、これは公文書館に移管された後のいろいろな立て付けがございますので、その中で判断していくということでございます。

○山田太郎君

 ちょっと答弁が的を得ていないように思うんですけれども。
 それでは、ちょっとまた形を変えて質問したいと思うんですけれども、この移管された後の公文書はどなたの判断で捨てる捨てないということが可能なのか、どなたが破棄の判断をされるのか、公文書管理法の担当副大臣としてお答えいただけますでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 お答えします。
 原則廃棄はできませんが、内閣総理大臣の廃棄同意において対象となる文書を廃棄することが妥当かどうか、すなわち歴史資料として重要な文書に該当しないかどうかの判断は、先ほど申し上げましたが、有識者で構成される公文書管理委員会の了承を経て、内閣総理大臣決定により定められました行政文書の管理に関するガイドラインの基準に基づいて行われております。

○山田太郎君

 公文書の方として公文書館に保管を既にされた歴史文書となったもの、なるものについてどうかと聞いているのであって、秘密保護法の観点において三十年以上保管するかどうかの総理大臣等の判断を私はさっきから聞いているわけじゃないんですけれども、御質問の趣旨は分かっていらっしゃるでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 公文書館に移管された後のお話ということでございますが、先ほども申し上げましたとおり、歴史公文書等の永久保存をどうするかということもそうですが、またいろんな利用請求に対して利用決定をどうするか、また異議申立てに対してもそういったものに対する決定、そしてまた同時に中間書庫による保存だとか、様々な決まりの中で公文書館の中において管理していくものと承知しております。

○山田太郎君

 ちょっとその答弁は驚きなんですけれども、公文書管理法の中では明確にいろんなことがきちっと書いてあるんですけれども、申し訳ないんですけど、副大臣、法律読まれたことあるでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 先ほども一条につきまして、民主主義の根幹であるということと将来に向けての教訓、戒めということも含めて読んでおります。

○山田太郎君

 じゃ、私の方から説明しますと、公文書管理法によれば、公文書管理課長がこのいわゆる公文書に関して破棄する判断というのは実はできる立て付けになっているんですね。そういった意味で、実は何が言いたいかといいますと、公文書管理法の方にこの特定機密の文書が移ってきたとしても、必要な、極めて重要な情報を一般の官僚が破棄することが可能だという法律の立て付けになってしまっています。
 そういう意味で、先ほどから各大臣が御答弁しているような、もし特定機密をそのまま歴史文書として保管をすると、政治判断としてそれを破棄するのか保存するのかを決めていくということであれば、秘密保護法とそれから公文書管理法の法律の立て付け、ずれをしっかり正していくということが本来この国会での議論、又はそれが間に合わないんであれば次の国会において議論していくことが重要だということを私は訴えているんですけれども、後藤田副大臣、いかがでしょうか。

○副大臣(後藤田正純君)

 先ほど来の答弁になりますけれども、やはり今回の特定秘密に関する文書につきましての運用、これは確かにガイドラインでは定められておりませんので、それにつきましては、先ほども申し上げましたとおり、三十年と三十年を超えてにつきましては法律と総理答弁で明確になっておりますが、それを超えない文書につきましてはこれからガイドラインを含めてしっかり決めていくということでございます。

○山田太郎君

 官房長官に少しその件もお伺いしたいと思うんですが、まさにガイドラインということで、この公文書管理法の五番というのを立てていただいて、まさに特定秘密の文書は歴史文書とすることというのを是非立てていただきたいんですけれども、御所見いかがでしょうか。官房長官になると思います。

○国務大臣(森まさこ君)

 その点も含めまして、運用基準で明らかにしてまいるよう検討してまいりたいと思います。

○山田太郎君

 公文書管理法の所管は森大臣じゃないと思うんですけれども、なぜ森大臣が答弁されたんでしょうか。
 森大臣、森大臣は公文書管理法の主務大臣ではないということでの何回か御答弁もいただいているんですが、どうして答えられたんでしょうか。また、なぜ官房長官は答えていただけないんでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君)

 私も所管ではありませんけれども、ただ、今の委員の質問の提案も含めて、その運用の中で考えていきたいというふうに思います。

○山田太郎君

 内閣府と、これは今回の秘密保護法に関する話で複数省庁がまたがる内容ですので、これは官房長官が答えるのが、主務じゃないというふうには言えないと思うんですが、もう一回、官房長官にこの五番に関してもう一度お伺いしたいと思うんですけれども、特定秘密の文書は歴史文書として指定して、公文書所管のガイドラインの五として位置付けて明記していくということについて、是非していただきたいんですけど、いかがでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君)

 まず、私が申し上げたのは、所管は私ではないということです。これは稲田大臣が所管をいたしています。ですけれども、そういう意味で今、森大臣じゃなくて私ということでありますので答えさせていただくと。
 今委員から提案のありましたことは、それは十分そこは考えて対応していきたいというふうに思います。

○山田太郎君

 是非、それではこの特定秘密が行政の恣意的に使われないように、まさにこのガイドラインの中に入れていただくということを考えるというふうに御答弁いただきましたので、是非そのようにしていただければと思っております。
 次に、七類型、三十年間の文書移管の適用に関してお伺いしたいと思いますが、実はこれ、総理の方も、三十年でいいんじゃないかというような話があったかと思います。このような修正の趣旨から、三十年を超える指定の延長についても内閣の承認が得られる場合には七つの事項に関する情報である場合に限ることを基本とし、現段階ではそれ以外の場合を想定していないものと考えておりますという答弁を安倍総理がされているんですが、であれば、この際、法律を修正して、六十年ではなく三十年を超える指定の場合についても七つの事項のみに限定するということを明記いただけないのか、これは森大臣の方にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(森まさこ君)

 総理の御答弁も踏まえまして、今後、運用基準に盛り込んでいきたいと思います。

○山田太郎君

 修正提案者の、これは桜内さんの方になるんでしょうか、御答弁いただけますでしょうか。

○衆議院議員(桜内文城君)

 お答えをいたします。
 修正協議の中で七項目について限定列挙をしていったわけですけれども、これ、基本的には内閣の承認を得て期間延長をする場合であったとしても、やはり六十年という上限がどこかにないといかぬだろうという趣旨でございます。
 その際、そうは言ってもそれを超えて秘密の有効期間を設定する必要が全くなくはないという形で与党の方から御提案があって七項目を決めていったという経緯がございます。
 その経緯に鑑みれば、御指摘のとおり、三十年を超える際にもこれを、七項目というものを原則とすべきだというふうに総理に答弁をいただいているところでございまして、その趣旨を生かした運用基準というものを作っていっていただければというふうに我々も考えているところでございます。

○山田太郎君

 是非、法律の修正という形で明記していただければなというふうに思っておりますので、これはお任せしたいと思います。
 あともう一つ質問があるんですが、今回、知る権利と秘密の保全ということが対極の中で語られているわけですけれども、これは森大臣それから菅官房長官にそれぞれお伺いしたいんですが、知る権利と秘密保全とどちらかを取らなければならないといったらば、どちらが大事か是非お答えいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 秘密の保全というのは、国民の生命と国家の存立を守るためのものであり、究極的には国民のためでございます。国民の知る権利も、国民がその行政行為によって何が行われているかを知る権利ということで、国民のためでございます。
 両方とも国民のためでございますので、どちらが重要ということではなく、その両方をいかにバランスを取るかということがこの法案で一番苦労した点でございます。

○山田太郎君

 菅官房長官も是非お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君)

 そこは今の森大臣と一緒です。

○山田太郎君

 まさに秘密保全と知る権利のバランスということが大事だという答弁いただきましたので、それではお願いがあるんですが、まさに、知る権利をいわゆる保障する法律としては情報公開法、それから、先ほどから申し上げている文書を破棄させない意味においては公文書管理法というのがあります。本来、これをなぜセットで今回の秘密保護法と一緒に議論しなかったのか、その辺り、森大臣にもお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(森まさこ君)

 今回、情報公開法、これは、この特定秘密保全法に適用があります。また、公文書管理法も適用があります。その二つの現行法をしっかりと運用をしていくということであります。さらに、この特定秘密保護法案の中で、国民の知る権利について規定をいたしました。全ての条文の解釈、運用の指針になると思っております。

○山田太郎君

 もう一つ、それではお伺いしたいと思うんですが、先ほどから、そごの問題ですね、公文書管理法と秘密保護法、今回の答弁、それから後藤田副大臣の方も答弁があったと思うんですけれども、多分そごが、不整合が起こっていると思うんですが、これを早急に解消して、この委員会、それからこの国会で語られていたように、きちっと秘密保護の、公文書に関しては保存するという辺り、公文書管理法の方を改定していくということについてはいかがでしょうか。森大臣、よろしくお願いします。

○国務大臣(森まさこ君)

 委員の御指摘の点については、しっかりと運用基準に規定をしてまいりたいと思います。

○山田太郎君

 その法改正、もし森大臣がここで辞められてしまうと担保が取れませんので、官房長官も是非、情報公開法と公文書管理法、秘密保護法と全体に整合を取れるように、最優先課題として次の来年の一月から開かれる通常国会で審議を、取り上げていくということをいかがか、是非、官房長官の方、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(菅義偉君)

 総理は、この施行まで、この法案については森大臣の担当ということを正式に発表をいたしておりますので、そこは森大臣の答弁で私は十分だと思います。

○山田太郎君

 それでは、ちょっと次に、だんだん時間も過ぎてきましたので移りたいと思います。
 総理の監督権、第三者機関という辺り、少しお話ししたいと思っています。
 この修正の第十八条四項に、内閣総理大臣が内閣を代表して云々という文章を修正として出させていただいています。そこで、森大臣にお伺いしたいと思うんですが、総理はどこまで特定秘密の指定、解除、適性評価の運用について関与していくことになるのか、これ具体的にお答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 総理は、十八条のリーダーシップを発揮をしていくために、指定の内容、それから期間、更新、解除等について、これは全体的に有識者会議の報告も受けながらリーダーシップを発揮をしていく、そして、これは改善すべき点があるというふうに考えれば改善の指示も出していくということになっております。

○山田太郎君

 ちょっとリーダーシップという曖昧なことではよく分かりにくいんですけれども、例えば、総理が主体的に特定秘密の中身にまで立ち入って指揮命令するということはあるのかどうか、この辺りも森大臣、お願いします。

○国務大臣(森まさこ君)

 それは当然ございます。

○山田太郎君

 例えば、運用基準のルールの中に、総理がどこまで主体的に関与するかということで、例えば各省に対して年に一回ぐらい抜き打ちテストをするというようなこともあるのかどうか、その辺りも是非森大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(森まさこ君)

 総理の指揮監督の方法については、有識者会議の御意見も聴きながらしっかりと定めてまいりたいと思います。委員の御意見もまた尊重してまいりたいと思います。

○山田太郎君

 本件も法案提出者にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○衆議院議員(畠中光成君)

 まず、委員の質問にお答えする前に、みんなの党が、総理が第三者機関かのような誤解が出ましたけれども、そのような主張をしたことはないということを、委員御承知のことかと思いますが、まず申し上げておきたいと思います。
 その上で、委員御承知のように、みんなの党が主張しておりましたのは内閣の情報一元化、こういったところから総理の指揮監督権というのを明確化したわけでありまして、それが具体的には、内閣の首長たる内閣総理大臣が特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準の案を作成すること等、こういったのが十八条あるいは四項の中で具体的に盛り込まれたものだと承知しております。
 例えば、我が党が主張していた内閣の一元化を図っていくために、防衛大臣とか外務大臣が特定秘密の指定、解除等が適切に行われているか否かを有識者の意見を踏まえた上で内閣の首長たる総理大臣がチェックすることにするということが規定されたわけでありまして、そういった意味で一定の機能を果たすことが可能だと考えております。

○山田太郎君

 法案提出者にもう一度お伺いしたいんですが、同じ質問になりますけれども、特定秘密の中身まで立ち入って指揮命令ができるという解釈でよろしいんでしょうか。

○衆議院議員(畠中光成君)

 お答えします。
 まず、この特定秘密、約四十二万件ほどあると言われておりまして、これら全てを総理がチェックするというのは現実的ではないと思います。しかしながら、こういった規定を設けることによって一定の効果というのも指揮監督権という観点から生まれてくると思います。
 また、この前提として、この十八条の話と附則九条で出てきた第三者機関の話というのは切り分けて考えていただくことが必要かと思いまして、総理の答弁でもありましたように、例えば米国の省庁間上訴委員会あるいは情報保全監督局、こういった形で何らかのチェックをする機関を設けていくことによって、併せてこういった効果を期待することができるというふうに考えております。

○山田太郎君

 まさに第三者機関の設置という話になりましたので、ちょっとそこについても触れていきたいと思いますが、これは、総理も先日の衆議院の委員会の方で、第三者機関の設置については私は設置すべきだというふうに考えておりますと力強い答弁をいただきました。
 そこで御質問したいと思いますが、諸外国のどのようなモデルを参考につくられていこうとされているのか。何人かの委員が同じようなことを聞いたかもしれませんが、もう一度確認の上、森大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(森まさこ君)

 第三者機関の内容については、米国の省庁間上訴委員会や情報保全監督局を参考してまいりたいと思っております。

○山田太郎君

 その第三者機関の機能なんですけれども、基準やルールのみのチェックをするのか、又は個別の秘密情報の中身についても踏み込むことができる機関なのか、その辺りの機関の立て付けはいかがでしょうか。森大臣、お願いします。

○国務大臣(森まさこ君)

 米国の省庁間上訴委員会は、行政機関からの自動秘密指定解除の適用免除についての申請に対し、その認容、棄却等を行っているものと承知をしております。また、情報保全監督局は、秘密指定の実施等が適切に行われているかについて監査等を行っているものと承知をしております。
 これら二つの機関をモデルにすることを前提といたしますと、やはり場合によっては秘密の中身まで見ることも考えられるかと思いますが、いずれにせよ、詳しい中身についてはまた今後準備室を設けて検討してまいりたいと思います。

○山田太郎君

 その機関を設定した場合に、今後立法措置というのはとられていくんでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 これについても、これまでもほかにも御質問いただいたところでございますが、その内容がどうなるか検討した上、その内容によって法的措置が必要か否かについても併せて検討してまいりたいと思います。

○山田太郎君

 この省庁間機密指定審査委員会等を含めて、森大臣の方は随分研究されているということを何回か答弁でもお伺いしているんですが、それではお伺いしたいと思うんですけれども、例えば、この審査委員会がいわゆる審査請求した場合、どれぐらいの情報が最終的に開示されたのか、その辺の比率については御認識ありますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 その数については、調査の上、お答えをいたします。

○山田太郎君

 実は、この委員会は、二〇一二年、約八二%の文書に関して全部又は部分的な機密解除を行っているんですね。請求がありましたのが三十七万二千三百五十四ページ、そのうち何と二十七万一千四百五十六ページ、全部機密解除をしていると。八万六千五百八十七ページに関しては部分機密解除ということであります。これぐらい私の方でも情報、手元にあるわけですから、今後のスタディーではなくて、これを総理に進言されたということなんですから、是非きちっと中身を早急に詰めていっていただきたいなというふうに思っています。
 さて、第三者機関としては、もう一つ重要なのは、国会にその機関を置くということでございます。アメリカでは、連邦議会の中に上院情報特別委員会及び下院常設情報特別委員会が存在しております。こういう機関を国会の中につくる必要があるかどうか、これもいろんな委員が聞いてはいるんですが、改めて確認をしたいと思います。これは官房長官、よろしくお願いします。

○国務大臣(森まさこ君)

 国会の方でどのような委員会を設置するかについては、国会で決められるものというふうに承知をしております。

○山田太郎君

 菅官房長官も是非御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君)

 そこは政府から申し上げるのではなくて、やはり国会についてはやっぱり国会ということに尽きると思います。

○山田太郎君

 もう一つ、総理の有識者会議というものも検討され議論されているようですが、この第三者機関の一つであると認識されている有識者会議ですが、これも秘密情報の中身まで踏み込んでチェックをするという形を取られるのかどうか、これは多分運用上の問題ですから菅官房長官になるかもしれませんが、御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 十八条に規定をしております有識者会議についての御質問だと思いますけれども、これについては、基準又は指定の件数、それから解除の件数、それから秘密の期間等をチェックをすることを想定をしておりまして、秘密の内容までは見ることを想定をしておりません。

○山田太郎君

 そうすると、余りこの有識者会議というのは、いわゆる第三者のチェック機関としてはどれぐらいの効果が発揮できるのかなというのはちょっと疑問の残るところでございます。
 さて、それでは、防衛、それから自衛隊が本件を運用するというところについても少し話を進めていきたいと思います。
 今回、秘密保護法のベースには自衛隊法というものも一つあると思いますが、本当に多くの秘密を自衛隊特定機密として扱っているかと思っています。今度、その中で、NSCで国家安全保障戦略、いわゆるNSSだと思いますが、これを策定するというふうに聞いていますが、それ自身はどのレベルまで国会並びに外部に開示されるお考えなのか、ちょっとその辺り、防衛大臣にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(小野寺五典君)

 国家安全保障戦略の話ですので、私が所管ではなく、官房長官なりが適当かとは思いますが、今検討されている内容につきましては、基本的にこれはこのような方針でいくということで対外的に公表することを前提に議論をされているというふうに私どもは承知をしております。

○山田太郎君

 その中身については、それでは全て開示していくということで、官房長官、よろしいでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君)

 全て開示の予定です。

○山田太郎君

 次に、開示の問題でもう一つ踏み込んでいきたいと思うんですが、過去に情報提供、開示されていた情報が突然秘密指定されて情報開示がされなくなる可能性があるのかどうか、ちょっとこの辺りについてもお伺いしたいと思います。
 例えば、私がかつて、年間、自衛隊がスクランブル発進をどれぐらいしているのかという情報を入手したところ、細かく、どこ向けの国に対して何年度、何回発進したということを実際数値としていただいているんですね。このように、一度でも国会並びにその他に対して開示したようなカテゴリー、内容のものに対しては、今後、これが突然秘密指定されて今後は出ないなんということがあるのかないのか、その辺り、これ、森大臣の方にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

○国務大臣(森まさこ君)

 これは、第三条の公になっていないもの、つまり非公知性の要件を欠くと思われますので、一度開示したものはならないと思います。

○山田太郎君

 つまり、例えば、二十五年の第一・四半期まではスクランブル発進の回数は出ているんですが、例えば平成二十六年とか、今後、二十七年にわたって、この数字が突然出なくなるようなことがあるのかないのかということをお伺いしたいと思います。

○国務大臣(小野寺五典君)

 全体のことについては森大臣かと思いますが、今スクランブルのお話がございました。これは、現時点では防衛秘密には入っておりません。そして、防衛秘密はそのまま特定秘密に入りますので、現在入っていないということは今後もそういう秘密には入りませんので、私どもとしては公開をしていくことになると思います。

○山田太郎君

 今のような御答弁、大変これは重要だと思いますけれども、森大臣、そのとおりでよろしいんでしょうか。つまり、今まで行政が発表していた文書、情報の同じ内容のもの、同じカテゴリーのものは一切特定秘密として今後指定することはないと、これでよろしいのかどうか、御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 今まで発表していた文書については特定秘密になることはありません。

○山田太郎君

 もう一つ、本件でお伺いしたいと思います。
 過去、開示、提示されていた事実を指定すれば、仮に官僚等が間違えて特定秘密にしてしまった場合に直ちに解除されるのかどうか、この辺りも森大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(森まさこ君)

 間違って特定秘密に指定してしまった場合には直ちに解除することになります。

○山田太郎君

 次は、特定秘密の武器使用についても少しお伺いしたいと思います。
 小野寺防衛大臣にお伺いしたいと思うんですが、自衛隊の装備品の中には、多分いろんなハイテク品だとか武器がありまして、特定秘密に該当するものも多くあると思います。ただ、そういった武器を扱う隊員というのは適性評価を受ける必要があるのかどうか、この辺りもお伺いしたいと思います。

○国務大臣(小野寺五典君)

 使う装備は様々ありますが、装備の中で特に特定秘密に指定されるべき装備については、それを扱う隊員については、今委員御指摘のように、それなりにクリアランスが必要だというふうに思っていますし、現在もそのような対応をさせていただいております。

○山田太郎君

 それでは、今度、有事の際には多くの自衛隊員が作戦に参加することになると思いますが、この場合は一体どのように適性評価されていくんでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君)

 防衛省は、基本的に様々な状況に応じて対応することが求められております。ですから、今委員が御指摘がありました有事の際にもしっかり、防衛秘密を扱うような装備、防衛秘密に類するような装備を扱う者に関しては対応できるような、そのような有資格者の範囲を指定してクリアランスを行っております。

○山田太郎君

 有事はまさに有事で起こるわけですから、それでは、有事が起こりそうなときにオペレーションする隊員については事前に適性評価を全てしておくという判断なんでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君)

 基本的に今おっしゃるとおりであると思います。有事が発生した場合、どのような部隊がどのような行動を起こすかという中で私どもとしては必要な対応を取りますし、その必要な対応の中で、当然そのような秘密を扱う者に関しての範囲を私どもとしてはしっかり把握をし、対応しているということであります。

○山田太郎君

 そうすると、それぞれの防衛装備に対して、特定秘密にされているそれぞれについて、全ての隊員の名前をいわゆる当てていくとか、そういった具体的オペレーションが本当にできるんでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君)

 一般論としてお話をしますと、例えば、防衛秘密に指定するような装備というのは、それはかなり、当然それを扱う者に関しては専門性が必要だということになります。その専門性を有している者が、今お話しされたような、それぞれの秘密を守れるようなクリアランスを受けているということだというふうに思っております。

○山田太郎君

 時間がなくなってきましたので、次行きます。
 萎縮効果について少しお話ししたいと思いますが、いわゆる未必の故意というのがこの委員会でも話題になっているかと思います。
 取得しようとしたものが特定の秘密であることを知らなかった場合はその情報を入手してもこの法律では罰せられないということなんですが、まさに未必の故意ですね。この法律では、情報取得行為についてこの未必の故意が成り立つのかどうか、その可能性はあるのかどうか、森大臣、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(森まさこ君)

 特定秘密を不正に取得した罪に問われる場合には、取得者は自らが取得したものが特定秘密であることを認識していなければなりません。
 一般に、故意は犯罪事実が実現されることが確定的なものと表象しておりますが、犯罪事実の発生そのものを不確実なものとして表象しつつ、かつ、これを認容している場合、いわゆる未必の故意でも足りるとされております。
 したがって、例えば、特定秘密を取得するかもしれないと認識しつつそれを認容して不正アクセスを行う場合には、本法第二十四条の不正取得罪となり得る場合もございます。

○山田太郎君

 つまり、未必の故意はあるというふうに理解してよい、可能性はあるということでよろしいんでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 未必の故意も故意でございますので、もちろん認識はなくてはいけませんけれども、未必の故意というのは通常の故意に含まれますので、これはあり得るということです。

○山田太郎君

 知らなくても未必の故意が成り立つと罰せられちゃうということなので、これは大きな萎縮効果だというふうに思っております。
 それからもう一つは、うその秘密指定がされた場合ということも少しお伺いしていきたいんですが、これは特定秘密だから答えられないと、うそあるいは誤った発言をした場合にどうなるのかということであります。取材する側からすれば、真実を確かめられない以上、近づくと罰せられる可能性があるわけですから、その情報になかなか近づけないというふうに厄介なことになるかと思います。
 こうした件、もしうそ又は誤った発言をした場合、何か罰せられるんでしょうか。森大臣、よろしくお願いします。

○国務大臣(森まさこ君)

 御指摘のように、虚偽の発言をしたり特定秘密の取扱いの、虚偽の発言をした場合は、特定秘密の取扱いの業務に従事する者は、本法案により処罰規定はございませんけれども、状況に応じ、国家公務員法の信用失墜行為をしたものとして処分されることがあるものと考えます。

○山田太郎君

 懲戒処分の理由として信用失墜行為というのがあるだけで刑罰としてはほかにないのかということが非常に重要だというふうに思っています。
 片や特定秘密にアクセスしようとしたらもしかしたら懲役十年になる可能性を持っていて、片やそれが特定秘密であるとうそをついても何の刑罰もないということでは、やはり相当な取材する側が萎縮、バランスが欠いているんではないかなと、こういうふうにも思っております。
 是非そういった意味でお願いしたいのは、国家公務員の倫理規程の中に、特定秘密でないものを特定秘密であるということを、誤った発言又はうそをつくことの禁止事項をきちっと定めていただきたいなというふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 特定秘密の取扱者に対する倫理規程については規定をしていく方向で検討しておりますので、委員御指摘のことについてもしっかりと検討してまいりたいと思います。

○山田太郎君

 これは施行までに必ず、萎縮効果は大きく関係しますので、是非お願いしたいというふうに思っております。
 さて、裁判で特定秘密を解除するケースというのも少し質疑したいんですけれども、インカメラ審査ではなく、公開法廷に対して特定秘密を解除して、弁護士も含めて情報を提供する可能性があるかどうか、そういう具体的なケースは可能性としてあるのかどうか、森大臣、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(森まさこ君)

 例えば、インカメラ審査を経た後、証拠開示命令が出された場合には、証拠として開示をされることになります。

○山田太郎君

 是非、裁判を受ける権利、国民がこの法律によって裁かれる状態になった場合にそういうことがないように、インカメラ審査では、何によって裁かれているのかは裁かれている人、弁護士もさっぱり分からないままで裁判が進むということであります。是非それは総理大臣の方で解除命令を基本的にやっていくんだというような立て付けにしていくのが私はいいと思いますが、その点、森大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 特定秘密は、国民の生命と国家の存立のために公開することが困難であるということで特定秘密に指定されているわけでございますので、公開の法廷に出すということが非常に難しい中で、裁判官がインカメラ審査をして、裁判官がまず秘密の中を見て、そして証拠を開示するかどうかを決めるわけでございます。そのような場で、司法の自律権の中で、裁判官が証拠開示命令を出した場合には証拠が開示をされると、そういう手続になっているものと承知をしております。

○山田太郎君

 時間になりました。
 まさにこの法案、最初に述べましたように、国民の知る権利の侵害、それから行政の暴走あるいは秘密化を進めない、行政官、国民に対する萎縮効果をさせないということで質疑でただしてまいりましたが、どうもいまいち、なかなかそのようになっていないなということを残念に思っております。
 私の方、これで質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。