2013.12.4

消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律案について質疑を行いました。

12月3日、参議院消費者問題に関する特別委員会にて質疑いたしました。

議事録(未定稿)

○山田太郎君

 みんなの党の山田太郎でございます。
 本日、この法案、七年越しということで何とか今日採決に持っていこうということで、委員長、理事、それから政府、大臣も含めてここまで頑張ってきましたので、今日、歴史的なというか、日を迎えられればということで我が党も応援していきたいと思っております。
 ただ、やはりこの法案がしっかり働くこと、機能すること、それからこの法案の施行が三年以内ということなんですが、これを、前回も質疑で主張させていただきましたが、一年半、二年という形でもって実際に実行できるように、ここまで時間を掛けてしまったのは我々政治の責任でもありますので、是非、消費者は待ちわびていると思いますので、そのことをまず最初にお願いしたいなと思います。
 さて、中身について、前回、参考人質疑が行われました。経済団体、それから消費者団体からいろんな意見が出まして、やはりバランスよくこの法案が機能するようにしたいと思っていまして、幾つか質疑させていただきたいと思っています。
 まず最初なんですけれども、例のリコールをした場合ということで江崎議員の方からも指摘がありましたが、私の方からも是非、自主的に製品の自主回収や修理を行っているというような状況あるいはリコールをしているということであれば、行政手続法に基づく監督指針というのをこの法案成立後に作るということですので、そんな中にも盛り込んでいただけないかなと。リコールが行われたらそれを考慮するなどの規定を監督指針に盛り込んでいただけないかと、この辺をお願いしたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 リコールを行った場合にあえて提訴するということは考え難いと思っておりますし、訴えを提起しても、相当多数の要件を欠くとして却下をされることになるものというふうに考えてはおりますけれども、山田委員の御指摘もございますので、これは監督指針で示すことを考えてまいりたいと思います。監督指針で示してまいりたいと思います。
 これについては、消費者団体関係者、事業者団体関係者、学識経験者等により構成をする検討会において内容を精査をするとともに、パブリックコメント等を行って示してまいりたいというふうに思います。

○山田太郎君

 ありがとうございます。
 二点目なんですけれども、訴訟の対象には第三条一項四号で製品の瑕疵担保責任による損害賠償請求も入ることが規定されています。これも、経済団体の方では、この瑕疵担保責任の一定の場合を訴訟提起の対象から外すような措置を監督指針の中で講ずることはできないのかというような提案もされていたかと思います。特に、不良品の発生を防ぐのは極めて難しい場合なんかがこういうところに当たると思いますが、この問題に関する検討状況というのはどういうふうになっているか、大臣、お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 確かにその点、御指摘をいただきました。
 共通義務確認訴訟は、対象消費者について、個別事情がない限り金銭支払義務を負うべきことを確認をするものでありまして、実際に瑕疵ある商品を購入していない消費者は損害賠償請求をなし得ないので、実際に瑕疵ある商品を購入した消費者が対象消費者となるようにその範囲を設定をする必要があると思っております。例えば、対象消費者の範囲を製造番号五百番から千番の商品を購入した消費者と設定をし、それらの商品の一部に瑕疵がある製品が存在すると主張して訴えを提起する場合は、必ずしも設定された範囲内の消費者の間で事実上及び法律上の原因が共通しているとは限らないわけでございますので、この場合は共通性を欠くとして訴えが却下をされるものと考えます。
 また、対象消費者の範囲を、ある商品を購入した消費のうち部品に瑕疵がある商品を購入した消費者と設定した場合には、消費者が購入した商品の部品に瑕疵があったか否かが主要な争点となることが想定をされまして、その認定判断が困難であると認められるときは、今度は支配性の要件を欠くものとして一段階目の手続、この訴えが却下をされることになります。このように、訴えがいずれにしても却下されることが明らかであるにもかかわらず、不当な目的を持ってあえて訴訟を提起する場合には、「不当な目的でみだりに」という七十五条第二項の要件に当たるというふうに考えます。
 この内容を消費者団体関係者、事業者団体関係者、学識経験者等の検討会の御意見を聞いて、そしてパブリックコメント等を行った上で監督指針で示してまいりたいというふうに思っております。

○山田太郎君

 ありがとうございます。
 大変丁寧な答弁をいただきまして、昨日の委員会とは打って変わった、大変笑顔も今日は大臣見られてスムーズにいっているなというふうに喜ばしく思っております。
 さて、もう一つでありますが、経済団体からのものでありますが、消費者団体が提訴、訴訟を起こす場合に、実際に相当多数の被害者が本制度による救済を求めていることを明らかにするような措置をこれもとれないだろうかということが指摘があったかと思います。
 監督指針の中で講じていくことは、これもできないかどうか、是非この辺も大臣、答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 本制度の趣旨から、個別訴訟より本制度を活用した方が審理の効率化が図られる程度の多数であるということが必要であるため、個別訴訟よりも本制度の方がよいと、そういうことが必要であるため、対象消費者が相当多数存在することを訴訟要件としております。
 そして、多数となる消費者が相当多数存在することは、原告に証明責任がございます。そして、被害回復関係業務を適切に実施することの内容として、相当多数の消費者が存在しないにもかかわらず不適切な訴えが提起されることがないように、団体が一段階目の訴えを提起するに際しては、被害者である消費者から十分に話を聞くなど、これを適切に調査したものでなければならないというふうに考えております。このような内容について監督指針等で示してまいりたいと思います。

○山田太郎君

 次には、消費者団体の方からの指摘があった件について少し質疑させていただきたいと思います。
 PIO―NET活用の件でございますけれども、今あるこのPIO―NETですね、特定適格消費者団体にも設置してほしいという要望がありました。もちろん、個人情報の保護ですとか、その他必要な措置はあると思いますが、例えば相談者本人の同意を得るような形でもって情報の開示について解決して、これがその特定適格消費者団体にも使えるようにできないものだろうか、この辺も是非大臣の方から御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 このPIO―NETの端末を適格消費者団体が利用できるようにできないかということは検討を進めてきたところでございますけれども、様々な両方向からの御意見がございまして、地方の消費生活相談の現場からは、やはり今御指摘の個人情報が流出するリスクがあるでありますとか、民間団体が相談情報を閲覧できるというふうにしてしまうと一般的に相談者の信頼を損なうおそれがある等の御意見があるところでございます。
 私も長年消費者相談に携わってきた経験から申し上げますと、やっぱり相談をしてくるときに、相談者の皆様というのは大変相談しにくいところを思い切って相談してくるものですから、そこでその情報について開示をしますというと、もうその後相談をやめてしまったりとか、なかなか難しい状況があるかなということも私もよく理解できます。
 一方、この適格消費者団体がやはり適切な情報を収集して対応するという要請もございますので、今後、この情報管理強化、これを、流出を防ぐということをどういうふうにしていったらいいか、それから、相談者の信頼をどうやって確保していくかということも追求しながら、しっかりとこの点、適格消費者団体ができる限り有効に活用できるように検討を進めてまいりたいと思います。

○山田太郎君

 次に、これも消費者団体の方からの指摘があったと思うんですが、共通義務確認訴訟判決の情報も消費者に幅広く提供してもらいたいということがありました。よく、消費者庁、手足がないということで、是非それが国民生活センターをうまく活用できないかということについて、私も前回質疑したと思いますが、この国民生活センター活用の件において、例えば国民生活センターには法律に基づく業務方法書というものがあります。これは大臣が認可するという形の立て付けになっているわけですから、その業務方法書に、例えばこの共通義務確認訴訟の判決情報の消費者あるいは被害者への提供という形を盛り込んで、ひとつ国民生活センターと連携してこの問題解決できないかと、こんなふうにも考えているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 国民生活センター業務方法書第三条第一号及び第二号には、国民生活センターが収集した情報について、国民生活の安定及び向上を図るために必要と認める場合には、国民生活センターがその結果を公表することが規定をされております。共通義務確認訴訟の判決情報についても、これに基づいて被害者を含めた国民への情報提供を行うことになるというふうに承知をしておりますので、しっかりと周知徹底してまいりたいと思います。

○山田太郎君

 その件については是非この業務方法書を改善していただいて、今回の法案、非常に重要だと思いますし、国民生活センターも深くかかわってくることだと思います。重要事項を明文化していただきたいなと、こんなふうにも思っているんですけれども、特に国民生活センターに対して進言していただけないでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 確かに、この法案成立をいたしまして、それがきちんと運用をされますように、そのために必要な場合であるというふうに思いました場合には、国民生活センターの業務についても、御指摘の業務方法書の規定、こちらの方の改正も含めまして、検討を進めてまいりたいと思います。

○山田太郎君

 国民生活センターについても、前回ちょっと質疑の中で消費者行政の体制整備のための意見交換会ということで中間整理をやったということを少し触れさせていただきました。ちょっと時間がなかったんで聞けなかったんですが、この中でも予算の無駄、国民のためになる仕事をしているかという検討課題があるというふうに言われていたようですけれども、その結論がどのように出されたのか、この辺も少し教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君)

 国民生活センターの事務事業の在り方について独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針及び独立行政法人整理合理化計画に基づき毎年フォローアップを実施し、不断の見直しを行っているところでございますが、さらに平成二十五年三月の中期目標期間終了時に業務全般について見直しを行い、平成二十五年四月からの新たな中期目標を定めるに際しまして、業務効率化による一般管理費及び総人件費の抑制や国際的取組の強化等を盛り込みまして、国民生活センターに指示をいたしました。今申し上げました業務の効率化を踏まえ、中間整理においては、国民生活センターの各機能の充実強化が必要という基本認識に至ったところでありますことも付言をいたします。

○委員長(寺田典城君)

 時間が来ておりますので、短くお願いします。

○山田太郎君

 はい。
 この国民生活センター、独立行政法人ですね、今後も少し取り上げてやっていきたいと思います。消費者庁、頑張ってやっていくためにはここの改革も重要だと考えております。
 最後、この法案、施行されて意味があります。前回も質疑の中で最高裁は、協力してやるというふうに言っておりますので、あとは消費者庁のもう努力だと思っております。三年を目途、以内ということですが、一年半でも二年でも早くこの法案が施行されるように期待します。よろしくお願いします。
 以上です。