2025.3.27

通信制高校サポート校の定期券について

2025年4月1日からのJRの規定変更により、通信制高校に在籍する学生が学習等支援設へ通学する際に通学定期券を利用できなくなった件について、高校生から陳情を受けました。
現状把握のために、文科省と国交省からレクを受けました。文科省には、民間の経営判断とはいえ、再度JRに配慮のお願いをするよう強く求めました。文科省からは「機会を捉えて、再度しっかりと伝えていきたい」との回答を得ました。
引き続き、働きかけて参りますが、対象となる通信制高校の皆さんからも、どんどん声を寄せていただきたいと思います。

詳細は以下。

・変更の経緯

平成27年、ウイッツ青山学園高等学校による就学支援金の不正受給事案や、相次いだ不適切な授業の事案を受けて、文科省が、高等学校通信教育規定の一部を改正。「面接指導等実施施設」と「学習等支援施設」と規定し、法的位置づけを整備し・明確化しました。

これにより、単位を修得できる施設である「面接等実施施設(分校・協力校・技術教育施設・他の学校等の施設)」と単位を修得できない施設である「学習等支援施設(サポート施設)」に区分されました。サポート校では、実施校に在籍する生徒に対して、学習面や生活面での支援等を行います。生徒にとってはほかの学生と関わる「学校」としての重要な側面をもつ場所です。

この文科省の規定変更に伴い、JRは規定を変更し、通学定期券を発行できるのは単位を修得できる施設である「面接等指導施設」のみになりました。

JR以外のその他の大手鉄道会社、大手バス会社も下記の通りJRの見直しに合せて同様の変更をしているところが多いのが現状です。
大手民鉄におけるサポート施設に通う生徒に対する通学定期券の発売(令和7年4月以降の取扱い)
●東武鉄道、西武鉄道、京成電鉄、京王電鉄、小田急電鉄、東急電鉄、京浜急行電鉄、東京地下鉄及び相模鉄道:JRと同様の取扱い
●名古屋鉄道、近畿日本鉄道、南海電気鉄道、京阪電気鉄道、阪急電鉄、阪神電気鉄道及び西日本鉄道:従来の取扱いから変更なし

文科省の調査によると、サポート校は、全国で1,881施設、在籍者数は約43,000人です。通信制の高校に通う児童生徒は約29万人なので、約14.8%がサポート校に通っていることになります。

文科省からは「JRは、文科省の令和3年の改正を知らず、把握したのが令和6年だった。そこで、企業として吟味し、経営判断として決断、このタイミングでの周知となった」との説明を受けました。

文科省は、国交省と連携した上で、JR東日本と意見交換を実施。「基本的には民間の経営判断のため何か国にこれ以上の権限があるわけではないが、配慮をお願いできないかという依頼をした」とのこと。「JRとしては今のところ判断の変更は難しい」との回答を得ているとのことでしたが、再度配慮のお願いすべきと、私からも強く求めました。文科省からは、「機会を捉えて、再度、JRに配慮のお願いをする」との回答を得ました。

サポート校をどう位置づけるのか、民間企業が外形的に判断できる位置づけがないという課題も明らかになったので、政治的な解決の道も探っていきたいと思います。