2026.4.7
不適正スクラップヤードを許さない!日本の資源を守る「廃掃法・PCB法改正」と「循環経済推進」の全貌

2026年4月7日、環境部会長として党の政策審議会・総務会に出席し、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」および「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法及び中間貯蔵・環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案」の2法案、さらに「循環経済(サーキュラーエコノミー)で日本列島を強く豊かに」とする政策提言を説明し、無事に了承されました。
これらは、不適正なスクラップヤードへの規制強化、PCB廃棄物の適正処理、そして経済安全保障の観点から国内資源循環を強化するための、極めて重要な内容です。
そこで本ブログでは、今回の法案改正の背景・概要、そして循環経済に向けた戦略目標について、どこよりも詳しく解説します。
〈法案改正および提言の背景〉
現在、世界は再生資源を含めた資源の獲得競争の時代に突入しています。中国は重要鉱物に対する輸出管理を強化するとともに、官民が出資して国内の資源リサイクルに注力しています。EUは電子スクラップ等の域外への輸出厳格化や、新型車両への再生プラスチック使用義務化を打ち出しています。今後、脱炭素化に向けて不可欠な蓄電池・モーター・半導体等の生産に必要な鉱物資源の需要は急拡大する見込みであり、もはや一次資源(天然資源)のみならず、二次資源(再生資源)の獲得競争の時代に突入しています。
しかし、我が国では、国内で発生するリサイクル可能な資源の多くが海外へ流出したり、焼却・埋立されたりしているのが現状です。その背景には、環境対策にコストをかけずに高値で資源を買い集め、公正な競争環境を阻害している不適正なスクラップヤードの存在があります。こうした不適正ヤードからの資源流出が、国内資源循環の大きなボトルネックとなっています。
また、PCB(ポリ塩化ビフェニル)については、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)による高濃度PCB廃棄物の処理事業が完了した一方で、低濃度PCB使用製品の適正な管理の必要性が新たな課題として浮上しています。
これらの課題に対応し、国内資源循環の強化と廃棄物の適正処理を実現するため、本法案および提言が取りまとめられました。
〈廃棄物処理法(廃掃法)改正案のポイント〉
主な措置事項は以下の3点です。
第一に、スクラップヤードへの規制強化です。使用済みの金属・プラスチック物品の保管や再生を行う事業について、新たに許可制を導入し、基準の遵守を求めます。また、環境汚染のおそれのある物品の輸出については、環境大臣の確認を要することとし、不適正なヤードからの資源流出と環境汚染を防ぎます。

第二に、災害廃棄物処理の推進です。平時からの備えとして、市町村における災害廃棄物処理計画の策定を義務付けます。また、地方公共団体への安定的な支援体制を構築するため、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)の事業に災害廃棄物に関する事業を追加します。

〈PCB廃棄物特別措置法・JESCO法改正案のポイント〉
主な措置事項は以下の3点です。
第一に、高濃度PCBが発見された場合の対応です。保管する廃棄物が高濃度PCB廃棄物と判明した者に対して、一定の期間内に処分を義務付けます。JESCOの処理事業終了に伴い、今後は処理能力を有する民間処理施設で安全に処分することとします。
第二に、JESCOのPCB処理事業廃止です。高濃度PCB廃棄物の処理事業が完了したことを踏まえ、中間貯蔵・環境安全事業株式会社法における事業からPCB処理事業等を廃止します。
第三に、低濃度PCB使用製品の届出・管理です。低濃度PCB使用製品の所有者に対し、届出義務や管理基準の遵守を課すとともに、同製品の使用を終了した者等に対しても一定の期間内の処分を義務付けます。

〈循環経済(サーキュラーエコノミー)推進の全体像〉
今回の法改正と並行して、環境部会・環境温暖化対策調査会・経済産業部会の合同会議では、「循環経済(サーキュラーエコノミー)で日本列島を強く豊かに」と題する政策提言を取りまとめました。
この提言の核心は、再生資源供給サプライチェーンの強靱化です。製造業(動脈産業)と資源循環産業(静脈産業)の連携を深め、国内で発生する使用済み製品を確実に回収・再資源化し、高品質な再生材として製造業に安定供給する体制を構築することを目指しています。
提言の柱は大きく3つです。
第1の柱:再生資源供給サプライチェーンの強靱化として、「メタルリサイクル推進戦略」の策定、再資源化拠点の構築・ネットワーク形成への投資促進、動静脈連携による産業競争力強化、循環資源の海外流出抑制、そして再生材の需要拡大を進めます。
第2の柱:日本をハブとする国際資源循環ネットワークの構築として、G7・日米・クアッド・日ASEANなどの同志国との連携枠組みを深化させ、E-waste(廃電子基板・廃蓄電池等)の国際的な資源循環を推進します。
第3の柱:資源循環に係る主体間連携・情報開示の推進、社会的気運の醸成として、「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」等を活用した社会的気運の醸成に取り組みます。


〈2030年までの戦略目標〉
提言では、重要鉱物・金属資源等について、2030年までの具体的な戦略目標を設定しました。

〈まとめ〉
今回の法改正と政策提言は、環境保全と経済安全保障・産業競争力強化を一体的に実現するための、極めて重要な取り組みです。
廃掃法・PCB法の改正により、不適正なスクラップヤードへの規制強化と循環資源の海外流出抑制を実現するとともに、災害廃棄物処理体制の強化とPCB廃棄物の適正処理を推進します。そして循環経済提言に基づく「メタルリサイクル推進戦略」の下、2030年までの具体的な数値目標を掲げ、官民が連携して再生資源供給サプライチェーンの強靱化を進めていきます。
民間に予見性を示しながら官民で投資を大胆に進め、強く豊かな国づくりに向けて、環境部会長として、これからも全力で取り組んでまいります。





