2021.4.8

内閣委員会〜防災情報について〜(2021年3月16日)

〇山田太郎君 次は、防災情報という辺りについて質疑させていただきたいと思います。

まさにあの三・一一東日本大震災から十年ということで、二万二千二百名以上もの死者、行方不明者を出した大震災がありました。我々、十年たって何を学んだんだろう、何を変えたんだろう、何を良くしたんだろう、これは問われるべきだというふうに思っております。まさにこの人命優先のための情報整備というのができていなかったんではないかという問題意識であります。いろんな事例が反省されています。連携が取れなかったとか、ネットすらも集中してつながらなかったとか、どこに何を問い合わせればいいのか分からなかった、様子を見に行って津波にのまれてしまった、まさにこれも情報の問題だと思っております。

一方、三十年以内に七〇%以上の確率で首都直下型あるいは南海トラフ地震が起こるということが言われているわけでありまして、その中で、まさに防災の情報、防災情報というのはその整備が急務だと思います。

今、防災科研さんの方でSIP4Dのような情報インフラの整備をされているというふうに思います。これ、非常に注目されますが、どのような法的根拠に基づいて収集、加工、提供されているのか、まずその辺りから御質問したいと思います。

〇政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。

SIP4Dにおける情報については、特定の法令を根拠に行っているものではなく、SIP4Dの運用主体でございます国立研究開発法人防災科学技術研究所が情報を保有する各機関とそれぞれ個別に調整を行い、協定や契約を締結した上で、収集、加工、提供等を行っていると承知してございます。

〇山田太郎君 いわゆる文科省の下の研究機関が研究としてやっているものだということで、やっぱりこれ現業できちっと、内閣府防災さんにその責務を移すとか、しっかりしたインフラを、もう今更ながらですけど整備する必要があるのではないかと、こういうふうに思っております。

もう一つお伺いしたいんですが、防災情報の例えば定義とか整備に関する法令そのものというのはあるんだろうかと、その辺りもお伺いしたいと思います。

〇政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。

災害情報の収集や伝達に関する規定については、例えば災害対策基本法におきまして、災害応急対策責任者が災害に関する情報について収集や伝達に努めなければならないこと、その際、地理空間情報の活用に努めなければならないこと、災害に関する情報を共有し、相互に連携して災害応急対策の実施に努めなければならない旨定めているところでございます。また、市町村が整備する避難行動要支援者名簿や被災者台帳について、定めるべき情報の内容や情報の収集等、整備のための規定が個別に措置されているところでございます。

しかしながら、委員御指摘のような、一般的な防災情報とか、また、災害情報の具体的な定義やそうした情報全般についての整備に関する事項を定めた法令はないと認識してございます。

〇山田太郎君 最後に、赤澤防災担当副大臣にもお伺いしたいと思いますが、例えばアメリカなんかでは、NICS、ナショナル・インフォメーション・シェアリング・コンソーシアムというところで、共有すべき十六個の基本情報というのが実はちゃんと定義されているんですね。情報によりますと、各知事さん、まあ大統領も含めてそうですが、国防や防災というのはきちっと事前にトレーニングをすると、こういうような仕組みになっているそうであります。

まさにこれも、本当は河野大臣に残っていただいてもよかったんですが、縦割り、内閣府防災さん、気象庁、消防庁、国交省、厚労、文科省、民間で電力、ガス、水道があります。経産省も物資の問題があります。自衛隊も動くこともありますし、自治体が、その首長さんが実は責任者という、まさに縦割りの中で、最後は情報をつないでいくことしか人の命は守れないのではないかと。いつもいつも、いわゆる災害があると、人が集まって、現地に情報を取りに行って、山の中に入ってみたら倒木があったのでこれ以上入れなくてまた引き返してきた、こんなことを毎回毎回繰り返していると。本当に、そういった意味では、我々震災から何を毎回学んでいるんだろう、こういうふうに思っております。

そこで、日本でもアメリカのように防災に関しての情報の基本的要素をしっかり決めて、先ほどのような、SIP4Dのようなものもしっかりいわゆる防災インフラとして位置付ける必要があると思っておりますが、赤副大臣にお伺いしたいと思います。

〇副大臣(赤澤亮正君) 問題意識は山田委員ともう完全に共有をいたします。

山田委員におかれては、自民党のデジタル社会推進本部、デジタル施策調査小委員会の小委員長を務められ、有意義な検討をなされて、もう大きな貢献されております。日頃より災害対応を含むデジタル化に御尽力されており、改めて心から敬意を表したいと思います。

御指摘のとおり、災害対応に資する情報をもう平時から共有しておくということは本当に重要だろうと思っています。これは縦割りがある中で、いざというときに共有できないと本当に人命に関わると。人命救助や事前防災に必要な情報などは、平時からデータ連携のためのルール整備等を進めること、そしてまた、災害時に災害対応に当たる関係者間で迅速に情報共有できるようにしておくことが絶対的に必要であるというふうに考えております。

このため、昨年十二月に内閣府に、防災やITなどの専門家から成るデジタル・防災技術ワーキンググループというものを立ち上げて、人命最優先の理念の下で、事前防災や発災直後のフェーズにおいて実現を目指すべきデジタル防災の在り方や、そのために必要な情報共有の体制などについて、まさに委員御指摘のアメリカのあの十六の基本情報といったようなこともきちっと踏まえて参考にしながら議論を現在進めているところでございます。

特に、人命救助や事前防災に必要な情報については、政府において検討を進めております社会の基盤的なデータベースであるベースレジストリー始め、平時からの情報共有の仕組みに入れ込んでおくことが本当に重要であって、データ流通のためのプラットフォームの在り方も含めて関係者と検討を進めているところでございます。

これらの取組を通じて防災情報共有の円滑化や防災のデジタル化を推進をして、それによって、災害からの人命の保護、国家及び社会機能の維持、国民の財産の被害最小化、迅速な復旧復興、こういったものを実現してまいりたいと考えてございます。

〇山田太郎君 まさに防災について熱い思いを持っている赤澤副大臣のときにこれしっかり整備していただくのがチャンスだと私は思っておりますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。

委員長の御許可があれば、赤澤副大臣はここで退室していただいて結構でございます。ありがとうございます。

〇委員長(森屋宏君) 赤澤副大臣、御退席いただいて結構です。