2025.5.27
「オンラインカジノ・ブロッキング問題院内勉強会」に参加
ブロッキングは、通信の秘密を侵すだけでなく、表現の自由をも制約するものです。公権力が関与すれば、検閲の禁止にも抵触します。
5月26日、コンテンツ文化研究会主催で緊急開催された「オンラインカジノ・ブロッキング問題院内勉強会」に参加し、冒頭の挨拶をさせて頂きました。
私は、現在及び将来の日本国民が、表現の自由・通信の自由を保持し続けられるよう、野党時代から尽力してきました。
2016年3月7日の参院予算委では、事前の侃侃諤諤の議論を経て、横畠法制局長官(当時)から、「電子メールもこの(憲法第二十一条第二項後段の)通信の秘密の保護の対象になると考えられております」という重要な答弁を引き出すことに成功。
電子メールにも憲法の通信の秘密が適用されることを政府が初めて認め、画期的な国会質疑となりました。
憲法が制定された1946年当時は、電子メールをはじめとするデジタル通信は存在しませんでしたが、この国会質疑以降、デジタル通信においても通信の秘密が守られるべきことが徹底されるようになりました。
その後、海賊版対策としてのブロッキング導入が議論となった際は、政府と散々議論を重ねて、財産権を理由として軽々しく通信の秘密を制約するべきではないこと、ブロッキングは通信の秘密を大きく侵害する一方で海賊版対策の効果が小さいことを認めさせ、総合対策メニューの取組から外してきました。
しかし、今回、オンラインカジノ対策としてのブロッキング導入の議論が、新たに急浮上して来ました。
オンラインカジノの利用が違法となるのは、スロットゲームやポーカー等の結果に金銭等を賭けているからです(金銭等を賭けないスロットゲームやポーカーは賭博罪に該当しません)。
オンラインカジノの本質的な問題は、オンラインカジノの運営者と日本国内のユーザーとの間において掛け金のやり取りが行われていることであり、これを可能としているのがクレジットカード会社等です。
クレジットカード会社等が、違法であるオンラインカジノの運営者と日本国内のユーザーとの間における掛け金のやり取りについて、厳格に対処することが何よりも重要です。
まずはクレジットカード会社等に対する規律を整備すべきだと考ます。
違法ではないマンガ・アニメ等についてはクレジットカード決済を禁止する取組みが積極的・徹底的に進められている一方、違法なオンラインカジノについてはクレジットカード決済を禁止する取組みがほとんど行われていないことに関しては、非常に強い憤りを覚えます。
賭博罪の保護法益は勤労意欲という社会的法益であるとされていますが、このようなものを理由として通信の秘密を制約することは正当化できませんし、ブロッキングは通信の秘密を大きく侵害する一方でオンラインカジノ対策としての効果が小さいものですので、何としても阻止しなければなりません。
引き続き全力で対処・対応してまいります。

