2022.5.31

すべてのこども達の遊び場!山形インクルーシブプレイス「コパル」を視察

2022年5月14日、山形県山形市の新たな児童遊戯施設「インクルーシブプレイス コパル」(通称コパル)を視察しました。大きな特徴は、障がいのある子どもも一緒に遊ぶことができたり、車いすの子どもでも気軽に利用できるような施設になっていることです。

当日は、コパルの運営にも携わる合同会社ヴォーチェの代表 佐藤奈々子さんが案内してくださいました。佐藤さんは、山形県内に約140人いる「医療的ケア児※」や重度障がい児が通える、療育施設も運営されるなど、医療的ケア児とその家族のために強い意志をもって尽力されています。
※たんの吸引や経管栄養等の医療的ケアが日常的に必要な子どもたち

ここコパルは、PFI(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ:公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図ること)で設立されています。民間の知恵を活用しているからこそ、官の発想だけでは出てこないきめ細やかなサービスや視点が行き届いていました。特に感動した施設の一部を紹介します。



▲施設内では離乳食も購入できる


▲トイレは障がいがあっても、こども・大人も快適に使える設計になっている


▲雪深い山形の冬でも、こども達が遊べるよう屋内がメインの施設になっています。左の写真の上には、静かなスペースで落ち着きたいこどもが隠れられるような場所も設計されています。椅子は木琴のように遊ぶこともできる。


▲こどもの目線にあった電球のようなもの。なんと触れと柔らかい!!こども目線になると遊び心溢れる仕掛けがたくさんありました。

▲カウンセリングは、スヌーズレンルーム(障がいがあっても楽しめたり、気持ちがリラックスできる「光」「音」「香り」「振動」「温度」「触角の素材」を組み合わせた部屋)で行うことができます。デジタルを駆使した部屋では、運動しながらクイズに答えるゲームも。


▲近くの特別支援学校の生徒の皆さんが作製した椅子。置く方向を変えることで大人用の椅子やテーブルとしても使うことができます。


▲日本初、スウェーデン製の車いすに乗ったまま利用できるブランコ。


▲親子で遊べるブランコや、体幹が不安定なこどもでも遊べるブランコ。地面は柔らかい素材になっており、怪我がないように配慮されていました。

また、施設内には、お子さんと一緒に遊んでくださる地域のボランティアさんも多数いらっしゃいました。このような地域に根差した施設によって、コミュニティの中で繋がりもでき、子育てを社会で支えていくこともできます。性別や年齢、人種や国籍、障がいの有無などを超え、異なる背景や特性を持つ子どもたちがともに遊べる「インクルーシブ」な遊び場に大変感動する視察となりました。このような施設やPFIモデルや全国各地で広がっていくよう、国としても推進していきます。

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